やまびこ 【東証プライム:6250】「機械」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「人と自然と未来をつなぐ」を企業活動の本質と定め、世界中の自然環境と、共に歩む全ての人々の美しい未来の実現に向け、小型屋外作業機械、農業用管理機械並びに一般産業用機械の3事業の発展に取り組み、企業価値の最大化を目指し、高い倫理観のもとに企業活動を通じて社会に貢献したいと考えております。
(2) 経営環境
①企業構造と市場の状況
当社グループは、生産や販売等の機能別の各事業会社で構成され、各事業会社は当社グループが展開する3事業である小型屋外作業機械、農業用管理機械並びに一般産業用機械に関連しています。
主力事業である小型屋外作業機械は、動力源の小型エンジンを鋳造、加工から組立、検査までの工程を一貫して行うことにより、高効率かつ需要に応じた柔軟な生産体制を実現しています。各事業会社の事業内容については、「第一部(企業情報) 第1(企業の概況) 3(事業の内容)」に記載しております。
なお、当社グループを取り巻く市場状況としては、国内の農業市場において、農業従事者の更なる減少と高齢化により、小型屋外作業機械と農業用管理機械の市場規模の縮小が懸念されます。一方で、林業市場は地球温暖化の抑制という社会的要求の高まりにより森林整備に関する市場拡大が予想されます。海外の小型屋外作業機械は、持続的成長を続ける北米の緑地管理市場の旺盛な消費・サービス需要に支えられ、米欧を中心に安定的な成長が期待されます。また、一般産業用機械は、北米市場のインフラ案件の活況に伴い、発電機の需要増加が継続する見通しです。
②競合他社との競争優位性
当社グループが展開する3事業には、それぞれに競合他社が存在します。その中でも主力事業である小型屋外作業機械事業においては、製品の主要構成部品である小型エンジンを自社開発しており、素材の配合研究から自社で行うことで、軽量化・高出力化を実現するとともに、世界各国で厳しさを増す排出ガス規制にも適合してきました。また、電動製品においても、エンジン製品の開発を通じて培った技術力やノウハウを活かし、高出力かつ制御技術に優れた製品を開発しており、高い環境性能と作業性を両立させ、市場ニーズを満たす製品を提供できる点が当社の強みとなっております。更には、グローバルに販売ネットワークを展開しており、製品の販売だけでなく代理店などを対象としてサービススクールを実施するなど、お客様へのアフターサービスが充実している点も当社ブランドが市場での信頼を獲得し、競争力の向上に寄与しております。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当社グループでは、2023年を初年度とする「中期経営計画2025」に取り組んでおり、国際社会の脱炭素への移行が大きな事業環境の変化である一方で、更なる成長に向けた機会と捉えています。これまで培ってきた環境技術により社会のGX(グリーン・トランスフォーメーション)に貢献するとともに、市場が抱える社会課題の解決策を提案し続けることで持続的な成長を実現してまいります。
「中期経営計画2025」基本方針
・持続的な成長を遂げるための「変革期」と位置付け、前中計から着手した「変革」の取り組みを更に加速させ「スピード実行」で推進します。
・既存事業領域における着実な成長と収益性の改善を実現するとともに、未来につながる事業を創出し新たな柱となる事業領域の確立に取り組みます。
・ESG経営の実践、やまびこDX戦略の実行により中長期的な企業価値の向上に努めます。
事業戦略
当社グループは、企業理念と経営目標の実現に向けて以下の事業戦略に基づく諸施策に取り組みます。
①既存事業領域の事業規模拡大
既存事業領域において、当社の強みである環境対応技術を活かしプロユーザー市場向けに注力した事業活動を継続するとともに、他社とのアライアンスを積極的に推進し、市場が抱える課題の解決に寄与する製品・サービスを提供してまいります。
<海外OPE事業>(海外 小型屋外作業機械)
・着実な成長が期待できる欧米市場と成長著しいアジア市場におけるプロユーザー市場に向けて高い作業効率と耐久性を有し、環境規制に適合したエンジン製品やバッテリー製品のラインナップの拡充を進めます。
・欧米市場の一般ユーザー市場においては、エンジン製品からバッテリー製品への移行が進行しているため、市場ニーズに合ったバッテリー製品のラインナップ拡充を加速させ一般ユーザー市場での販売を拡大します。
<農林事業>(国内 小型屋外作業機械・国内 農業用管理機械・海外 農業用管理機械)
・農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」に賛同し、国内農業市場における高い安全性と省人・省力化、環境技術を備えた製品の開発スピードの向上を図ります。
・チェンソーの国内トップシェアメーカーとして、森林整備の社会的要求の高まりに呼応した製品を迅速に市場導入するため他社との協業を積極的に推進することに加え、伐木事業体など異業種との業務提携も視野に入れ日本の林業再興に向けた取り組みに着手します。
<産機事業>(国内 一般産業用機械・海外 一般産業用機械)
・環境負荷低減と作業効率の向上を目指し、電動化・ハイブリッド化、並びに再生可能エネルギーを取り入れた環境配慮型システムの開発を進めます。
・現場管理や関連サービスの作業効率向上に貢献する遠隔監視のシステム開発を推進します。
・北米市場では広域レンタル会社向けにサービス力を強化するとともに、大型ディーゼル発電機の現地生産を2025年に開始する予定です。
②収益性の改善
「稼ぐ力」を高めて、持続的な成長を確かにします。
<海外OPE事業><農林事業>
・2023年に中国子会社の解散に着手し2024年に清算結了を見込んでいます。引き続きコストダウンを進めるとともに、生産拠点の戦略的再配置を行うなど生産効率の改善に取り組みます。
・DXを活用し米国市場における販売商流の変革に着手し収益性の向上に取り組みます。
<産機事業>
・生産拠点の戦略的配置により生産能力を増強し需要拡大に対応します。
③新規事業創造への取り組み
社会のGXを成長の機会と捉え、発電・蓄電システム、CNエネルギー、DX & IoT、ロボットといった新規開発テーマに取り組んでおります。更に、異業種を含むパートナー企業との共同開発案件も新たな収益の柱とするべく開発を行っています。
④ESG経営の実践
事業戦略に加えて、ESG経営を実践し中長期的な企業価値向上に邁進します。事業活動を通じて環境問題や作業現場での就労人口不足などの社会課題の解決に貢献するとともに、ガバナンス体制の深化と情報発信の充実に継続して取り組みます。
詳細は当社ホームページ内「サステナビリティ」をご覧ください。
URL:https://www.yamabiko-corp.co.jp/sustainability/
<E:環境対応>
・グループ気候変動対応方針を定め、気候変動対応を経営の最重要課題として取り組みます。
・環境情報の開示に加え、GHG排出量の削減目標を定め、削減策を着実に実行します。
・当社はTCFD提言に基づいた開示を行うなど、環境情報開示に取り組むほか、ESG評価機関から提供される評価を踏まえ、更なる改善に努めてまいります。
<S:社会>
経営戦略、組織戦略に基づく人材戦略を立案・実践し、従業員一人一人の能力を最大限に引き出すとともに組織の活性化に繋げ中長期的な企業価値向上を図ってまいります。また、新規事業創出への取り組みに対応するため、社内研修や大学等と連携したリスキリング教育を実施しています。さらに、女性をはじめとする多様な人材の活用に加え、人材育成、社内環境整備など人的資本投資を継続します。
<G:コーポレート・ガバナンス>
企業価値を持続的に向上させるべくコーポレートガバナンス・コードに沿った強固なガバナンス体制を運用し深化させてまいります。
詳細は当社ホームページ内「ガバナンスへの取組み」をご覧ください。
URL:https://www.yamabiko-corp.co.jp/sustainability/activities/governance/
⑤やまびこのDX戦略
事業活動全体を通してデジタル技術を活用することで「革新的な生産性の向上」 「既存ビジネスモデルの変革」 「新規ビジネスの創出」を創出します。また、中長期的な企業価値の向上を目指すべく、DX戦略で掲げた具体的施策を着実に実行します。
詳細は当社ホームページ内「DX戦略」をご覧ください。
URL:https://www.yamabiko-corp.co.jp/dx-strategy/
中期経営計画2025の詳細につきましては、当社ホームぺージに掲載しておりますのでそちらをご覧ください。
URL:https://www.yamabiko-corp.co.jp/ir/management/plan/
(4) 目標とする経営指標
中期経営計画2025期間中は、更なる成長に向けて積極的な人材投資や先行開発投資を行うとともに、営業利益率、ROEを経営上の重要指標に設定し、経営効率の向上を推進します。最終年度となる2025年12月期には売上高1,700億円、営業利益率7%を見込んでおり、ROEについては10%以上を数値目標として掲げております。
- 検索
- 業種別業績ランキング