アクシアル リテイリング 【東証プライム:8255】「小売業」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。
なお、将来に関する事項につきましては、不確実性を有しており、将来生じる結果と異なる可能性がありますので、記載しております事項に対する判断は、以下記載事項及び本項目以外の記載内容も合わせて慎重に行われる必要があります。
(1) ガバナンス(サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、及び管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続)
当社グループは、中長期的な持続可能性を実現し、企業価値向上を図っていくため目指している方向性として、お客様の毎日の生活に”豊かさ”、”楽しさ”、”便利さ”をご提供していくことを目指しております。
これらを実現していくためには、まず一定の「規模」、スケールが必要になります。一方で、規模をメリット、力に変えるには「機能」、仕組みが欠かせません。また、仕組みを作り、維持していくのは「人材」ですが、当社ではTQM活動、いわゆるカイゼン活動を40年以上にわたって取り組んでおり、このTQM活動が基盤となっております。
当社グループは、規模と機能と人材、この3つでチェーンストアとしてのマスメリットを生み出し、社会への貢献と企業の持続可能性を実現していきたいと考えております。
また、気候変動問題は、グループ全体で取り組むべき重要課題の一つと考え、取締役会による監督と環境委員会を中心とするガバナンス体制を構築しております。
取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に関する責任と権限を有しており、各種会議体、委員会等で審議、協議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての審議、監督を行っております。
気候変動問題に関するガバナンス体制の関係図を示すと、次のとおりであります。
(2) 戦略(短期、中期及び長期にわたり連結会社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するための取組)
当社グループでは、経営理念を達成するために、すぐには到達できずとも会社の羅針盤とすべきものを記載したVISION(長期経営計画)を策定しています。
VISIONにおける基本政策は、品質経営、環境経営、健康経営、技術革新への対応、人づくりの5項目であります。
基本政策とサステナビリティに関する事項の関係は以下のとおりであります。
① 気候変動対応に関する戦略
(気候変動対応に関する方針)
地域社会のインフラであるスーパーマーケットは、地域のお客様に商品やサービスをご提供しつづけることが使命の一つであります。その責任を果たすべく、環境経営の政策に基づき、気候変動によるリスク、機会を分析し、持続的な経営に活かしてまいります。
(気候変動対応に関する戦略)
・ 気候変動に関わる指標・目標の設定
当社グループは「アクシアル ポリシー」の経営原則に、「持続可能な社会の実現への貢献」を掲げ、二酸化炭素排出量、ワンウェイプラスチック対策、食品廃棄物の発生抑制などを具体的なテーマとしております。
温室効果ガス排出量については、国の削減目標に基づき削減を進めており、ISO14001の認証取得をしている株式会社原信と株式会社ナルスにおいては、具体的な数値目標を掲げ、達成状況についてモニタリングしています。今後、目標を確実に達成するためには、2030年、2050年の環境変化を想定したうえで、対応策を考える必要があります。そのため、シナリオ分析の手法を用い、影響の大きいリスクを特定し、事業が持続可能であるための対応策を検討しております。
・ シナリオ分析の前提条件
当社グループは、スーパーマーケット事業を主要事業としており、当社グループの事業全体の売上高及び営業利益に対し、同事業の売上高及び営業利益は、いずれも9割超を占めています。シナリオ分析をするにあたり、このような理由から、スーパーマーケット事業を検証の対象事業としております。
また「2℃上昇のシナリオ」「4℃上昇のシナリオ」の2つのシナリオについて、2030年時点の影響を分析、分析では国際エネルギー機関(IEA)の「WEO:World Energy Outlook(世界エネルギー展望)」で示されているシナリオや「IPPC:Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)」の報告書等を参考にいたしました。
② 人材の多様性を含む人的資本に関する戦略
(人材の育成に関する方針)
健康経営の政策に基づき、スーパーマーケットにおけるチェーンストア経営システムの基幹業務に必要な人材を育成いたします。そのために、チェーンストア理論に基づいた教育・訓練プログラムを編成し、チェーンストア経営の分業を担い、数値責任を果たすスペシャリストの人材を確保します。
(人材の育成に関する戦略)
1 人材開発
① 実務経験を広く積む配置転換(教育配転:ジョブ・ローテーション)
② 長期ビジョンと経営戦略に基づく職能資格等級制度と評価制度
2 教育
① 全従業員へのTQM手法教育
② 中堅・幹部へのマネジメント教育
③ チェーンストアの原理・原則における体系的な知識教育
3 訓練
① 「あゆみノート」に基づく技能習得
② 訓練センターを活用した商品づくり
(注)1 「TQM:トータル・クオリティ・マネジメント、総合的品質管理」 お客様満足のため、継続的に仕事やサービスや商品の質をレベルアップしていく経営品質向上のための活動
2 「あゆみノート」 従業員それぞれが教育訓練、技術習得の成長を記録するノート
(社内環境整備に関する方針)
従業員一人ひとりが働くことにやりがいを感じ、明るく、闊達、イキイキとした職場環境を維持します。そのための働きやすい諸制度の導入と推進をいたします。
(社内環境整備に関する戦略)
1 有給休暇取得率の向上
会議の合理化、弾力的な勤務時間、技能習得と作業のマルチ化推進
2 一人当たり時間外労働時間
業務のデジタル化、有給休暇の促進
3 離職率の低減
健康管理、福利厚生の充実、育児・介護・病気と仕事の両立
(3) リスク管理(サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、及び管理するための過程)
当社グループの全社的なリスク管理は、リスクマネジメント委員会で行っており、その検討を経て、重要なものについては経営会議での審議を行い、取締役会へ報告が行われます。
① 気候変動対応
・ リスク項目の特定と評価、対応策
気候変動によるリスク・機会として「異常気象の発生割合・深刻度の増加」「平均気温の上昇」「海面上昇」「カーボンプライシングの導入及び価格の上昇」「電力小売価格の変動」「低炭素な新しい生産技術の開発」「消費者嗜好の変化」を抽出し、抽出された項目が財務に与えるインパクトを定性的に評価しております。今後は定量的なインパクト評価を行い、影響の大きさを明確にしていく予定であります。
リスク | 区分 | 変化の要因 | リスク 機会 | 事業インパクト | 財務インパクト | 検討している 対応策 | |
2℃上昇 シナリオ | 4℃上昇 シナリオ | ||||||
物理的 | 急性 | 異常気象の発生割合・深刻度の増加 | リスク | 保有する財産・資産への被害の発生 | 小~中 | 大 | 災害時の施設維持 |
気象災害によるインフラの損壊等や調達先の被災による商品の調達にリスクを及ぼす | |||||||
慢性 | 平均気温の上昇 | 飼料・畜産物生産量・漁獲量が変動し、価格に影響を及ぼす可能性がある | 産地・取引先の | ||||
海面上昇 | 沿岸施設の施設・設備が被害を受け、物流網の問題が発生 | 災害時の施設維持対策、複数の調達ルートの確保 | |||||
カーボンプライシングの導入及び価格の上昇 | CO2排出量に応じた炭素税の負担発生 | 小 | 大 | 再生可能エネル | |||
移行 | 政策 | 電力小売価格の | リスク | 電力料金の支払い増加 | 小 | 大 | 省エネ設備の導入 |
低炭素な新しい | 自然冷媒を用いた設備機器など、新技術の設備投資の増加 | ||||||
機会 | 省エネ設備の導入拡大等によるエネルギー使用量削減・再生エネルギー導入 | ||||||
消費者嗜好の変化 | 低炭素製品・サービスに対する需要変化への対応 | 小~中 | 大 | サステナブルな商品開発の推進 |
(4) 指標及び目標(サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する連結会社の実績を長期的に評価し、管理し、及び監視するために用いられる情報)
① 気候変動対応に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
温室効果ガス排出量の内訳(集計対象期間 2022年4月1日~2023年3月31日)
総排出量 1,438,853t(二酸化炭素量換算) | ||
内訳 | ||
スコープ | 分類 | 構成比 (%) |
1 | 直接排出 | 0.56 |
2 | エネルギー起源の間接排出 | 5.50 |
3 | その他の間接排出 合計 | 93.94 |
(カテゴリー1) 購入した製品・サービス | 80.21 | |
(カテゴリー2) 資本材 | 1.01 | |
(カテゴリー3) スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動 | ― | |
(カテゴリー4) 輸送、配送(上流) | 0.10 | |
(カテゴリー5) 事業から出る廃棄物 | 0.12 | |
(カテゴリー6) 出張 | 0.01 | |
(カテゴリー7) 雇用者の通勤 | 0.20 | |
(カテゴリー8) リース資産(上流) | ― | |
(カテゴリー9) 輸送、配送(下流) | 11.93 | |
(カテゴリー10) 販売した製品の加工 | ― | |
(カテゴリー11) 販売した製品の使用 | ― | |
(カテゴリー12) 販売した製品の廃棄 | 0.35 | |
(カテゴリー13) リース(下流) | ― | |
(カテゴリー14) フランチャイズ | ― | |
(カテゴリー15) 投資 | ― |
(注)1 集計対象企業
当社グループの全ての会社で実績の集計が行われておりませんので、以下主要グループ会社を集計の対象としております。
アクシアル リテイリング株式会社、株式会社原信、株式会社ナルス、株式会社フレッセイ、
原信ナルスオペレーションサービス株式会社、アクシアル レーベル株式会社、株式会社ローリー
2 スコープ3のうちカテゴリー3、8、10、11、13、14、15については、算出していないため記載しておりません。
3 構成比の数値は、表示単位未満を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも一致しない場合があります。
4 目標値は、集計対象企業の一部で設定しておりますが、集計対象全体としては設定していないため、記載しておりません。
5 集計における参考資料
・ 「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定方法基本ガイドラインに関する業種別解説(小売業)Ver1.0」日本チェーンストア協会、日本百貨店協会、社団法人日本フランチャイズチェーン協会
・ 「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位について(Ver.3.2)」環境省
・ 「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.2)」環境省
② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
指標 | 目標 | 実績 |
管理職に占める女性労働者の割合 | 10.0% | 8.8% |
男性労働者の育児休暇取得率 | 50.0% | 47.7% |
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 52.0% | 50.2% |
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.0% | 80.4% |
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 100.0% | 102.2% |
1人当たり月間時間外労働時間(正規雇用労働者) | 20.0時間 | 21.3時間 |
離職率(正規雇用労働者:定年退職を含まない) | 5.0% | 5.2% |
(注)1 集計対象企業
「第一部 企業情報 第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ③ 連結会社」の記載対象となった以下主要な会社を集計の対象しております。
株式会社原信、株式会社ナルス、株式会社フレッセイ、株式会社ローリー
2 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率並びに労働者の男女の賃金の差異の算定方法、基準日並びに基準期間は、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ③ 連結会社」と同一であります。
3 一人当たり月間時間外労働時間並びに離職率は、対象とする会社を一体とみなした分子合計総数並びに分母合計総数を用いて算定しており、算定における基準期間は、2022年4月1日から2023年3月31日であります。
4 目標とする期限は、いずれも2025年3月であります。
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