イメージワン
【東証スタンダード:2667】「卸売業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、1984年の創立以来、社名に表す「イメージ(画像)」に強いこだわりを持ちながら、各々の時代において最先端の製品やサービスを社会に提供してまいりましたが、抜本的な経営改革を目指すミッションとして、「人の健康と地球環境」の分野において、IT 医療と再生可能エネルギー及び環境事業を通じ、お客様の迅速かつ的確な「意思決定」「意志伝達」を支援することで、健康的な長寿社会とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献してまいります。そして我々は、お客様及び国内外のパートナーにとって当社が目的を達成するための「存在価値」は何かを常に問い続けてまいります。
当社は、常にパートナーとともに顧客本位の観点から何が最適かを考え、お客様からの多種多様な要望に対してクオリティの高いサービスを提供し、顧客満足度を最大化すること、そして強固な信頼関係を構築してまいります。
当社は、公明正大な事業運営を基本理念とし、胸を張って正しいと思える仕事を全うします。IT医療の発展及び持続可能な社会の実現のため、DX(デジタルトランスフォーメーション)等によるIT医療の推進及び地球環境事業の推進を通じて、超高齢化社会における医療業務の効率化とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献してまいります。そして我々は、真心を込めて相手に接し、迅速かつ的確なコミュニケーションを通じて、組織全体でリスクを未然に防ぎ、すべての出来事を「必要」「必然」「最高」と捉え、一喜一憂せずに前向きな行動を起こしてまいります。
当社は、株主様をはじめ全てのステークホルダーの皆様のご期待に応えられる企業を目指し、信頼と企業価値の向上に努めてまいります。
(2)経営環境
当社は、健康的な長寿社会とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献することを「経営の基本方針」としてあげており、「ヘルスケアソリューション事業」「地球環境ソリューション事業」の2つの事業を主たる業務として推進しております。それぞれの事業における経営環境は、以下のとおりであります。
ヘルスケアソリューション事業
政府・総務省が推進する医療ICT政策にて「ネットワーク化による情報の共有・活用」「医療等データの利活用」が挙げられております。また、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを踏まえた非常時に備えたサイバーセキュリティ対策の整備医療機関の対象範囲が広がり、医療情報システムのオフライン体制の確保、「医療情報システムの安全管理に関するガイドラインに基づく業務継続計画(BCP)」に対対応可能な電子カルテ及び医療情報管理システムの重要性も高まっております。一方、新型コロナウイルス感染症の改善と感染対策の緩和に伴い、抗原検査キットやPCR検出試薬等の従来商材の受注活動は縮小傾向が更に進んでいくことが予想されます。
地球環境ソリューション事業
GEOソリューション分野では、当社が販売するPix4D社製の三次元画像処理ソフトウェア及びクラウド方式の三次元画像処理サービス、スマートフォンやタブレット端末を用いた計測ツールの受注が堅調に推移し、一定の利益も確保できている状況にあります。また、測量・建築業界のみならず、土地家屋調査、文化財発掘調査といった新たな市場の開拓が進んでいます。
エネルギー分野では、2021年11月時点で、154カ国・1地域が、2050年等の期限を区切ったカーボンニュートラルの実現を表明しており、日本国内でも2050年までに温暖化ガスの排出量を全体として実質ゼロにする政府目標が示されております。こうした環境下において、当社が手掛けるエネルギー分野への重要性は増しております。
原子力産業関連分野においては、国際原子力機関(以下、「IAEA」)からの提言を受けて、日本政府は福島第一原子力発電所で貯蔵されているALPS処理水の海洋放出を2023年夏に開始しましたが、廃炉作業は事故から30~40年の長期にわたる見通しとされております。そのため、当社が提供する原子力関連の最先端技術を擁する製品群のニーズも引き続き高まってくるものと思われます。
(3)目標とする経営指標
当社におきましては、売上高と営業利益の継続的な拡大及びROEの向上を目標としております。
(4)中長期的な経営戦略
当社を取り巻く環境が刻々と変化していく状況の中、上記ミッションを達成するために、以下の5つを経営改革の柱として推進してまいります。
① 長期にわたる業績低迷に決別し「攻めの経営」を敢行する
変化し続ける医療分野及び地球環境分野に常にアンテナを張り巡らせ、業績低迷した状況を打破し将来を考えた経営戦略を策定し構築してまいります。
② 新規事業の創出による収益基盤の早期確立を目指す
新たな関連事業を発掘、創出することで、事業領域拡大に向けた取組みを強化してまいります。
③ M&A・業務提携により外部リソースを積極的に取り込む
関連事業のM&Aを積極的に活用して、企業経営の拡大を模索してまいります。
④ 既存事業の再構築及び新たな付加価値の創出を図る
時代の変化にアンテナを張り巡らせ、当社の形骸化されつつあるサービスの定期的な見直し、それに替わる新たなサービスの創出、付加価値向上に向けた取り組みを常に取り組んでまいります。
⑤ 結果にこだわる経営姿勢で定量目標を達成する
新たな取組みに対しては、短期的な経営目標数値を策定し、常に結果にこだわった経営指標を検討してまいります。長期的な計画となる取組みに対しては、効率性を重視した経営姿勢を基準とした経営指標を検討してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
安定的な収益力の向上
① 新規事業の安定的な収益基盤の構築
ヘルスケアソリューション事業において、競合他社との価格競争による売上総利益の減少を課題としております。これまでの主軸である電子カルテ、周辺システム等を医療機関の幅広い部門に導入し、導入後も保守サービス等による安定的な収益を確保していくビジネスモデルは、競合激化により既に変革期にあることを踏まえ、これからの事業拡大に向けた取り組みとして、医療機関のニーズが高いシステム領域に絞り、採算重視の効率的な営業活動により販路拡大していくことを目指してまいります。そのひとつとして、医療経営管理システム「ONE Viewer」と支払代行サービス「ONE Payment」の販売を新規事業として開始いたしました。「ONE Viewer」は、経営データを一元化し、レセプト請求ファイルや財務情報の収集・分析を行い、結果の可視化を可能とする医療機関経営者の迅速かつ的確な意思決定を支援する国内初の医療経営のための「セキュアクラウドシステム」です。このシステムにより医療機関への導入が見込まれ、当社の安定収益の確保に寄与するものと考えております。また、「ONE Payment」は、医療機関を顧客とする卸売企業に対しては売掛債権の早期回収と未回収リスクのゼロ化が図れ、医療機関に対しては資金の確保を提供する支払代行サービスとなり、医療機関がこのサービスを利用することにより医療機関を顧客とする卸売企業と医療機関の双方にとって経営の安定化が期待されるとともに当社の収益力向上にも寄与する事業であります。これらの新規事業を早期に収益基盤とするべく営業活動に取り組んでおります。
また、地球環境ソリューション事業では、当社と販売代理店契約を締結しているマッハコーポレーション株式会社製の耐放射線カメラをIAEAに対して販売しておりますが、IAEAから耐久テストの合格が得られれば、販売台数を大幅に増大させることが期待されるため売上拡大に向けて取り組んでおります。一方で当社と独占販売代理店契約を締結している一般社団法人新生福島先端技術振興機構のトリチウム連続計測器の実証化に向けて、放射線管理や環境保護のニーズに応え持続可能な社会の実現に取り組んでおります。
② 既存事業の収益力の向上
当社の地球環境ソリューション事業のGEOソリューション分野において、既存取引先と親和性の高い新たな商材として、株式会社マップフォーが開発した、低コストで高精度な地図作成を行うことが可能な3次元データ計測システム「SEAMS」の販売を開始し、売上拡大を図り営業利益の拡大に取り組んでおります。
③ 不採算事業の選別、事業性の判断
当社の既存事業のうち、将来の事業進捗等を鑑みて、手元資金も考慮した検証と見直しを行っており、現在の経営資源の選択と集中を図るため、収益を生み出すまでの事業に至っていないと判断されるものについては、撤退や事業売却も視野に入れて検討を進めてまいります。
健全な財務基盤の構築
① 積極的な資金調達
当社において保有している在庫商品の販売により一定の資金確保を見込んでいるものの、更なる事業の発展を実施すべくエクイティファイナンスによる資金調達及びデッドファイナンスにおいても視野に入れて、幅広い資金調達の検討、協議を進めて参ります。
② 販売費及び一般管理費の見直しによる経費削減
当社では顧問契約、業務委託契約及びその他の各種契約や経費の見直しを行い、翌事業年度における販売費及び一般管理費について一定規模の経費削減を予定しております。これらの実現により固定費の削減が進み、利益率の改善による営業利益の確保しやすい体制にしてまいります。
③ 管理体制の確固たる強化
当社は、当社の元代表取締役と元取締役氏の2名が在任中に、当社子会社における新規事業参入にあたって第三者に不正に金品を供与したと疑われる行為があったこと及びこれに関連する不正な行為を行った疑いがあることから、事実関係の正確な把握のために外部専門家から構成される第三者委員会を設置し、調査を実施しました。その調査期間中に当社取引先から通知された内容を踏まえ委嘱業務を追加し、更なる調査を進めました。その追加調査の結果、当社の元代表取締役が在任中に不適切な金銭授受および利益相反取引規制を潜脱するような行為や、売上の計上に関する不適切な会計処理等の事実が判明し2024年1月31日に過年度の有価証券報告書を訂正しております。そのような背景から当社は、コンプライアンスを含めた上場企業としての社会的な責任を果たすため管理体制の大幅な見直し、強化を推進しております。2024年10月に株式会社東京証券取引所へ改善状況報告書を提出しており、今後も管理体制の強化を推進してまいります。
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