H.U.グループホールディングス 【東証プライム:4544】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループにおけるサステナビリティに関する考え方および取り組みの状況は、次のとおりであります。
(1)ガバナンスおよびリスク管理
①ガバナンス
1)サステナビリティ推進体制
当社グループは、当社の代表執行役社長が委員長を務める「H.U.グループ サステナビリティ委員会」において、サステナビリティに係る基本方針と活動計画を協議します。同委員会は、計画の実行にあたってグループ各社の活動状況をモニタリングするほか、サステナビリティに関わる社外の最新動向を収集・共有する役割も担います。同委員会のもと、関係各部門の本部長を責任者とする、活動テーマごとの5つの部会を設置し、サステナビリティ活動を推進しています。
当社グループは、指名委員会等設置会社として、監督と執行の明確な分離と事業を迅速に運用できる執行体制を確立しており、サステナビリティに関しても、同コーポレート・ガバナンス体制のもと活動を行っています。「H.U.グループ サステナビリティ委員会」での議論・決議の内容は、当社の取締役会に報告されています。
2)サステナビリティにおける中長期的な重要課題および目標
当社グループは、ESGの観点だけでなく、顧客資産、知的財産やブランドを含めた無形資産全般も対象に含め、中長期的な企業価値に影響を与える要素としてマテリアリティ(重要課題)を定義しています。マテリアリティについては、ダイナミック・マテリアリティの考えのもと、外部環境の変化や当社事業の状況、各課題への取り組みの進捗を踏まえながら、「H.U.グループ サステナビリティ委員会」でレビューし、更新の是非を判断しています。2023年4月には、持続的成長に向けてこれまで以上に人材開発・育成に注力することが重要と判断し、「人材開発・育成」をマテリアリティに追加する改定を行いました。
当社グループのマテリアリティ(2023年4月改定)
さらに、当社グループでは、マテリアリティの解決に向け、サステナビリティ活動に関わるKPI(重要業績評価指標)および目標を「サステナビリティ・ロードマップ」として公表し、2021年3月期から2023年3月期までの3カ年にわたり取り組みを進めてきました。
当社グループのサステナビリティ・ロードマップ
2024年3月期からは、2025年3月期までの2カ年目標である新たな「サステナビリティ・ロードマップ」を公表し、引き続きマテリアリティの解決に向けてサステナビリティ活動の一層の強化に取り組んでいます。
当社グループの新たなサステナビリティ・ロードマップ
②リスク管理
当社グループは、サステナビリティ関連のリスクを含めた当社およびグループ全体のリスク管理を統合的に推進し、グループをリスクから防衛することを目的にリスク管理委員会を設置しています。また、「自然災害および気候変動等に起因する事業活動の停止、制約等による影響」を重要なリスク項目として特定しています。詳細は、「3.事業等のリスク」をご参照ください。
(2)重要な戦略ならびに指標および目標
①戦略
気候変動がもたらす自然災害の甚大化による建物や設備の損壊リスクや、物流寸断等のサプライチェーンリスク、政策や法規制の厳格化、投資家をはじめとするステークホルダーからの情報開示要請等、当社事業に関わるさまざまな変化が想定されることから、当社グループでは、「気候変動」をマテリアリティの一つとして特定しています。
気候変動への取り組みについては、当社の担当執行役・総務本部長を責任者とする「環境・エネルギー部会」が計画を策定し実行しています。また、目標設定などの重要事項は、「H.U.グループ サステナビリティ委員会」で協議され、適宜、取締役会に報告されています。
環境・エネルギー領域の体制
気候変動に関連したリスク・機会に関する情報開示の高まりを受け、当社グループは、2021年11月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言への賛同を表明しました。TCFDの提言に基づく情報開示として、不確実性の高い気候変動の影響を捉えるため、シナリオ分析を行いリスクと機会を定性的に評価しています。検討に際しては、移行リスクが大きくなる世界(1.5℃、2℃)、物理的リスクが大きくなる世界(4℃)を想定し、発生し得る事象を整理しました。各事象への備えとして、「短期:1年」「中期:5年」「長期:10年」の時間軸を設定し、事業への潜在的影響および対応事項を整理するとともに、事業リスクおよび機会について分析しました。
TCFD提言に基づく気候変動シナリオ分析
②指標および目標
当社グループは、パリ協定および大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを踏まえ、環境分野のマテリアリティとして特定した「気候変動」と「循環型社会」に対する長期目標を策定し、取り組みを進めています。
「気候変動」に対する目標としては、CO2の総排出量削減を掲げています。深刻さが増す気候変動への世界的な危機認識の高まりを受け、当社グループにおいても、この課題に一層積極的に取り組むことを決意し、2023年5月に、より野心的な目標への修正を公表しました。この結果、2031年3月期の目標を「37.8%削減(2022年3月期比)」とし、取り組みのさらなる加速に努めています。
当社グループのCO2排出量削減の中長期目標(2023年5月公表)
(3)人的資本に関する戦略ならびに指標および目標
①戦略
H.U.グループがMission,Visionを実現するためには、変革に挑戦することが求められます。そして、変革のドライバーとなるのは「人(従業員)」であり、従業員の意識と行動を変えていくことでヘルスケアにおける新しい価値が創造できると考えています。このため、人的資本に関するマテリアリティ(人権、ダイバーシティ、働きやすい職場環境、健康増進、人材開発・育成)を特定し、多様かつ健康で活性化された組織風土づくりに取り組んでいます。
また、組織への定着を図るため、これらの考え方を「人権方針」「ダイバーシティ方針」「労働安全衛生方針」「人材育成方針」として定め、統一した認識のもと、組織的・体系的に推進しています。
これらの方針の詳細については、当社ホームページをご参照ください。
https://www.hugp.com/sustainable/humanrights.html
[人材育成に関する取り組み事例]
人材育成方針のもと、「自立・自走・自責のキャリア形成」の支援を柱に人材育成体系を充実させ、当社グループのありたい姿を実現するために必要な人材の育成に努めています。
2022年1月には、学び続ける姿勢を身につけ、さらなる飛躍に必要となる土台を固めることを目的に「H.U.ビジネスカレッジ」を開校しました。なかでも、「ビジネス基礎プログラム」は従業員の自主性を尊重した初の公募型プログラムであり、各分野の第一線で活躍している社内外の講師陣からビジネス基礎知識を直接学び、実践的なスキルやノウハウに加え、高い志を持つ仲間とのネットワーク形成や、自身の目指すキャリアの実現に向けた成長機会を提供しています。
[社内環境整備に関する取り組み事例]
当社グループでは、多様な人材一人ひとりが健康でいきいきと活躍できる環境の整備に努めています。
<ダイバーシティ>
当社グループのダイバーシティ方針では、多様な人材一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮することで、革新を生み出し、新たな価値を創造することを表明しています。この活動の推進にあたり、課長以上の女性管理職比率および男性の育児休業・休暇取得率のKPIを設定し、中期の目標達成に向けて取り組んでいます。2022年10月には人事本部内にダイバーシティ推進課を新設し、多様な人材が活躍できる職場環境づくりをさらに推進しています。
<健康経営>
当社グループでは、社名に表す「健康増進」をマテリアリティに掲げ、従業員やその家族についても、メンタルおよびフィジカルの両面から様々な施策を推進しています。2019年に「健康宣言」を明文化、2020年には健康経営推進室、2022年には健康経営推進部を設置して取り組みを強化することで、2023年には健康経営優良法人大規模法人部門を4年連続で取得しました。そして現在、健康経営優良法人大規模法人部門では8社(うち、当社を含むグループ4社がホワイト500を取得)、中小規模法人部門では3社、グループ計11社が健康経営優良法人として認定されました。
②指標および目標
人的資本に関するマテリアリティに基づき、2021年3月期から2023年3月期までの3カ年の中期目標を設定し、目標達成に向けて取り組みを進めてきました。
人的資本に関する当社グループのサステナビリティ・ロードマップ(主要部分)
(2021年3月期~2023年3月期)
2024年3月期からは、「人材開発・育成」を加えて改定されたマテリアリティに基づき、2025年3月期までの2カ年目標を設定し、さらなる取り組みを進めています。
人的資本に関する当社グループの新たなサステナビリティ・ロードマップ(主要部分)
(2024年3月期~2025年3月期)
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