企業東京きらぼしフィナンシャルグループ東証プライム:7173】「銀行業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループでは、持続可能な地域社会の構築に向け、2019年に東京きらぼしフィナンシャルグループSDGs宣言を策定いたしました。2021年12月には、地域社会の発展・持続可能な地域社会の課題解決への関与を掲げた「社会的責任に関する基本方針(サステナビリティ方針)」を制定しています。持続可能な地域社会の構築に向けた取組みを推進することで地域・お客さまの持続可能性を高め、ひいては当社グループの持続可能性も高まるものと考えております。

 なかでも環境問題(気候変動対応等)、人的資本(人材育成と社内環境整備等)への対応を経営上の重要課題(マテリアリティ)と位置付けております。環境問題については、2021年2月にTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)に対する賛同、2022年3月にはサステナブルファイナンスの取組みを開始いたしました。地域・お客さまの持続可能な成長の支援及び当社グループの社員一人ひとりが自らの価値を高め、エンゲージメントを向上させていくための取組みを推進しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ

①ガバナンス

 当社グループでは、環境問題について経営上の重要課題(マテリアリティ)として捉え、持続可能な地域社会の実現ならびに当社グループの持続的成長に向けた取組みの管理・推進体制を構築しております。

・ 事業戦略部内にサステナビリティに関する企画や全体管理を行う「サステナビリティ推進室」を設置し、各種方針に基づく、当社グループのサステナビリティ推進の企画・立案、グループ各社・関連部署等との調整をおこなっております。環境問題については、サステナビリティ推進室が主管となり、経営会議における付議・報告、取締役会への付議・報告を行う態勢を整備しております。

・ 経営会議では、サステナビリティ課題として環境問題に関する施策・方針や取組状況などについて付議・報告をおこなっております。(年1回以上)。

 取締役会は、サステナビリティ関連の議案(方針策定や目標設定、取組みの進捗状況等)について付議・報告された内容に対し適切に監督する役割を担っています。

②戦略

 サステナビリティに関する経営戦略

・ 環境問題によるリスク及び機会への対応を進めるため、お客さまや地域の皆さまとの対話を深め、持続可能な地域社会の実現に向け地域社会への貢献を目指します。サステナブルファイナンスや事業性評価に基づく融資、各種ファンド等の活用ならびに起業・創業・販路拡大・事業承継等企業のライフステージに応じた付加価値の高い金融サービスの提供を通じて、地域・お客さまとの共通価値を創造し、地域経済の持続的成長に向けた取組みを推進してまいります。

・ 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略についての詳細は、有価証券報告書の「第2事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組(2)人的資本」に記載しております。

 リスクと機会

・ 環境問題の内、主に気候変動によって現在および将来に想定される当社グループが直面するリスクと機会を短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で以下の通り認識しました。

・ 今後、当社グループおよびお客さまのリスクの把握・低減に努めるとともに、機会を当社グループの成長に繋げてまいります。

移行リスク

法や規則

脱炭素等による規制強化や政策変更がお客さまの財務に悪影響を及ぼすことによる信用リスクの発生

中期~長期

テクノロジー・市場

脱炭素社会の移行に伴うテクノロジーの急速な転換に乗り遅れることや特性商品・サービスの需要の変動に対応できず、お客さまの財務に悪影響を及ぼすことによる信用リスクの発生

短期~長期

レピュテーション

脱炭素社会への移行に順応できず、レピュテーションが低下することでお客さまの財務に悪影響を及ぼすことによる信用リスクの発生

中期~長期

当社グループの気候変動に関する取り組みや情報開示が不十分とされる評判リスク(戦略と行動の乖離など)の発生

短期~長期

物理リスク

急性

風水害等の突発的な気象事象の発生により被災したお客さまの事業活動の停滞または停止、および不動産担保の毀損による信用リスクの発生

短期~長期

当社グループの本支店、データセンターの被災によるオペレーショナルリスクの発生

短期~長期

慢性

気温上昇、雪氷圏の減少、海面上昇等の長期的な気候パターンの変化により、お客さまの財務に悪影響を及ぼすことによる信用リスクの発生

長期

機会

サービス

お客さまの脱炭素社会への移行や環境問題対応を支援するサービスの提供等、ビジネス機会の増加

短期~長期

商品

金融商品・サステナブルファイナンスの提供

短期~長期

資源効率化・エネルギー源

省資源・省エネルギー化による自社の事業コスト低下

短期~長期

評判

ESGを重要視する投資家や資本市場からの評価向上

短期~長期

 炭素関連資産

・ 石油・ガス、石炭、電力会社(太陽光・再エネ関連除く)セクターの当行貸出金等に占める割合は、0.7%となっています。

・ 今後、基準に基づく開示対象セクターの開示に向け、データ整備等を進めてまいります。

・ 対象セクターについては、お客さまとの建設的な対話(エンゲージメント)を通じて、二酸化炭素排出量の把握や気候変動影響の低減のための事業再構築等の支援に努めてまいります。

※開示対象セクターの業種区分はGICS基準をベースとし、当社グループにおける業種分類で集計

 シナリオ分析

・ シナリオ分析の実施により、脱炭素社会への移行に向け、お客さまの事業転換を進めることの重要性を認識しました。今後、他のセクターに対する定量分析も実施し、セクター毎の気候変動リスクが当社グループに与える影響を把握するとともに、対象セクターにおけるお客さまとの対話(エンゲージメント)を通じて、お客さまの持続可能な経営が進むように支援してまいります。

<分析プロセス>

・ 各セクターのリスク(移行リスクと物理リスク)と機会を分析

・ 移行リスクのシナリオ分析対象セクターを決定

・ 移行リスク、物理リスクともに分析対象に応じたシナリオを設定し、与信コストへの影響を分析

≪移行リスクの定量分析結果≫

分析対象

エネルギーセクターのうち、電力とガス、及び運輸セクター

分析内容

該当事業者の2050年までの財務予想により債務者区分を判定し与信費用増加額を算出

使用シナリオ

IEA(国際エネルギー機関)NZEシナリオ(1.5℃シナリオ)

※不足するデータはAPSシナリオの値を代用

与信費用増加額

最大で約40~140億円

≪物理的リスクの定量分析結果≫

テーマ

営業停止による財務影響

担保不動産毀損額

分析対象

関東圏1都3県に本社を有する事業者

全先

分析内容

2050年までの累積損害期待額を算出し、該当事業者の財務予想により発生する与信費用増加額を算出

2050年までの累積損害期待額を算出し、毀損により発生する与信費用増加額を算出

使用シナリオ

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

RCP2.6シナリオ(2℃シナリオ)、RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)

与信費用増加額

最大で約89億円

③リスク管理

・ サステナビリティ項目のなかでも環境問題を重要なリスクの一つとして捉え、影響度合いと蓋然性を考慮のうえ、統合的リスク管理の枠組みで管理できる体制の構築に取組んでまいります。

・ 当社グループが地域金融機関グループとして持続可能な地域社会の実現に貢献するため、環境・社会に影響を与える事業に対する投融資方針として、「環境・社会に配慮した投融資方針」を制定しました。本方針には気候変動と関連性が高い石炭火力発電事業、森林伐採事業、パーム油農園開発事業も対象に含まれています。

・ リスク分析結果等を踏まえ、今後、お客さまとの建設的な対話(エンゲージメント)を進めてまいります。この中で、お客さまの課題やニーズを把握し、解決策を提供することでビジネスチャンスの把握と当社グループおよびお客さまのリスク管理の強化を進めてまいります。

④指標及び目標

 環境関連投融資額実行目標の設定

2022年度から2030年度までの環境関連投融資実行額2,000億円

2022年度実績:255億円

 環境負荷低減目標の設定

Scope1、2について、2013年度対比2030年度60%削減

・ これまでも温室効果ガス排出量の削減に取組んでおり、今後も継続してLED照明への移行、環境に配慮した営業車両への入れ替えを進めるとともに、再生可能エネルギー由来電力への切り替え等を進めてまいります。今後、Scope3の計測手法の検討を進めてまいります。

年度

2013

(基準年)

2019

2020

2021

2022

Co2排出量(t-Co2)

10,985

6,477

5,832

5,409

4,130

 

Scope1

721

652

480

485

450

 

Scope2

10,263

5,824

5,351

4,924

3,680

2013年度比Co2排出量削減率

 

△41.04%

△46.91%

△50.76%

△62.40%

※1:2013年度は、合併前の旧東京都民銀行および旧八千代銀行の実績の合算となります

(2)人的資本

①戦略

 当社グループにとって、最も重要な資本は“きらぼしびと”です。“きらぼしびと”である職員が、お客さま・地域社会のウェルビーイングの実現を目指し、職員一人ひとりの幸せ=ウェルビーイングが企業の価値を高めていきます。

(人材育成方針)

 当社グループは「職員一人ひとりが自らの価値を高め、企業価値の向上に貢献する」という基本的な考え方のもと、人材育成を進めております。お客さまに価値あるサービスを提供するための「個の強化」を目的として、職員の自発的な専門性向上を促す「道場研修」の実施、さまざまなバックグラウンドを持つ専門人材の中途採用等を行っている他、互いに刺激し高め合い多様な仲間を尊敬し合う「企業文化の醸成」を目指し、「きらぼしびと研修」の開催、女性の管理職登用推進等に取組んでおります。「採用」「育成」「人員配置」を戦略的に行うことで、職員の「挑戦」する機会、地域社会に 生きるすべての方々に喜びを届ける機会の好循環を生み出し、職員の成長が当社グループの成長へと 繋がる仕組み作りを推進してまいります。

(社内環境整備方針)

 当社グループは「良好な職場環境を常に追求し、職員一人ひとりの働きがいを高めていく」という社内環境整備方針のもと、女性及び男性の育児休業取得促進、テレワーク・フレックスタイム制の整備、関係性の質の向上を目指した各種コミュニケーション活性化策等に取組んでおります。

 また、「職員と家族の健康保持・増進、いきいきと働ける職場づくり」をテーマに健康マネジメントに取組み、2022年度には「万一の事故・病気の際に役職員と家族の生活をサポートし、職場復帰を支援すること」を目的に、休職時の所得を一部補償する制度を導入しました。ファイナンシャル・ウェルネスを通じて、職員が心身の健康のみならず、将来の金銭的な状況について安心感を持てるよう支援し、企業の価値創造や生産性の向上に繋げていくことを目指してまいります。

②指標及び目標

 上記①戦略における「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」に関する指標ならびに当該指標を用いた目標を以下の通り設定しております。

 

指標

実績

目標

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

人材育成方針

道場研修参加者

74名

1,550名

1,064名

1,200名

中途採用者人数

50名

50名

30名

50名

女性管理職比率

15.3%

16.8%

16.9%

18%

社内環境整備方針

女性育児休業取得率

100%

100%

100%

100%

男性育児休業取得率

46.2%

37.3%

100%

100%

※主要な連結子会社である㈱きらぼし銀行における指標及び目標を設定しております。

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