ヨコオ 【東証プライム:6800】「電気機器」 へ投稿
企業概要
(1) サステナビリティに関する基本的な考え方
当社は、2022年4月、企業理念を刷新し、以下のとおりパーパス(存在意義)/ビジョン(目指す姿)/バリュー(価値観)を定めております。
●パーパス:「人と技術で、いい会社をつくり、いい社会につなげる。」
・パーパスのステートメント:
「もっと社会に貢献したい。そのために、ヨコオをもっといい会社にしたい。
私たちは、多様な仲間の声に耳を傾け、世界に目を向け、安心安全な未来のために、社会の進化と課題解決に真摯に取り組む『いい会社』をつくっていきます。
人と技術で『いい会社』をつくり、ステークホルダーの皆様とともに持続可能な『いい社会』の実現に貢献していきます。」
●ビジョン:「社会ニーズのその先に、人と技術で挑戦し、『新しい』を生み出し続ける進化永続企業。」
●バリュー:「Respect 尊重」、「Fairness 公正・公平」、「Ownership 当事者意識」、「Challenge 挑戦」、
「Innovation 革新」
(ご参考:当社コーポレートサイト「企業理念体系/スローガン」)
https://www.yokowo.co.jp/company/philosophy.html
サステナビリティに関する当社の基本的な考え方は、上記のパーパスのステートメントに示しているとおりです。また、ビジョンに掲げる「進化永続企業」は、持続可能な社会があってこそ実現できるものであり、持続可能な社会の実現に貢献する会社であり続けることが大前提になると考えております。
(2) サステナビリティに関するガバナンス
当社グループは、サステナビリティ課題への取組みにおいてガバナンス体制を強化しており、投資を行う場合は、稟議規程に定める金額基準に従い、取締役会において事業機会やリスクを評価し、合理的判断のもと意思決定を行うこととしております。代表取締役は、マテリアリティの基本方針と施策に関するリソース投入の承認を行っており、取締役会は、当社のサステナビリティに関する基本方針を審議・決定し、その取組み状況を監督する責任を負っています。
取締役および執行役員の報酬決定基準にも、サステナビリティ課題への取組みに関する実績評価を組み込み済みであり、代表取締役(社長)が評価を行ったうえで、指名・報酬諮問委員会(委員の過半数が独立社外取締役であり、委員長は独立社外取締役である委員から選出)に諮問します。同委員会で審議し決定した原案を、委員長である独立社外取締役が取締役会に答申し、取締役会で決定しています。
また、当社は、2022年10月に、グループで特定している3つのマテリアリティ(環境/地域社会/多様性と包摂性)に対して包括的に取組みを推進する機関として、「サステナビリティ委員会」を設置しました。
当委員会は、執行役員社長を委員長とし、委員である執行役員専務・常務とオブザーバーである常勤監査役・社外取締役により構成されており、当社グループのサステナビリティ課題の取組み方針の策定及び目標設定を行うとともに、取組み状況を取締役会に報告/情報共有する役割を担っています。
(3) サステナビリティに関するリスク管理
当社グループのサステナビリティに関するリスクは、まず全社的リスクマネジメントの中でその要諦を把握・管理しております。全社的リスクマネジメントにおける主要なリスクについては、後記「3 事業等のリスク」に記載しております。これらは、以下のとおりマネジメントサイクルを実行しております。
・当社の事業リスク管理委員会事務局が、当社全部門及び全グループ会社に対して、当期のグループ全体のリスク管理表をベースとして、次期に向けた自部門・自拠点のリスクアセスメント実施(新規リスク抽出・既存リスク内容更新)及びリスク低減策・低減計画立案を指示する。
・各部門・各拠点は、各々の次期事業計画にリスク低減計画を織り込む。
・リスクアセスメントにより更新された内容は、事業リスク管理委員会事務局が取りまとめる。個々のリスク項目が経営に与える影響度(軽微~致命的まで4段階)と発生頻度(ほぼ発生しない~頻発まで5段階)によりマッピングし、経営上重要なリスクを抽出する。
・事業リスク管理委員会事務局は、リスクアセスメントの概要を取締役会に報告するとともに、有価証券報告書等において開示する。
サステナビリティに関する、より詳細で具体的なリスクについては、後記「(4) サステナビリティの取組み項目」に掲げる各項目の推進体制/マネジメントシステムによりリスクマネジメントのPDCAサイクルを実行しております。
(4) サステナビリティの取組み項目
当社のサステナビリティの主要な取組み項目ごとのガバナンス/リスク管理進捗状況等は、以下のとおりです。
① 環境
a. 気候変動
イ) 基本的な考え方
当社グループは、「環境」を重点課題(マテリアリティ)の1つに選定するとともに、環境方針および行動指針において温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1・2)の削減目標を掲げ、気候変動対策に取り組んでいます。その具体的な施策内容と進捗状況はCDPの枠組みで開示しており、Scope3における温室効果ガス排出量削減への取り組みについても、今後さらに強化してまいります。
なお、GHG総排出量について2019年度分より第三者保証を受けており、GHG総排出量や気候変動対策の取り組みについては、2017年度分よりCDPにて開示をしています。今後も、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、気候変動への対応を強力に推進するとともに、事業活動を通じた社会の発展に貢献していきます。
ロ) TCFDへの対応
ヨコオグループは、2021年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明することを取締役会で決定しました。CDPの枠組みにおいて、TCFD提言の気候関連財務情報開示の中核要素であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に沿って情報を開示しています。
ハ)ガバナンス
前記「(2) サステナビリティに関するガバナンス」に記載の体制の下、環境担当役員及び環境管理責任者並びに、環境管理委員会(事務局:サステナビリティ推進部)が、気候変動対応を含む環境全般の計画・施策立案と推進を担っております。当社国内生産拠点(富岡工場及びMEMS開発センター)及び国内生産子会社並びに海外生産子会社(中国・マレーシア・ベトナム)においては、ISO14001の認証を取得しており、その環境マネジメントシステムにより継続的な水準向上に取り組んでおります。
ニ)リスク管理
当社グループは、車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器の3セグメントで事業を展開しており、すべてのセグメントで気候変動を含む企業活動や行動に関するリスクと機会を洗い出すとともに、その影響度を数値化して管理しています。
気候関連リスクの特定および評価は、環境管理委員会の運営プロセスの一部として、毎年の定期的な評価と、必要に応じて臨時の評価を実施しています。同委員会を構成する各部門ごとに、それぞれの業務プロセスから気候関連リスクを洗い出し、リスク評価を行った上で委員会事務局が集約、全社的リスクを特定し、サステナビリティ推進部長および環境担当役員の承認を経た後、全社的リスクとして取締役会に報告しています。
ホ)戦略
・シナリオ分析
気候関連のリスクと機会を特定・評価し、気候関連課題が事業に与える中長期的なインパクトの把握のため、車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器の3セグメントを想定し、分析を実施しました。分析では、産業革命前に比べ 2100 年までに世界の平均気温が3℃上昇すると想定したシナリオと、気温上昇を1.5℃未満に抑えられたシナリオを採用し、移行リスク・機会に関する分析と災害などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関する分析を実施しました。
・当社グループのビジネスへの影響
気候関連リスクと機会が当社グループの戦略に及ぼした影響
影響を受けた戦略分野 | 影響の説明 |
製品及びサービス | 当社グループが提供する主な製品・サービスは、車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器の3セグメントでの製造・販売です。製造業では設計と製造が事業活動の主体となりますが、排出量が大きい製造段階におけるGHG排出抑制活動が重要となります。 今後、2015年のパリ協定による国の方針や2020年10月の日本政府による2050年の「カーボンニュートラル宣言」などを受けて、規制の強化等により大幅なGHG排出削減が要請されるのは確実です。当社グループとしても、よりGHG排出量の少ない製品を開発し、市場へ供給することが必要であり、技術提案力と競争力の強化が鍵となります。 |
サプライチェーン及び/又はバリューチェーン | 当社グループのサプライチェーンおよびバリューチェーンは、製品を構成する資材(原材料、二次製品など)の生産・調達と、自社の製造工場での生産にかかわるものに大別されます。 2015年のパリ協定による国の方針においても部門別の2030年度の排出量目安が示されており、資材生産や生産工場は産業部門に該当することから、削減が求められると想定されます。具体的には、気候変動抑制のためのGHG排出抑制に向けた対策から、資材生産時や製品生産時のGHG排出抑制のための規制強化に伴い炭素税の賦課や追加の設備投資などによるコスト増加が想定されます。 |
研究開発への投資 | 当社グループは、車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器の3セグメントにおいて、常に先端製品の開発・供給を目指しており、技術開発・研究開発が事業成長には極めて重要です。 2015年のパリ協定による国の方針や法規制によりGHG排出量の大幅な削減が求められるなか、それを実現するための技術の開発・保有が必要不可欠です。具体的には、カーボンニュートラル生産やカーボンニュートラル製品に関する技術開発が課題となります。 |
運用 | 当社グループの主力事業である車載通信機器事業、回路検査用コネクタ事業では、工場の生産工程からのGHG排出量が多く、脱炭素化に向けた社会的潮流は、炭素税、再生可能エネルギー導入量・価格など、さまざまな運用リスクと機会があります。当社は、このようなリスク・機会を踏まえ、2030年度に2014年度比で35%の自社工場からの温室効果ガス(Scope1・2)を削減することを目標に具体的な施策を推進しており、工場の操業に伴う排出量の削減は重要な課題となります。 |
気候関連リスクと機会が当社グループの財務計画に及ぼした影響
影響を受けた戦略分野 | 影響の説明 |
資産 | シナリオ分析の結果、低炭素化・脱炭素化への対応が喫緊の課題であるとの認識から、新規建物構築やオフィス選定に際してより高い省エネルギー性能を求めたことで、より高い取引価格となったという影響がありました。また、生産設備及びその付帯設備、工場インフラ機器、社用車(BEV・HEV、急速充電器)等についても、同様の影響がありました。 |
ヘ)指標と目標
当社グループは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、自社工場からの温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1・2)を2030年度に2014年度比で35%削減することを目標としております。
今後も、目標の達成に向けて、系統電力における再生可能エネルギーの利用拡大、エネルギー原単位削減、自家消費型再生可能エネルギー導入、グリーン電力調達などを柱として加速させるとともに、Scope3における温室効果ガス排出量削減への取り組みについても強化してまいります。
なお、気候変動に関するデータや具体的取組み等最新の情報は、下記の当社コーポレートサイトをご参照ください。
https://www.yokowo.co.jp/company/csr/warming.html
b. 化学物質管理と汚染防止
イ)基本的な考え方
当社では、環境方針の中で環境関連法規および顧客要請事項の遵守を掲げており、行動指針の一部として以下のとおり定めています。
・環境および人体に有害な影響を与える化学物質に対して、異常時、緊急時を含めた予防処置、対応処置を定め環境汚染の予防を行なうとともに、有害化学物質の使用量削減を図ります。
・環境関連法規、条例等の要求事項および顧客要求事項を遵守し、さらに自主基準を定め環境管理の向上に努めます。
ロ)ガバナンス及びリスク管理
前記「a. ハ)ガバナンス」に記載の体制により、計画立案・リスク管理・進捗管理及び報告等を行っております。
ハ)指標と目標
環境や人体に有害な影響を及ぼす化学物質に対して、異常時や緊急時を含めた予防措置や対応策を定め、環境汚染を予防するとともに、有害化学物質使用のゼロ化に向けて推進します。
ニ)主な取組み
当社グループでは、有害化学物質管理基準を定め、当社グループが生産および販売する製品に加えて使用する部品、材料等に含有される化学物質について管理対象を明確にするとともに、当社グループの社内および取引先に周知徹底し、環境品質の向上を図っています。同管理基準では、原材料・部品等の受け入れから出荷まで、化学物質の管理方法を定めています。
製品に使用されている構成部品については、サプライヤーとの情報共有に重点を置き、ICP分析機や蛍光X線分析機により厳しくチェックするとともに、世界の自動車メーカー・電機メーカーの変化する化学物質規制要求に対応した製品を供給しています。
なお、化学物質管理に関するデータ等最新の情報は、下記の当社コーポレートサイトをご参照ください。
https://www.yokowo.co.jp/company/csr/pollutionchemical.html
c. 水資源管理及び廃棄物削減・リサイクル
イ)ガバナンス及びリスク管理
前記「a. ハ)ガバナンス」に記載の体制により、計画立案・リスク管理・進捗管理及び報告等を行っております。
ロ)指標と目標
・水資源管理
当社グループの水の使用量は、生活用水が大部分を占めており、売上高当たりの水使用量を原単位で計測しております。前年度比1%の水使用量削減を目標に取り組んでおります。
・廃棄物削減・リサイクル
当社グループは、事業活動による廃棄物の排出量を削減するとともに、リサイクル率を80%以上にすることを目標に活動を進めております。
なお、水資源管理及び廃棄物削減・リサイクルに関するデータ等最新の情報は、下記の当社コーポレートサイトをご参照ください。
https://www.yokowo.co.jp/company/csr/environment.html
② 地域社会
a. 基本的な考え方
当社グループは、「地域社会」を重点課題(マテリアリティ)の1つに選定するとともに、地域社会の一員として、様々な社会貢献活動を推進しております。地域の発展を支える活動や、社会が抱える課題の解決に寄与する取組みを通じて、地域社会と共に発展していくことを目指しております。
b.主な取組み
イ)地域に根差した活動
・富岡市と連携し、地域住民や従業員の子供を対象とした野球イベントやティーボールなどのスポーツ教室の開催
・中国子会社従業員有志で結成した「友華ボランティア服務隊」による、環境保護活動やPCR検査などでのボランティア活動参加
ロ)持続可能な社会の実現に向けた活動
・フィリピン子会社従業員による植樹ボランティア活動
ハ)地域の発展に寄与する活動
・富岡市におけるネーミングライツパートナーとしての活動
・ベトナム子会社における地元教育機関との連携
なお、地域社会への貢献等に関する詳細やデータ等最新の情報は、下記の当社コーポレートサイトに掲載している「ヨコオ統合レポート2022」(「地域社会」はp.49から50まで)をご参照ください。
https://www.yokowo.co.jp/ir/library/annualreport.html
③人権尊重
人権方針の策定
当社は、2023年4月開催の取締役会において、人権方針を決定いたしました。その概略は以下のとおりです。
ヨコオグループは、「人と技術で、いい会社をつくり、いい社会につなげる。」をパーパス(存在意義)と位置付けています。そして、多様な仲間の声に耳を傾け、世界に目を向け、従業員を支える家族、お客様、お取引先様、地域の皆様など、すべてのステークホルダーの方たちと一緒に、幸せないい未来の姿を思い描き、「新しい」を生み出し続ける進化永続企業を目指しています。
「ヨコオグループ人権方針」(以下、「本方針」)は、ヨコオグループ(以下、「私たち」)のパーパス(存在意義)の基盤として、事業活動において関わるステークホルダーの人権を尊重するという私たちの姿勢と責任を示すものです。そして、本方針は、人権に関する最上位の方針として、私たちが人権に関する取り組みを継続して進めていく上での指針となるものです。
本方針は、取締役会の監督の下、人権・労働・倫理マネジメント委員会がその運用を担います。
・人権尊重に対する基本姿勢
本方針の適用範囲とお取引先様への期待
法令の遵守と国際規範の尊重
・人権デュー・ディリジェンスの実施
人権デュー・ディリジェンス体制の整備
ステークホルダーとの対話
是正・救済
苦情処理メカニズム
研修・教育
情報開示
・個別の人権課題への取り組み
強制労働の禁止
児童労働の禁止
差別の禁止
非人道的な扱いの禁止
結社の自由及び団体交渉権
労働時間及び賃金
労働安全衛生
外国籍労働者の人権
上記人権方針の詳細は、下記の当社コーポレートサイトに掲載しております。
https://www.yokowo.co.jp/company/csr/humanright.html
④人的資本
a. 多様性と包摂性
イ)基本的な考え方
当社グループでは、「多様性と包摂性」を重要課題(マテリアリティ)の一つと定め、国籍・性別・世代にとらわれず、多様な人材を採用・育成し、従業員一人一人が最大限に力を発揮できるよう、個性の尊重と校正・公平な処遇、働きやすい職場づくりに努めます。
ロ)多様性に関する具体的な取組みと目標
・女性活躍推進
当社は、製造業という業態から女性正社員の採用数が少なく、母集団が小さいため、女性リーダー比率(全女性社員に占める係長職以上の女性の社員の比率)も男性と比べて低いのが現状です。この女性リーダー比率を2030年までに男性と同等以上とすることを目標として、女性の社外役員就任や管理職への積極的な登用を行っております。
また、女性従業員による「ラウンドテーブル」(座談会)を開催し、そこで出た意見や要望を集約して、業務のあり方等を順次改善しております。
・外国人人材の積極的採用と育成
「TISP(Tomioka International Specialist Park)プロジェクト」を中心的な取組みとして推進しております。本プロジェクトは、外国籍のスペシャリスト人材を積極採用・育成し、当社のマザー工場である富岡工場を中心に配置する構想です。2030年の目標として、120名の配置を掲げており、2022年度実績は72名です(日本国内勤務を継続している者だけでなく、母国にある当社グループ会社に勤務している者も、実績人数に参入しています)。
このプロジェクトにおいて、日本在住の外国籍の従業員はもとより、海外在住の従業員も積極的に採用しています。特に、主力生産拠点がある中国、ベトナム、マレーシアでは、現地の大学を卒業した新卒入社者に対して、日本での数年間の研修プログラムを実施しております。対象者には個別のCDP(Career Development Plan)を作成して計画的な人材育成を行っており、日本での研修を修了した従業員の多くが戻り活躍しております。
・障がい者雇用
当社グループの障がい者雇用率の2030年度目標として「法定雇用率の1.5倍」を設定し、その実現に向けて、2022年4月に業務受託・請負を業とする「株式会社ヨコオみらいサポート」を設立して、障がいを持つ方の積極的な採用を行っております。2023年3月に特例子会社の認定を受け、2023年5月には、これまで未達成であった法定の障がい者雇用率をグループ全体として達成しております。
・キャリア採用の強化
キャリア採用については、当社は過去から、特に新技術導入・新分野進出に際して積極的に行ってきており、2022年度末時点で当社単体に在籍する従業員に占める中途入社者の比率は62.4%です。数値目標等は特段設定しておりませんが、今後も国籍・性別・世代等にかかわらず、積極的に推進してまいります。
b. 労働安全衛生
イ)基本方針
当社(株式会社ヨコオおよび国内外のグループ会社を含む)は、当社の重要な財産である社員(以下「社員」といいます。)及び構内協力会社、訪問者等の当社活動における利害関係者(以下「利害関係者」といいます。)の安全と健康を経営の最優先課題と位置付け、安全を常に確保し、社員及び利害関係者が安心して働ける職場を追求するとともに心身の健康増進に努めます。
1) 労働安全衛生関連法及びその他の要求事項を順守し、社員及び利害関係者の安全と健康を最優先するとともに継続的活動を展開します。
2) 労働安全衛生マネジメントシステムを構築・維持し、継続的な改善を行います。
3) 職場における危険源の特定と労働安全衛生リスクの評価に基づき目標を設定し、OH&Sの改善、及びリスク低減を目指します。
4) 安全で健康な職場環境を実現させるため、必要な教育を実施し、社員の労働安全衛生に対する理解と意識の向上を図ります。
5) 労働安全衛生方針を文書化し、全社員に周知するとともに利害関係者に公表し、目標達成に向けた継続的な改善活動を展開します。
6) 社員との協議と参加により、継続的な労働安全衛生パフォーマンスの向上を図ります。
ロ)管理体制
当社は、2018年にOHSAS18001の認証を取得(2021年よりISO45001に移行)し、そのマネジメントシステムにおいて、経営トップを筆頭として実務上の中心となる各部門の部門安全衛生管理者・推進者で構成する「安全衛生推進委員会」を毎月開催しております。また、産業医等を交え労使の代表者が協議を行う場として、「安全衛生委員会」を法令に基づき毎月開催しております。2022年度より、総務部内に安全衛生課を設置し、各会議体の推進を中心に安全衛生に資する施策のさらなる充実化を図っています。
ハ)目標及び実績
項目 | 2022年度実績 | 2030年度目標 |
社内労働災害発生件数(連結・国内) | 2件 | ゼロ |
新規付与有給休暇の取得率(当社単体) | 71.5% | 90% |
なお、労働安全衛生に関するデータ等最新の情報は、下記の当社コーポレートサイトをご参照ください。
https://www.yokowo.co.jp/company/csr/safety.html
c. 人材育成及び社内環境整備
イ)基本方針
当社グループは、競争優位につながるプロダクト/プロセス・イノベーションに必要な技術知識体系を特定し、そのために必要な従業員教育・人材獲得・外部機関連携の組み合わせによる"知"のエコシステムを構築していくパーソネル・イノベーションを、経営課題として取り組んでおります。
その中で、人材育成及び社内環境整備については、「社員は企業競争力の源泉となる財産であり、社員が学び成長する場を作ることで、事業が強くなり会社が成長し、当社に勤めると大きく成長できると社員が実感できる。さらにそれが優秀な人を当社に惹きつける。そういった正の循環を生み出す。」という基本的な考え方に基づき、2023年4月に新設した「人財育成センター」がその司令塔となって、当社グループ社員の職務遂行能力のレベルアップと、トップガン人材層の先端技術実装能力の競合優位の確立を目指しております。
ロ)目標設定・取組み等
以下のプロセスにより、上記イ)基本方針にいう「正の循環」の創出に取り組んでおります。
・当社が達成すべき人財育成目標の設定
・当社が達成すべき人財育成目標と現状とのギャップの明確化
・当社グループ全体(海外拠点も含む)を対象とした、上記ギャップを埋めるための人財育成プログラムの策定と推進
・当社グループ全体を対象とした人財育成のKPIの設定と進捗の把握
・当社グループ全体を対象とした人財育成予算の設定と管理
・支援機関との関係構築と運用
・社員の内発的学習意欲を喚起する企業風土の醸成
2022年10月より運用中のタレント・マネジメント・システムをベースとして、現時点では人財育成目標の検討段階にありますが、2023年度中を目途に、国内を中心に上記プロセスの確立に努めてまいります。2024年以降は、現在構築中のジョブ型人事制度との連携やグローバル研修プログラムとの連動を目指してまいります。
d. 従業員エンゲージメント
・従業員エンゲージメント調査の実施
当社従業員が、会社の目指す方向性(パーパス/ビジョン/バリュー)に共感し、従業員個々の目指す方向性(各自多様な自己実現)との一致度合いを把握すること、当社が持続的に成長し続ける土台となる"いい会社"を実現するために職場環境の改善領域を把握することを目的として、2022年10月に、当社単体の正社員・契約社員を対象として、従業員エンゲージメント調査を実施いたしました。
同調査の結果は原則として部門単位でフィードバックし、2021年度に実施したラウンドテーブル(座談会)から集約した従業員の意見・要望等と併せて、社内制度の改善等に活かし、従業員エンゲージメントの継続的向上に努めてまいります。
⑤情報セキュリティ
a. 基本方針
株式会社ヨコオグループ (以下、「当社グループ」といいます。)は、社会から信頼され続けるために、お客様やお取引先様からお預かりする情報はもとより、当社グループが取り扱うすべての情報資産の重要性を常に認識して、その不適正な開示、情報の漏洩、目的外の使用を防ぎ適切に保護するため、ここに「情報セキュリティポリシー」を定めます。
・法令遵守
当社グループは、情報セキュリティに関する法令、国など公的機関が定める指針、会社規則を遵守します。
・運用体制
当社グループは、当社グループの情報セキュリティを統括する情報セキュリティ委員会を設置するなど、情報セキュリティの運用体制を構築するとともに、その維持と改善活動を継続的に実施していきます。
・情報資産の管理
当社グループは、情報セキュリティ確保のため、情報資産の重要性に応じた取扱いを機密情報保護規程として定め、適切に管理します。
・教育
当社グループは、全ての役員と従業員および当社業務関係者の意識向上を図るため、情報セキュリティに関する法令、国など公的機関の定める指針、会社規則等を含め、日常の業務において実施すべき事項と、社会人として守るべき情報マナーについて教育を行います。
・事故の予防と発生時の対応
当社グループは、情報セキュリティ事故の発生予防に努めます。また、万一、事故が発生した場合には、その影響を最小限にとどめるための対応策を実施するとともに、原因を迅速に究明し、適切な対策および再発防止策を速やかに講じます。
b. 管理体制及び取組み等
当社は、情報セキュリティ管理を経営の最重要課題の1つとして認識し、適切に管理するため、当社及び主要生産拠点においてISO27001の認証を取得し、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の構築・運用、定期及び随時の情報セキュリティ教育など、グループ全体での情報セキュリティ活動を推進しています。
なお、情報セキュリティに関する最新の情報は、下記の当社コーポレートサイトをご参照ください。
https://www.yokowo.co.jp/company/csr/security.html
⑥公正取引
a. 基本的な考え方
当社は、企業理念体系として定めているパーパス/ビジョン/バリューに基づいて健全な事業活動を推進するとともに、「CSR方針」および「CSR行動規範」に則って、社会的良識をもって行動します。
公正な取引については、「CSR行動規範」の「公正な取引」において、以下のとおり定めております。
・当社および社員は、公正、公明かつ自由な競争を通じて、製品およびサービスを調達し販売します。
・当社および社員は、優先的地位を濫用することにより、取引先に不利益を与える行為を行いません。
・当社および社員は、平和・安全の維持のため、法令と規程に従い適切な輸出管理を行います。
CSR方針及びCSR行動規範の詳細については、下記の当社コーポレートサイトをご参照ください。
https://www.yokowo.co.jp/company/csr/conduct.html
b. 管理体制及び取組み等
・原材料等の調達や間接購買については購買本部が、安全保障輸出管理についてはサステナビリティ推進部が、それぞれ所管しており、社内規程において法令等に則った手続を定めるとともに、対面研修・e-ラーニング等による社内教育を実施し、公正な運用の徹底に努めております。
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