企業兼大株主H.U.グループホールディングス東証プライム:4544】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 検査・関連サービス事業研究開発におきましては、主に感染症領域、先端医療領域、グループ連携強化の活動を推進しております。感染症領域では、新型コロナウイルス対応での経験と学びを活かし、今後の新興・再興感染症およびパンデミックに対して迅速に対応できる技術基盤強化と国産化を進めてまいりました。また、国際的な医療課題となりつつある薬剤耐性菌に対する検査技術およびAI開発も推進しております。先端医療領域では、高度化・情報化する検査技術のパラダイムシフトに対応するべく、難病・希少疾患領域、およびがん領域でのゲノム解析をはじめとするオミックス解析プラットフォームについて、高品質な検査サービス提供を可能とする統合的システムの開発・実装を推進しております。グループ連携として、臨床検査薬事業にて新規に開発・上市される検査試薬の早期導入を推進しており、とくに神経疾患領域の試薬導入を強化しております。新規臨床検査項目の開発と導入、新規技術の検査現場実装、特殊検査技術のAI・DX化、ものづくり・機械化による効率化を進め、H.U. Bioness Complexに集約した検査現場およびグループ研究開発組織とのシナジーによる価値創造に注力してまいります。当事業にかかる研究開発費は508百万円です。

 臨床検査薬事業研究開発におきましては、アルツハイマー病を含む神経疾患領域の研究用試薬および体外診断用医薬品の開発・上市活動を継続的に行い、それ以外の疾患領域においても、独自性が高く臨床有用性を有する試薬や、臨床現場の効率化をサポートする試薬の開発に努めました。国内における神経疾患関連試薬としては、血液等を使用する3種類のルミパルス®システムを用いた研究用試薬(ニューロフィラメント軽鎖、アポリポタンパク質E4、および全アポリポタンパク質E)を開発・上市いたしました。さらに、脳脊髄液を用いたルミパルス®システムの体外診断用医薬品(β-アミロイド1-40、β-アミロイド1-42)が、12月に保険適用され、治療薬投与の普及と共に、本臨床領域に大きな貢献を果たしていくと期待しております。米国・欧州においては、ルミパルス®システムを用い、アルツハイマー病関連の血液マーカーであるリン酸化タウタンパク質217の研究用試薬を上市し、今後、体外診断用医薬品としての性能を確認し、開発・上市を推進してまいります。神経疾患領域以外では、国内において、ルミパルス®システムを用いた体外診断用医薬品として、シクロスポリン測定試薬を上市いたしました。本試薬は、世界初の2種の抗体を用いたサンドイッチ型のシクロスポリン測定試薬であり、前年度上市しましたタクロリムス試薬と同様に、検体前処理工程も含めた全自動化測定法であり、臨床検査室の負担削減や短時間報告等が期待されております。また、冠動脈疾患の診断補助として、アポリポタンパク質B-48測定試薬が体外診断用医薬品として承認され、潰瘍性大腸炎の病態把握の補助として承認されているPGE-MUM測定試薬が保険適用されました。研究用試薬としては、肝癌マーカー候補として期待されるグリピカン3測定試薬の上市を行い、今後、臨床研究を進め体外診断用医薬品としての開発を進めてまいります。海外においては、欧州では欧州体外診断用医療機器規則に法った製品群の上市を進め、中国ではペプシノーゲンI, II測定試薬を上市しました。今後も国内外の市場に向けて、神経疾患領域、腫瘍マーカー、感染症等の各種疾患領域で、独自性が高く臨床有用性を有する試薬の開発を継続してまいります。また、次世代の超高感度プラットフォーム開発を進めており、神経疾患領域等の研究用試薬のラインアップ開発と共に、超高感度化による臨床的有用性を示すための臨床研究を進めてまいります。当事業にかかる研究開発費は9,159百万円です。

 全社研究開発では、H.U.グループの基礎研究機能を集約した合同会社H.U.グループ中央研究所において医療・ヘルスケアの最適化、社会課題の解決を目指した中長期視点での基盤技術の研究開発と実装にむけた検証を継続しております。AI開発、ものづくり、ロボティクスから医療情報利活用、先端分析技術開発まで多岐にわたる研究開発を推進しており、特に医療・ヘルスケアの高度化および多様化に伴い今後の実用化が期待される先端モダリティ(Exosomes、Microbiome、細胞・再生医療等)に関する研究開発を加速させております。EViSTEP®など当社独自技術を利用したグループ内外の企業・機関との積極的な協業・オープンイノベーションを積極的に推進しており、バイオマーカー探索、臨床研究などによる有用性検証等を通して早期の社会実装を目指します。ヘルスケア領域における活動も強化しており、本領域におけるオープンイノベーションの一例として、唾液・生活習慣と免疫状態の関係に基づいた免疫検査サービスを開発し、検査関連サービス事業の協力の下、新規に事業展開します。また、昨今、医療現場の大きな課題として、人手不足に伴う生産性向上の必要性が明確になりつつあります。これまでの医療機関・検査現場との協業を通じて研究所に蓄積した多様な基盤技術・ノウハウを活用し、グループ内外に対してDX化、AI開発、機械化/ものづくりの活用による「スマートラボ・DXラボ」の実現を支援する活動を開始しております。当事業にかかる研究開発費は1,595百万円です。

 以上により、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は11,262百万円となっております。

 今後もH.U.グループ研究開発機能の一体化を推進し、No.1、Only-oneの技術基盤開発および人材育成を通じて、医療・ヘルスケアに必須のサービスや製品を継続的に提供・提案することを目指してまいります。

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