企業兼大株主塩野義製薬東証プライム:4507】「医薬品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

2023年度は、COVID-19関連プロジェクトや注力プロジェクトを中心に積極的に研究開発活動を行い、取り組みを着実に進展させることで、それぞれのプロジェクトについてほぼ予定どおり進捗させることができました。

(1) 研究

 ユニバーサルワクチンであるS-567123は、単剤で幅広い変異に対して予防効果を発揮することができる次世代型ワクチンです。まずは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を含むサルベコウイルス亜族に対するユニバーサルワクチンの開発を目指しており、2023年度は2024年中の臨床入りに向けて、各種の研究を進展させました。

Xeruborbactam は、新規のβ-ラクタマーゼ阻害剤であり、β-ラクタム系抗菌薬と併用することで、薬剤耐性細菌に対しても広く抗菌活性を示すことが可能となります。2023年度は、セフィデロコルを含むβ-ラクタム系抗菌薬との併用による治療薬を目指して、研究・開発を進展させました。

(2) 開発

COVID-19の経口治療薬エンシトレルビル(日本での製品名:ゾコーバ)については、2022年度に日本国内にて緊急承認制度に基づく製造販売承認を取得し販売を開始していましたが、2023年度には日本国内における通常承認を取得しました。また、グローバル展開に向け、複数のグローバル第Ⅲ相臨床試験を進展させ、シンガポールにおいてはSAR承認に基づき医療機関での処方が開始されました。また、エンシトレルビルの後続品として、より有効性が高く、安全で、相互作用の少ない治療薬を目指して開発を進めている、S-892216についても第Ⅰ相臨床試験を進展させました。

 肥満症を適応とした新規メカニズムの経口治療薬候補であるS-309309については、今までに第Ⅰ相臨床試験において高い安全性および忍容性と、良好なPKプロファイルが確認できており、2023年度は第Ⅱ相臨床試験を進展させました。

COVID-19に対する組み換えタンパクワクチンであるS-268019については、国内における製造販売承認申請をすでに実施しております。2023年度は、青年・小児を対象とした第Ⅲ相臨床試験を進展させました。

 高い安全性、複数の種類の痛みに対して鎮痛効果が期待できる、新規メカニズムの疼痛治療薬であるS-151128について、2023年度は第Ⅰ相臨床試験を進展させました。

RSウイルスのA型およびB型への広域かつ強力な抗ウイルス効果を有する新規の治療薬であるS-337395について、2023年度は第Ⅰ相臨床試験が完了し、第Ⅱ相臨床試験を開始しました。

Akili社から日本および台湾における独占的開発権・販売権を取得している、小児のADHD患者を対象としたデジタル治療用アプリであるSDT-001について、2023年度は第Ⅲ相臨床試験での良好な結果に基づき、国内における製造販売承認申請を実施しました。

 こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は102,640百万円となりました。

 開発品(2024年5月13日現在)

領域

開発No.

(一般名)

[製品名]

作用機序

(剤型)

適応症

ステージ

起源

開発

感染症

S-649266
(セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物)
[米国:Fetroja®]
[欧州:Fetcroja®]

細胞壁合成阻害(注射)

腎盂腎炎を含む複雑性尿路感染症、院内肺炎(米国)
治療が限定される好気性グラム陰性菌による感染症(欧州)
カルバペネム系抗菌薬に耐性が考えられるグラム陰性菌による各種感染症(日本)
治療選択肢が限られるグラム陰性菌に感染した成人患者の治療(台湾)

グローバル:フェーズⅢ(小児)
台湾:承認(2024年2月)

自社

自社

S-033188
(バロキサビル マルボキシル)
[日本:ゾフルーザ®]

キャップエンドヌクレアーゼ阻害(経口・顆粒)

インフルエンザウイルス感染症

日本:申請(体重20kg 未満)(2018年8月)
台湾:承認(5-11歳、治療および予防)(2024年4月)

自社

自社/Roche(スイス)

S-268019

ワクチン(筋注)

新型コロナウイルス感染症の予防

日本:申請(2022年11月)
日本:フェーズⅢ
グローバル:フェーズⅢ

自社

自社

S-268019

ワクチン(筋注)

新型コロナウイルス感染症の予防(青少年)

日本:フェーズⅡ/Ⅲ

自社

自社

S-268019

ワクチン(筋注)

新型コロナウイルス感染症の予防(学童)

日本:フェーズⅠ/Ⅱ/Ⅲ

自社

自社

S-268023

 

ワクチン(筋注)

新型コロナウイルス感染症の予防

日本:フェーズⅢ

自社

自社

S-217622
(エンシトレルビル フマル酸)
[日本:ゾコーバ®]

3CLプロテアーゼ阻害剤(経口)

新型コロナウイルス感染症の治療(12歳以上)

日本:緊急承認(2022年11月)
通常承認(2024年3月)
フェーズⅢ
グローバル:フェーズⅢ
韓国:申請
シンガポール:申請(2023年12月)

自社

自社

S-217622
(エンシトレルビル フマル酸)
[日本:ゾコーバ®]

3CLプロテアーゼ阻害剤(経口)

新型コロナウイルス感染症の治療
(小児 5-11歳)

日本:フェーズⅢ

自社

自社

S-217622
(エンシトレルビル フマル酸)
[日本:ゾコーバ®]

3CLプロテアーゼ阻害剤(経口)

新型コロナウイルス感染症の予防

グローバル:フェーズⅢ

自社

自社

F901318
(Olorofim)

ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)阻害(経口)

侵襲性アスペルギルス感染症

グローバル:フェーズⅢ

F2G(英国)

自社/F2G

S-892216

3CLプロテアーゼ阻害剤(経口)

新型コロナウイルス感染症の治療

日本:フェーズⅠ

自社

自社

S-337395

RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害(経口)

RSウイルス感染症

日本:フェーズⅠ
欧州:フェーズⅡ

自社/UBE

自社/UBE

S-743229

細胞壁合成阻害(経口)

腎盂腎炎を含む複雑性尿路感染症

米国:フェーズⅠ
豪州:フェーズⅠ

自社/Qpex

自社/Qpex

領域

開発No.

(一般名)

[製品名]

作用機序

(剤型)

適応症

ステージ

起源

開発

疼痛・神経

S-297995
(ナルデメジントシル酸塩)
[日本:スインプロイク®]
[欧州:Rizmoic®]

末梢性オピオイド受容体アンタゴニスト
(経口・散剤)

オピオイド誘発性便秘症(小児)

欧州:フェーズⅠ/Ⅱ

自社

自社

S-812217
(ズラノロン)

GABAA受容体ポジティブアロステリックモジュレータ(経口)

うつ病・うつ状態

日本:フェーズⅢ

Sage (米国)

自社/Sage

SDT-001

中枢作用に基づく、治療用デジタルアプリ

小児期における注意欠如多動症(ADHD)の治療

日本:申請(2024年2月)

Akili (米国)

自社/Akili

BPN14770
(Zatolmilast)

PDE4Dネガティブアロステリックモジュレータ(経口)

脆弱X症候群

米国:フェーズⅡ/Ⅲ

Tetra (米国)

自社/Tetra

BPN14770
(Zatolmilast)

PDE4Dネガティブアロステリックモジュレータ(経口)

アルツハイマー型認知症

米国:フェーズⅡ
日本:フェーズⅡ

Tetra (米国)

自社/Tetra

GRT7039
(Resiniferatoxin)

TRPV1受容体アゴニスト(関節腔内注)

変形性膝関節症に伴う疼痛

グローバル:フェーズⅢ

Grünenthal(ドイツ)

Grünenthal

S-151128

新規メカニズム(注射)

慢性疼痛

日本:フェーズⅠ

自社

自社

フロンティア

ADR-001

ヒト他家脂肪組織由来の間葉系幹細胞(注射)

非代償性肝硬変

日本:フェーズⅠ/Ⅱ

ロート(日本)

自社/ロート

S-309309

モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2阻害剤(経口)

肥満症

米国:フェーズⅡ

自社

自社

S-588410

がんペプチドワクチン(注射)

食道がん

日本:フェーズⅢ

オンコセラピー・サイエンス (日本)

自社

S-588410

がんペプチドワクチン(注射)

膀胱がん

日欧:フェーズⅡ

オンコセラピー・サイエンス (日本)

自社

S-488210

がんペプチドワクチン(注射)

頭頸部がん

欧州:フェーズⅠ/Ⅱ

オンコセラピー・サイエンス (日本)

自社

S-588210

がんペプチドワクチン(注射)

固形がん

英国:フェーズⅠ

オンコセラピー・サイエンス (日本)

自社

S-222611
(Epertinib)

HER2/EGFRデュアル阻害薬(経口)

悪性腫瘍

欧州:フェーズⅠ/Ⅱ

自社

自社

SR-0379

肉芽形成促進作用(外用)

皮膚潰瘍(褥瘡、糖尿病性潰瘍)

日本:フェーズⅢ

ファンぺップ (日本)

自社/ファンペップ

S-005151
(レダセムチドトリフルオロ酢酸塩)

間葉系幹細胞を末梢血に動員(注射)

脳梗塞

グローバル:フェーズⅡb

ステムリム (日本)

自社

S-005151
(レダセムチドトリフルオロ酢酸塩)

間葉系幹細胞を末梢血に動員(注射)

表皮水疱症

日本:フェーズⅡ

ステムリム (日本)

自社

S-531011

抗CCR8抗体(注射)

固形がん

日本・米国:フェーズⅠb/Ⅱ

自社

自社

<導出品>

開発No.

(一般名)

[製品名]

作用機序

(剤型)

適応症

ステージ

起源

開発

S-033188
(バロキサビルマルボキシル)
[米国:XofluzaTM]

キャップエンドヌクレアーゼ阻害(経口)

インフルエンザウイルス感染症

 

米国:承認(小児、5歳以上)(2024年3月)
グローバル:フェーズⅢ (小児、1歳未満)
グローバル:フェーズⅢ (伝播抑制)

自社

自社/Roche
(スイス)

S-555739
(Asapiprant)

プロスタグランジンD2 DP1受容体拮抗(経口)

COVID-19の重症化抑制

米国:フェーズⅡ

自社

BioAge (米国)

S-723595
(TLC-3595)

アセチルCoAカルボキシラーゼ2阻害(経口)

2型糖尿病

ニュージーランド:フェーズⅡa

 

自社

OrsoBio(米国)

S-365598

インテグラーゼ阻害(超長時間作用型注射)

HIV感染症

グローバル:フェーズⅡa

自社

SHIONOGI-ViiV Healthcare

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