企業兼大株主ステラケミファ東証プライム:4109】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

 当社グループは、それぞれの事業において、「迅速果断」な意思決定のもと、既成概念にとらわれない強靭な経営体制を築きます。これを実現するために、事業活動を通じて適正な利益を確保し、変化を恐れず常に前向きに挑戦し続ける経営の実践に努め、ステークホルダーの期待に応えるべく「健全で信頼される企業」として社会に貢献してまいります。

(2) 中期経営計画 

 当社グループは、2023年3月期から2025年3月期を対象とする第3次中期経営計画を策定しています。「新たな取り組みを試行しながら事業の持続的な成長を図る」「独自技術を活かした新製品の開発を進める」「上場企業としての社会的要請に応える」を基本課題として掲げ、これに基づき各分野における施策を定めています。

 また計画の遂行に際し、事業ポートフォリオマネジメントとして、「事業計画、経営資源配分の検討」「各種施策の実行」「業績評価と分析」を年間サイクルで実施することにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、企業価値の向上を目指すにあたり、収益重視の観点から、売上高・営業利益およびROICを経営上の目標の達成状況を判断するための指標としています。

(4) 経営環境および対処すべき課題

 当連結会計年度におきましては、国内では新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行し、社会経済活動の正常化が進みました。一方、資源価格の上昇や円安、人手不足によるコスト増加などに起因する物価上昇は人々の生活を直撃し、個人消費の低迷に繋がっています。世界的にも経済の成長率は鈍化し、減速感が強まりました。

 このような環境下、世界の半導体市場も、2022年半ばから続く需要低迷、在庫調整に伴う減産により、2023年は4年ぶりのマイナス成長となったと見られています。当社グループにおきましても、この状況を受け、高純度薬品事業の半導体分野では需要が低迷し、運輸事業でも当社製品および原料の輸送量減少が業績に影響を及ぼしました。一方、半導体市場の回復は当初予想より遅れを見せているものの、2024年は回復基調に転じることが期待されています。一時の落ち込みはありながらも、市場回復に向けた設備投資は継続されており、日本でも半導体を特定重要物質に指定し、安定供給体制の構築とサプライチェーンの強靭化が推し進められています。今後、自動車の電動化やAIが牽引役となり、半導体市場は再拡大することが見込まれます。これに伴い、当社の主力製品である半導体用高純度薬液も需要が高まることが期待できるため、ユーザーの要望に応じた製品開発体制、生産・供給体制を確立し、業績拡大に努めてまいります。

 エネルギー分野では、原子力関連施設向けの濃縮ホウ素の需要が拡大しつつあります。その背景として、国際的にも脱炭素化の機運が高まる中、クリーンエネルギーとして原子力発電活用の動きが活発化していることがあり、今後もその動向は継続するものと考えられます。また、成長が見込まれる電池市場をターゲットに、二次電池用材料や全固体電池用材料の開発など、実用化に向けた技術革新が必要となっています。

 さらに、当社グループの物流を支える運輸部門では、物流業界の働き方改革が進む中、継続して収益性を維持、向上させる取り組みが重要となってまいります。

 以上の経営環境も踏まえ、当社グループは、次の課題、施策に取り組み、さらなるグループ企業価値向上を目指してまいります。

① 事業の持続的成長

 当社グループ高純度薬品事業の主力製品である半導体用高純度薬液は、その高い品質と安定供給体制を強みとして競争力を築いてまいりました。事業環境の変化に合わせた重点販売地域の再編を推し進める中、国内外におけるユーザーの投資計画に対し機を逃さず、これに対応した販売拡大、新規商権の獲得に努めてまいります。また、ユーザーの一部において、その利便性から中小型容器での供給要望が高まる中、当該容器の充填能力増強を目的として新たな半導体用高純度薬液クリーンプラントの建設を進めています。これにより、最適な供給体制の構築と需要の取り込みを図ります。さらに、原料である無水フッ酸について、これまでも中国以外の地域からの調達に向けた取り組みを行ってまいりましたが、顧客要望も一層高まりつつある中、採算性を見極めつつ調達元の拡充に努めてまいります。

 エネルギー部門では、需要の継続が見込まれる濃縮ホウ素において、生産設備の整備および改良を行い、より効率的に生産を行える体制を整えてまいりました。今後の販売拡大に努めてまいります。

 この他、歯磨き用途のフッ化スズにおいては、海外において販売地域の拡大が見込まれています。価格競争力向上のため、生産体制の見直しなどにより原価低減を図り、収益性を高める取り組みを継続いたします。

 また、当社グループの高純度薬品事業を物流や原料調達の面から支える運輸事業では、いわゆる2024年問題と呼ばれる法改正に対し、早期から計画的に体制を整えてまいりました。慢性的に不足しがちである運転手の確保や、設備等の充足により安定的事業基盤の構築等に努め、着実に成長していくことに注力する方針です。

② 独自技術を活かした新製品の開発

 研究開発部門では、中長期でみた成長市場を踏まえて、当社が強みを持つ要素技術を活かした研究開発に取り組んでいます。半導体分野において、先端半導体の進歩は、微細化に加え、構造の三次元化・新材料の適用といった技術革新により実現します。この過程において、フッ化水素酸やバッファードフッ酸に要求される機能性は様々なものがあり、品位もますます厳しくなっています。当社では、ロジックやメモリにフォーカスし、これらの技術革新に貢献できる機能性薬液の開発を推し進めるとともに、半導体デバイスの歩留まりに影響を及ぼす極めて微細な粒子の低減に向けた取り組みにも注力してまいります。

 エネルギー分野に関しては、リチウムイオン二次電池用材料として、電池の性能を向上させることに加え劣化を抑制する新規添加剤の開発を進め、サンプル評価から実用化へと繋がるよう取り組んでいます。また、全固体電池用材料についても、すでにサンプル評価を開始しており、必要に応じてさらなる改良を進めてまいります。

 この他、細胞培養容器、蛍光体関連材料、高機能フッ化物など、新たな製品や素材の開発にも取り組み、事業ポートフォリオ拡充を目指してまいります。

③ 経営基盤の強化

 企業の持続的発展のため、またプライム市場上場企業として社会から求められる事項に対して実践してまいります。資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応や、サステナビリティ関連の取り組みについて、その計画や目標に応じて取り組んでまいります。

 また、社内の業務効率化、生産性向上に繋がる業務のデジタル化を推し進め、新たな施策に取り組む土台を強化いたします。

 さらに、経営資源配分の観点では、資本効率・収益性・持続的成長に向けた長期視点等を意識した、成長投資や株主還元をバランスよく実施することを基本方針として掲げ、これに取り組んでまいります。

PR
検索