セキュアヴェイル 【東証グロース:3042】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループの企業理念
当社グループは、グループの存在意義である企業理念として「貢献」を掲げています。最高品質のサービスを提供させていただくことにより、お客様の発展に貢献し、従業員とその家族を幸せにし、グループの発展と、社会に貢献することを目的としております。
また、当社グループの使命(ミッション)は、お客様のシステムセキュリティを確保し、事業運営を安心して継続されるためのシステム運営支援者として、「安全」で「役立つ」サービスを提供し、お客様に末永くお付き合いいただける企業グループを目指してまいります。
(2)経営の基本方針
当社グループは、ITセキュリティ専業でビジネスを展開する数少ない日本の企業集団であり、企業理念の実現に向けて、以下の3つの強みを軸に事業を展開しております。
| 当社グループの強み | 会社 |
1.事業ノウハウ | 創業時からインターネットの社会インフラとしての成長とともに歩むことで蓄積されたセキュリティ運用ノウハウ | 株式会社セキュアヴェイル |
2.人材 | 創業時から首尾一貫してセキュリティ運用サービスを提供し続ける中で育成してきた人材と教育プログラム | 株式会社キャリアヴェイル |
3.自社開発 ソフトウェア | 創業時からセキュリティ運用の標準化を考え、時代とニーズの変化に合わせ最適化してきたセキュリティ運用プラットフォーム | 株式会社LogStare |
また、セキュリティ運用に欠かせない現場の動向・情報が常に最新に保たれる「垂直統合型ビジネスモデル」を確立しており、専業事業者として、24時間365日体制での運用・監視等のサービス提供からログ分析システム、ネットワーク運用監視システムの開発、提供、保守に至るまで、ワンストップサービスを提供するとともに、サービス品質の向上に取り組んでおります。
[垂直統合型ビジネス]
(3)経営環境及び経営戦略、対処すべき課題等
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウィルス感染症の5類感染症への移行により、社会経済活動の正常化が進み、緩やかな回復が続きました。他方、海外景気の減速、地政学リスクの顕在化、物価上昇や人件費の高まりを受けたコスト増加、人手不足の深刻化等による影響が懸念され、今後の動向は依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く情報セキュリティ市場の環境では、システムの脆弱性を突いたサイバー攻撃が後を絶たず、国内外の様々な企業や医療機関等で被害が発生しており、社会経済に与える影響は深刻化しています。セキュリティインシデントや情報漏洩は年々増加傾向にあり、情報セキュリティ対策やログ管理の重要性が益々高まっております。
当社グループとしては、上記のような事業環境の変化をビジネス機会として捉え、事業の拡大・成長を計画しており、戦略及び対処すべき課題は、以下の通りです。
1.対処すべき課題
①営業体制の強化
当社グループが更なる成長を果たしていくためには、営業体制の強化及び認知度の向上が重要であると認識しており、多様な顧客ニーズに対応すべく、新たな販売パートナーの開拓及び既存パートナーの深耕に取り組んでおります。今後は、販売パートナーがより当社グループの製品・サービスを販売し易くなるようパートナー向け支援策の拡充や新規サービスの企画・開発、セミナー・イベントの開催などに取り組んでまいります。また、セールスプロモーション等のマーケティング活動等により、認知度の向上を図ってまいります。
②顧客との関係性強化
当社グループの提供するストック型ビジネスにおいて、顧客との契約継続は安定的な収益確保の基盤であり、他方、解約は業績変動リスクを増加させるものであります。既存顧客との契約継続、更にはアップセルやクロスセルによる取引拡大の対策として、定期報告会の実施、オンライン会議等による顧客満足度の調査・ヒアリング、新たなサービスの提案、キーマンとのコミュニケーション強化など、組織をあげて既存顧客へのフォロー体制を構築し、解約リスクの早期察知と防止、取引拡大を図ってまいります。
③サービスの強化及び新規開発
当社グループの提供する運用監視サービスの基盤強化や新規サービス開発に対する投資は、新規顧客獲得のみならず、既存契約の更新率を高め、安定した収益の維持やサービス領域の拡大に繋がります。情報セキュリティに対する脅威は日進月歩であり、顧客のニーズも多様化してきております。顧客の利用環境に応じたクラウド型サービスの提供や業種セグメントに特化したサービスの開発、新たな脅威に対するサービスの開発等に努め、サービスの差別化、高付加価値化を進めてまいります。
④人材確保と育成
当社グループのサービスを安定的に継続提供し、更に進化させていくためには、優秀な技術者を中心とした人材の確保と育成が重要となっております。採用活動で採用した人材や社内人材に対して、従業員が能力を最大限発揮し活躍できる体制を構築、整備することで、組織全体の更なるレベルアップを図ってまいります。
2.特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、今後の持続的な成長を見据え、セキュリティ運用基盤の開発、多様化する顧客ニーズに対応するための新規サービスの企画・開発、人員の拡充、オペレーション体制の最適化等に取り組んでおり、これらの事業投資により、3期連続で営業損失、経常損失を計上しております。
しかしながら、当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金残高が1,200百万円あることに加え、継続性の高いストック型ビジネスが主力であるため、当面の資金を確保できており、重要な資金繰りの懸念はありません。
引き続き、売上の拡大、収益性の改善に取り組んでまいります。
3.目標とする経営指標
| 2025年3月期 |
連結売上高 | 1,240百万円 |
連結営業利益 | 50百万円 |
連結売上高営業利益率 | 4.0% |
なお、収益性、生産性を重視した経営活動を行うべく「売上高営業利益率」を重要な経営指標としています。また、規模の拡大にも注力するために、「売上高」、「営業利益」も重要な経営指標として位置付けております。
(4)グロース市場の上場維持基準適合へ向けて
当社グループは、株式会社東京証券取引所にて2022年4月適用の新市場区分についてグロース市場を選択しておりますが、当社グループのグロース市場の上場維持基準への適合状況は、移行基準日時点(2021年6月30日)において、時価総額について基準を充たしていないことから、2021年12月28日に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(以下、「計画書」)を株式会社東京証券取引所に提出いたしました。
なお、進捗状況につきましては、2024年6月28日に株式会社東京証券取引所に提出しております。
2024年3月末時点におけるグロース市場の上場維持基準への適合状況は、「時価総額」については基準を充たしておりません。2026年3月期までに上場維持基準を充たすため、各種取り組みを進めてまいりますが、財政状態及び経営成績並びに市場環境や経済情勢によっては、2026年3月期までにグロース市場の上場維持基準を充足できない可能性があります。
今後、当社グループが中長期的な企業価値の向上を図る上においては、その前提として当社グループが2026年3月までにグロース市場の上場維持基準を充足することが重要な経営課題になるものと考えております。
計画書の内容を確実に実行し、企業価値の向上に取組み、株主及び投資家の皆様からの信頼、期待感の醸成を図ることにより、上場維持基準の適合を目指してまいります。
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