オムロン 【東証プライム:6645】「電気機器」 へ投稿
企業概要
オムロンは、創業の時代から社会的課題への解決を標榜し、「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」という社憲を原点に、一貫してサステナビリティを重視した経営を推進してまいりました。オムロンにとってサステナビリティとは、企業理念を実践することに他なりません。つまり、企業理念に基づき持続的な企業価値の向上を図り、地球視点で社会の持続的発展を追求していくという考え方が基本にあります。
「SF2030」では、社会の急速なパラダイムシフトを成長の機会として捉え、サステナビリティ取り組みと事業活動を統合し、より一層の能動的な取り組みへと進化させてまいります。
ここでは、(1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み、(2)気候変動の対応、(3)人的資本に関する取組みについて、それぞれ「①ガバナンス」「②戦略」「③リスク管理」「④指標と目標」の項目で記載します。
(1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み
①ガバナンス
・全社でのサステナビリティ推進体制として、取締役会の直下に「サステナビリティ推進室」を設け、サステナビリティ課題の管理を行うとともに、執行部門に「サステナビリティ推進委員会」を設置、サステナビリティ課題への取組みを実行しています。
具体的には、サステナビリティ推進委員会は、注力ドメイン及び本社機能部門、各種委員会(企業倫理リスクマネジメント委員会、情報開示実行委員会、グループ環境委員会など)におけるサステナビリティに関わる重要課題の特定、年度計画の策定やその進捗モニタリングを統括し、執行会議への報告を行っています。
また、これらの委員会の活動内容は、サステナビリティ推進室や、執行部門から定期的に取締役会に報告しています。サステナビリティ重要課題の取組み推進は、2022年度の取締役会の重点テーマの一つとして重点的な監督を受けています。さらに、2023年度よりサステナビリティ担当の取締役および業務執行としてのサステナビリティ推進担当役員を設置し、グループ全体でのさらなるガバナンスの強化を図っています。
※取締役会でのサステナビリティ重要課題の取組み推進についての議論の詳細については、以下の「2022年度取締役会実効性評価結果」をご参照ください。
https://www.omron.com/jp/ja/assets/img/sustainability/governance/corporate_governance/chart/20230601_governance_effectiveness_j.pdf
<サステナビリティ推進のためのマネジメント構造>
・2017年度から役員報酬の中長期業績連動報酬(株式報酬)の評価に、DJSIの調査に基づくサステナビリティ評価を組み入れています。さらに、オムロンの成長に寄与するKPIとして「温室効果ガス排出量の削減」「社員に対するエンゲージメントサーベイにおけるSustainable Engagement Index (SEI)のスコア」を、2020年度の役員報酬制度の改訂において新たに追加しました。
第三者機関のサステナビリティ評価を採用することで公正性・透明性を高め、サステナビリティ方針・目標・KPI・進捗状況をウェブサイトなどで開示することで、ステークホルダーとの対話を強化し、取組みの進化に活かしています。
役員報酬制度の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等①役員報酬等」の内容をご覧ください。
②戦略
・私たちオムロンの存在意義は「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」です。これを実現していくために、オムロンが注力すべきサステナビリティ重要課題を特定し、中長期戦略の中に組み込んで具体的な取組みと目標を設定して事業を通じて実行しています。
「SF2030」では、事業とサステナビリティを統合し、社会価値と経済価値の両方を創出することで企業価値の最大化を目指します。
詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。
③リスク管理
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
④指標及び目標
・サステナビリティに関する指標及び目標は、以下に記載しています。
2030年度・2024年度の目標「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」
2022年度の進捗 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」
・サステナビリティ課題への取組みに対する社外からの評価
当社がこれまで継続してきた、事業を通じたサステナビリティ課題の解決への取組みが高く評価され、DJSIワールドを始め世界標準の様々なインデックスへの組み入れや表彰を受けています。
<第三者評価の推移>
| 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
Dow Jones Sustainability Indices | DJSI-World | DJSI-World | DJSI-World | DJSI-World | DJSI-World |
S&P Global Sustainability Award | - | - | Gold Class | Silver Class | Top 5%(注) |
CDP(気候変動) | B | A- | A- | A- | A |
EcoVadis | SILVER | GOLD | PLATINUM | GOLD | PLATINUM |
(注) S&P Global社によるSustainability Award は2022年度から評価の記載が変更になりました。
※社外からの評価の詳細については下記をご参照ください。
https://sustainability.omron.com/jp/evaluation/
(2)気候変動への対応
世界各地で異常気象による大規模な自然災害が多発する中、気候変動は当社が取り組むべき最重要課題であると捉え、2022年度からスタートした長期ビジョン「SF2030」のもと、社会的課題である「カーボンニュートラル社会の実現」に挑みます。
2019年2月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明以降、株主・投資家などのステークホルダーと当社の気候変動取組みについてのエンゲージメントを強化するため、TCFDのフレームワークに基づいた情報開示を進めています。
TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示
TCFD提言は、すべての企業に対し、「①ガバナンス」「②戦略」「③リスク管理」「④指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、当社の気候関連への取組みを開示します。
①ガバナンス
・オムロン環境方針
「SF2030」におけるサステナビリティ重要課題、「事業を通じた社会的課題の解決」「脱炭素・環境負荷低減の実現」を推進し、目標達成するための重要な指針として、2022年3月1日に「オムロン環境方針」を改定しました。この方針で、取り組むべき重要な環境課題と行動指針を定めたうえで、脱炭素・環境負荷低減に取り組みます。今後、オムロンは本方針に基づき、バリューチェーン全体での環境課題解決に取り組み、ステークホルダーの期待に応えることで企業価値の向上につなげていきます。
※オムロン環境方針は下記をご参照ください。
https://sustainability.omron.com/jp/environ/management/vision/
・取締役会の役割・監視体制
当社グループでは、「オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシー」において、TCFD等の枠組みに基づく気候変動リスクへの取組みを含むサステナビリティ方針・重要課題および目標について、取締役会が決定・開示することを明確に定めています。
TCFD提言に沿って「SF2030」及び中期経営計画と連動させ各事業のシナリオ分析を行い特定した気候変動に関するリスクや事業機会、目標や具体的な取組み施策については、執行会議およびサステナビリティ委員会で協議・決定・進捗管理・モニタリングを定期的に実施し、必要に応じて是正策を検討します。取締役会は、執行会議で協議・決定された内容の報告を定期的に受け、論議・監督を行っています。
また、2021年度から2024年度を対象とする社内取締役および執行役員の中長期業績連動報酬(株式報酬)(注)の評価指標の一部として、温室効果ガス排出量の削減目標、気候変動対応を含む第三者機関によるサステナビリティ指標(Dow Jones Sustainability Indices)に基づく評価を組み込んでいます。
(注)詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」参照
②戦略
・短期・中期・長期の気候関連リスク・機会および対応
長期ビジョン「SF2030」および中期経営計画では、サステナビリティ重要課題「脱炭素・環境負荷低減の実現」を設定し、気候変動を「機会」と「リスク」の二側面で捉え、企業としての社会的責任の実践と更なる競争優位性の構築を図ります。
そして、気候変動による生態系および人間社会に対する深刻な影響の拡大を抑止するため、当社グループは「脱炭素に向けた製品・サービスの提供」、「モノとサービスを組み合わせたビジネスモデルの進化」、「パートナーとの共創」、「エネルギー効率の改善」、「再生可能エネルギーの使用拡大」などによりバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量削減に取り組んでいきます。
その中で、当社グループは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表する「世界の平均気温が4℃以上上昇する」「世界の平均気温がパリ協定で合意した2℃未満の上昇に抑えられる(一部1.5℃以内)」の2つのシナリオで、リスクと機会を分析し、気候変動問題解決にはオムロンの対応が必要であると再確認しました。具体的には、インダストリアルオートメーションの分野において、
i-Automation!”を進化させ、地球環境との共存と、働く人々の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築し、生産性とエネルギー効率を高めるオートメーションの実現を目指します。また、ソーシャルソリューションの分野において、これまで太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきましたが、今後は、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。またデバイス&モジュールソリューション分野では、製品の環境性能向上、およびカーボンフットプリント削減への関心の高まりによる電子部品事業の製品における省エネ・省資源の開発・および提供も加速します。その他にも社会と様々な接点を持つ当社グループは、社会の多くの場面でカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
また、2022年度では、当社グループは国内製造業で初めてEP100に加盟し、制御機器事業とヘルスケア事業のすべての生産拠点において1ギガワット時(GWh)当たりの売上高比率である「エネルギー生産性」を2040年までに2016年比で倍増させることをコミットしました。現在、血圧計や体温計の国内生産拠点である松坂事業所では、制御機器事業とヘルスケア事業が連携し、エネルギー消費量を減らしながら生産量を倍増する仕組みづくりに取り組んでいます。取組みを通じて得たノウハウを自社だけにとどまらず世の中に提供していくことで、製造業および社会の脱炭素化に貢献していきます。
・事業を通じてカーボンニュートラルに貢献する全社売上高目標と進捗
2024年までの中期経営計画では、事業を通じてカーボンニュートラルに貢献する全社売上高(Green Revenue)の目標を1,300億円と設定しています。その初年度である2022年度の実績は、カーボンニュートラルへの取組みを加速し、1,092億円(計画比+105%) を達成しました。
当社グループが認識する気候関連リスク及び、製品・サービス市場ごとの機会は以下の通りです。
<当社グループの気候変動のリスク・機会の概要と対応>
(注)リスクとして記載の物理リスクは、日本、中国を中心とする主要生産15拠点を対象として、ハザードマップ、AQUEDUCTを活用した分析を実施しました。100年に一度の災害が発生した際には、2拠点がリスクに晒されることが明らかになりましたが、再現期間を加味した年間影響額は1.5/2℃・4℃どちらのシナリオでも極めて小さいことから影響度は「小」としております。
<TCFDシナリオの前提>
<事業及び財務への影響度(大・中・小)の定義>
※・リスクへの影響度として営業利益に対してプラスもしくはマイナスの影響を定義しております。
・影響度は、特定したリスク・機会へ対応した場合を記載しております。
③リスク管理
・リスクを評価・識別・管理するプロセス
当社グループは、各事業のシナリオ分析を実施し、気候変動影響による「移行リスク」「物理リスク」を網羅的に抽出しています。そして、抽出した気候変動に伴うリスクについて、採用シナリオごとに「顕在時期」「事業および財務への影響額」を可視化し、事業および財務への影響度を評価しています。評価を基に当社グループにとって重要な気候変動に伴うリスクを特定し、事業リスクの一環として全社リスクマネジメントに統合しています。なお、対応策の立案にあたっての重要事項は、取締役会へ報告しています。
2022年度は、制御機器事業、ヘルスケア事業及び電子部品事業については、2021年度のシナリオ分析の結果を再評価し、社会システム事業については、シナリオ分析を再実施しました。物理リスクについては、各事業における主力製造拠点のリスク評価の見直しを行いました。
・全社リスクマネジメントへの統合状況
当社グループは、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、グループ共通のフレームワークで統合リスクマネジメントの取組みを行っています。気候変動リスクをグループ重要リスクと識別・評価し、シナリオ分析によるリスクと整合させ、バリューチェーン全体での取り組みのモニタリングを行っています。
④指標と目標
・気候変動のリスク・機会に関する指標
当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3(注1)の温室効果ガス排出量、および事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギーに関する指標を定めています。
・温室効果ガス排出量に関する目標及び実績(Scope1・2・3)
当社グループは、環境分野において、持続可能な社会をつくることが企業理念にある「よりよい社会をつくる」ことと捉え、2018年7月に、2050年にScope1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指す「オムロン カーボンゼロ」を設定しました。
そして2022年3月、オムロンはカーボンニュートラル社会の実現に向けて取り組みを進化させ、Scope1・2については、削減シナリオを2℃シナリオからより積極的な1.5℃シナリオに変更しました 。また、Scope3カテゴリー11について、2030年に18%削減(2016年度比)という目標を新たに設定しました。これらの目標はSBTイニシアチブ(注2)の認定を受けています。
また、目標達成に向けて、オムロンは、引き続きエネルギー効率の改善を進めるとともに、自社のエネルギーソリューション事業が提供する再エネ由来のJ-クレジット(注3)や自己託送(注4)などを活用することで、2024年度にScope2についてオムロンの国内拠点のカーボンゼロ(注5)の実現を目指します。
<温室効果ガス排出量に関する目標及び実績(Scope 1・2・3)>
(注)1 Scope1・2:自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス
Scope3カテゴリー11:Scope3は自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出。そのうち、カテゴリー11は製造・販売した製品・サービス等の使用に伴う排出。
2 SBTイニシアチブ(Science Based Targets イニシアチブ):科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減の中長期目標設定を推奨している国際的イニシアチブ
3 J-クレジット:環境価値 (CO2を排出しない効果)を国が認証する制度
4 自己託送:自家発電設備を保有する事業者が当該設備を用いて発電した電力を、一般送配電事業者の送電網を介して遠隔地にある自社工場や事業所などに送電・供給し、電力を使用することが可能となる電力供給制度
5 生産13拠点、非生産(本社・研究開発・販売)63拠点における自社の電力使用により排出される温室効果ガス排出量(Scope2)が対象
6 温室効果ガス排出量(Scope1・2)の2022年度の実績は、オムロンコーポレートサイトに掲載し、ビューローベリタスジャパン株式会社による限定的保証業務により第三者保証を受ける予定です。当該限定的保証業務は、いずれも国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000「過去財務情報の監査又はレビュー以外の保証業務」に準拠した業務です。
7 2022年度の温室効果ガス排出量削減は、計画を上回る省エネ・創エネの取り組みに加え、マレーシアの脱炭素対策・中国上海地区でのロックダウン等の影響により、目標を大幅に上回る削減量となりました。
(3)人的資本に関する取組み
①ガバナンス
オムロンでは、ダイバーシティ&インクルージョンの加速を2022年度の取締役会運営方針の重点テーマの一つに設定してモニタリングしています。
取締役会でのダイバーシティ&インクルージョンを加速についての議論の詳細については、以下の「2022年度取締役会実効性評価結果」をご参照ください。 https://www.omron.com/jp/ja/assets/img/sustainability/governance/corporate_governance/chart/20230601_governance_effectiveness_j.pdf 」
また、オムロンでは2023年度から人財戦略は今後の経営の要という認識のもと、主に「企業理念の浸透・共鳴の輪の拡大」、「リーダー育成と登用」、「全社員にとっての魅力的な会社づくり・企業文化の醸成」のさらなる実行を目ねらいとし、CHRO(最高人事責任者)を設置しました。CHROリードのもと、本社と事業が一体となって、「SF2030」での価値を創造するために人的資本の取組みをさらに推進していきます。
②戦略
「SF2030」人財戦略ビジョン
「SF2030」の目標である、事業を通じた社会価値創出の原動力は、社員一人ひとりです。会社と社員が「選び・選ばれ」、「ともに成長する」新たな関係を構築していくことを前提に、企業理念の実践を通じて、社会的課題の解決を志す、スペシャリティを備えた多様な人財が集い、一人ひとりが主体性を持って能力を発揮する集団であり続けられる人財戦略をグローバルに実行していきます。
中期経営計画(SF 1st Stage)人財戦略
SF 1st Stageでは、オムロンが人的資本を有効に活用し企業価値の向上につなげているかを定量的に測る指標として「人的創造性」を設定し、2024年度において2021年度比で+7%向上させる目標を掲げました。
・人的創造性の向上
人的創造性とは、売上から変動費を差し引いた付加価値額を人件費で割ったものです。付加価値とは、オムロンが顧客や市場に向けて創り届けた価値の大きさ、人件費とは、価値創造の担い手である人財の価値の総和の大きさを指します。企業が適正な付加価値を得て、それを使って新たな価値の拡大再生産を行うことは、企業と社員の持続的成長の実現に不可欠です。私たちが成し遂げたいことは、価値創造であり、分子の付加価値を伸ばすために、分母である人財への投資をしっかりと行うことで、それ以上の付加価値を生み出していきます。
<人的創造性の考え方>
・人的創造性を高める3つの因子
オムロンでは、この人的創造性を高めるための人財投資には、全社の経営目標や事業戦略に則した3つの因子が重要と考えています。
1つ目は、人財の最適な配置です。事業の成長領域に適所適財となる人財配置を行うことで、社員のパフォーマンスを向上させ、付加価値の拡大につなげていきます。具体的には事業ごとの成長シナリオに基づく将来の人財ポートフォリオを描き、それに向けた採用・育成・再配置を継続的に実施しています。
2つ目は、人財の能力獲得、強化です。価値創造のプラン、つまり事業戦略を実行するために必要な能力の獲得、その実現に向けた育成プログラムの準備や経験の場を提供していきます。具体的には、スキル獲得の為の研修型プログラムに加え、社外や母国外での経験機会の付与、自らの表出やフィードバック、対話の機会拡大を通じた人財能力開発投資を行い、人財の能力発揮を促しています。
3つ目は、保有能力の発揮です。社員個々人が持つ多様で多彩な個性や能力を最大限発揮できる環境を整備します。具体的には高いパフォーマンスの発揮の為には、前述の1,2に加え、エンゲージメントやモチベーションの向上が大切となってきます。エンゲージメントサーベイ「VOICE」を活用し、社員の声から経営課題を特定し、制度や働く環境改善などに繋ぐ活動を行います。また、360度フィードバックや上司と部下の1on1ミーティングなど対話を通じ、より個性や能力を発揮できる環境を整備しています
<人的創造性を高める3つの因子>
③リスク管理
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク⑧人財・労務」に記載しております。
④指標と目標
SF 1st Stageでは、人的創造性の向上の実現とダイバーシティ&インクルージョンを加速させる8つの取組みについて目標を定めています。それぞれの目標と進捗は以下の通りです。
<人的創造性の向上とダイバーシティ&インクルージョンを加速する8つの取組みと進捗>
(注)1 2023年4月3日に出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社及び、同日に設立のオムロンエキスパートエンジニアリング株式会社を含む4月20日時点の当社及び連結子会社集計値です。3月31日時点の当社及び連結子会社について集計した女性管理職比率は16.8%です。
2 VOICEとは、経営陣がグローバル全社員の生の声を聴くエンゲージメントサーベイです。
3 VOICE SEIとは、組織の状態性を測る総合指標として持続可能なエンゲージメント指標/Sustainable Engagement Indexの
略称です。
4 TOGAとは、The OMRON Global Awardsの略称です。(詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (参考)企業理念浸透への取組み」をご参照ください。)
(参考)グローバルの女性管理職比率について
欧州、米州、アジア、中華圏のリージョンにおいては既に20%を超えており、引き続き維持・向上していきます。今後は、特に日本における育成・登用を加速していくことで、SF 1st Stageの目標である18%以上の達成を目指します。
・女性の更なる活躍に向けた取組み
グローバル経営幹部候補の選抜・育成におけるジェンダーバランスの考慮、女性を対象としたリーダーシップトレーニングやメンタリングプログラムなど、女性リーダーの拡充に向けた様々な取組みを実施しています。また、女性への働きかけだけでなく、アンコンシャスバイアスに関する研修や心理的安全性を高める管理職向けの研修などを通じて、社員一人ひとりの個性や知識、経験・体験に基づいた考え方や意見の多様性を引き出し、立場に関わらず成果や価値創造に向け率直な意見を気兼ねなく話し合える風土醸成の取組みも行っています。
国内においても、キャリア支援と両立支援の二つの軸を同時に実行していくことで多様なロールモデルを育成しています。キャリア支援では、女性のメンバーを対象とした「女性リーダー研修」の実施、各拠点を主体とする女性交流会・勉強会・講演会などを通じた女性ネットワークの実現・拡大、相互研鑽を進めています。両立支援では、仕事と家庭の両立支援ガイドの発行、相談窓口の設置、人事処遇制度の改定など、一人ひとりが個性を発揮し、活躍できる環境を働くメンバーと一緒に改善しています。これらの取組みを加速するため、上司と対話を行い、自律的なキャリア開発を支援するキャリア開発面接や、社内公募・応募制度など、中長期的にキャリア形成を考え、実現できる仕組みを用意しています。また、直属上司以外の“斜め”の関係を活かしたメンタリングプログラムを導入し、複眼的視点からの気づきを通じた相互成長やネットワーキングの機会も創出しています。
こうした取組みの結果、日本国内の女性職場リーダーは増加しています。2023年4月現在、オムロングループ(国内)における女性役員は、7名(内訳:社外取締役1名、執行役員常務1名、執行役員2名、関係会社取締役社長2名、関係会社取締役1名)です。女性管理職人数(国内)は、2018年には85人でしたが、今では137人になり(注)、多様なスタイルのロールモデルが誕生し、意思決定に多様な意見が反映されています。引き続き、管理職や女性社員の意識改革、女性の活躍機会の拡大や登用などに取り組んでいます。
(注)2023年4月3日に出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社及び、同日に設立したオムロンエキスパートエンジニアリング株式会社を含む4月20日時点の当社及び連結子会社集計値です。
3月31日時点の当社及び連結子会社について集計した女性役員は5名(内訳:社外取締役1名、執行役員常務1名、執行役員2名、関係会社取締役社長1名)、女性管理職人数(国内)は、136名です。
<女性管理職比率の推移(グループ国内)>
(注)各年度における集計値は翌年度4月20日時点の数値を記載
(参考)オムロンの健康経営
オムロンでは、社会的課題を解決するには、何よりも働く社員一人ひとりの健康が経営の基盤になると考え、2017年7月に健康経営宣言を行い、経営トップ自らが「健康経営」を推進してきました。この活動を進めるにあたって、以下の3つの活動方針に沿って、推進しています。
①「イノベーションを起こす人と組織をつくる」ということ。前向きなチャレンジを促進する環境を整えて、仕事にやりがいや楽しさを感じられるようにします。
②「心身が健康で、社員が自分の人生を楽しんでいる状態をつくる」ということ。社員に健康に配慮した生活を心がけてもらい、仕事だけでなく趣味なども積極的に楽しめるようにします。
③「オムロンを卒業しても社会で活躍し続ける社員でいっぱいにする」ということ。健康を維持・向上できれば、将来にわたって活躍できるようになり、社会に貢献しながら充実した人生を送ることができます。
※健康経営の取組み詳細については下記をご参照ください。
https://sustainability.omron.com/jp/social/wellness-management/
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