企業兼大株主ヤマウラ東証プライム:1780】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営方針

 当社は、地域に根差し、地域の信頼を基盤に、「まちづくり」と「ものづくり」を通して地域の発展に貢献し続けていくべくサステナビリティを経営の軸とし、「安全第一」、「品質第一」、そして「お客様満足度第一」であることを経営の要諦として実践しております。人材が会社を支える礎。多様性を活かした人材育成に力を入れ、個々の能力と一丸となって進む組織力との融合がさらに高い付加価値を生む。一世紀を支え続けてきた骨太の創業精神という土壌の上に変化する時代に合わせてニーズを的確に捉え、企業価値の継続的向上に努めてまいります。

 また、「地域と共に」の姿勢は、信州にゆかりのある企業の品物でご好評をいただく当社の株主優待での取り扱いにも表れています。

(2) 経営環境

 新型コロナウイルス感染症の5類移行により社会経済活動の正常化が進んでインバウンド需要が好調な中、ウクライナ問題や中東情勢の悪化、及び原材料価格や消費者物価の高騰、金利上昇による企業の投資抑制などの景気減速が、先行きの企業収益に与える影響が懸念される状況にあります。建設業界においては、公共投資や民間の設備投資は一定程度の堅調さはあるものの、建設資材の価格高騰、納期遅延、人手不足に加え、今後の大型案件の縮小を見込んだ受注競争の激化などの影響もあり、今後の業績予測は難しく、厳しい受注及び利益見通しが続くものと思われます。

(3) 経営戦略及び優先的に対処すべき課題

 経営の根幹である人材の確保・育成は、当社グループ、そしてサプライチェーン全体においても最重要課題と認識しています。企業のサステナビリティは人材あってのことですので、継続した人材の確保・育成ができる体制づくりに重点的に取り組んでいます。その土台の上に立ち、当社の強みを最大限に活かしていくことで企業価値を高めていく活動を継続してまいります。

 また、建築事業・土木事業・エンジニアリング事業・開発事業と展開する当社事業の総合技術力は、お客様にとりましては大きな魅力となり得るものです。不動産の取得・活用から資金計画、機械設備も含めた建設の提案、設計、施工、アフターフォローまでをトータルサポート展開することにより、お客様の事業性の確立に貢献できるのが当社の最大の武器でもあります。当社の建築受注は設計施工の比率が約7割にも昇り、それを活かした提案の優位性を一層強めながら、総合力から生まれるシナジー効果をさらに有効に活かし、健全な財務体質を背景として収益力を高めてまいります。当社は、従来より財務基盤の強化を進めてまいりました。これにつきましては自己資本比率も約64%という高水準にありますが、今後は資本効率も高めていくことも経営の重要な要素と考えております。2024年3月期のROEは15.8%と大きく進展しましたが、今後とも継続して10%以上を目指してまいります。

2024年2月には支店開設をしましたが、エリアの拡大にも力を入れております。従来のエリアでの深耕とともに新規エリアでの開拓も確実に展開してまいります。

 そのためにも、受注の安定的増加と収益の増加とを将来にわたって確保していく計画を立て、下記の2点を推進しております。

①DX(Digital Transformation)

 資材・原材料価格の高騰が進む影響を最小限にとどめるため、ノウハウを蓄積してきた最新デジタル技術を可能な限り活用するとともに、積極的に導入も進めています。PC上で仮想建築を行いながら設計するBIM、三次元モデルで土木の設計を行うCIM、設計データどおりの施工に機器を自動制御するマシンコントロール、施工箇所の正確な位置情報を出すマシンガイダンス、現場測量を自動で行う3Dレーザースキャナー、VR、ARなどの技術です。これら最新のICTを駆使し、現場に隠れるムリ・ムダ・ムラをなくすIEを主としたKAIZEN活動の全社展開、また、自社開発の仮設資材等の軽量化・省力化による工数削減と原価削減を推進し、働き方改革にも大きな効果を上げています。さらにはCO2などGHG排出量の削減もDXにより推し進め、社会貢献をしてまいります。

②ドメインの明確化・強化

 建築、土木、エンジニアリング共にドメインの一層の強化を図っており、それぞれが当社のブランドとして実ってきています。今後は一層のブランド強化を目指して経営資源を投入して事業の柱に育成してまいります。

 企業様向けの建築では、食品工場のHACCPにも対応する「オイシールド」、工場や倉庫建築の「イーファクト」、オフィスをイノベーション化する「アットワークス」という、ドメインを明確にした3ブランドを立ち上げています。エンジニアリング事業では、設備・装置・構造物・システムに関する技術情報を紹介する「インフラ技術ナビ」、製缶・板金・溶接・大物機械加工の設計・加工・組立て・検査まで一貫対応し、製缶加工や装置設計に関する技術情報を紹介する「製缶加工・装置受託センター.COM」、各種制御設備の設計・政策から総合監視システムの設計・構築・、電気通信工事までの「制御・監視エンジニアリングセンター.COM」サイトをオープンしています。これらにより、建設事業、エンジニアリング事業ともに当社の特徴がお客様にもわかりやすく、訴求力を高めており、新規のお取引先の獲得に寄与しています。

・対処すべき課題としての内部統制の強化

2023年5月に発覚の「当社連結子会社の不適切な支出」を受けて、同年10月6日に「改善報告書」を、そして2024年4月12日には「改善状況報告書」を東京証券取引所へ提出いたしました。この報告書に記載しました通り当社では、不備であった内部統制について一つ一つ改善策を策定し、実行してまいりました。

 グループガバナンスを強化し、取締役会、監査等委員会をはじめとする重要会議体の規程改訂から運営に至るまで多くの見直しを行い、継続的に内部統制が有効に機能していける仕組みづくりができたと評価しております。

 しかしながら、これで必要十分な対策が取れており、リスクがないということではありません。今後ともに一層のガバナンス体制づくりをしていき、当社グループが継続的な発展を遂げていくため、法令遵守、コンプライアンスの徹底のもと、ヤマウラブランドに信頼を置いていただき、関係の皆様に、より満足いただけるよう安全第一・技術力ならびに品質第一・お客様満足度第一の精神の基、提案力を高め且つ協力会社を含めて技能継承を行い、高品質な建物他製品をご提供して収益確保に努め、さらなる企業価値の向上及び社会貢献をしてまいります。

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