企業兼大株主安藤・間東証プライム:1719】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、更なる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。

 当連結会計年度における研究開発への投資総額は約33億円です。

 セグメントごとの内訳は、土木事業約11億円、建築事業約21億円及びその他社外からの受託研究約95百万円であり、主な研究成果等は次のとおりです。

(1) 土木事業

① 山岳トンネル

ICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取組として「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM®)」の開発を推進しています。当連結会計年度には、トンネル現場の重機機械・プラントの稼働状況を把握し、作業工種を判別することで省エネルギー化と施工効率改善の支援を行う施工管理システム「Hi-Res」を開発しました。複数の山岳トンネル現場への展開を行い、当社実績にて最大68%削減、平均61%削減の省電力効果を確認しました。今後もHi-Resを通じ山岳トンネル工事の環境負荷低減と職員・作業員の業務省力化・効率化を促進していきます。

② 建機の自動運転

建設現場での施工は、複数種の建設機械を使用する必要があり、これまで振動ローラとブルドーザの自動運転システムを開発してきました。当連結会計年度には、施工中のシールド工事現場において、自動運転ショベルでダンプトラックに土砂積込みを行い、実用性を検証しました。本検証により、機能面と安全面に加え、運用面でも現場における自動運転ショベルの実用化について一定の目途がつきました。今後、自動運転の適用工種の拡大と現場展開に向けた取組を加速させていきます。

IoT/AI(生産性の向上)

AIカメラによる画像・文字認識技術を用いて、コンクリートの練混ぜ開始、受入れの各時刻、及び納入数量を人の手を介さずに自動で取得し、コンクリートの運搬時間、打設時間及び打設数量を管理できるコンクリート打設監視システムを開発しました。本技術は、データとデジタル技術を活用したインフラ分野のDXにおける優れた取組として、国土交通省中部地方整備局から第3回中部DX大賞を受賞しました。今後も現場の生産性向上技術の開発を進めます。

(2) 建築事業

 免震建物

南海トラフ地震などの巨大地震では、安全とされる免震構造であっても、応答が過大となり、上部構造の擁壁衝突や免震装置の損傷が懸念されます。2017年4月以降、国土交通省では免震建物の設計において巨大地震を考慮するように指導しています。そこで、免震建物の過大変位に対しブレーキをかけて高い安全性を実現するフェイルセーフ制動装置を開発しました。本装置は、低降伏点鋼の高い塑性変形能力を利用することで、初めて具現化された革新的な装置であり、想定した性能が実現できていることを性能実証実験にて確認しました。今後は新築および既設の免震建築物に本装置の幅広い適用を図り、免震建築物の巨大地震に対する安心、安全の向上に取り組んでいきます。

建築物LCA

新設した東北支店ビルにおいて、これまで確立してきた建築物のLCA(ライフサイクルアセスメント)手法をさらに発展させ、評価範囲を拡張させることにより、エコリーフ環境ラベルとCFP(カーボンフットプリント)環境ラベルを同時に取得しました。建築建屋だけでなく設備や運用も含めて公的なルールでLCAを実施し、さらにはエコリーフ環境ラベルを建築物で取得するのは国内初となります。今後もより一層、お客様の脱炭素化及び環境配慮の取組をサポートしていきます。

 生産性及び安全性向上

建築工事における物流倉庫の間仕切り壁などに使用する重量長尺資材(角パイプ)建て起こし装置を開発しました。従来作業は、肉体的負担が大きいだけではなく、高所作業車の転倒や角パイプの脱落・落下の危険を伴います。この「建て起こし装置」では、固縛装置に固縛した角パイプは、高所作業車を上昇させることで建て起こされる仕組みとなっているため、装置の導入によって作業時間の短縮、作業員の削減による生産性向上と危険作業の低減による安全性の向上を図ることができます。今後も装置・治具の改良を重ね、作業効率及び安全性の更なる向上を目指して取り組んでいきます。

(3) グループ事業

 当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。

(4) その他

 当社が保有する高度技術並びに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。

 カーボンニュートラル

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構による、グリーンイノベーション基金事業である「CO2を高度利用したカーボンプールコンクリートの開発と舗装及び構造物への実装(以下、「本プロジェクト」という。)」を幹事会社として実施しています。本プロジェクトにより、主要建設資材であるコンクリートをカーボンネガティブ材料に転換させることを目指しています。これらの取組により、お客さまと当社の双方のサプライチェーン排出量の脱炭素化に貢献するとともに、当社のSBTとRE100の目標達成に繋げます。また、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)における未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」に協賛しました。「フューチャーライフ万博・未来の都市」では、Society 5.0 をコンセプトに、都市を構成し支えるテーマ領域ごとに、様々なイノベーションの展示をし、実際に来場者に体感・体験いただき、その一環として、脱炭素社会の基盤を構成する新しい素材であるCPコンクリートについても直接触れていただく機会としたいと考えています。

エネルギーマネジメント

離れた敷地にある複数の遠隔建物(事業所)全体のエネルギーを統合・最適化することで、新たな広域的省CO2化を図る次世代エネルギープロジェクトを行っています。当連結会計年度には、CO2フリー水素の活用に向けた第2フェーズ(以下、「本プロジェクト」という。)に着手しました。本プロジェクトは、国土交通省の「令和5年度第1回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に採択されています。第2フェーズではCO2フリー水素の製造と活用という確実な一歩を社会に示すことで、来るべき水素社会における分散型エネルギーシステムの在り方を先導することを目指します。

次期も引き続き、土木・建築・環境・エネルギーといった多岐にわたる分野の技術開発成果を関連学会や全国の展示会を通じて積極的に社外へアピールするとともに、顧客満足度の向上に貢献します。

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