アップガレージグループ 【東証スタンダード:7134】「小売業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「Good Mobility, Happy Life」をブランドスローガンに掲げ、「Mobility Parts取引のリーディングカンパニーとして、取引の利便性を高め、国内外での場や機会を増やすことで、市場を拡大する」をビジョンとしております。
さらにビジョンを実践していく上で、「パーツの買取や販売、取付、また、それらを企業向けにサポートするサービスによって、モビリティライフの充実を推進する」をミッションに、「カスタムによる高揚感や楽しさ、充実した時間と空間を提供することで、リユースでのパーツの売買をライフスタイルとして定着させる」をバリューに定めております。
そして、日々自動車・バイク関連事業での様々な革新と市場環境の変化への機動的な対応を行うことにより、企業理念を具体化して実践し、持続的な成長を実現してまいります。
(2) 中期経営計画
当社グループは、「UP GARAGEのある生活」が人々の「あたりまえ」となり、世界中で「UP GARAGE」のロゴマークが見られるような世の中になることを実現することで、『循環型社会(サーキュラーエコノミー)におけるMobility Partsの中核的サービスプロバイダー』となることを中長期的に目指す姿として定めております。
その実現に向けた成長の礎づくりとして、2029年3月期までの中期経営計画を以下のように策定しております。
① 3つの行動方針
a.マーケットの拡大
店舗出店については、国内の年間出店計画を15店舗(拠点)から2027年3月期以降は20店舗(拠点)に加速してまいります。海外については、アメリカ合衆国内で年間1店舗の新規出店を計画しておりますが、アメリカ合衆国内での買取販売の循環サイクルを早期に確立することで出店ペースの加速を目指してまいります。サイクルズについては、年間5店舗の新規出店を計画しております。
取扱商品については、カー用品・バイク用品だけでなく自転車、ベビーカーや車椅子などMobility Parts全般に拡大すると共に、レンタルや取付、整備等の付加価値や収益性の高いラストワンマイルサービスの事業化をM&Aも活用しながら目指してまいります。
b.循環モデルの拡張・効率化
中古カー用品市場において、マーケットリーダーの地位を確立したアップガレージの買取→商品化→データベース化→販売の循環モデルは当社グループの最大の強みであり、他社との差別化要因となっております。この循環モデルをシステム・DXの強化により、データ基盤の整備、店舗・本部のDX化、システム連携・構築に取り組むことで中古カー用品の循環モデルから『新品~中古Mobility Partsに関わる独自の循環モデル』への進化・拡大を目指してまいります。
c.人的資本強化
人的資本については、組織風土の改革、人材の採用・育成・定着、次世代経営層の強化、デジタル人材の育成に注力することで働きがいと働きやすさの両立による人的資本の確保と充実を目指してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループは、企業価値の向上と株主利益の増大を図るため、事業の収益性と設備投資を効果的に実施しながら成長性を高めるため、売上高、営業利益、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)及び投下資本利益率(ROIC)の向上を目指してまいります。
| 2029年3月期 |
売上高 | 207.4億円 |
営業利益 | 22.8億円 |
営業利益率 | 11.0% |
ROE | 20.0% |
ROIC | 17.0% |
(3) 経営環境
当社グループの主要事業である中古カー&バイク用品販売のリユース業態が属する国内のリユース市場は、スマートフォンの普及、インターネットの高速化、フリマアプリ等の台頭に伴うCtoC(個人間売買)取引の活性化による市場拡大が続いております。
特に近年では、物価上昇による生活防衛意識の高まり等により新品よりも割安なリユースへの需要は年々拡大を続けており、今後も成長が続くものと考えております。
〔リユース市場規模の推移〕
| 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
市場規模(億円) | 21,880 | 23,585 | 24,169 | 26,988 | 28,976 |
前年比 | 9.8% | 7.8% | 2.5% | 11.7% | 7.4% |
(注) ㈱リフォーム産業新聞社発行のリサイクル通信「リユース市場データブック2023」を使用しております。
〔リユースカー用品市場規模の推移〕
| 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
市場規模(億円) | 578 | 587 | 603 | 638 | 654 |
前年比 | 4.7% | 1.6% | 2.7% | 5.8% | 2.5% |
(注) ㈱リフォーム産業新聞社発行のリサイクル通信「リユース市場データブック2023」を使用しております。
また、当社グループが属する国内の自動車関連市場は、大別して新車販売市場と自動車アフターマーケット市場に区分され、更に自動車アフターマーケット市場は、中古車小売、自動車賃貸、補修部品・カー用品、自動車整備等の分野に分解されます。
市場の牽引役となる新車販売台数(一般社団法人日本自動車販売協会連合会 公表データより)については、コロナ禍の半導体不足等の影響もあり、2019年度の273.3万台から2021年度の228.6万台と減少しておりますが、2023年度は前年比108.8%増加の254.6万台で推移しております。
自動車アフターマーケットのうち、2021年度の補修部品・カー用品市場(㈱矢野経済研究所発行の「自動車アフターマーケット総覧2022年版」より)は、前年比0.3%増加の28,775億円となり僅かな増加となりました。その中で当社グループの買取対象となる新品カー用品の市場規模は前年比7.3%増加の6,582億円となりました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 商品買取について
当社グループは、事業の持続的な成長を実現するため、リユース業態の根幹であるカー&バイク用品の買取を強化していくことが最も重要な課題であると認識しております。
当社グループの買取方法は、「店頭買取」、宅配便を利用した「宅配買取」、直接訪問して買取を行う「出張買取」という3つの買取方法があります。また、それらの強みとしてカスタムパーツの査定も積極的に行うという特徴を活かし、カスタムカーを中心とした車両買取を開始いたしました。今後も買取のチャネルの多様化を進めてまいります。
更に、買取査定のデータベース化、買取査定書類や手続きのIT化を進めることで、お客様の利便性の向上と業務効率化を進めてまいります。
② 店舗展開について
当社グループは、事業の持続的な成長と安定した収益を確保するため、直営店舗及びフランチャイズ店舗による継続的な新規出店を行うことが重要と認識しております。
その中において、フランチャイズ出店を希望されるエリアを優先的に出店してきましたが、どうしても人口の多い都市部エリアへの出店希望の偏りが起こりやすくなっております。
そのため、メインブランドである「アップガレージ」を出店すべきエリアと、既にブランド認知が進んだエリアにおいては、「アップガレージ ライダース」等の専門店を集中出店するエリアとで区分し、効果的な店舗展開を行ってまいります。
③ グローバル展開について
当社グループは、今後の持続的な成長を実現するためには、グローバル展開の推進が重要でありますが、そのためには、現地ビジネス習慣の習得、リユース業態の現地法規制対応等といった様々な課題を克服する人的リソースの確保が重要であると認識しております。
今後、海外ビジネスに精通した人材の確保と現地責任者スタッフの育成を行い、市場状況調査や経営管理強化を図り、速やかな海外展開が可能となる事業基盤の強化を進めてまいります。
④ システム開発投資について
当社グループは、リユース業態における基幹システム(売上・在庫管理・買取査定システム)やモール型ECサイト「upgarage.com(アップガレージドットコム)」、スマートフォンアプリ、流通卸売業態における受発注プラットフォーム「ネクスリンク」等を自社開発することで、事業オペレーションに合わせたカスタマイズ、新たな試みのシステム反映等を有機的に行っております。
今後、事業の持続的な成長を実現するためには、益々システム開発に対する重要性が高まってくると認識しており、継続的な投資によるシステムのリプレース、新たな機能の拡張、EC及び受発注プラットフォームを普及させるための取り組み、店舗オペレーション改善関連で開発したシステムの外部販売、システム開発人材の育成を重点課題として取り組んでまいります。
⑤ 人材確保と育成について
当社グループは、お客様一人ひとりに付加価値を提供していくため、カー&バイク用品の多種多様な商品知識の他、自ら考え、行動していく柔軟な接客が求められてきます。そのため、教育体制や研修内容の整備、福利厚生の充実等によって人材の定着と能力の底上げを行うとともに、積極的な採用活動を通じて、人材の確保に努めてまいります。
⑥ 自動車関連企業の人手不足解決を目指す人材紹介事業の展開について
自動車関連業界全般における人材不足や企業の求人費負担増加は、当社グループに限らず大きな課題であると認識しております。そのため、中小零細企業が多い自動車業界のニーズに応えるため、当社グループにおいて自動車業界に専門特化した人材紹介サービス「BoonBoonJob(ブーンブーンジョブ)」を立ち上げ、業務に精通したスタッフが、求人希望者のスキルなど細かくヒアリングを実施することで、適合度の高いと思われる企業へ紹介し、人材紹介手数料を得ております。
今後、人材紹介サービスについても事業の拡大発展を考えており、人員拡充や求人募集サイトシステムの改修等を行い、事業基盤の強化を進めてまいります。
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