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星2つ 企業兼大株主オリンパス  企業概要

 当社グループは、経営理念である「私たちの存在意義」を「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」とし、持続的発展の実現を目指して、研究開発活動を行っています。

 当社グループが強みを持つ消化器科、泌尿器科および呼吸器科の領域に投資・リソースを集中させ、収益性の高い持続的な成長の実現や、患者さんのアウトカムの改善を目指しています。

 経営戦略において、当社の発展に不可欠なイノベーションのための最も重要な価値創造の柱として研究開発を位置づけており、アンメットニーズに対応したイノベーション手法の導入、将来のイノベーションを実現するための適切な投資、戦略パートナーシップの積極的な推進、製品の市場投入の迅速化を目指しています。

・顧客主導のイノベーション:アンメットニーズに対応しつつ、医療費の削減を図るために、医療従事者との共同開発体制を深化させ、臨床主導でのイノベーションに注力します。

・戦略パートナーシップ:ジョイントベンチャーやアーリーステージ投資、M&A、共創による戦略パートナーシップを積極的に推進します。

・効率的で優れた研究開発組織:グローバルな経営資源を最大限に活用し、能力と適応力を強化することで、プロジェクトのより効率的かつ確実な実行を目指します。

・適切な投資:長期的成長の実現に向け、適切な将来への投資を行っていきます。

 当連結会計年度の非継続事業を除いた継続事業の研究開発支出は、前期比12.4%増の864億円であり、売上高に対する比率は前期から0.5ポイント増加し9.2%となりました。

 売上高に対する研究開発支出の比率は、メドテック業界における同業他社の平均値も反映し、2026年3月期において約8.5%を研究開発活動に投資することを目指しています。当社グループが世界をリードするメドテックカンパニーとして飛躍していくためには、競争力のある革新的な製品を迅速に市場に提供していくことが重要であり、事業維持のための研究開発活動から、中期的なイノベーション・技術開発へ、そして、次世代製品のための臨床的アンメットニーズに主眼を置いた戦略遂行を支援します。また、さらなる革新的技術や画期的技術の探索への投資も推進します。

○ 内視鏡事業

 内視鏡ビデオスコープシステムや外科手術用内視鏡システムなど、病気の早期発見と患者様の負担の少ない低侵襲治療に貢献する医療機器の研究開発を主に行っています。

 当期の主な成果としては、当社最上位機種の内視鏡システム「EVIS X1」の米国発売や中国発売に向けた開発および上部消化管汎用ビデオスコープ「GIF-1100」、大腸ビデオスコープ「CF-HQ1100DL/I」の米国発売に向けた開発を行いました。また、次世代内視鏡システム開発におけるソニー株式会社との協業を強化し、超音波内視鏡システム開発におけるキヤノンメディカルシステムズ株式会社との協業を推進しながら、各種製品の開発を進めています。

 当事業領域に係わる研究開発支出は、前期比17.5%増の520億円です。

○ 治療機器事業

 消化器科内視鏡処置具、呼吸器科および泌尿器科治療機器など、患者様の負担の少ない低侵襲治療に貢献する医療機器の研究開発を主に行っています。

 当期の主な成果としては、消化器内視鏡用処置具「FlexLifter」、「SutuArt」の欧州発売や、外科手術用デバイス「THUNDERBEAT」との組み合わせが可能になったエネルギージェネレーター「ESG-410」の米国発売、それに接続する腹腔鏡手術用血管封止デバイス「POWRERSEAL Straight Jaw」などを開発しました。また、シングルユース軟性尿管鏡「RenaFlex」の米国ローンチに続き、その他の領域におけるシングルユース内視鏡の開発を進めています。

 当事業領域に係わる研究開発支出は、前期比13.9%増の259億円です。

〇 その他事業及び全社共通

 内視鏡事業および治療機器事業のさらなる発展を目指し、様々な分野における研究開発を行っています。

 当期の主な成果としては、早期診断・観察機能向上を実現する光学技術やAIを含む画像処理技術、低侵襲治療を 実現するためのデバイス技術やロボティクスを含む精密制御技術の開発、および内視鏡や治療器をはじめとした医療分野新製品の高機能化、低コストを実現するシミュレーション技術開発や材料技術開発、高精度レンズ量産化の加工技術開発や、自動化ラインに繋がる設備開発などの生産技術に関する取り組みなどです。

 当事業領域に係わる研究開発支出は、前期比14.3%減の85億円です。

星3つ 企業兼大株主ニコン  企業概要

当社グループでは、全社の技術戦略を統括する役員を選任し、中長期計画と連動した技術戦略を立案して、研究開発の全体最適化を図るとともに、各事業部門の開発担当部門が次世代プロジェクト本部、光学本部、先進技術開発本部、生産本部と連携しながら研究開発を推進しています。これまで培った「光利用技術」と「精密技術」の2つの中核技術に加え、他社との共同研究開発等を通じて新たな技術を取り入れることで、成長戦略の実現を目指していきます。当連結会計年度の研究開発投資は76,519百万円でした。なお、当社グループは開発投資の一部について資産化を行っており、研究開発投資には無形資産に計上された開発費を含んでいます。

 当連結会計年度における主な開発状況は次のとおりです。

① 映像事業

レンズ交換式デジタルカメラでは、「ニコン Z マウント」を採用したフルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラ「ニコン Z f」を開発しました。「Z f」は、ニコンの歴史的なカメラにインスパイアされたヘリテージデザインと最新性能を両立したミラーレスカメラです。フラッグシップモデルの「ニコン Z 9」と同じ画像処理エンジン「EXPEED 7」を採用し、本格的な静止画・動画の撮影が可能です。洗練されたデザインと優れた操作感に加え、高いAF性能や手ブレ補正性能をはじめとした最先端技術を搭載することで、自分の表現を追求するクリエイターのニーズに応えるミラーレスカメラです。

交換レンズでは、「ニコン Z マウント」を採用したフルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラ対応のレンズ、APS-Cサイズ/DXフォーマットミラーレスカメラ対応のレンズをあわせて6機種を開発しました。「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」は、Zマウントの大口径、ショートフランジバックの特性を最大限に活用することで、開放F値1.8から円形度の高いボケを実現しています。光学系にSRレンズ1枚とEDレンズ4枚を採用することで、色付きを最小限に抑えて自然で滑らかな描写が得られます。また、ニコン独自のメソアモルファスコートとアルネオコートを採用することでゴースト、フレアを効果的に抑制。画角内に太陽などの強い光源が入るシーンでもクリアーな画像が得られます。これらにより、これまでにない光に満ち溢れた新しい映像体験を提供しています。

当事業に係る研究開発投資の金額は21,004百万円です。

② 精機事業

FPD露光装置分野では、お客様の将来のニーズに応える露光装置やサービスの提供を実現するために、さらなる生産性向上、高精度・高精細化のための様々な技術開発、アプリケーション開発を継続すると共に、次世代パネルに対応する技術開発などを進めました。

 半導体露光装置分野では、多点アライメントによる計測と高次補正によって、半導体デバイス構造の三次元化に必要な高い重ね合わせ精度と高生産性を実現するArF液浸スキャナー「NSR-S636E」及びミドルクリティカルレイヤー向け「NSR-S622D」の後継機種として生産性を大幅に向上させた「NSR-S625E」を開発し、販売を開始しました。また、パワー半導体、通信用半導体、MEMSなど様々なデバイスに対応し、ニコンの既存のi線露光装置との互換性が高い縮小投影倍率5倍 i線ステッパー「NSR-2205iL1」を開発し、販売を開始しました。

 当事業に係る研究開発投資の金額は20,710百万円です。

③ ヘルスケア事業

バイオサイエンス分野では、医療用のデジタルイメージングマイクロスコープ「ECLIPSE Ui」及びデジタル倒立顕微鏡のスマートイメージングシステム「ECLIPSE Ji」を開発しました。

「ECLIPSE Ui」は、接眼レンズをなくしてディスプレイで観察画面を共有することにより、病理医の身体的負担の軽減に貢献し、病理診断のワークフローを改善します。さらに、遠隔地にいる医師と観察画像をリアルタイムで閲覧する機能により、複数の医師による意見交換をサポートします。

「ECLIPSE Ji」は、観察のために必要な画像取得や解析など、従来ヒトが行う必要があった操作をAIにより自動化します。顕微鏡でありながら接眼レンズをなくしたデザインが特長で、画像統合ソフトウエア「NIS-Elements SE」と合わせて使用することで、画像の取得から解析、データ表示までを定型化した、細胞を用いた研究開発や実験が可能になります。がんや神経疾患、感染症などの病気のメカニズム解明や創薬の研究開発を加速させます。

 当事業に係る研究開発投資の金額は7,880百万円です。

④ コンポーネント事業

 デジタルソリューションズ事業においては、世界で初めて全固体電池を搭載した多回転バッテリレスアブソリュートエンコーダ「MAR-M700MFA」を開発し、発売を開始しました。全固体電池の搭載により、ニコンの従来のバッテリレスアブソリュートエンコーダよりも保証温度が向上し、メンテナンスフリー化を実現しました。新たに予知保全機能や角度精度の自己補正機能を搭載し、産業用ロボット等の利用環境拡大、稼働安定性向上、モーション制御の高精度化に貢献します。

カスタムプロダクツ事業においては、ビジネスが多様化する中、様々なニーズに対応するために、多分野に渡る技術開発を実施しています。「固体レーザー分野」では、新型の193nm固体レーザーシステムを開発中です。従来の193nm固体レーザーシステムに対して「可搬型」・「小型」・「高出力」の特徴を有する光源となります。「特注分野」では、各種食品関連の異物検査装置向け技術開発として、紫外照明による蛍光撮影の実用性検証、画像演算などの画像処理技術を用いた異物検出率向上を図った画像認識の検討を実施しました。 

 コンポーネント事業に係る研究開発投資の金額は3,795百万円です。

* 2023年11月20日現在、発売済みの多回転バッテリレスアブソリュートエンコーダにおいて。当社調べ。

⑤ デジタルマニュファクチャリング事業

産業機器事業においては、幅広い業界の研究及び生産での非破壊検査が可能なX線/CT検査装置のVOXLS 30シリーズを開発し、発売を開始しました。このシリーズは、自動ロボットやインダストリー4.0との統合機能を活用でき、研究室や生産現場における非破壊検査・測定の自動化を可能とし、自動車、航空宇宙、金属、医療機器などの製造業の技術革新と品質基準の維持を支援します。

 アドバンストマニュファクチャリング事業においては、アディティブマニュファクチャリング装置については航空宇宙産業を中心に、各分野で強いニーズが継続的に拡大しています。特に大型化への要求が近年顕著です。PBF(Powder Bed Fusion)タイプの金属アディティブマニュファクチャリング装置については、高品質と高生産を目指した継続的な開発を進めると共に、高さ1.5mの大型部品まで造形可能な「NXG XII 600E」を開発し、販売を開始しました。また、DED(Direct Energy Deposition)タイプの高精度な金属アディティブマニュファクチャリング装置「Lasermeister LM300A」及び3Dスキャナー「Lasermeister SB100」を開発しました。これらは主にエネルギー分野、航空分野で用いられるタービン部品の補修に用いられ、廃棄されずに再利用が可能になることでCO2削減に貢献していきます。なお、2024年春に発売しました。

 デジタルマニュファクチャリング事業に係る研究開発投資の金額は7,716百万円です。

(注) 事業別に記載している研究開発投資の金額には、内部消去額を含んでいます。

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