SBIインシュアランスグループ 【東証グロース:7326】「保険業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
SBIグループは創業以来、「企業は社会の一構成要素であり、社会に帰属しているからこそ存続できる」という変わらぬ考えのもと、社会の維持・発展に貢献することを目指しています。そして常に時流を捉え、世のため人のためとなるような革新的な事業を創造することで社会的責任を果たすことを目指し、これを通じて「社徳」を高め、企業を取り巻く幅広いステークホルダーから信頼される「強くて尊敬される企業」を目指してきました。当社は、この価値観を当社グループ内に徹底させるとともに、具体的な取り組みに対して常にお客さまの視点から評価し、定期的に見直しを行い、当社グループ各社が社会から信頼される「強くて尊敬される企業」となることを目指しております。
当社は、2023年3月開催の取締役会において、サステナビリティに関する施策の立案・実行を行う所管部署を経営企画部と定め、リスク管理部及びその他関連部署、また当社グループ各社と適切に連携し、サステナビリティに関する取り組みを推進することとしております。また、当社の経営企画部は、サステナビリティに関する施策の検討状況及び実行状況を定期的に取締役会へ報告を行うとともに、取締役会における協議内容を踏まえて適切に対応を進めることとしております。
<サステナビリティ推進体制図>
(2) 戦略
① ESG投資の推進
保険会社は、保険契約者から受け取った保険料を金融商品などに投資し、資産運用を行っています。近年は、保険会社においても環境や社会に対する影響を考慮した投資ポートフォリオの構築が求められています。
当社グループにおいては、保険業法により投資活動が制限されている少額短期保険業者で構成される少額短期保険事業を除き、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点から、グリーンボンドや環境負荷軽減を図る社会インフラ施設等を対象としたインフラ・ファンドなど、サステナビリティを考慮した金融商品による資産運用を推進しております。
② テクノロジーの活用による社会課題の解決
保険会社は、テクノロジーの活用により、業務効率化やコスト削減、サービスの拡充など、様々なメリットを享受することができます。しかし、保険業界においては、テクノロジーの活用が遅れている場合があり、サステナビリティの観点からも、より効率的な業務プロセスの構築が求められます。
当社グループにおいては、AI・ビッグデータなどの最先端テクノロジーを導入することで、より顧客の利便性に資する商品やサービスの提供を行うと同時に、事業費の削減を加速し更なる保険料の引き下げを実現するなどの取り組みを行っております。なお、これらの取り組みが外部から高い評価を獲得し、当社は2022年6月に「DX銘柄 2022」に選定されました。DX銘柄は、デジタル技術を活用してビジネスモデル等を抜本的に変革し、新たな付加価値を創出するデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業を、経済産業省、東京証券取引所及び独立行政法人情報処理推進機構が共同で選定するものです。
③ サステナブルな保険商品の提供、地域経済への貢献
保険会社は、自社の保険商品やサービスをサステナブルにすることで、社会に貢献することができます。例えば、自然災害保険においては、被災地域の復旧や再生に寄与する保険商品を開発することが求められます。当社グループにおいては、地震によって被災した後の生活再建を支援することを目的とした「地震被災者のための生活再建費用保険」(愛称:リスタ)など、社会に貢献する多くのサステナブルな保険商品を提供しております。
また、当社グループは、地域の事業会社及び金融機関に対して、当社グループのユニークで経済合理性の高い保険商品をお取り扱いいただけるように営業活動を推進しております。当社グループの保険商品をお取り扱いいただくことで、地域の事業会社及び金融機関の収益性向上に貢献できると考えております。
④ 人材に関する取り組み
当社グループにおいては、次のとおり、働きやすい職場環境づくりや開かれた雇用機会の提供と多様な人材の活用に取り組んでおります。
働きやすい職場環境づくり
当社グループは、あらゆる人材が常に最大限のパフォーマンスを発揮することができる働きやすい職場環境を整えるべく、様々な施策を行っております。
柔軟な働き方の推進については、新型コロナウイルス対策への対応として臨時的に導入していた時差出勤の制度化のほか、男女問わず、介護・育児といった特定の理由に限定せずに短時間勤務を選択できる勤務制度を導入しております。
また、従業員が健康保持・増進に取り組みやすい環境を整えており、特に長時間労働はメンタルヘルス不調を誘引する可能性があることから、安心して働きやすい職場環境の維持・発展に向けた取り組みを継続的に実施しております。
なお、当社グループでは、月平均残業時間を20時間以下に維持することを目標としております。
<当社グループにおける残業時間の状況>
| 2022年3月期 | 2023年3月期 |
月平均残業時間(時間) | 10.8 | 11.6 |
開かれた雇用機会の提供と多様な人材の活用
当社グループでは、持続的成長を実現しイノベーションを生み出す企業であり続けるには、人種、国籍、性別、性的指向、障がいの有無等にかかわらず、多様な人材が互いの価値観や個性を認め合い、それぞれの能力を最大限に発揮し、共に成長できる環境が必要であると考えております。
こうした考え方のもと、人種・国籍・性別や学歴等を問わず、意欲があり様々なキャリアを持つ人材の採用に積極的かつ継続的に取り組んでおります。
また、当社グループでは、その属性を問わない公正な評価・処遇制度の実現などを通じて、2025年3月末までに管理職に占める女性労働者の割合を20%以上とすることを目標としております。
<当社グループにおける女性従業員の状況>
| 2022年3月末 | 2023年3月末 |
女性管理職者数(人) | 55 | 51 |
女性管理職比率(%) | 18.3 | 17.6 |
(3) リスク管理
当社グループでは、保険会社の社会的価値とは、社会の様々なリスクを引き受けることにより、個人や企業に安心を提供し、社会の健全な発展に寄与する存在であると認識しております。それを受けて、ステークホルダーや社会からの要請に適切に応えるべく、保険商品を提供して行く必要がある一方で、社会や環境変化に伴い、保険会社運営上直面するリスクのマネジメントに対する重要性が益々高まっていることも認識しております。リスクカテゴリーという観点では、「サステナブルな保険商品の提供」におけるリスクは「保険引受リスク」、また、上記の「ESG投資の推進」であれば「資産運用リスク」、同じく「人材に関する取り組み」であれば「人的リスク」(事業運営に関するリスクの一部)の管理領域となりますが、それぞれの項目に記載のサステナビリティに関する施策が適切に推進されるよう、当社リスク管理部を中心にして、リスク管理の側面からも積極的に関与する態勢としております。また当社グループでは、エマージングリスク(社会や環境の変化等により、新たに出現する、あるいは態様が変化するリスク)の洗い出しを定期的に実施し、必要に応じてグループ各社間で連携し対応を行う態勢を保持しております。
当社グループにおいては、統合的リスク管理(ERM:Enterprise Risk Management)態勢を整備したうえで、サステナビリティ施策の適切な推進に関するリスクも含めて各個別リスクの適切な管理及びエマージングリスクの洗い出しを行っております。具体的には、損害率等の主要な指標や与信先に関する定期的なモニタリングの実施、特定のシナリオに基づくストレステストの実施による影響度の把握とアクションプランの整備及び再保険を活用したリスクの移転等によるリスクコントロール等であり、この詳細については、「3 事業等のリスク (1) 保険引受に関するリスク、(2)保険業界を取り巻く環境に関するリスク、(3)資産運用に関するリスク、(5)事業運営に関するリスク」をご参照ください。
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