昭和化学工業 【東証スタンダード:4990】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「お客様のため、社会のため、人間生活向上のため、貴重な資源を限りなく有効に活用し、広く産業を支え、豊かな明日を構築することに貢献する」ことを経営理念とし、その実現に向けた努力が企業価値の増大につながると考え、お客様の事業活動に大いに貢献できる商品・サービスの安定的な提供に尽力しております。具体的に、前提としている基本方針は以下のとおりであります。
1.お客様第一主義の徹底
2.珪藻土/パーライトの有効活用追求
3.全体最適実現に向けた変革
4.一人一人が進化しつづける集団への成長
(2)経営戦略等
当社グループの事業は、国内市場においては、近年の少子高齢化の加速等により、この先の大幅な需要の伸びは厳しい状況が続くものと予想されます。しかしながら、お客様の事業領域は、ビール等の食品事業、抗生物質等の製薬事業、油脂・合成樹脂等の化学事業、建築等の建材資材事業、シリコーン等の充填材事業、プールや温浴施設等の水質浄化事業等、非常に広範であることに加え、当社グループはお客様との良好なパートナーシップを長期にわたり維持し、様々な事業領域のお客様の戦略をサポートさせていただくことで多くのノウハウを得ており、これらノウハウは当社グループの事業資産として大きな強みとなっております。さらに、研究分析センターによる品質情報のご提供や、お客様事情に即した商品のご提案等、同センターと営業部門とが連携しつつきめ細かな営業活動を継続することで、競合他社との優位性向上に努めております。
一方、海外市場においてはインド、アフリカ、東南アジア等、人口増加や生活水準の向上に伴いさらなる需要拡大が期待できる地域があり、営業活動を積極的に展開しております。
新型コロナウイルス感染症(以下、同感染症)につきましては、2023年5月から政府により同感染症に対する感染症法上の位置付けが「5類感染症」に変更され、マスクの着用も個人の判断に委ねられるなど、経済活動の正常化中心の考え方に移行している状況ですが、同感染症のみならず気候変動問題への対応等、企業は持続可能な社会構築への貢献努力により、近年の厳しい経営環境に適応することが可能となり、当社グループの商品・サービス等企業価値向上に寄与すると認識しております。
そのため、当社グループが従前より取り組んでいる、お客様それぞれのご要望や潜在的ニーズに対応できる企業集団となるための「お客様サイドの発想への挑戦」・「業務品質向上への挑戦」・「新領域への挑戦」の3つの挑戦を掲げつつ、安定的に利益を生み出し社会に還元するという企業使命を全うするため、以下の取り組みを行っております。
1.全社コスト削減策の一環として、在宅勤務やオンラインによる営業活動の積極推進による関連経費の抑制を図る等、財務基盤の強化と収益の安定を図る。
2.営業部門を商品分野別の組織に再編することで、各分野の専門性向上及びお客様のご要望等に沿ったソリューションを提案する。
3.お客様固有ニーズへの理解を深化させ新商品開発に尽力する。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの目標とする経営指標につきましては、外部要因に影響を受けることなく、安定的に事業の収益性向上を図ることを目的とし、売上高及び経常利益を指標として経営を執行しております。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループをとりまく経営環境は、世界的な金融引き締め影響や海外景気の下振れリスク、円安の進行など、予断を許さない状況が続くと予想されます。一方、気候変動問題への対応等、企業は持続可能な社会の一員として質の高い商品・サービスの提供と共に、社会課題への取り組みが求められていると認識しております。
このような中、当社グループは「お客様のため、社会のため、人間生活向上のため、貴重な資源を限りなく有効に活用し、広く産業を支え、豊かな明日を構築することに貢献する。」ことを経営理念とし、それを実現すべく次の課題に対処してまいります。
①既存事業の深化と拡大
②M&Aを含めた新規事業の構築と育成
③生産工程の見直し及び販売管理費の圧縮による収益性の向上と財務体質の強化
④長期的な原料供給体制の構築
⑤環境と安全に配慮した経営の推進
⑥人材の育成及び社内制度の改善等による組織活性化の推進
主な取り組み状況等に関しては以下のとおりであります。
事業の育成という観点では、「お客様サイドの発想への挑戦」と「新領域への挑戦」を掲げ、既存事業の深化と拡大、並びにM&Aを含めた新規事業の構築と育成の両面を積極的に展開します。具体的には、お客様の多種多様な課題や潜在的ニーズに向き合い、技術力及び提案能力の向上を図るため、従来の営業組織を商品分野別に再編し、現代事情に相応しい事業・業務スタイルの追求を推進しております。また、他社との技術提携等を通じ、当社が保有しない新たな技術を導入することで、既存事業の充実と新事業展開に尽力いたします。
収益性の向上と財務体質強化という観点では、引き続き全社規模でのコスト削減策を実施するとともに、人手不足や社員の高齢化を踏まえた生産工程の省力化等に取り組みます。また、成長投資と内部留保のバランスを意識した中長期的な財務戦略を立案し、財務体質の強化を図ってまいります。
原料の安定確保という観点では、お客様への安定供給のための最重要事項として、国内原料のみならず世界各地からの良質な原料調達等、長期的な計画に基づいた調査及び取り組みを進めてまいります。
環境と安全に配慮した経営という観点では、鉱物資源に新たな価値を付加し、その製品を通じて広く産業を支える当社グループとしては、持続可能な開発目標(SDGs)に賛同し、近年ではLNGへの燃料転換をはじめ、木質バイオマス資源を用いた熱エネルギー利用に関する技術開発及び設備導入等、排出CO₂並びに廃棄物削減活動を行うと共に、徹底した安全教育に取り組んでおります。また、在宅勤務やオンラインによる営業活動の継続等、臨機応変な事業活動を展開することで、環境と安全に配慮した持続的な発展を目指してまいります。
人材育成という観点では、「和音」、「さすが」というキーワードを社風における根底として「業務品質向上への挑戦」を掲げお客様対応力の底上げを図ると同時に、生産性向上や社内コミュニケーションの活性化のため、「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進により人事制度見直しや風土改革等を通じ就業意欲を鼓舞し、自律した人材の育成と活力ある組織作りを実践していく所存であります。
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