河西工業 【東証スタンダード:7256】「輸送用機器」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、次の社訓、経営理念、経営方針及び行動指針を経営の基本方針として掲げ、企業活動を行っております。
<社訓>
1.社会の信用を "Gain Trust from Society"
2.企業の繁栄を "Seek Prosperity for Company"
3.相互の幸福を "Share Happiness with Everybody"
<経営理念>
当社グループは、誠意と新しい技術の創造によって、価値ある商品、サービスをグローバルに提供し、顧客・株主・従業員をはじめ、全ての関わる人々の幸福を実現します。
<経営方針>
当社グループは、業界トップクラスの「コスト競争力・品質水準・技術水準」を基盤として、グローバルで自動車内外装部品の専門メーカーとしての地位を確立するために以下の3点を基本方針としております。
1. 継続してお客様に満足される最高水準の品質を提供する
2. 常に自動車部品業界をリードする先進技術を生みだし、商品化に繋げる
3. 永続して高収益を出せる強靭な体質を構築する
<行動指針>
-Act with Ownership!-
自ら考え 自ら行動
最後までやり抜く
より速く、より早く 結果で示す
当社は、2022年2月24日に公表した2022年度から2024年度の3か年を対象とする中期経営計画「Athletes Kasai 24+」に基づき企業価値の向上を目指してまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や半導体供給不足等の影響に伴う主要販売先OEMの減産や生産の不安定化等の外部環境の変化により当該中期経営計画は達成が困難となっていることを踏まえ、近時の経営環境の変化に迅速に対応し、外部環境の実態に即した事業戦略のもとに当社の総力を最大限にすべく、新たな中長期的な経営戦略を現在策定中であります。
(2) 当社グループを取り巻く経営環境
<企業構造>
当社グループは、自動車分野を事業領域と位置づけ、研究開発・生産技術開発・営業活動を担っている当社を中心に、世界各国において製造・販売を行う各事業会社で構成されております。各事業会社は、それぞれの国において、得意先への納入体制を確立し、自律した形で事業運営を行っております。
<事業を行う市場の状況>
当社グループの事業領域である自動車業界では、企業間の競争が世界規模でますます激しくなっております。世界的な半導体の供給問題は緩和されたものの、原材料、エネルギー価格の高騰、人件費上昇等により、市場の回復は緩やかなものになり、コロナ前の水準に戻るにはやや時間を要するものと予想されます。
このような経済環境の中、市場の回復は見通しにくい状況にありますが、当社では更なる発展を目指して、経営基盤の強化を進めているところであります。
<主要製品・サービスの内容>
当社の主力事業は、ドアトリム・ルーフトリムをはじめとする自動車内装トリムシステム部品の企画・開発・生産であります。当社は独立系部品メーカーとして、全自動車メーカー(OEM)に対しビジネスの門戸を拡げ、高級ブランド車から軽自動車、商用車に至る幅広い得意先ニーズにお応えするために、企画・開発・設計・実験、そして生産に至る一貫した体制で高品質、低コストの製品づくりを追求しております。
<顧客基盤>
主得意先は、日本の自動車メーカーであります。自動車メーカー各社の海外現地生産に追従し、当社は1986年(昭和61年)の北米を皮切りに、積極的な海外展開を進めてまいりました。近年、飛躍的な成長を遂げている中国やアジア諸国においてもすでに供給体制を構築しており、全世界にネットワークを確立しております。製品の現地開発・生産を進めるとともに、非進出国における現地部品メーカーとの技術援助契約の締結、そしてこれらを統括管理するワールドワイドな経営の確立にも努め、グローバルな競争力強化を図っております。
<競争優位性>
当社は内外装トリムシステムサプライヤーとして、キャビントリム・ラゲッジトリム・防音部品など取扱製品の性能向上に取り組むとともに、車室全体からの視点で、「環境」「安全」「魅力/快適」の3つのテーマで次世代自動車の開発を支える製品・技術開発を進め、未来を先取りする付加価値の高い製品づくりに取り組んでおります。当社は世界各地に生産拠点があり、それぞれの地域や得意先に対応するための開発機能を持っております。製品設計から制作までを一貫して行う開発体制と、お客様にご満足いただける製品を提供するためのグローバルに統一・強化された生産体制で、自動車内外装部品の新しい価値を創造する製品を提供してまいります。
<販売網>
当社グループは高い技術力とともに、最高の品質と価格競争力をもった製品をグローバルに供給するために、国内はもとより、世界11か国に所在する子会社等を通じて販売網を確立しております。
(3) 会社の対処すべき課題
当社グループは、販売先OEMの減産や生産の不安定化等の厳しい環境変化に直面した結果、2021年3月期以降は売上高が大幅に減少し固定費の負担も大きくなり、3期連続で大幅な営業損失を計上しましたが、2024年3月期につきましては、OEMからの数量が微増となり、4期ぶりに営業利益を黒字化しました。
今後の見通しにつきましては、足元では半導体不足影響の緩和等に伴い回復基調ではあるものの、引続き原材料・エネルギー価格の高止まりや賃金上昇の影響等により、厳しい外部環境が継続すると予想されます。
このような経営環境下、グループの収益力向上及び財務体質の改善・強化を図り、安定した経営基盤を築くべく、 北米地域を中心とした事業改革の継続や不採算事業の撤退等も含めた拠点再編などの抜本的な経営再建策を策定し、実行に取組んでおります。その結果、足元では着実に諸施策の効果が発現し、業績の改善が進んでおります。
経営体制につきましても、日産自動車株式会社を割当先とする第三者割当の方法による優先株式の発行(以下、「本第三者割当増資」といいます。)に係る払込み完了を条件として、日産自動車株式会社が指名する者2名が当社取締役に就任予定です。このうち1名は当社の代表取締役兼CEOに、他の1名は、製造部門を担当する取締役に就任予定です。
また、2024年6月27日開催の当社第93回定時株主総会において、株式会社りそな銀行が指名する者1名が当社取締役に選任され、就任しております。当該取締役は当社のCFO(取締役企画本部本部長)に就任しております。
経営体制の刷新を図り、事業構造改革への取組みを更に加速し、経営再建の早期達成に邁進していく所存でございます。
なお、2025年3月期の連結業績予想を以下のとおり見込んでおります。為替レートにつきましては、1米ドル145円を想定しております。
(連結業績予想)
売上高 2,200億円
営業利益 48億円
経常利益 20億円
親会社株主に帰属する当期純損失 △15億円
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