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企業概要

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループでは、持続可能な社会に向けた“新しいコンテクスト”をデザインし、テクノロジーで社会実装することをパーパス(存在意義)としております。企業と人、そして情報を有機的に結びつける「コンテクストカンパニー」であることが、業務を行う上での基本コンセプトであります。インターネット業界の黎明期からの実績に基づくソリューションノウハウと、最新のネットワーク技術を有効に活用することにより、種々複雑な情報を有機的に結びつけ、企業と人と情報、これら三者の存在価値を相互により高め得る機能を開発することを業務の目的としてまいりました。常に時代の数歩先に視点を合わせ、コンテクストの対象を冷静かつ的確に選別し、人と環境とデジタル情報化社会が共存できる快適な社会に貢献し得るサービスを構築することが、当社の経営における基本方針であります。

(2)経営環境

 当社グループは、インターネット黎明期よりテクノロジーの発展に伴走し、社会のデジタル変革にあわせた数々の日本初となるインターネットビジネスを創出してまいりました。1995年の設立以来、インターネット業界の変遷とともに事業を拡大してまいりましたが、近年では、web3やGenerative AIといった新たなテクノロジーが次々と勃興し、かつてない規模でIT・インターネット業界の変革を促しております。当社グループにおいても、これまでに培った次世代テクノロジーの開発力のほか、アライアンスパートナーやスタートアップ企業をはじめとしたステークホルダーとの共創を通じて、時代の変化に即したサービスを提供していくことを目指しております。

 なかでも、当社グループが展開する総合決済プラットフォームが立脚するキャッシュレス決済市場は、中長期的にも継続的な成長を見込んでおります。2022年の消費者向け電子商取引(BtoC-EC)市場は、物販系分野において、新型コロナウィルス禍における急速な市場規模拡大の反動を受けて成長が鈍化した一方、サービス分野において、旅行、飲食、チケット販売が外出需要の増加とともに大きく回復したことから、前年比9.9%増の22兆7,449億円となりました(注1)。また、経済産業省により策定された「キャッシュレス・ビジョン」(注2)においては、2025年に国内におけるキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げることが目標とされており、2022年には36.0%(注3)まで到達するなど、国内におけるキャッシュレス決済は急速に普及しております。更に、将来的には同比率を80%まで引き上げることを目指すとされており、クレジットカード決済、QRコード・バーコード決済等の様々な決済手段の需要増加に伴う事業機会は一層の拡大が見込まれます。

 出所  (注1)経済産業省「令和4年度  電子商取引に関する市場調査  報告書(2023年8月)」

(注2)経済産業省「キャッシュレス・ビジョン(2018年4月)」

(注3)一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2023(2023年8月)」

(3)経営戦略等並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上課題

 当社グループは、2024年3月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画を策定しております。中期経営計画においては、当社グループの事業基盤である総合決済プラットフォームを軸とした持続的な事業拡大に加え、決済と連動するDX/フィンテック領域における新たな事業のほか、暗号資産領域をはじめとした非連続事業の開発等に取り組み、収益の多層化及び競争優位性の向上による更なる利益成長の加速を目指しております。投資・インキュベーション領域においては、投資リターンに加えて、当社グループ内の事業との連携・協業等によるスタートアップ企業の育成を通じて、当社グループ及び投資先の企業価値最大化に注力しております。また、投資リターンの早期実現を目標として設定するとともに、それらを原資として、中長期的な企業価値の向上に資する成長投資及び株主還元等へのキャッシュフロー・アロケーションを実施して行く方針であります。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2024年3月期を初年度とする中期経営計画では、基礎事業における税引前利益の成長率及び2028年3月期における決済取扱高の目標を経営指標として設定しております。投資・インキュベーション領域では、現在保有する営業投資有価証券のポートフォリオの見直し及び組み替えを進めることにより、5年間で一定のキャッシュフロー創出を目指しております。

 また、当社グループでは、株主の皆様に対する還元を重要な経営課題の一つとして位置づけており、キャッシュフローを軸とした株主還元方針を掲げるとともに、中期経営計画の目標として5年間の配当総額を設定することで、安定した配当政策を実施してまいります。具体的な目標は以下のとおりであります。

 中期経営計画の定量目標(2024年3月期~2028年3月期)

項目

目標値

事業目標

 

 

 

税引前利益 ※1

5ヵ年平均成長率

20%以上

 

決済取扱高

2028年3月期

15兆円以上

 

投資事業収入 ※2

5ヵ年合計

300億円以上

株主還元

 

 

 

普通配当における基本方針

各年度

累進配当

 

配当総額

5ヵ年合計

100億円以上

 

基礎事業キャッシュフローに対する配当性向 ※3

目安となる水準

30%

※1 グローバル投資インキュベーション・セグメント及び㈱カカクコムの持分法投資利益を除く

※2 売却収入及びファンドからの分配金等の合計額

※3 経常的に利益創出する事業セグメントの税引前利益を基に、減価償却費、一過性の損益、関係会社配当金を調整し本社費用を控除した、当社グループの経常的なキャッシュフローを基準とした配当性向

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