企業兼大株主ストライダーズ東証スタンダード:9816】「不動産業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

「挑戦する個人・企業を応援し、すべてのステークホルダーと感動体験を共有し、より良い世界を創造する」ことを企業理念に掲げ、‘Stride with Challengers(挑戦者達と共に闊歩する)’というコーポレートスローガンを合言葉に、子会社9社及び関連会社1社から構成される当社グループでは不動産、ホテル、投資の3事業を主軸として、企業活動を展開しております。

 不動産事業は「豊かな居住空間の実現」を、ホテル事業は「地方創生・地域活性化」を、投資事業は「アジアの投資家・スタートアップとの連携」を重要テーマに掲げ、また親会社である当社が日本とアジアをつなぐゲートウェイとしての役割を担いながら、これら3つの事業領域のシナジーをより高めてまいります。さらに当社グループでは、事業を通じてスポーツ、アート、日本の伝統文化の発展を支援することで、経済だけでなく社会の活性化にも寄与していく所存であります。

 他方で、2030年に向けた「持続可能な開発目標」や、サステナブルな循環型社会への変容に対して、企業として責任ある役割を果たすことが重要になっている現状を踏まえ、不確実で変化が早い時代において、柔軟かつ能動的に適応できる人材の育成や外部人材との連携を強化することで、既存事業のさらなる価値向上と新規事業の創出に努め、今後も上記企業理念を体現できるよう研鑽してまいります。

(2) 経営戦略

 当社は、これまで投資会社としての立ち位置で投資先企業のバリューアップに取り組んでまいりましたが、不動産、ホテル、投資事業の成長を受け、これら3事業を軸とした事業会社へと、当社グループの再定義を行なう判断をいたしました。これにより、当社では経営の選択と集中を進めつつ、新たな投資先に関しては、既存事業とのシナジーを一つの判断軸としてまいります。

 こうした全社戦略を受けて、主軸となる各事業の事業戦略は以下の通りとなります。

 不動産事業における主力事業であるレジデンス事業では、これまで「豊かな居住空間の実現」をテーマに、居住用賃貸物件の管理戸数を着実に積み上げ、安定した収益基盤の強化に努めてまいりましたが、サービスラインナップの一層の拡充を図るために家賃保証事業を拡大させていくとともに、不動産賃貸管理のノウハウを最大限活かすために自社保有物件の取得を進めてまいります。一方で、不動産売買事業については、当社グループの強みであるレジデンス事業へ経営資源を集中させるために、今後は注力しない方針であります。

 ホテル事業は、「地方創生・地域活性化」の拠点となるような空間づくりを、成田ゲートウェイホテル、倉敷ロイヤルアートホテルの両ホテルにおいて進めておりますが、将来的なグループ化を見据え、ここに第3の拠点として、石川県加賀市にあるホテルアローレへの業務支援をスタートさせました。成田ゲートウェイホテルにおいては自社運営への切り替えによる運営コストの見直しと収益性改善、倉敷ロイヤルアートホテルにおいては倉敷エリアの集客力の向上とアート事業の収益化、ホテルアローレにおいては業務支援とグループ化へ向けたプロセスが、当面の注力すべき課題となっております。

 投資事業は、数年間に亘る南・東南アジアへの投資などを通じて、ファンド運営のノウハウの蓄積、海外投資家とのネットワークの構築を積極的に進めてまいりました。現在、南・東南アジアのスタートアップをターゲットとしたファンド設立を準備しておりますが、今後は当事業の収益源を投資リターンからファンド運営による手数料収入へと徐々に転換し、安定的な収益確保を目指します。さらに、国内の不動産、ホテルなどへのインバウンド投資の需要も旺盛ですので、当社グループがそのファシリテートを担い、主力事業である不動産、ホテルとのシナジーを得、ひいては日本の伝統文化の活性化に貢献してまいります。

(3) 経営環境

 わが国経済は緩やかに持ち直しつつある一方で、米中関係の悪化などに起因するグローバルサプライチェーンの分断化、ならびにウクライナ情勢に端を発する世界規模での供給面での制約が顕在化し、欧米を中心とした物価上昇と金融引締めが続くなか、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクや、為替相場をはじめとした金融資本市場の変動等による影響に、引き続き十分注意していく必要があるものと想定しております。
こうしたなか、当社グループの不動産事業、とりわけ主力のレジデンス事業については、賃貸管理をメインとしていることから、昨今みられる首都圏におけるマンション価格の高騰といったような急速な環境変化はみられず、市況は引き続き安定的に推移していくものと想定しております。また、当社グループは一都三県を営業基盤としているため、入居者からの需要も比較的高く、家賃や稼働率に関するリスクも、今のところ顕在化しておりません。

 ホテル事業については、記録的な円安の進行やコロナ禍の終焉による反動により、インバウンド観光客による訪日需要はコロナ以前にも増して高まりを見せておりますが、インバウンド観光客の消費行動の変化やエリア毎のインバウンド需要の偏在など、ホテルの対処すべき課題はますます複雑化、高度化しております。また、慢性的な人手不足が深刻さを増す中で、ホテルのオペレーションの在り方、従業員のマルチタスク化など、サービス提供者側にもドラスティックな変革が求められているものと認識しております。

 また、投資事業については、未だ不透明感が拭い切れてはいないものの、南・東南アジアのベンチャーキャピタル市場は徐々に正常な状態へと戻っているものと考えております。他方で、円安や他国と比較した景気動向等から、日本国内への海外企業・投資家による投資気運は、今後益々高まっていくものと推察しております。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① グループ経営管理の強化

 機動的な事業展開を可能にするために、9社の連結子会社より構成されたグループ会社の経営状況の適時な把握に努めるほか、グループの経営管理を強化すべく、事業執行権限の見直しと業務報告体制の整備を実施してまいります。また、グループ間の資金管理を一元化等することで、より効率的な事業基盤を確立してまいります。

② 内部経営資源の有効活用

 迅速かつ効果的な経営判断をする為に、グループ情報の共有化や幹部間による情報交換等、グループ間のコミュニケーション体制を確保してまいります。また、社員研修等によるグループ共通人材の育成に注力することにより、グループ間の連携強化とグループシナジーを追求してまいります。

③ 内部統制・コンプライアンス体制の構築

 会社法・金融商品取引法を踏まえた内部統制の整備については、グループ各社において、業務プロセスの文書化、可視化によるルール整備を進めております。また、コンプライアンスにつきましても、当社グループの企業行動憲章や社員行動規範等をグループ内で周知徹底するとともに、社員研修等による教育を実施しております。

④ 外部経営資源の積極的な活用

 当社グループの発展のために、当社の企業理念等に相応したM&Aやエクイティ投資のほか、幅広く内外の企業との提携等を積極的に実施してまいります。

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