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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

① 会社の経営の基本方針

 当社グループは、コーポレートメッセージとして「未来に感動を」を掲げており、最新のデジタルテクノロジーと独自のネットワークシステムで、映像画像が持つ表現力を深め、広げていくとともに、未来に感動を与えるための新しいビジネスモデルを模索してまいります。

 当社グループのビジネスは、ITデジタル技術・印刷および色管理技術・ヒューマンリテラシーなど広範囲にわたる複合的な技術やノウハウの集約によって成り立っています。インターネットなどの通信インフラにより提供された画像データに高度な画像処理技術や写真印刷技術などを施すことで、完全にカスタマイズされたサービスを一人一人のお客様に提供し、究極の顧客満足を得る企業を目指してまいります。

 さらに、画像映像の新しい表現方法や、ITや最新技術を活用した新規ビジネスなど、新しい取り組みにも常に挑戦してまいります。

② 目標とする経営指標

 当社グループは、未来に感動を与えるための映像画像の新しい表現方法の創造を使命としており、事業の拡大を通じて、より多くの感動を提供してまいりたいと考えております。そのために、事業の安定的成長と適切な利益の獲得が重要な経営目標であると認識しております。従いまして、当社グループは、経営指標として、売上高増加率と売上高経常利益率を重要視しております。

③ 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、ニッチストック型ビジネスであるフューネラル事業と安定成長型ビジネスであるフォトブック事業、空中結像という新しい市場の創造を目指す空中ディスプレイ事業という位置づけの異なる3つの事業にバランスよく力を注いでまいります。フォトブック事業においては、新たな取組みとして、バーチャルライバー事務所を運営する株式会社BETを子会社化するなど、バーチャルビジネス分野において新しいチャレンジを進めてまいります。

3つの事業に共通する経営環境としましては、従来より進んでおりますIT化、ネットワーク化がさらに加速していくとともに、新型コロナウイルス感染症拡大の経験を経て、事業環境の変容がみられます。その環境変化に適応したサービスの開発や、社内体制の適応が不可欠と認識しております。

 また、ユニークな技術を有するスタートアップ企業と提携することで、新しいビジネスの創出とともに、当社グループの顧客基盤のニーズに対応したサービスの提供も進めていく方針です。

 各事業の経営環境および事業戦略は以下のとおりです。
 (フューネラル事業)

 フューネラル事業が属しております葬儀葬祭業界は、高齢化社会の進展とともに葬儀件数の漸増が期待されるものの、家族葬にみられるような葬儀の小規模化が進行し、経営環境は決して楽観できるものではありません。また、新型コロナウイルス感染症拡大の時期を経て、葬儀の小規模化が定着している状況であります。そのような環境のもと、葬儀社からは新たな収益機会の提案や人手不足を背景とした業務効率化ツールに対するニーズが高まってきております。

 フューネラル事業は、当社設立以来の中核事業であり、長年培ってきた画像処理技術や全国的な自社サポート拠点の設置及び新サービス開発力によって、安定的な成長と利益獲得の基盤が確立しております。当事業では、遺影写真加工のさらなるシェアアップを図るとともに、顧客である葬儀社の新しい収益機会の提供および業務効率化を可能にするITサービス「tsunagoo」の浸透を進めてまいります。さらに葬儀社向けに新しいサービスを開発し、拡充してまいります。また、AIを含めた最新技術の導入やテレワークなどへの対応を進めてまいります。

(フォトブック事業)

 フォトブック事業が属しております写真業界は、デジタル化が進行し、一眼レフカメラでの撮影を主力としたプロフェッショナルを含めたハイエンド層と、スマートフォンでの撮影を主とするカジュアル層の2分化がみられます。インスタグラムなど様々な写真の楽しみ方が見られ、写真撮影の機会は増加傾向にあります。また、プロフェッショナル写真家向けサービスのメインターゲットであるウェディング業界は、新型コロナウイルス感染症拡大の時期を経て、婚礼の小規模化傾向が見られる一方、スタジオ写真業界は家族写真などの撮影サービスが活性化しております。一般消費者向け市場においては、円安による海外旅行の低迷が見られ、また写真のアウトプット市場がコロナ禍以前の状況に戻りきらないなど、厳しい環境が継続しております。
 フォトブック事業は、数千億円といわれる写真アウトプット市場をターゲットにしているため、大きなポテンシャルを有しており、当事業の認知度が一定程度広まってまいりましたが、未だ十分とはいえません。当社が誇る高い写真印刷技術や製品開発力及び充実した営業・サポート体制という強みを背景に、当事業の認知度の向上に努め、印刷による1冊から写真集という新しい写真文化の浸透に注力してまいります。高品質・多品種をコンセプトにしておりますプロフェッショナル写真家向けの「アスカブック」及びコンシューマ向けの「マイブック」はそれぞれにおいて、新製品を継続的に投入し成長を持続してまいります。また、少品種・低価格をコンセプトとするOEM供給も進めており、フルラインナップでの生産体制を強みとしております。生産面においては、業容の拡大に応じた適切な生産能力の増加と生産効率の向上に努めるとともに、顧客ニーズに即した発注ツールの開発や製品ラインナップの充実に注力いたします。また、新しいウェディングや撮影スタイルに適応した新しいサービスの開発にも努めるとともに、スタジオ写真や建築写真などウェディング向け以外のマーケットの開拓も進めてまいります。また、当社の強固な顧客基盤を背景に優れたサービスの拡販も進めてまいります。
 (空中ディスプレイ事業)

 空中ディスプレイ事業は、空中結像という新しいマーケットの創造にチャレンジしております。事業環境としましては、従来より提案しておりました空中結像による非接触操作が、新型コロナウイルス感染症拡大を機に大きな注目を受けております。また、未来的なサイネージとしての活用も見込まれております。
 当社独自の空中結像技術は高輝度、高精細、高い飛び出し距離などで優位性があります。この技術を活用して画像映像の新しい表現方法の確立を目指しており、結像を可能にするプレートの開発、生産、販売により当社の成長の原動力とすべくチャレンジしてまいります。用途としては、サイネージ用途と、センサーとの組み合わせによる製品組込用途に分けられ、前者はガラス製プレートが、後者は樹脂製プレートが適しており、ガラス製プレートと樹脂製プレートともに開発、生産、販売を進めております。国内外の展示会への出展や活用用途の具体的な提案などにより、プレートの普及を推進してまいります。プレートの生産につきましては、ファブレス形態による生産に加え、技術開発センターを設立し、量産技術の内製化も進めております。

 また、上記3事業にとどまらず、xRや3D分野をターゲットにした新しいビジネスの創造や、M&Aやスタートアップ企業との提携による事業拡大にも取り組んでまいります。

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の見通しとしましては、当社が属しております葬儀葬祭業界、写真業界ともデジタル化、IT化に対するニーズが増加していることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の経験を経て、消費者の行動変容が見られ、求められるサービスも変化していると認識しております。また、長引く円安や物価高などによる事業環境の変化も見られます。このような環境のもと、継続して成長していくために、以下の項目を対処すべき課題と認識しております。

① 空中ディスプレイ事業の収益化

 当社の独自技術であるASKA3Dプレートによる空中結像は、その鮮明さ、明るさ、大きさにおいて優位性を持っており、その新規性や利用可能性の広さなどから、展示会やデモンストレーションなどでの評価は高いものの、収益化に時間を要しており、空中ディスプレイという市場創造が十分にできておらず、空中ディスプレイの活用が選択肢としてまだ浸透していないのが現状であります。

 新型コロナウイルス感染症の拡大フェーズを経て、空中結像によるサイネージや非接触操作に確固たるニーズがあることは把握しているものの、想定以上に案件の長期化を余儀なくされております。今後は、操作系、組込み系、サイネージ系の3つの分野に向けて集中的に営業を進めるとともに、海外においてはそれぞれの分野に精通した代理店や協力パートナーとの関係を再構築し、特にサイネージ分野では実際に空中ディスプレイを体感いただくなどの施策を積極的に進めていきたいと考えております。また、それを支えるASKA3Dプレートの安定生産体制の確立、先を見据えた研究開発の実施、安定供給を可能にする品質管理体制の強化を図ってまいります。

② 既存事業の環境変化への適切な対応

 従来より展開しておりますフューネラル事業、フォトブック事業とも安定した事業基盤を確立しておりますが、技術革新や新型コロナウイルス感染症を経ての事業環境変化を認識しており、その適切な対応を課題としております。

 両事業とも、豊富な顧客基盤や技術力を強みとしており、堅実な売上を計上しておりますが、冠婚葬祭の小規模化やデジタルアウトプットへの移行傾向が見られるなど決して楽観できる状況とはいえません。当社ではこのような変化を新しいビジネスチャンスととらえ、既存サービスのブラッシュアップだけでなく、AI、3Dなどの技術との融合により、新しい製品・サービスの開発・提供が必要であると考えております。

③ イノベーション創出基盤の醸成と新しい領域へのチャレンジ

 変化の激しいこの時代において持続的な成長をするためには、新しい技術との融合や社員のイノベーティブな発想を通じて、新しいサービスの提案、開発が不可欠となっております。

 そこで、若手社員に向けたイノベーション教育の継続的な実施、社内提案制度の充実などを通じて社内のイノベーション創出基盤の醸成を継続していくとともに、イノベーション創出の役割を有している戦略企画部を中心に、子会社である株式会社BETとの連携強化やバーチャル領域でのサービス開発など新たなチャレンジを推進してまいります。

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