日本毛織 【東証プライム:3201】「繊維製品」 へ投稿
企業概要
①「ニッケグループRN130第2次中期経営計画(2021~2023年度)」の進捗
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| (単位:百万円) | ||||||
| 第1次 中期 経営計画 |
| 第2次中期経営計画(2021年度~2023年度)※1 | ||||||
| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||||
| 実績 | 実績 | 中期計画 | 実績 | 中期計画 | 業績予想 ※2 | 実績 | 中期計画 | 業績予想 ※3 |
売上高 | 126,401 | 104,915 | 107,000 | 106,619 | 114,000 | 115,000 | 109,048 | 127,000 | 121,000 |
営業利益 | 10,472 | 9,048 | 8,600 | 9,900 | 9,500 | 10,200 | 10,707 | 11,500 | 11,000 |
経常利益 | 11,165 | 12,655 | 8,200 | 9,784 | 9,700 | 10,500 | 11,715 | 11,700 | 11,400 |
親会社株主に 帰属する当期純利益 | 6,520 | 7,121 | 4,000 | 8,308 | 6,500 | 7,000 | 7,283 | 7,800 | 7,300 |
※1 2021年1月14日公表
※2 2022年1月14日公表
※3 2023年1月13日公表
(a) 2022年度実績
「第2次中期経営計画」の2年目となる2022年度は、売上高は未達となるものの、各利益は「第2次中期経営計画」2年目の計画数値および2022年1月14日に公表した業績予想を上回ることができました。また、株式会社フジコーの完全子会社化に伴う負ののれん発生益計上があった前年度に対しては、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となるものの、売上高・営業利益・経常利益は増収増益となりました。特に営業利益につきましては、「第2次中期経営計画」の目標の一つである「2019年度に達成した過去最高の営業利益を更新する」を前倒しで実現することができました。
急激な経営環境の変化のなかで、利益構成は変化しながらも全体として計画通りに進捗していることは、グループ全体での事業の多様化による相互補完により、強靭な企業グループの構築が進んでいると認識しております。
(b) 第2次中期経営計画における基本戦略の進捗
(ⅰ) 成長事業や新規事業・合理化への資源の重点配分および海外ビジネスの拡大
・衣料繊維事業における成長ドライバーの育成は、コロナ禍における行動制限から、特に海外事業の進捗に遅れが見られます。中国事業では、学生服事業について市場動向を見極めながら進めるとともに、テキスタイル事業の展開に取り組んでまいります。一方で、防刃や防炎などの機能素材では国内外で拡販に取り組み、産業用途も含め着実に実績に繋がっております。
・産業機材事業においては、環境関連分野の更なる拡大に向け、高機能フィルター「アドミレックス」の生産拠点として中国での生産設備を増強し、稼働を開始しました。コロナ禍のなかで販促活動に遅れは生じておりますが、今後の収益拡大に注力してまいります。また、前年度に完全子会社化した株式会社フジコーとは、生産体制の統合や海外拠点の活用など連携を強化しております。
・人とみらい開発事業においては、商業施設関連分野ではニッケコルトンプラザ(千葉県市川市)の一部リニューアルを実施し、来場者は順調に伸びております。不動産開発分野では、東京ビル(東京都中央区八丁堀)の再開発や収益不動産の取得などを実行しました。ライフサポート分野の拡大として2021年春に介護施設3拠点、保育施設1拠点を新規開設し、その安定運営と収益向上に取り組んでおります。
・生活流通事業においては、EC市場の拡大と競合の増加を踏まえ、独自性をもった商品の拡充と販売・調達ルートの多様化を目的として、株式会社サンコーをグループ化しました。
・メディカル関連事業においては、ニッケグループの技術を活用した商品開発を進めてまいりました。
(ⅱ) 資本効率の改善
・製造分野においては、棚卸資産の圧縮や、省エネ・生産工程のシンプル化に向けた設備投資などを行ってまいりました。
・不動産開発分野においては、既存施設・遊休施設の再開発・再々開発の実行、更なる検討を進めております。
・事業の選別を徹底し、非効率な事業の撤退や分離を推進してまいりました。
・政策保有株式については2022年度において23銘柄を売却し6億円余(簿価ベース)の縮減を実施しました。また、2022年度において3百万株の自己株式を取得し、8百万株の自己株式の消却を実行しました。
・ROEについては7.0%となり、負ののれん発生益を計上した前年度の8.4%を下回る結果となりました。更なる資本効率の改善に取り組み、ROE8%以上を継続的に達成できる経営体質の構築に取り組んでまいります。
(ⅲ) 部内再編によるシナジー効果の創出
・衣料繊維事業においては、ユニフォーム事業でのバリューチェーンにおける製販連携、海外事業におけるグループ各社の連携を進めております。
・産業機材事業においては、完全子会社化した株式会社フジコーとの連携による不織布事業の強化、海外拠点の活用を進めております。
・生活流通事業においては、EC会社の統合やグループ各社の物流機能の集約を進め、商材の拡充や販売ルートの共有、経営効率化を図っております。
②2023年度の施策について
2023年度は「第2次中期経営計画(2021~2023年度)」の最終年度であるとともに、「RN130ビジョン(2026年度)」に向けての総仕上げとなる「第3次中期経営計画(2024~2026年度)」を策定する年となります。経済活動の回復にはなお時間がかかり、2023年度も不透明な状況が続くと想定されます。一方で、環境を始めとしたサステナビリティ志向の高まりは新たな機会も生んでおり、これらの変化をチャンスと捉えて各種施策を実行していまいります。
急激な経営環境の変化を見込み、業績予想につきましては2021年1月14日に公表しました「第2次中期経営計画」最終年度の計画数値には届かないものの、3期連続の増収と営業利益増益を達成し、引き続き過去最高の営業利益を更新することを目指します。
グループ全体の重点方針は以下のとおりです。
・「第2次中期経営計画」各施策の効果発現と経営計画の達成
・成長投資の加速(商品開発や合理化・省エネへの投資、顧客拡大投資、人財投資)
・人的資本の拡充(チャレンジする人財の育成、多様な能力の活用など)
・資本効率を意識した運営
・サステナブル経営(社会とニッケグループの持続的な成長)への取り組み
(SDGs、地球環境問題など)
これらを踏まえた、各事業で取り組む施策は以下のとおりです。
<衣料繊維事業>
・SDGsを意識し、環境に配慮した事業を推進します。
・成長を加速させる事業へ経営資源を集中投入し、製販連携と海外成長を加速させる組織づくりを進めます。
・国内事業においては、魅力ある素材提案、循環リサイクルシステムの構築による環境負荷低減、業界におけるバリューチェーンの効率化に取り組みます。また、防刃・防炎などの機能素材の拡販を国内外で進めます。
・海外事業においては、環境配慮型素材・サステナブル・トレーサブル・リサイクルをキーワードとして、欧州や中国でのファッションテキスタイル事業を推進します。
・製造においては、糸から織物まで供給できる国内での生産体制を強みとし、国内回帰を意識した生産体制の更なる強化に取り組みます。
<産業機材事業>
・引き続き自動車関連、環境関連を中心とした収益拡大に加え、次の「第3次中期経営計画」に向けて第3の柱を探求します。
・完全子会社化した株式会社フジコーとの連携を強化し、拠点活用による海外事業の拡大、生産性向上による不織布事業の収益拡大に取り組みます。
・中国での生産設備を増強した「アドミレックス」事業を軌道に乗せるとともに、不織布「ヒメロン」などの海外向け拡販を進めます。
<人とみらい開発事業>
・商業施設運営分野では、ニッケコルトンプラザのリニューアル効果を確実に取り込むとともに、今後の更なる収益向上プランの策定を進めていきます。
・不動産開発分野では、東京ビルの再開発を推進するとともに、遊休地や不採算施設の再開発を計画していきます。また、中長期的な視点も踏まえ収益不動産の取得を進めます。
・ライフサポート分野では、新規施設の着実な収益向上を図るとともに、不採算施設の業績回復、新規ビジネスモデルの構築を進めます。
・通信及び新規サービス分野では、事業ポートフォリオの組換え、選択と集中を実行するとともに、新たな事業への取り組みを進めます。
<生活流通事業>
・急激な環境変化に対応し、次の「第3次期中期経営計画」への準備の年として、事業改革・改善・再編に取り組みます。
・既存事業の深耕と成長に加えて、M&Aなどにより親和性の高い事業を加え、収益の拡大を図ります。
・EC事業の強化により、国内に留まらず全世界に向けた物販と販売スキルを取得し、新たな収益の柱とします。ニッケグループ全体のEC化率向上を目指します。
<メディカル関連事業>
・ニッケグループの技術を活用した開発商品の上市・収益化を目指し、メーカーとしての機能強化を図ります。また、仕入商品の取扱い拡大による収益率向上を推進します。
現在の不確実な時代においては、ステークホルダーから真に付加価値を認められたものだけがその評価を得ることができると考えています。現在の変化を「新たな常態=ニューノーマル」と考え、チャンスと捉えて事業構想に当たり、ステークホルダーから喜ばれる魅力的な事業の育成、拡大を進めてまいります。
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