ジンズホールディングス 【東証プライム:3046】「小売業」 へ投稿
企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
サプライチェーンに関わるリスクについて
| リスクの内容 | リスクに対する対応策 |
原材料調達、生産に関わるリスク | 当社グループは、自社で商品のデザインや企画を行っておりますが、その製造は外部の企業に委託しており、委託先の多くは中国の協力工場及び協力会社(貿易公司)であります。 そのため、中国国内の社会的、経済的変動及び政治情勢の変化や、中国当局が課す法的規制や制限等により商品の生産・供給に支障が生じ、または中国国内の急激な人件費の上昇や為替相場の急激な変動等により、輸入仕入原価の高騰等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 中国国内での生産地域や製造拠点の分散化を行い、また国内生産体制の確立を進めることにより、商品の生産に対する中国の情勢等の影響の低減を図ってまいります。 また生産地域や製造拠点をさらに複数の国・地域に分散し国際情勢等の変化に機動的に対応できるようサプライチェーンの構築を進めてまいります。 |
製品(製造物)に関わるリスク | 当社グループが販売する眼鏡及びコンタクトレンズ等の製品の欠陥により顧客の身体、財産等を毀損した場合、損害賠償金の支払、回収費用、代替品への対応費用等の多額のコスト負担のほか、社会的信頼の喪失等により当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 販売する製品に安全上の欠陥が生じないよう、品質管理部門を設置し、専門家を配置するとともに、専門部署が生産現場を往訪して、生産管理体制を直接確認することにより現場でのサイレントチェンジを防止するとともに、品質保証部門を生産部門から分離、独立させ、牽制体制を強化しております。そのほか、顧客からの相談窓口を設置し、製品販売後の苦情等にも対応しております。さらに、製品事故に関し顧客に対する損害賠償責任が生じた場合に備え、賠償責任保険に加入をしております。 |
営業、販売に関わるリスクについて
| リスクの内容 | リスクに対する対応策 |
店舗展開に関わるリスク | 当社グループは、都心部や地方の中核都市及びその近郊の広域型ショッピングセンター、百貨店及び駅ビル等を中心に店舗を展開しておりますが、商業施設の開発件数や既存商業施設内のテナントの入替えが大幅に減少した場合には、計画通りの出店ができなくなる可能性があります。 また、当社グループは、賃借による出店を基本方針とし、土地所有者やショッピングセンター等商業施設の事業運営者等の不動産賃貸人に対して、賃貸借契約に基づき敷金・保証金・建設協力金等を差入れております。不動産賃貸人が破綻した場合、また当社グループが契約期間満了前に撤退した場合には、上記敷金及び保証金等の全部又は一部の回収が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 集客力の向上による店舗当たり売上高の増加や商業施設のリーシング部門とのコミュニケーションの緊密化を図り、商業施設からの誘致機会の拡充に努めております。また、商業施設以外のロードサイドへの出店も推進しております。 また、賃貸借契約に基づく出店時に、不動産賃貸人の信用状況や権利関係について十分確認を行っており、その後も敷金及び保証金等債権の回収・管理に留意をしております。加えて、不動産賃貸人が上場企業でない場合は、回収すべき債権につき信用保険に加入しております。 |
海外進出に関わるリスク | 当社グループは、海外アイウエア事業において、2010年に中国、2015年に米国及び台湾、2018年にフィリピン及び香港に進出しており、今後他の海外市場への進出も検討しております。 海外での事業運営には次にあげるようないくつかのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 ・予期せぬ法令の変更や規制強化 ・事業活動に不利な内容の政策変更 ・政治、経済、社会情勢の変動 ・人件費の高騰及び採用難 ・未整備なインフラ ・潜在的な国際税務リスク ・テロ、戦争、疾病、災害、その他の要因による社会的又は経済的混乱 | 海外進出にあたっては、事前に当該国や地域の市場規模、競合環境、法規制、社会情勢等の諸条件を十分に調査、検討しております。また、進出後においても、事業運営に関する環境の変化を注視し、リスクのコントロールに努めております。 |
業界環境に関わるリスクについて
| リスクの内容 | リスクに対する対応策 |
代替商品・代替サービス競合業者の出現に関わるリスク | レーザー装置による視力矯正手術等の代替商品・代替サービスの普及や、予想を上回る技術革新等により新たな視力矯正手段が出現した場合、または同業他社の業態転換、異業種または海外からの新規参入等により、当社グループより高い付加価値を提供する競合業者が出現し、当社グループの競争力が低下した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 当社グループでは視力矯正目的以外の機能性商品(ブルーライトカット、花粉カット等)の拡充を図るとともに、眼鏡小売事業だけでなく、地域共生事業等、常に新たな事業の展開を模索し、またDXを活用した消費者との接点の増加等により顧客体験の向上を図る等、同業他社との差別化を進め、高い付加価値を提供し、競争力の維持を図っております。 |
人材の確保及び育成に関わるリスク | 当社グループは、アイウエア専門ショップの積極的な新規出店による事業の拡大を計画しておりますが、出店を可能とするには質の高い店舗従業員及び店舗マネジャー等の人材の確保並びに育成が必須であります。また、競合他社との差別化を推進するためには、経営執行体制の強化のほか、企画開発、生産、IT、管理部門等の本部人材の充実が重要と考えております。 計画に見合った人材の確保が困難となった場合には、計画通りの出店や競合他社との差別化ができず、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 即戦力としての中途採用を積極的に進めると同時に、新卒者の採用を継続的に行い、人材を確保しております。また、近年、物価高騰が進み就業に専念できる環境や待遇を整備することが社会的に急務となっています。このような背景から、顧客体験の要である店舗において、さらに質の高いサービスを持続的に提供していくために、店舗の正社員及び有期雇用従業員の賃金のベースアップを行なっております。 また、東京本社、前橋本社並びに全国数箇所の拠点で店舗従業員を対象とした継続的な集合研修やWeb研修を行い、人材の育成を図っております。加えて、国家検定である眼鏡作製技能士の資格取得を目指して、社内教育機関「JINS Academy」を設立し、従業員に対する教育体制を構築し運用しております。 |
法的規制に関わるリスクについて
| リスクの内容 | リスクに対する対応策 |
法的規制全般に関わるリスク | 当社グループは、日本国内においては会社法、金融商品取引法、医薬品医療機器等法のほか、租税、労働、消費者取引等に係る各種法規制や制度の制限を受けており、海外の各拠点においても同様に各政府の法令、規制の適用を受けております。これらの法的規制について変更、強化または解釈の見直し等がなされた場合、あるいは万一不正行為が発生しまたは法令に抵触することとなった場合には、事業活動の制限や社会的信頼の喪失等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 法務、薬事、税務、労務等の専門部署を設置し、法律事務所のサポートも受けながら、法令の施行及び改正等に関する情報収集並びに事業活動や各取引、広告表現等に対する法適合性の確認を行うとともに、定期的なコンプライアンス教育の実施を通じて役職員のコンプライアンスの理解度を向上させ、法令遵守の徹底に努めております。また、海外拠点と緊密に連携を図りながら、事業運営に関する法的環境の変化を注視し、リスクのコントロールに努めております。
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度数測定行為に関わるリスク | 日本国内においては、医師法第17条において、医師以外の者が医行為を為すことが禁止されております。医行為とは、医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為であると解釈されておりますが、眼鏡販売の際に行う度数測定が医行為に該当するか否かについて、法律上明確な規定はなく、お客様が自己の眼に適当な眼鏡を選択する場合の補助等人体に害を及ぼすおそれが殆どない程度であれば、医師でない者でも行い得るとされております。 しかし、法令または規則の改正や解釈の変更等により、上記のような度数測定が医行為に該当すると判断された場合、ビジネスモデルの転換に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 当社グループでは、国内アイウエア店舗における眼鏡の販売時に、お客様のご希望に応じて、お客様の目に合った度数のレンズを選択するための度数測定を行っておりますが、かかる行為は、保健衛生上の危害を生じさせるおそれはなく、人体に害を及ぼすおそれが殆どない程度にとどまるものであります。一方で当社グループは、お客様の度数測定を行うためには、充分な技術や知識の裏づけが必要であると考え、社内研修制度の充実に注力しております。また、中学生以下の方や初めて眼鏡を使用される方には、眼科の処方箋に基づく作成をお勧めする等、お客様の度数選択のための最善策の提案とリスク低減に努めております。なお、医行為に該当する目の診断及び検診等は行っておりません。 |
医療機器の製造販売に関わるリスク | 当社グループは、国内アイウエア事業において、眼鏡レンズ及び既製老眼鏡の一部を海外メーカーより直接輸入し、コンタクトレンズを国内企業より仕入れて販売しております。眼鏡レンズ及び既製老眼鏡は、医薬品医療機器等法上の一般医療機器に、コンタクトレンズは医薬品医療機器等法上の高度管理医療機器に該当し、これらを輸入又は販売する行為は医薬品医療機器等法の規制を受けております。 これらの法的規制について変更、強化または解釈の見直し等がなされた場合、あるいは万一これに抵触することとなった場合には、許認可の取消等による商品供給停止や社会的信頼の喪失等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 眼鏡レンズ及びコンタクトレンズそれぞれに対し、医薬品医療機器等法に基づく規制及び許認可に対応するための専門部署を設け、医薬品医療機器等法及び関連法令の遵守並びにレンズ等の適正な品質管理に努めております。 |
| リスクの内容 | リスクに対する対応策 |
知的財産権に関わるリスク | 当社グループでは、常に先進的な商品を市場に提案するため、自社単独開発に加え、パートナー企業や大学等研究機関との連携により、継続的に新商品・新技術の開発を進めておりますが、これらの活動により創出した知的財産権の保護や権利行使に何らかの障害が生じ、第三者による当社商品の模倣を効果的に排除できなかった結果、市場シェアを失った場合や、あるいは第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償請求や差止請求などを受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 知的財産に関する専門部署を設置し、重要な技術やデザインについては特許権および意匠権等を、主要なブランドや商品・サービスの名称については商標権をそれぞれ取得し、知的財産権の保護を図っております。 また、商品・サービスの開発においては、第三者の知的財産権の事前調査を徹底し、侵害回避に努めております。 |
情報管理に関わるリスクについて
| リスクの内容 | リスクに対する対応策 |
情報セキュリティ・プライバシー保護に関わるリスク | 当社グループは、IT利活用を推進して業務の効率化及び生産性の向上を図っておりますが、不正アクセスやマルウェア感染等による個人情報を含む重要な会社の情報資産の漏洩・消失・改ざん、または通信設備のトラブル等による情報システムの停止等の事態が生じた場合、事業活動が一時停止するおそれがあるほか、社会的信頼の喪失等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | ITガバナンスの専門部署を設置し、サイバー攻撃や内部関係者による情報漏洩等リスク要因ごとにセキュリティ対策を講じることにより、情報セキュリティリスクの低減を図っております。 プライバシー保護については「プライバシーポリシー」「個人情報保護規程」「情報セキュリティポリシー」「情報セキュリティ規程」等を制定し、個人情報取扱事業者として社内管理体制の整備及び従業員への周知徹底とともに、個人情報の流出防止対策に万全を期しております。 また月に1度、「個人情報委員会」及び「情報セキュリティ委員会」を実施し、運用・管理について監視し、常に改善を図っております。 |
金融環境の変化に関わるリスクについて
| リスクの内容 | リスクに対する対応策 |
金利情勢の変動に関わるリスク | 当社グループは、出店等の設備資金及び運転資金について、銀行借入等による資金調達を実施しており、今後も将来的な資金需要に応じて資金調達を行う可能性があります。 今後の有利子負債依存度の上昇や金融情勢の変化により金利水準が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 金融情勢に柔軟に対応できるよう有利子負債依存度をコントロールするとともに、金融情勢に応じた適切な資金調達を行っております。
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資金調達環境の変化に関わるリスク
| 当社グループの新規出店等の設備資金及び売上増加に伴う追加の運転資金について、今後の金融情勢の変化や当社グループの業績及び財政状態により、資金調達に重要な影響を与える可能性があります。 また、当社は、2020年2月12日に、2025年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行しております。当社株価が転換価額を下回る水準で推移する等により、上記の転換社債の株式への転換が進まなかった場合には、満期において残存する転換社債につき額面での一括償還が必要となり、当社は他の資金調達手法によることを含め、リファイナンス等の対応が必要となります。 | 設備資金及び運転資金等を機動的かつ安定的に調達するため、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しており、また、取引銀行と良好な関係を維持し、必要な資金調達に支障をきたさないようにしております。
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為替変動の影響に関わるリスク | 当社グループは、主要商品である眼鏡フレームの大部分とレンズの一部を中国等の海外から直接輸入しているため、仕入原価は為替相場変動の影響を受けます。また、当社グループは、当連結会計年度末現在において、海外連結子会社7社(うち事業会社4社)を有しており、海外連結子会社の外貨建ての財務諸表金額は、当社連結財務諸表において日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。為替相場が急激に変動した場合、輸入仕入原価の高騰や海外連結子会社の日本円建て財務諸表数値の変動等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 仕入原価について、為替の変動をモニタリングするとともに、吸収できない為替影響に関しては、競合他社の動向を見つつ、適切に販売価格を見直す等、当社グループの業績及び財政状態への影響が最小限になるよう為替変動リスクを抑えるよう努めるとともに、国内生産体制の確立を進めることにより、仕入原価に対する為替相場変動の影響の低減を図ってまいります。 また、海外連結子会社の外貨建ての財務諸表の日本円換算による当社連結財務諸表への影響については、在庫の圧縮等の資産圧縮により低減を図っております。 |
その他のリスクについて
自然災害等に関わるリスク | 当社グループの店舗施設、物流拠点または本社施設あるいは協力工場その他の生産拠点の周辺地域において、地震、津波等の大規模災害の発生や事故、火災、テロ、戦争等が発生したことによりこれらの施設が甚大な被害を受けた場合、またはパンデミックの発生により長期間にわたり販売行為や店舗への商品供給等の事業活動を行うことができなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
| 大規模災害及びパンデミックなどの緊急事態に遭遇した場合に備えて、BCP計画を策定し、緊急時における速やかな情報収集と全社的対応態勢が取れるよう綿密な事前準備を整えております。また商品在庫の損害を最小限にとどめつつ、店舗への商品供給の継続あるいは早期復旧を可能とするために、物流拠点を関東と関西の2か所に設置しております |
人権に関わるリスク | 当社グループは、国内及び海外の協力工場等のサプライチェーンやベンダー等の取引先と共同して、商品・サービスの企画、開発、生産、供給を行っておりますが、かかる事業活動の過程において、強制労働や児童労働、ハラスメント、差別的行為など、関係者の人権を著しく傷つける行為等が発生した場合には、当社グループに対する顧客及び取引先等の信用低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 | 当社グループは、人権方針として、「倫理行動規範」において、個人の基本的人権と人格の尊重及び差別や個人の尊厳を傷つける行為の禁止を定めております。また、主要サプライヤーに対しては定期的な外部監査を実施し、強制労働、児童労働、非人道的な扱い及び差別の禁止並びに労働環境について確認する人権デューデリジェンスをすすめ、人権侵害行為の予防に努めてまいります。加えて、当社グループの事業に関わる取引先、従業員、顧客、株主、地域社会等、様々なステークホルダーに対して複数の相談窓口を設置し、人権に関する相談を受け付けており、万が一、人権侵害が認められる事例が発生した場合には、迅速かつ真摯に救済・是正措置を行う体制を講じております。 |
固定資産及び投資有価証券の減損に関わるリスク
| 当社グループは、出店にあたって、賃借した敷地上に店舗用建物を建設し、または賃借した建物や建物の一部区画の内部に造作・設備を施しており、これらの建物、造作及び設備を固定資産として計上しておりますが、店舗の収益性が著しく悪化した場合、当該店舗にかかる固定資産の減損処理が必要になります。 加えて、事業拡大や新規事業の展開に伴う出資等により投資有価証券を保有しておりますが、出資決定時に想定した収益に未達成の場合及び収益や効果が見込めない場合に減損処理が必要になります。これらの処理により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 | 店舗の収益性をモニタリングし、収益悪化の兆候が認められる場合は、当社グループの業績及び財政状態への影響を最小限に抑えられるよう回収可能性を適切に判断し、随時減損処理をしております。 投資有価証券については出資後の業績進捗状況等のモニタリングを継続的に実施することでリスクの低減を図っております。 |
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