ネットワンシステムズ 【東証プライム:7518】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループは、ソリューション・プロバイダーとして、マルチベンダーのネットワーク機器、コンピュータ・プラットフォーム機器、ソフトウエア及びクラウドの最適な組合せによるシステム構築を通じて、ICTソリューションを提供しています。なお、当社グループの研究開発活動につきましては、セグメント情報に関連付けて記載することが困難であるため、セグメント別の記載は行っておりません。ICTシステムは、システムを構成する各種機器、各種ソフトウエア、各種サービスの組合せによりその機能や利便性が左右され、システム運営に大きな影響を与えます。
今後も技術革新は進歩し続けますが、最適なICTシステム構築には、最新技術の取得と将来の拡張性に対する予測、コンピュータネットワーク関連の各種機器、各種ソフトウエア、各種サービスの機能把握と、それらを最大限に活用する仕組みづくりが、大きな要素となります。また、マルチベンダー環境下では、ネットワークシステムとコンピュータ・プラットフォームの連動が進んでおり、これらが融合した高度なシステム構築能力が求められています。
このような状況下で当社グループは、メーカー毎に各種機器や各種ソフトウエアに関する、利便性、規格、他の機器及びソフトウエアとの相互接続性、詳細動作について、調査、研究、検証、評価を行うと同時に、複数の大学、ネットワーク団体、米国企業等との共同研究を行い、規格標準、最新技術の動向を常に把握することに努めています。
当社グループは、ネットワーク並びにプラットフォームシステム構築における様々な技術的要素を考慮し、蓄積してきたインテグレーション力、システム管理・運用力を通じて、より品質の高いシステム提供のため標準システム化に取り組み、利便性、信頼性のより高いシステム、ソリューションを提供しています。
当連結会計年度における研究開発活動の実績としては、無線・モバイルネットワーク技術、ネットワーク運用管理技術、仮想化・クラウドコンピューティング技術、SDN/NFV技術、API連携技術、ネットワーク・エンドポイント・クラウドセキュリティ技術、ビッグデータ技術、IoT技術、機械学習を含むデータ分析、生成AI技術、AR/VR技術、ロボット技術等の先端技術をベースに今後の主流技術等の検証、評価を行いました。
ネットワーク分野においては、SDN技術やクラウド技術を活用し仮想ネットワークの適用及び運用技術の検証、評価を実施し導入実績を上げています。IP技術を放送用途に適用するネットワーク技術の研究開発を行い6月にINTEROP shownetへの出展を行いました。また、テクニカルセンターにローカル5G環境を構築し、社会課題解決に向けた実証実験等に取り組み、新設したイノベーションセンターへもハンドオーバー等の機能確認ができるローカル5G環境を構築し2024年4月より実証実験を開始しました。その他、NaaS環境として「Nile Access Service」をイノベーションセンターへ導入しサービスの安定提供に向けた検証環境を整備しています。
セキュリティ分野では、従来のネットワーク境界セキュリティ、多層防御技術に加え、安全なクラウドサービスの利活用や働き方の変化に合わせたネットワークとセキュリティの融合技術となるSASEに関わる技術、認証技術に関する検証、評価を実施し導入実績を上げています。
クラウドコンピューティング分野では仮想化技術を応用したハイパーコンバージドインフラ、パブリッククラウドとの連携、API連携/自動制御技術を応用したマルチクラウド環境に対応する先進的なクラウドシステムの提供及び、コンテナ環境、分散コンピューティング環境を一元的に運用・管理するためのエッジソリューションの活用検証を行い、ユースケース開発を行っております。
コラボレーション技術分野においては、ワークスタイル変革を実現するWeb会議やテレプレゼンスシステム、モバイルデバイス管理技術、クラウドストレージ技術等を組み合わせた利活用に関する各種研究・ソリューション開発に加え、AR/VR技術を活用したリモート支援システムのソリューション開発、メタバースの基軸となるデジタルシミュレーション環境を活用した高度な分析環境の研究を行うことでデジタルを活用した生産性向上を目指しています。
ネットワーク運用分野では、ネットワーク運用管理を高度化する、ネットワークの自動化(Infrastructure as Code)、モニタリング・可観測性(Observability)の技術開発に取り組み導入実績を上げています。更に、AI技術を活用しネットワーク運用における予兆検知、ネットワークのデジタルツイン技術の研究・実証実験を行っております。
これらのネットワークを中心とする状態監視や把握、データ分析の技術を活用しながら、各システムの電力消費量に関わるトレーサビリティの把握に関わる調査・研究を付加要素として行い、当社ラボでの電力消費量削減へも取り組み一定の成果につなげております。
その他、データの活用の観点から複雑化するビジネスプロセスを可視化し継続的な改善・最適化を行う仕組みであるプロセスマイニングの調査・研究、データハンドリングによりデータ活用を柔軟に行うことができるシステムの開発、デジタルを活用した運用高度化の及び生成AI技術の活用に向けクラウドサービスによるトライアル環境を整備しLLMの研究・検証を行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,633百万円となっており、一般管理費に含めて処理しています。
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