企業イーレックス東証プライム:9517】「電気・ガス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社経営の基本方針

 当社グループは「~持続可能な社会実現のために~ 再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」という2030年ビジョンのもと、経済合理性を追求しながら、再生可能エネルギーを基軸にして、国内及び海外で事業に取り組んでおります。当社グループは、気候変動への取り組みに対応しながら、これまで以上のベンチャー精神をもって本ビジョンのもと、業界や国境の垣根を超えて手を携える「共創」と信頼をベースに、再生可能エネルギーの開発促進、CO2フリー電気の供給拡大等を図り、脱炭素にむけた事業展開を確実に実行していきます。

(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題

 当社グループを取り巻く経営環境は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等により、資源価格、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動等もあり、先行きは依然として不透明な状況にあります。エネルギー分野においても燃料価格、電力市場価格の上昇、下落に加え、カーボンニュートラルの推進、電力の安定供給の確保に係る施策の推進等、事業環境も大きく変化しており、電力の安定供給を低廉かつ持続的に行うことが求められるエネルギー事業を進めるに当り、事業環境の先行きが極めて見通しにくい状況にあります。

 このような状況の中、当社グループは、この転換期を「第二の創業」と位置づけ、新たな局面に対応するための変革と海外事業拡大を推進してまいります。具体的には、より堅牢な事業体質を目指す“強守”と、海外事業を始めとする新たな事業領域への“展開”をテーマに、各事業の課題に積極的に取り組み、持続的な成長に繋げてまいります。

① 電力小売事業の取組み

 当社グループの販売子会社は、販売パートナー、アライアンス先の強固な販売ネットワークや知見等を最大限活用し、需要家に対して多様な新サービス、料金プラン及び付加価値サービスを開発、提供してまいります。また、電力調達コストの上昇、下落等の環境変化を踏まえ、サービスメニューの抜本的改革及び管理コストの最適化を図るとともに、脱炭素を志向する環境意識の高い企業との協業等により、小売事業の変革を推進してまいります。

② 発電事業の取組み

 土佐、佐伯、豊前、大船渡及び中城の各バイオマス発電所の安定稼働に注力してまいります。土佐発電所を除く稼働中4基及び建設中の香川県坂出市のバイオマス発電所の5発電所は、すべて固定価格買取制度(FIT制度)が適用され、安定稼働による収益への着実な貢献を目指します。なお、土佐発電所につきましては2023年2月にFIT制度から売電価格にプレミアムを上乗せするFIP制度に移行いたしました。糸魚川発電所(石炭火力)につきましては、2024年3月期上期において、バイオマス燃料の混焼を実施し、フューエルコンバージョン計画を推進してまいります。さらに、従来から取り組んでおります世界最大級のNon-FIT大型バイオマス発電所につきましては、環境アセスメントにおいて指摘事項が生じたことから、営業運転開始予定時期を2026年度から2029年度へと計画の変更を行いました。この他、2022年に実証事業として運転を開始した水素発電所において、連続性の確認やコスト低減への取組を進めるとともに、事業化に向けた検討も進めてまいります。

 こうした取り組みに加え、国内及びベトナムにおいてフューエルコンバージョン計画を推進し、世界の脱炭素社会実現に向けて貢献してまいります。

③ 燃料事業の取組み

 バイオマス燃料(PKS[Palm Kernel Shell:アブラ椰子の殻]、木質ペレット)につきましては、従来の商社からの調達に加え、当社自らインドネシア、マレーシア両国におけるサプライヤーからの調達を行っており、さらなる調達源の拡充を図ってまいります。PKS市況の高騰に左右されない競争力のある長期契約、サプライチェーン全体の一層の充実と強化を図り、自社発電所向けを主体とした調達量の拡大及び調達源の多様化をも進めてまいります。また、船舶燃料(輸送費)の先物予約を活用し、燃料価格高騰の影響を回避してまいります。さらに、既存の石炭火力発電所におけるバイオマス混焼・専焼向け燃料としての活用を前提に新燃料の開発を推し進めるとともに、持続可能性のあるバイオマス燃料の確保を目的に、サプライチェーンの管理等をカバーする各種認証の取得にも積極的に取り組んでまいります。今後ともバランスの取れた調達ポートフォリオを構築することにより、安定したサプライチェーンの確立を目指しつつ、バイオマス発電のリーディングカンパニーとして、着実に事業拡大を図ってまいります。

④ トレーディング事業の取組み

 当社グループにおける電力小売事業の需要量に合わせて、自社電源、相対契約電源及び卸電力取引市場からの電力調達を組み合わせることにより、安定的かつ競争力のある電源最適化を図ることを基本としております。トレーディング事業をめぐる今後の動向は、極めて不透明な状況にあることから、自社電源と相対契約電源を主体とした電源調達を図るという基本方針を堅持しつつ、卸電力取引市場での売買や、電力デリバティブ取引等を活用し、安定的な電力調達と価格競争力の確保を行ってまいります。様々な価格変動リスクへの対応が要求される中、トレーディング事業の重要性は従来以上に増しており、取引対象となる商品の拡大や、取引手法の多様化を一層進め、この様な動きに対応すべく、トレーディング機能の強化、高度化を図ってまいります。

⑤ 海外事業の取組み

 カンボジアにおける水力発電プロジェクトにつきましては、出資比率を今後拡大し、2025年の営業運転に向け、順調に工事を進めております。ベトナムにおいては、同国初の商用バイオマス発電所となるハウジャン省のバイオマス発電所も、2024年10月の営業運転開始に向けて順調に建設を行っております。同国での燃料事業においては、未利用のバイオマス燃料の確保に加えニューソルガム等のバイオマス燃料開発を継続的に行っており、2024年には燃料加工用にペレット工場を建設することを計画しております。さらに、同国のバイオマス発電事業に関して、バイオマス発電所の新設に加え、既存の石炭火力発電所をバイオマス発電に転換する事業も計画しており、同国の脱炭素化、エネルギー自給率の向上及び農業従事者の所得向上を含む地域経済発展等を企図しております。なお、今後は他のアジア諸国においても、再生可能エネルギー電源の開発等を積極的に推し進め、海外展開を加速してまいります。

⑥ 脱炭素戦略

 当社グループは、脱炭素戦略として、2030年に2,500万tのCO2削減を掲げるとともに、2050年カーボンマイナスの実現に向け、挑戦を加速させます。今後、カーボンプライシングやグローバルな排出権取引等、環境価値のトレードが具体化するネットゼロ社会の実現を見据え、エネルギー事業者から、脱炭素のリーディングカンパニーへと変革を遂げ、環境価値を収益源として成長を加速させてまいります。

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