企業兼大株主三谷産業東証スタンダード:8285】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社および当社連結子会社(当企業集団)は、以下の方針を掲げ経営目標を達成すべく取り組んできました。

・お客様とのビジネスを軸に、仕入先、地域社会、株主、社員・役員といった関係者間で調和を作り上げていくこと。

・お客様からの要望にそのまま応えるのではなく、当企業集団の知識や技術を活かし、短期的な課題解決と中長期的な価値創出、さらに社会の持続的な発展においてバランスのとれた真の最適を追求すること。

・分野と分野、あるいは業界と業界の交差点に立つことによって、お客様のイノベーションを促進する役割を担い、さまざまな業界をつなぐネットワークの中で、重要な結び目になること。

・複数の事業セグメントにわたって、それも単なる商社ではなく、時にはメーカーであったり、時にはコンサルタントであったりと、複数のレイヤーでビジネスを展開すること。

 また、当社は財務的な経営指標との両輪をなす非財務的な側面における経営指標として「Company Well-being Index(カンパニー・ウェルビーイング・インデックス)」を策定しております。長期的視野で持続的に事業を成長させながら価値創出・社会貢献する“良い会社”であり続けることを目指して、財務的側面と非財務的側面からバランスのとれた経営を推進してまいります。

 なお、「Company Well-being Index」については、以下の当社ウェブサイトにて詳細を開示しております。

< https://www.mitani.co.jp/company/cwi/ >

(2)次期(2025年3月期)の業績見通し

 当企業集団の経営上の目標を達成するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。

 次期の連結業績については、売上高は情報システム関連事業以外の5つの事業セグメントにおける増収により1,010億円(前期比5.4%増)、営業利益は17億円(前期比2.0%増)と増益を見込んでおります。一方で、為替差益の減少等により、経常利益は22億円(前期比10.0%減)と減益、また、前期に非上場株式に係る投資有価証券売却益の計上があったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は17億50百万円(前期比15.4%減)と減益を見込んでおります。

 なお、売上高は過去最高を見込んでおり、当企業集団として初めて1,000億円を突破する見込みです。

 次にセグメント別の今後の重点施策について説明申しあげます。

<樹脂・エレクトロニクス関連事業>

 自動車関連ビジネスでは、自動車業界が大変革期を迎え、特に環境に配慮した電動化への対応が求められております。このような中、お客様の多様なニーズに応えるべく、お客様の課題解決に向けて積極的に提案を行い製品開発段階からの協働に取り組むこと、さらには当社独自の成形技術を活用した製品開発により、高付加価値ビジネスを拡大してまいります。

 また、ベトナム製造拠点においては高付加価値ビジネスの拡大を見据え、AIなどのデジタル技術を活用し、品質と生産性の向上に努めてまいります

 現在、自動車関連以外の分野での部品製造にも取り組んでおり、当事業における新たなビジネスを拡大してまいります。

 次期の業績については、売上高は前期比3.5%増の123億81百万円と予想しております。一方で、営業利益は人件費や材料価格等の高騰の影響により、前期比14.3%減の11億8百万円と予想しております。

<空調設備工事関連事業>

①北陸地区においては、長年培ってきた建築設備ノウハウと幅広いソリューションの複合提案を強みに受注拡大を図ってまいります。また、提案プロセスの標準化や顧客情報データベースの活用により営業活動や部門間連携の効率化を図り、収益力の向上にも取り組んでまいります。

②首都圏においては、建築・設備・電気のトータル施工を強みに高付加価値な提案に注力するとともに、当社グループの優位性を発揮できる案件の発掘・獲得に努めることで収益力の向上に取り組んでまいります。また、BIMとシミュレーションソフトを連携させたオリジナルソリューションの提案にも取り組んでまいります。

③建設業の設計・積算を行うベトナム子会社のAureole Construction Software Development Inc.は、近年、大規模再開発や歴史的建造物の保存・修復工事、国際的なイベント施設案件でのBIMデータ活用に携わっております。ベトナムにおいて最大規模の600名を超える技術者集団として、BIM関連業務を中心に各種データ作成業務の受注拡大を図るとともに、業務の標準化・機械化の推進による生産性向上への取り組みにより、さらなる収益拡大を図ってまいります。また、ベトナム国内の大学との共同研究を通じた新技術検証を促進し、一歩先の技術を保有する組織となり、建設業界の変革を牽引してまいります。

 次期の業績については、売上高は前期比17.3%増の176億75百万円、営業利益は前期比9.0%増の13億33百万円と予想しております。

<情報システム関連事業>

①オリジナルソリューション事業のDXツール「POWER EGG®」は、機能強化版を継続してリリースし、製品競争力の強化を図るとともに品質向上にも努めてまいります。また、営業活動においては販売パートナー企業との協業を強化し、民間企業や金融機関等さまざまな業種へのアプローチを推進するとともに、ベトナム子会社のAITを起点としたベトナムでの新規顧客の獲得にも引き続き注力してまいります。

②「POWER EGG®」以外のオリジナルソリューション事業のうち、当社が開発したプログラム開発不要でさまざまなクラウドサービスを効率的に連携させるFaaSインテグレーター「Chalaza®(カラザ)」は、販売パートナー企業との連携を強化することで受注拡大に努めてまいります。

 当社が開発を担った印刷業向け基幹業務クラウドサービス「BRAIN」は、印刷業界で展開されるプラットフォームとの連携を実現することで営業効率を高め、受注拡大に努めてまいります。

③ベトナムでのシステム開発事業は、AITにおいて、ビジネスエンジニアリング㈱とのパートナー関係を活かし、営業力・技術力の強化を図ることでベトナムにおけるソリューションビジネスの拡大にも努めてまいります。また、オフショア開発を通じてシステムインテグレーション、「POWER EGG®」および当社グループの社内システム開発の迅速化とコストダウンに貢献してまいります。

④クラウド関連事業は、子会社のコンフィデンシャルサービス㈱を軸に、お客様の課題に対応した独自サービスや環境価値を提供する新たなサービスの創出を図ってまいります。また、情報セキュリティ格付において最高位である「AAAis(トリプルA)」の継続取得に加えて、「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準(FISC安全対策基準)」の適合証明を取得したIDC(インターネットデータセンター)を最大限に活用し、お客様に寄り添った運用サービスを武器として新規顧客の開拓を図るとともに、パートナー企業との連携強化を図り受注拡大に努めてまいります。

 情報システム関連事業においては、お客様のデジタル化を先導し、お客様に変革をもたらすべく、当企業集団でのAI・データ活用によるノウハウ蓄積に取り組み、新たなソリューションの創出に取り組んでまいります。また、既存ビジネス領域の拡大や新たなビジネス領域獲得、ソリューションの拡販に取り組むとともに、パートナー企業やベンチャー企業との協業により、受注拡大および販売エリアのさらなる拡大を目指してまいります。

 次期の業績については、売上高は前期比8.7%減の90億56百万円と予想しております。一方で、営業利益は付加価値の高い開発案件等のビジネスの増加により、前期比3.7%増の9億18百万円と予想しております。

<エネルギー関連事業>

 エネルギー消費と環境負荷の低減のバランスが求められる現在、災害時における迅速な復旧力や社会全体における負担コストの適切性など、より広い視野に基づいた燃料の選択が重要視されています。当事業は、「さまざまな燃料製品の特性を踏まえ、地域における最適なエネルギー供給を実現する」という方針のもと、以下の取り組みを進めてまいります。

①石油製品は、引き続き元売り会社との緊密な連携を図って、新規顧客獲得および既存顧客への提案活動を強化するとともに、環境ビジネス領域におけるパートナー企業や当社グループとの協業による燃料転換および機器設備の拡販を推進してまいります。

②民生用LPガスは、ハウスメーカーや工務店とのさらなる関係強化を図り、新築の集合住宅を中心とした新規顧客獲得に取り組んでまいります。また、災害復旧が迅速なLPガスの特性を活かし、ハイブリッド給湯器や太陽光発電、蓄電システムのセット販売による災害に強い生活環境の提案に努めてまいります。さらに、ガス関連機器にとどまらず、空調設備工事および水まわりリフォーム工事をもワンストップで提供する付加価値の高い提案にも努めてまいります。

 次期の業績については、売上高は前期比8.8%増の79億39百万円、営業利益は前期比8.7%増の3億65百万円と予想しております。

<化学品関連事業>

①国内における化成品販売については、既存顧客に対する取扱品目の拡大や、経営課題の解決につながる付加価値の高い提案により収益力の向上を図るとともに、新規エリア・分野の開拓による新規顧客獲得に努めてまいります。

②医薬品原薬については、品質管理システムの刷新により、GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理及び品質管理の基準)遵守に対する監視・牽制体制の整備、GMP教育の強化、さらにはクオリティカルチャーの醸成や組織風土の改善を図り、高品質な医薬品原薬の安定供給の責務を果たしてまいります。また、医薬品向け原薬の製造において従来の合成手法よりも効率性・安全性・環境調和性において優位性のある連続フロー法の商業化に向け、産学官連携のもと着実に取り組んでまいります。

③機能性素材の受託製造については、ベトナム子会社のAureole Fine Chemical Products Inc.が保有する工場を武器に既存製品の供給拡大を図ってまいります。また、食糧危機や生態系保護も見据えた新たな技術の獲得にも取り組み、受託領域の拡大や自社製品の開発にも努めてまいります。

④環境ビジネスについては、特殊技術を用いた製品およびサービスの提案活動を強化するとともに、獲得した技術の新たな用途拡大や新技術の開発・発掘による事業創造に努めてまいります。

 子会社の㈱ミライ化成においては、展開しているリサイクル炭素繊維事業にて同社の独自技術やノウハウを活かすとともに、産学官連携による新たな知見の獲得や技術の確立に注力することで、リサイクル炭素繊維の市場創出と循環型社会の実現に向け取り組んでまいります。

⑤ベトナムにおける化成品販売については、日系企業およびその他外資系企業を中心に新規顧客獲得に注力するとともに、北部および南部双方において既存顧客のシェア拡大に努めてまいります。さらに、顧客のニーズに対応した自社製造の高付加価値品の拡販により収益の拡大にも努めてまいります。

 次期の業績については、売上高は前期比6.7%増の394億44百万円、営業利益は前期比19.4%増の3億72百万円と予想しております。

<住宅設備機器関連事業>

①子会社の㈱インフィルは、一級建築士事務所として永年培ってきたディベロッパー、ゼネコンおよび設計事務所との信頼関係を武器に、マンション・ホテル・老健施設等の新築・リニューアル案件の獲得に努めてまいります。

 また、当社グループが培ってきたモノづくりへのこだわりを体感できる西神田・新宿ショールームを活用した高級マンション・戸建物件への営業活動を推進するとともに、省エネで脱炭素効果の高い環境配慮型の「エシカル水栓」や、高齢社会における多様な人々の生活の質の向上に寄与する『Daysy®』などを中心としたオリジナル製品の拡販にも努めてまいります。加えて、ビジネスパートナーと協業し、オリジナル製品の開発を進めることでブランド力の向上も図ります。さらに、空間デザイン力の強化にも取り組むことで、高付加価値提案による利益向上に努めてまいります。

②子会社の三谷産業コンストラクションズ㈱は、住宅設備機器メーカーやハウスメーカーとの厚い信頼関係をもとに北陸地区において豊富な施工実績を有しており、戸建住宅・ホテル・マンション等の幅広いニーズに応えてまいります。また、大規模リフォームにも対応できる一級建築士事務所として、快適な住環境の提案を推進することにより受注拡大に努めてまいります。さらに、石川県野々市市のショールームは、当社グループのオリジナルブランドを含む高級ブランド商品のラインナップを拡充させ、北陸地区で高級ブランド商品を幅広く取り扱う唯一無二のショールームを目指してまいります。

③高級バスタブブランド『HIDEO』・『JAXSON』を展開する子会社の㈱JAXSONは、ショールームや展示会を通じたプロモーション活動を実行し、圧倒的なブランドポジションを確立するとともに、海外での市場開拓に向けて取り組んでまいります。また、最高級の製品を求めるホテル・住宅市場の需要の高まりに応え、さらなる案件の獲得にも努めてまいります。

④子会社の㈱Teseraは、「サステナビリティ」「フレキシビリティ」「ミニマルデザイン」の特徴を備え、用途・空間に応じて拡張縮小を可能にする柔軟性を実現したモジュラーファニチャーである『Tesera®』の国内外での拡販に向けて、ビジネスパートナーを開拓し、受注獲得に努めてまいります。また、マーケットや顧客ニーズを取り入れた新製品の開発も継続してまいります。加えて、ショールームや展示会、ソーシャルメディアを活用することで製品の魅力を継続的に発信し、さらなるブランド価値の向上にも努めてまいります。

 なお、本年4月に新設いたしました事業構造改革本部は、2024年度においては住宅設備機器セグメントの改革に注力してまいります。同本部主導のもと各施策の着実な遂行を通じて、高付加価値が期待できる高級・中高級ゾーンにおける受注活動を推進することで、収益力の向上を目指すとともに、お客様に「唯一無二の高い空間価値」を提供してまいります。

 次期の業績については、売上高は前期比0.1%増の142億46百万円と予想しております。一方で、国内外の展示会出展等に係る費用の増加により、営業損失は3億40百万円となり前期に比べ損失額が増加する見込みであります(前期の営業損失は2億97百万円)。

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