企業兼大株主かんぽ生命保険東証プライム:7181】「保険業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。

(1) 日本郵政グループ内の契約

 当社は、親会社である日本郵政株式会社を含む、日本郵政グループ内各社と契約を締結しており、また、これらの契約に基づく取引が発生しております。なお、当社には保険業法が適用されることから、日本郵政グループ内各社との取引にあたっては、アームズ・レングス・ルール(保険会社は、親会社及びその子会社等の一定の関係者との間で、通常と著しく異なる条件での取引等を行ってはならないこととされており、この定めを「アームズ・レングス・ルール」といいます。)に基づき、日本郵政グループ内取引の必要性、取引条件の適正性等の観点からのチェックを実施しております。

① 日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び株式会社ゆうちょ銀行との契約
a.日本郵政グループ協定(2015年3月締結)

 日本郵政グループ共通の理念及び方針その他のグループ運営に係る基本的事項について定め、円滑な日本郵政グループの運営の実施に資することを目的とした協定であり、グループ商標等に係る商標権の取得・管理等を含む、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び当社の責務が定められております。

 本協定の存続期間は、2015年4月1日から、株式会社ゆうちょ銀行又は当社のいずれかが、それぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口業務契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約を解除する日までとされております。また、株式会社ゆうちょ銀行又は当社が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合には、本協定について必要な見直しを行うものとされております。

② 日本郵政株式会社との契約
a.日本郵政グループ運営に関する契約(2015年3月締結)

 日本郵政グループを統轄する日本郵政株式会社が行うグループ運営に関する基本的事項(当社から日本郵政株式会社に対して事前協議又は報告を行うこと等)について定めた契約であり、上記①a.日本郵政グループ協定に基づき締結されたものであります。本契約に基づいて締結したグループ運営のルールに関する覚書における主な事前協議事項は下記のとおりでありますが、当該事前協議は当社の意思決定を妨げる又は拘束するものではない旨が本契約で定められております。

(主な事前協議事項)

・ 株主総会の決議事項

・ 代表執行役及び役付執行役の選定又は解職

・ 執行役の選任又は解任

・ 経営理念及び経営方針等の策定又は変更

・ 中期経営計画の策定又は変更

・ 年度事業計画(資金調達及び運用計画を含む。)の策定又は変更

・ 子会社の新設

・ 重要な株式の取得及び処分(運用目的の場合を除く。)の決定

・ 重要な業務提携等の決定

・ 重要な資産(不動産、株式、運用目的の債権等の資産を除く。)の取得、処分の決定

・ 重要な投資又は融資の決定

・ 資本戦略の決定

なお、「3 事業等のリスク Ⅰ 最も重要なリスク (1) 事業戦略・経営計画に関するリスク」に記載の募集品質問題の発生を受け、グループ会社間の連携及びガバナンス態勢の強化等を図る観点から、上記覚書において、営業(業務)に関する目標・指標の制定又は改廃、年度営業(業務)方針・計画の策定又は改廃に関する報告事項(事前報告)を規定するとともに、内部監査、コンプライアンス、オペレーショナルリスクの各領域において、当社と日本郵政株式会社との間で協議・調整を行う会議体を設置すること等を明文化しております。

 本契約の存続期間は、2015年4月1日から、株式会社ゆうちょ銀行又は当社のいずれかが、それぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口業務契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約を解除する日までとされております。また、株式会社ゆうちょ銀行又は当社が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合には、本契約について必要な見直しを行うものとされております。

 また、本契約に基づき、当社は日本郵政株式会社に対して、「かんぽ」等を含むグループ商標の使用許諾の対価等として、ブランド価値使用料を支払うものとされております。ブランド価値使用料の算定方法は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り、変更しないものとしており、日本郵政株式会社の当社株式の保有割合に直接影響されるものではありません。なお、2024年3月期の当社から日本郵政株式会社に支払ったブランド価値使用料は、20億円であります。

③ 日本郵便株式会社との契約
a.保険窓口業務契約(2012年10月締結)

2012年の郵政民営化法の改正に伴い、日本郵便株式会社に保険のユニバーサルサービス義務が課されました。本契約は、日本郵便株式会社が果たすべきユニバーサルサービス義務のうち、「簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により、あまねく全国において公平に利用できるようにする」との責務を果たすため締結した契約であります。本契約においては、日本郵便株式会社にユニバーサルサービス義務が課される終身保険及び養老保険について、保険募集、満期保険金及び生存保険金の支払請求の受理について、日本郵便株式会社が保険窓口業務を提供することが定められております。

 本契約は、期間の定めのない契約であり、本契約に定める特段の事情がない限り、日本郵便株式会社又は当社から一方的に解除することはできないものとされております。また、当社の定款上、本契約を日本郵便株式会社との間で締結することが定められております(本契約に関し、当社グループに生じうるリスクについては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。)。

 なお、当社は日本郵便株式会社に対して各種の委託手数料を支払っていますが、ユニバーサルサービス義務が課された業務に対し、同義務が課されていることによる追加的な手数料は支払っておりません。当該手数料の詳細については、下記の「(参考) 日本郵便株式会社に支払う委託手数料」に記載のとおりであります。

b.生命保険募集・契約維持管理業務委託契約(2007年9月締結)

 上記a.の保険窓口業務契約で定めたユニバーサルサービス義務が課された業務を含め、当社を保険者とする生命保険契約の募集及び維持・管理等に関する業務、具体的には保険契約の締結の媒介、保険料等の受領、保険金等の支払等に関する業務を、日本郵便株式会社に委託する契約であります。

 なお、本契約に基づき募集を委託する保険商品は当社の全商品としておりますが、当社は通知により、委託する商品を追加、変更又は削除することが可能であります。本書提出日現在においては、当社はかかる通知を行っておりません。

 本契約において当社は、日本郵便株式会社が行う業務の対価として、当社が別途定める代理店手数料規程に基づき手数料を支払う旨が定められております。本契約は期限の定めのない契約であり、6カ月前の書面による通知により解除について協議を申し入れた上で、解除することが可能であります。また、本契約に定める特段の事由が存在する場合、当社は事前協議及び書面による通知なしに本契約を解除することが可能であります。なお、保険窓口業務に該当する業務については、保険窓口業務契約に定めがある場合を除くほか、生命保険募集・契約維持管理業務委託契約の定めるところによるものとしております。

c.簡易生命保険管理業務再委託契約(2007年9月締結)

 当社が郵政管理・支援機構から受託した簡易生命保険管理業務の一部(簡易生命保険契約に係る保険料等の受領、保険金等の支払等)について、日本郵便株式会社に再委託する契約であります。本契約において当社は、日本郵便株式会社が行う業務の対価として、当社が別途定める代理店手数料規程に基づき手数料を支払う旨が定められております。本契約は期限の定めのない契約であり、日本郵便株式会社又は当社のいずれか一方から、6カ月前までに、事業運営上の合理的な理由により本契約を解約する旨の意思表示が書面によりなされた場合には、解約することが可能であります。また、郵政管理・支援機構と当社との間の簡易生命保険管理業務委託契約が解除された場合等、本契約に定める特段の事由が存在する場合、当社は予告なしに本契約を解除することが可能であります。

d.総括代理店委託契約(2007年9月締結)

 当社を保険者とする生命保険契約の募集を行う簡易郵便局に対する指導・教育等について、日本郵便株式会社に委託する契約であります。本契約において当社は、日本郵便株式会社が行う業務の対価として、当社が別に定める総括代理店手数料規程に基づき総括代理店手数料を支払う旨が定められております。

 本契約の有効期間は契約締結日から1年間(1年ごとの自動更新条項付)とされており、日本郵便株式会社又は当社のいずれか一方から、6カ月前までに、事業運営上の合理的な理由により本契約を解約する旨の書面での意思表示がなされた場合には、解約することが可能であります。また、生命保険募集・契約維持管理業務委託契約が解除された場合には、当社は文書による予告なしに本契約を解除することが可能であります。

(参考) 日本郵便株式会社に支払う委託手数料

当社は、上記「③ 日本郵便株式会社との契約」に基づき、代理店手数料規程等を定め、委託手数料を支払っております。代理店手数料規程等は、原則として当社が決定し、日本郵便株式会社に通知いたします。実際の決定過程においては、事前に当社と日本郵便株式会社との間で事務的な調整を実施し、各社における経営会議協議・代表執行役決裁等を通じて、合意形成の機会を担保しております。以下に記載したインセンティブの仕組みなどは、各年度における当社の事業戦略と整合させながら、内容や手数料率を設定しており、日本郵便株式会社との調整を踏まえて、毎年度改定を行っているものであります。

おって、日本郵便株式会社との本取引は、保険業法のアームズ・レングス・ルールを遵守するほか、金融庁の「保険会社向けの総合的な監督指針」に定められている特定の保険代理店等に対する過度の便宜供与の防止の観点を踏まえて実施しております。

 

(募集手数料)

・募集手数料

日本郵便株式会社が募集した新契約に対して、各契約の保険金額及び保険料額に、保険種類ごとに設定した手数料率を乗じて計算した募集手数料を支払っております。生命保険会社がお客さまから受領する保険料には、会社の事業運営を行うための予定事業費が含まれ、これには新契約を獲得するための予定新契約費が含まれております。本手数料は、予定新契約費を財源として、原則複数年で分割して支払うように設定しており、最初の1年間の支払金額を高く、残りの期間を均等に低く支払うこととしております。

なお、2021年3月期から、契約の継続をより重視するため、最初の1年間の支払金額と残りの期間に支払う金額の比率を変更し、最初の1年間の支払金額を減額し、残りの期間の支払金額を増額しております。

当社では、新たに契約を獲得した際の、本手数料を含む実際の費用を管理しており、これらの費用が予定新契約費内に収まっていることをもって、本手数料の支払額が適切な水準にあると考えております。

 

・インセンティブ手数料

当社の事業戦略と整合させながら、日本郵便株式会社において募集品質の確保を前提に一定基準以上の販売実績を確保した場合、ボーナス手数料を追加するなど適切なインセンティブの仕組みを併せて実施する場合があります。2025年3月期においては、2024年3月期に引き続き、募集品質の向上に対するインセンティブの仕組みを実施しております。

 

(維持・集金手数料)

保険料の収納や保険金の支払事務などの委託業務ごとに、単価を設定し、これに保有契約件数や新契約件数を乗じて支払額を算定する維持・集金手数料を支払っております。上記の予定事業費には、契約を維持管理するための予定維持費、保険料を収納するための予定集金費が含まれております。本手数料は、予定維持費及び予定集金費を財源として支払っております。

 

・新契約件数比例手数料

当社は、日本郵便株式会社に新契約のお申込みに関する事務を委託しております。

本手数料の単価は、実地調査に基づく所要時間や、これに係る人件費等を基に算出しており、単価に新契約件数を乗じて手数料額を算定しております。

 

・保有契約件数比例手数料

当社は、日本郵便株式会社に契約後の保全手続きや各種支払手続きなどのアフターサービスを委託しており、保険金や貸付金の請求やお支払、契約内容の変更、契約者等の異動(変更や改姓)、保険料の収納及び住所の変更などを郵便局にお申し出いただくことで手続きができます。

本手数料の単価は、保有契約件数に対する各業務の発生率や実地調査に基づく所要時間、これに係る人件費等を基に算出しており、単価に保有契約件数を乗じて手数料額を算定しております。

 

・郵便局数比例手数料

本手数料は、業務量にかかわらず、当社と日本郵便株式会社が受委託関係にあることから発生する業務に対する手数料であり、郵便局における教育や指導、必要書類の管理及び日々の会計業務などを対象としております。

本手数料の単価は、業務ごとの回数や実地調査に基づく所要時間、人件費等を基に算出しており、単価に郵便局数を乗じて手数料額を算定しております。

 

・インセンティブ手数料

当社の戦略において保険契約の維持管理のための活動等を促進する目的で、その活動を代理店である日本郵便株式会社が実施する場合に、その活動内容に応じた手数料を支払っており、2025年3月期においては、2024年3月期に引き続き、保有契約の維持に対するインセンティブを実施するとともに、保険契約の満期を迎えられるお客さまに適切なアフターフォローを実施し、必要な保障を継続してご提供することに対するインセンティブ及びお客さまの利便性向上につながる当社マイページの利用推進に対するインセンティブを実施しております。

 

なお、「3 事業等のリスク (4) 日本郵便株式会社との関係に関するリスク ① ユニバーサルサービスの提供に関するリスク」に記載のとおり、2020年3月期から、郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用は、日本郵便株式会社が負担すべき額を除き当社及び株式会社ゆうちょ銀行からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われることとなったため、委託手数料についても見直しを行いました。具体的には、維持・集金手数料のうち、郵便局数等に応じて支払われる手数料を対象に減額するなどの見直しを行っております。

 

(総括代理店手数料)

本手数料は簡易郵便局数に単価を乗じた手数料と、簡易郵便局の新契約の実績に応じた手数料から構成されております。

 

(過年度の支払実績)

上記手数料の支払実績は、以下のとおりであります。

(単位:億円)

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

募集手数料

1,009

422

307

344

271

 

募集手数料

1,006

516

420

345

282

 

インセンティブ手数料

2

△93

△113

△0

△11

維持・集金手数料

1,478

1,558

1,478

1,003

966

 

基本手数料

1,161

1,362

1,316

912

909

 

 

新契約件数比例

11

3

4

6

15

 

 

保有契約件数比例

716

874

806

498

520

 

 

郵便局数比例

433

484

484

399

370

 

 

その他

21

8

2

 

インセンティブ手数料

317

195

161

90

56

総括代理店手数料

0

0

0

0

0

委託手数料合計

2,487

1,981

1,786

1,348

1,237

 

 

 

 

 

 

(参考)交付金・拠出金

575

560

540

501

564

 

 

④ 株式会社ゆうちょ銀行及び日本郵便株式会社との契約
a.窓口端末機等及び紙幣硬貨入出金機4型使用等許諾契約(2017年6月締結)

 株式会社ゆうちょ銀行が所有し、郵便局の窓口に設置している窓口端末機等を、当社並びに当社の業務を委託している日本郵便株式会社、当社の連結子会社であるかんぽシステムソリューションズ株式会社が当社業務の実施を目的として使用することについて、株式会社ゆうちょ銀行が当社に許諾すること等を定めた契約であります。本契約において当社は、株式会社ゆうちょ銀行に対して、株式会社ゆうちょ銀行が毎年度通知する機器使用料を支払うものとされております。本契約の有効期間は契約締結日から1年間(1年ごとの自動更新条項付)とされております。

 なお、本契約は、株式会社ゆうちょ銀行が所有し、郵便局の窓口に設置している紙幣硬貨入出金機を、日本郵便株式会社が郵便及び物販窓口業務の実施を目的として使用することについて、株式会社ゆうちょ銀行が日本郵便株式会社に許諾することについても定めた契約となっているため、3社での契約となっております。

(2) 郵政管理・支援機構との契約

① 簡易生命保険管理業務委託契約(2007年9月締結)

 郵政管理・支援機構が公社から承継した簡易生命保険管理業務のうち、簡易生命保険契約の維持・管理、保険料の収納、保険金の支払い、資産運用等の業務を当社が郵政管理・支援機構から受託する契約であります。本契約において郵政管理・支援機構は、下記②の再保険契約が有効である間については、委託業務に関する手数料は支払わないものとされております。本契約は期限の定めのない契約であり、再保険契約の終了に伴い終了する旨が定められております。また、当社が破産の申立てを行った場合等、本契約に定める特段の事由が発生した場合には、郵政管理・支援機構は、予告なく本契約を解除することが可能であります。なお、本契約の変更・解除は、郵政管理・支援機構が総務大臣の認可を受けなければ効力を生じないとされております。

② 旧簡易生命保険契約に基づく保険責任に係る再保険契約(2007年9月締結)

 郵政管理・支援機構が公社から承継した簡易生命保険契約について、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてを当社が受再する契約であります。郵政管理・支援機構は、簡易生命保険契約の保険料のすべてを再保険料として当社に払い込むこととされております。また、本契約において当社は、毎事業年度末において、再保険損益の8割と公社解散時において確定している簡易生命保険契約の契約者配当の分配のために必要な額の合計額を、再保険配当として契約者配当準備金に繰り入れることとしております。再保険配当の計算方法の変更の必要性については、毎事業年度、郵政管理・支援機構と当社間で協議することとされておりますが、本契約締結以降、当該計算方法が変更されたことはなく、本書提出日時点において変更の予定もありません。

 本契約は期限の定めのない契約であり、郵政管理・支援機構は、6カ月前の書面による通知により解除について協議を申し入れた上で、解除することが可能であります。また、本契約に定める特段の事由が存在する場合、郵政管理・支援機構は直ちに本契約を解除することが可能であります。なお、本契約の変更・解除は、郵政管理・支援機構が総務大臣の認可を受けなければ効力を生じないとされております。

③ 借入金に関する契約(2007年9月締結)

 郵政管理・支援機構が公社から承継した簡易生命保険契約の契約者に対する貸付金及び地方公共団体等に対する貸付金の総額に相当する額について、公社が相手方と約定した貸付条件と同一の条件で、当社が郵政管理・支援機構に対し貸付けをする契約であります。

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