企業兼大株主アイカ工業東証プライム:4206】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 本項目文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1.サステナビリティに関する方針および取り組み

 当社は、社是・経営理念・経営方針・サステナビリティ方針・行動規範を構成要素としたアイカポリシーを体系化しており、その実現に向けた事業活動を行っています。「サステナビリティ方針」は以下のように定めています。

ⅰ.事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、より良い社会づくりに貢献します。

ⅱ.行動規範の基本原則を、法令遵守、人権尊重、社会との調和、公平・公正な取引、お客様の安心と信頼、適正な情報開示、会社情報及び財産の保護、環境及び安全、と定め、グループ従業員共通の価値観として行動します。

ⅲ.顧客、従業員、株主、サプライヤー及び取引先、地域社会及び行政など、ステークホルダーとの対話を重視し、社会の要請と変化に迅速に対応します。

ⅳ.ステークホルダーと会社経営の双方の視点で重要課題を特定し、事業活動と一体で課題解決に取り組むとともにその進捗状況を開示します。

(1)ガバナンス体制

 サステナビリティ活動の推進母体として、社長執行役員が委員長を務める部門横断型の「サステナビリティ推進委員会」を設置し、マテリアリティに対して設定した目標の達成に向けて活動しています。この活動は、定期的に取締役会に上程され、監督・議論されています。これらの取り組みを通じて、地球・社会の持続可能性を高めるとともに、持続的に発展する企業体の実現を目指しています。

 また、サステナビリティ推進委員会の内部に「気候変動問題対応部会」を設置し、気候変動対応に向けた活動の活性化を図り、その活動内容を経営会議に定期的に報告しています。人的資本経営の基盤構築に関連するプロジェクトとして、「ダイバーシティ推進プロジェクト」および「働き方改革推進プロジェクト」を設置しており、これらプロジェクトからも定期的に経営会議に活動内容を報告しています。

・当社のサステナビリティ推進体制 (2023年6月現在)

(2)リスク管理

 サステナビリティに関するリスクは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 ・リスク管理体制の整備の状況」において説明している全社的なリスク管理体制に組み込んで管理しています。「事業等のリスク」の各項目に対して担当部門を定め、それぞれの対応状況の確認を定期的に行っています。

(3)戦略

 当社が取り組むべき重要課題をリスクと機会の両面から影響度の大きさを評価した上でマテリアリティとして特定し、中期経営計画へ組み込み、事業活動とサステナビリティ活動の一体化を図っています。

2023年4月に始動した新中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」においては、マテリティの中でも特に重点課題を「気候変動対応」と「人的資本経営の基盤構築」としているため、以下第2項および第3項で戦略および指標と目標の詳細を記載します。(中期経営計画の全体像については当社ウェブサイトをご覧ください。https://www.aica.co.jp/company/philosophy/vision/)

2.気候変動対応の取り組み

(1)戦略

2020年度から2022年度にかけて、リスクと機会の特定、これらに対するシナリオ分析を用いた重要度評価・財務インパクト評価を行い、下表の通り整理し、中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」にも対応策を組み込みました。

<シナリオ分析の実施概要および結果>

・シナリオ分析の対象範囲

a.移行リスクおよび機会:国内建設市場

b.物理的リスク:アイカグループ国内生産拠点

・想定したシナリオの概要

・定量的評価結果および対応策

(2)指標と目標

 当社は、2023年4月に始動した中期経営計画において、2050年度にカーボンニュートラル達成を目指すことを宣言するとともに、総量削減目標に切り替えたうえで、2030年度までに30%、2026年度までに14%(いずれも2022年度比)の中期削減目標を掲げました。また、スコープ3に関しては、海外を含めたグループ全体の算定を進めており、今中計期間中にスコープ3排出量削減目標を設定するとともに削減策立案することをマテリアリティの目標として掲げました。(中期経営計画の詳細については当社ウェブサイトをご覧ください。https://www.aica.co.jp/company/philosophy/vision/)

3.人的資本経営の基盤構築に向けた取り組み

(1)戦略

<人的資本経営に関する基本方針>

 当社では持続的成長を支える根幹は人的資本にあると認識し、当社ならではのビジネス課題へ対応できる人材の育成・採用に取り組みます。エンゲージメントの高い多様な人材で構成されたイノベーションを生み出す組織基盤を構築します。

 人的資本に4年累計40億円以上※1を投資し、事業成長を牽引する人材を育成し、イノベーションを生み出す組織・多様な人材を獲得、生産性を向上させる労働環境を構築します。

※1:アイカ工業単体

・人材育成方針

「人材を最も重要な経営資源として捉え、相互理解と成長を通じ、活力あふれる人材・組織を形成する」ことを目指します。

 自己能力の啓発と未来志向を強く意識し社是である「挑戦と創造」に努め邁進する人材を育てます。

・社内環境整備方針

 多様な人材が互いを認め合い、誰もが活躍できる環境を構築することにより、会社と従業員が共に成長することを目指します。

 従業員は財産であると同時に、重要なステークホルダーであるとの認識のもと、相互理解を深めることを目的とした活動に注力するとともに従業員一人ひとりが存分に力を発揮できる機会の提供と環境整備に努めます。

<重点方策>

 人的資本の価値を最大化することを目的に、持続的成長を達成する為のビジネス課題に沿って人材育成・環境整備を行います。

・課題認識

・3つの重点施策

a.人材育成

「グローバル人材育成」「リーダー人材育成」「プロフェッショナル人材育成」の3つのテーマに基づき人材を育成します。

b.ダイバーシティ&インクルージョン

 多様な人材が集まり、個を尊重し認め合い、互いの良いところを活かせる組織を目指します。

c.エンゲージメント

 人材の定着、会社と従業員のコミュニケーションを促進し、安心していきいきと働くことができる職場環境を形成します。

(2)主要な指標と目標

 以下の目標を2023年4月に始動した新中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」に組み込みました。

※1: アイカ工業単体  ※2: アイカグループ全体 ※3:労働生産性=付加価値÷従業員数

(3)独自の取り組み事例

<グローバル人材育成>

 アイカグループにおいて、ビジネスのグローバル化が急速に進む中、海外事業を担える人材が質・量ともに不足していることを課題と認識しております。

 海外基盤の強化、またグローバル展開をますます加速化させるため、グローバル人材の育成を強化してまいります。

2021年より当社では「English Challenge Program」として複数の部門より横断的に選抜されたメンバーや、将来を担う若手管理職を対象に、英語集中プログラムを実施し、社員のグローバルスキル向上を行っております。

 またコロナ禍で一時中断しておりました海外トレーニー制度についても、今期はトレーニー派遣を再開し、海外活躍人材を育成いたします。

<ダイバーシティ&インクルージョン>

2013年6月に発足した「女性活躍推進プロジェクト」は、2018年度より「ダイバーシティ推進プロジェクト」に名称を変更し、多様な人材が活躍できる環境の整備を進めております。

 活動の結果として、2016年以降「くるみん認定」「名古屋市女性の活躍推進企業認定」などの認定を取得いたしました。

 女性の育休取得率は100%で推移していますが、男性の育休取得率が低かったことから、育休取得促進のための育児休業サポート金など、当社独自の制度も導入いたしました。結果として、2021年度は13.9%であった男性育休取得率も2022年度は53.1%と大きく向上いたしました。その他、育休復帰前面談による社員のスムーズな育休復帰サポート、保育園の育児費用補助など、制度を充実させております。

<従業員エンゲージメントサーベイの実施>

2022年度に連結対象のアイカグループ全社で初めてとなる従業員エンゲージメントサーベイを実施いたしました。グループ全体では行動規範の浸透や目標の明確化に関する項目のスコアが高かったことから、今後も引き続き会社方針の共有など、従業員と会社のコミュニケーションを促進いたします。

 グループ内でそれぞれスコアの高かった項目の背景にある取り組み事例を共有する機会を設け、相互成長につなげる活動を行っております。

 また、国内グループ会社では教育や自己研鑽の充実に関する項目に課題があると認識し、2023年度より教育研修費を大幅に増額し、人材育成を充実させてまいります。

 今後も2年に一度のサーベイ実施を計画しており、更なる従業員のエンゲージメント向上を目指します。

2022年度より健康経営に関する活動を強化し、2023年3月に「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」と認定されました。今後もワークライフバランスやメンタルヘルスの推進により、従業員のエンゲージメントや定着率の向上に努めます。

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