ヨコオ 【東証プライム:6800】「電気機器」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
<経営の基本方針>
●品質第一主義に徹し、最高品質と環境負荷物質ゼロ化により、「ヨコオ品質ブランド」を確立する
●「技術立脚企業」として、アンテナ技術・マイクロウェーブ技術・表面改質材料技術・微細精密加工技術をさらに強化・革新するとともに、製品の付加価値向上に貢献する新技術を積極的に導入し、顧客の製品機能多様化・適用技術多様化へのニーズに応える
●プロダクト・イノベーション(事業構造・製品構造の革新)、 プロセス・イノベーション(事業運営システムの革新)、 パーソネル・イノベーション(人材の革新) の3つの革新に加え、将来成長を見据えた マネジメント・イノベーション(経営・事業運営の革新) を強力に推進することにより、「進化経営」の具現化を加速する
●業界/顧客/技術/サプライチェーン等の事業構造を重層化することにより、世界的パラダイムシフト/ドラスティックな事業環境や競争環境激変に対応可能な事業体制を確立する
(2)目標とする経営指標
<中期経営基本目標>
当社グループは、2024年5月14日公表の「新中期経営計画2024-2028」(2025年3月期~2029年3月期)において、以下の指標を中期経営基本目標として掲げております。
●ミニマム10(テン)の安定的な実現
ミニマム10:売上高営業利益率・営業利益成長率・投下資本利益率・自己資本利益率を10%以上確保
●連結売上高1,000億円の達成
(3)中長期的な会社の経営戦略
当期(2024年3月期)におきましては、当社グループは持続的な企業価値の向上を目指すとともに、より一段高いステージでの社会貢献の実現に向けて、経営の基本方針に掲げる4つのイノベーション(プロダクト/プロセス/パーソネル/マネジメント)の推進に取り組みました。
また、当社グループは、パーパス「人と技術で、いい会社をつくり、いい社会につなげる。」の実現に向け、グローバル社会のサステナビリティに貢献する事業活動/企業活動により、ステークホルダーと共に持続的な進化と成長を続ける「進化永続企業」を目指しております。
この考え方に基づき策定した「新中期経営計画2024-2028」の骨子は、以下のとおりです。
<経営戦略>
1)主要市場(自動車/半導体検査/携帯端末/医療機器)における成長・収益基盤強化
① 主力3事業(VCCS/CTC/FC)における事業進化テーマの探索と推進
② 成長率の高い新興国市場(特に中国・インド・アセアン)での本格事業拡大
③ CTC/FC事業の再成長路線への回帰による事業ミックスの適正化
④ 第4の核事業としての成長が確実なMD事業(医療分野)の本格躍進
2)新たなコアコンピタンスの獲得/他社との協業による事業ドメイン拡張
① 主力事業のドメイン拡張への取組み強化
② 電鋳技術/MEMS加工技術/光電融合技術領域における協業の構築と自社取込み
③ 自社ソフトウェア開発能力の取込みと並行したコト売りビジネスの本格化
3)ROIC経営の浸透
① ROIC(投下資本利益率)/WACC(加重平均資本コスト)を事業別に導入するとともに、より収益力/資本効率の高い事業構造に創り変えていく
② 不測の事態に備えて一定のキャッシュを保ちつつ、M&A/アライアンスを通したビジネスモデル革新/事業拡大と、安定成長配当と自社株買いによる株主還元の充実を図る
4)人的資本経営=「人財」中心の経営、サステナビリティの取組み
① 従業員の能力やスキルを組織の成長に活かし、中長期的な企業価値の向上につなげる
② マテリアリティを軸としたサステナビリティの取組みを推進する
これらを強力に推進することにより、本中期経営計画期間において、中期経営基本目標である「ミニマム10」の安定的な実現と連結売上高1,000億円の達成を目指してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
世界経済は、世界的な金融引き締めに伴う景気悪化や大幅な円安進行に加え、ウクライナ・中東情勢等の地政学リスクの高まりによる資源・原材料価格の高騰など、先行き不透明な状況が続いており、当社事業環境も、自動車市場は堅調に推移しているものの、半導体検査市場や携帯通信端末市場は2024年3月期における低迷から未だ回復途上にあり、予断を許さない状況にあります。このような状況下で、当社グループは以下の点に重点的に取り組みます。
1)VCCS事業
① 標準化/共通化による原価構造の徹底改革による収益体質の継続改善
② EV化/SDV(※)化/ADAS化に伴う新アプリケーション領域製品新規参入による新たな分野での売上拡大
※SDV:Softwear Defined Vehicle 外部との双方向通信でアップデートされる制御ソフトウェアにより性能の維持・向上を行う自動車のこと
2)CTC事業
① 現有技術の研鑽と他社との協業/共創/M&Aを通じて、新たなテストニーズに対応したハードウェア供給力を強化
② 社内・外部技術を駆使した総合テストソリューション型ベンダーへの進化
3)FC事業
① 材料/部品加工/表面改質の深耕による主力スプリングコネクタ(SPC)製品の強力引上げ
② 最小最軽量/低コストを付加価値とした製品の市場投入による事業拡大
4)MD事業
① 医療製販業認可取得に基づく自社企画製品の上市
② 先端医療機器分野におけるエコシステム拡大による人類・社会への貢献を加速
5)インキュベーションセンター
現有技術にとどまらず、顧客ニーズを満たす技術を保有するパートナーを探索し連携することで、
① 新たな市場を創造する製品・ソリューションを提供
② グローバル市場のニーズを把握し、モノ売りからコト売りへのビジネスモデル変革を推進
③ 企業連携、M&A、共創する企業への積極投資をも活用し、技術・人財・設備を補完し、新たな事業領域/ビジネスモデルを創出
上記の重点施策を着実にかつ強力に推進することで、中長期的に、激変の中でも揺るがない圧倒的な強みを確立するとともに、ステークホルダーの皆様と新たな価値の協創に邁進してまいります。
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