安藤・間 【東証プライム:1719】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
① ガバナンス
当社グループは、長期ビジョン「安藤ハザマVISION2030」にて、「お客様価値の創造」「株主価値の創造」「環境価値の創造」「従業員価値の創造」の4つの価値創造を柱に据え、その実現に向けて「中期経営計画2025」(2023年度~2025年度)の各種施策を推進するとともに、サステナビリティ推進体制を強化するため、2023年6月29日に取締役会の諮問機関として代表取締役社長が委員長を務め、ESG諸課題を幅広く審議するサステナビリティ委員会を設置しました。また、サステナビリティ委員会と連携する専門委員会として環境戦略委員会、人的資本戦略委員会、内部統制・リスク管理委員会等を整備しています。サステナビリティ委員会は、変化する社会環境下における当社グループの持続可能性の観点から、企業価値を向上させることを目的として年に3~4回開催され、主に以下の内容を審議し、取締役会に答申、報告します。
・マテリアリティの特定、リスクと機会の特定
・サステナビリティに関する戦略、KPIの検討、開示資料の検討
・コンプライアンス、内部統制及びリスク管理に関する重要事項の特定
・サステナビリティに関する現状及び各種計画の進捗状況の確認(モニタリング)
代表取締役社長が議長を務める経営会議においては、各部門や専門委員会等で検討されたサステナビリティに関するリスクと機会についての対応方針、計画、対策等を審議し、取締役会に報告します。
取締役会は、サステナビリティ全般のリスク及び機会を監督する責任と権限を有しており、経営会議で審議されたサステナビリティに関するリスクと機会の対応方針、計画、対策等について、サステナビリティ委員会の答申・報告を踏まえて、審議・監督を行います。各取締役のサステナビリティ課題への取組みの成果(温室効果ガス排出量や従業員エンゲージメントスコア等)は、報酬額の算定に反映されます。
② リスク管理
当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、内部統制・リスク管理委員会において行っていますが、サステナビリティに関するリスクの識別、重点的に対応すべきリスクの特定については、各専門委員会の審議を経て、サステナビリティ委員会で詳細な検討を行い、共有します。重点的に対応すべきリスクの選定については、当社グループへの財務的な影響、社会的な影響度及び発生可能性を踏まえて行われます。重点的に対応すべきリスクは、各種計画に反映され、取締役会に報告、監督されます。サステナビリティに関するリスクへの対応状況は、サステナビリティ委員会においてモニタリングされ、取締役会に報告されます。サステナビリティに関する機会の特定及び評価は、各専門委員会での審議を経て、サステナビリティ委員会で行われます。重要な機会については、経営会議での審議を経て、各種計画等に反映され、取締役会へ報告、監督されます。
(2)重要なサステナビリティ項目
上記ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりです。
・人的資本及び環境(気候変動)
① 人的資本
<経営戦略と人財戦略の連動>
当社グループは、「安藤ハザマVISION2030」の実現のためには、多様な個々の力をこれまで以上に高め集結し、さらなる組織力の強化を図っていく必要があると捉え、「中期経営計画2025」では、「事業強化」「人的資本の価値向上」「ESG経営の推進」の3点を当社グループの経営課題と認識し、各種施策を展開しています。
「人的資本の価値向上」の実現に向け、納得性の高い人事評価制度の整備、報酬水準の向上、自律的なキャリア形成支援の強化、及び多様な働き方の実現等、各種施策を実施することで従業員エンゲージメントの向上に資する会社の魅力向上策を推進するとともに、多様な人財の確保と人的資本価値の最大化による経営基盤の強化を進めており、2025年度の全社KPIの一つとして「従業員エンゲージメントスコア80%以上」を掲げています。
当社グループは、建設業界で最も従業員を大切にする会社を目指しています。Well-beingを人財戦略の中心に据え、会社と従業員が価値を共有し、将来に向けて共に成長していくため、人財への投資と各種施策を積極的に推進していきます。
<人財育成方針>
人財育成は全員で取り組むべき課題であり、一人ひとりが自身の能力や専門性を高め積極的に人財育成に関わることが大切であるとの考えのもと、2013年の合併時に策定した「人材育成の基本方針」を、2023年4月に「人財育成基本方針」へと改訂しました。当該方針に基づき、「安藤ハザマVISION2030」における従業員価値の創造を実現し、会社と従業員が共に成長していくことを目指します。
人財育成の指針 一、多様な人財がいきいきと能力を発揮し、社会のために挑戦できる組織風土を醸成する 一、社員自らが描くありたい姿に近づくための機会を提供し、支援する 一、長期的な視点で継続的・計画的に人財を育成する
|
当社グループは、「安藤ハザマVISION2030」にも掲げる通り、継続的かつ戦略的な成長投資を行い、本業である建設事業のさらなる強化に加え、事業ポートフォリオの変革に向けて建設以外の事業の強化にも積極的に取り組んでいます。
土木・建築事業:営業力及び現場力の強化を企図した育成・採用・配置を以下のとおり実施しています。
・技術部門からの計画的な人員配置による営業体制の強化
・現場職員のスキルアップ(各種専門技術研修の充実及び動画コンテンツ教育の実施、一級資格の早期取得
(資格取得支援、取得インセンティブ付与)、施工技術伝承に資する案件選定と若手職員計画配置、若手
役職者の早期育成、ICTリテラシー教育によるBIM/CIMの活用拡大)
・優秀人財の採用強化と入社後フォローの充実(キャリア採用の拡充と新卒採用強化、インターンシップ・
現場見学会・施工体験会などの積極的な展開、メンター制度導入による若手社員のフォロー充実)
・技術系職員が安全・品質管理業務に集中できる人財の適正配置
海外事業:地政学リスク等の不透明な外部環境を踏まえ、事業の安定化に軸足を置き、将来の着実な成長を支
える人財の育成を以下の通り実施しています。
・国際事業本部の外国籍職員比率を10%以上に向上
・外国籍職員を含む有能な若手・中堅社員の計画的な育成及び役職者・PMへの積極登用を実施し組織活性
化を促進
・インターナショナル・ナショナルスタッフの海外拠点幹部候補の育成
・国内の若手・中堅社員のキャリアパスとして短期海外勤務ローテーション制度を新設
・国際事業本部の幹部候補に対する特別教育制度を導入し、新規領域への進出も視野に入れた国際ビジネス
に通用する人財を育成
DX:当社グループの「DXビジョン2030」では、多様な働き方の実現、能力拡張の実現、イノベーション(新
たな価値の創造)を掲げています。その実現に向け、人財データのデジタル化と一元化、IT・DX
人財の確保を進めています。具体的には、職種に応じたITリスキリング教育、高度IT・DX人財
の育成・登用・採用、教育一元管理システムの導入・活用を行っています。
今後は、創エネ(再エネ)事業など注力する建設以外の事業を含む事業全体を視野に、戦略の実現に必要となる最適な人財像を精査のうえ、人財ポートフォリオ全体での中長期的な採用・育成・配置を念頭に置いた人財戦略を検討していきます。なお、当社グループでは、協力会社での事業の担い手確保に向けた教育・研修の支援も実施しています。
<社内環境整備方針>
当社グループは「安藤ハザマVISION2030」にて「従業員価値の創造」をビジョンの一つに掲げており、「中期経営計画2025」では、Well-being実現、自律的キャリア形成支援、「共育」「挑戦」「創造」の風土醸成などを従業員へコミットしています。
従業員エンゲージメントの向上は「安藤ハザマVISION2030」で定める施策であるほか、「中期経営計画2025」における全社KPI、そして役員報酬KPIにも定めている当社の人財戦略における最重要施策の一つです。従業員エンゲージメント調査では、Well-being、キャリア開発、職場風土、理念への共感等に関する項目を質問しており、中期経営計画等で従業員へコミットしている各種項目に対する、まさに効果測定の役割を果たしていると言えます。「中期経営計画2025」における全社KPIで従業員エンゲージメント関連項目の肯定的回答率80%以上を掲げていますが、2022年度の実績は72%となりました。今後、調査結果の分析を通じて組織課題を特定のうえ、PDCAサイクルによってその改善に努めていきます。
また、風土醸成の取組としては、2022年度に役員インタビューを通じて期待する人財像として以下を定義しており、2023年3月には従業員への説明会を実施しています。変化を受け入れて挑戦しイノベーションを生み出す力が必要という思いを、以下の人財像に込めています。
当社人財へ期待する姿 一、「共育」一緒に働く仲間を大切にし、共に成長する 一、「挑戦」志を持って困難に立ち向かいやり遂げる 一、「創造」自ら考え、新しい価値を創造する
|
加えて、当社グループは多様な人財が「やりがい」と「ゆとり」をもって活躍しやすい職場を目指しています。より働きやすい環境となるように、コアタイムなしのフレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入しており、育児や介護と仕事を両立するための様々な制度も整備しています。特に男性の育児休業取得推進に向けては、制度の整備のほか管理職向けの研修等も実施し、取得率も着実に増加しています。また、女性の活躍をダイバーシティ戦略の大きな柱の一つに据えており、女性比率・女性管理職比率の向上に向け、女性採用のための広報活動や働き続けられる職場環境整備にも力を入れて取り組んでいます。
指標 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2026年3月期 目標値 |
男性労働者の育児休業取得率 | 13.6% | 18.3% | 26.6% | 50% |
定年制社員女性比率 ※ | 12.9% | 13.3% | 14.2% | 15% |
※年度末時点での女性比率を記載しています。
<人的資本ガバナンス>
当社では、長期ビジョンに掲げる4つの価値創造の実現に相応しい多様性のある人財を取締役会の構成メンバーに選定していますが、「従業員の価値創造」実現にあたり、2023年6月定時株主総会以降は10名の取締役のうち半数の5名が「人的資本」のスキルを有する取締役(うち社外取締役は4名)となります。当社取締役会は人的資本に関する十分な議論を行う専門性を有しており、上記人財戦略の状況につき定期的なモニタリングを行なっていきます。また、人的資本経営の執行を支える機能の一環として、戦略的な人財の確保・育成を主管するキャリア開発部と、ダイバーシティ・インクルージョンの推進を担う人事部ダイバーシティ推進グループを専門部署として2022年4月に設置し、さらにESG諸課題を幅広く審議する「サステナビリティ委員会」を取締役会の諮問機関として2023年6月に設置するとともに、人的資本の価値向上をより一層強力に推進するため、サステナビリティ委員会と連携する「人的資本戦略委員会」を設置し、全社的に人的資本経営の加速化を図っています。
当社は、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)及び執行役員を対象として、2016年から中長期インセンティブとして業績連動型株式報酬制度(役員報酬BIP信託)を導入していますが、2023年6月開催の定時株主総会において、「安藤ハザマVISION2030」及び「中期経営計画2025」の実現に向けた取締役のリーダーシップの発揮を促進することを目的として、本制度の一部改訂を決議しています。改訂後の本制度では、多様な従業員が活躍できる環境づくりに向けて、経営陣がその責務を果たすことができるよう、「従業員エンゲージメントスコア」を指標として設定しています。
また、2022年には、当社従業員に対しても、従業員の処遇改善を図ること、人財育成制度の拡充を通じて従業員の成長と会社の発展が一体となること、当社の将来的な経営人財の成長・成果と当社の発展・企業価値向上との関連性を強化することを目指して、従業員を対象としたインセンティブプラン(株式付与ESOP信託)を導入しており、人的資本ガバナンスにつきましては、全社をあげて取り組んでいます。
② 環境(気候変動)
(イ)ガバナンス
気候変動に起因するリスク・機会に関しては、環境戦略委員会で審議されます。環境戦略委員会には事業部門の代表者及び役員が参加し、リスク・機会の特定及び顕在化した際の影響分析、その対応策の検討を年4回実施します。その結果は経営会議を通して取締役会に報告されます。気候変動を含む事業等に重要な影響を与える可能性のあるリスクについては、内部統制・リスク管理委員会において、リスクマネジメントの検討・審議が行われ、サステナビリティ委員会での審議を経て、取締役会へ報告されます。気候変動に起因するリスクに関しては、環境戦略委員会と連携し対応しています。
(ロ)リスク管理
当社グループでは、気候変動について将来における気温上昇のシナリオとして、1.5℃・2℃・4℃の3種類の温度帯を想定し、2030年及び2050年におけるシナリオ分析を実施しています。
具体的には、当社グループのサプライチェーン/バリューチェーンを念頭に、当社グループ全体への影響及び各プロセス(開発・設計→資材調達→施工→保守・修繕)において想定しうる影響を抽出し、4℃シナリオ・2℃シナリオ・1.5℃シナリオの下でどのような財務影響が起こり得るのか想定し、さらに「発生頻度」「影響期間」「影響の大きさ」「コアビジネスとの関連性」「顕在化する可能性」「顕在化する時期」といった評価軸を用いて、各リスク・機会を3段階で評価し、総合的に重要度を評価しています。
特定されたリスクに対して、取締役会及びサステナビリティ委員会の監督の下、環境戦略委員会及び内部統制・リスク管理委員会を中心にリスクの回避、軽減、移転、保有に関する方針の策定や対応策の立案など、全社を通じたリスクマネジメントを行います。また、対応策の実施状況並びにその効果についてモニタリングを実施します。
(ハ)戦略
<シナリオ分析によって特定した気候関連のリスク及び機会、当社グループ事業への財務影響>
当社グループでは、将来における気温上昇のシナリオとして、1.5℃・2℃・4℃の3種類の温度帯を想定し、2030年及び2050年におけるシナリオ分析を実施しています。
以下の表に示す政府機関及び研究機関で開示されているシナリオなどを参照して、重要度の評価及び財務影響の分析を実施しています。
| 参照したシナリオ/外部パラメータ出典 |
移行リスク | World Bank「State and Trends of Carbon Pricing 2021」(2021年) |
IEA「WEO 2018」(2018年)4℃シナリオはNPS、2℃シナリオはSDS | |
IEA「WEO 2020」(2020年)4℃シナリオはSTEPS、2℃シナリオはSDS、1.5℃シナリオはNZE2050 | |
物理リスク | World Bank「Climate Change Knowledge Portal」 4℃シナリオはRCP8.5、2℃シナリオはRCP2.6 |
国土交通省「気候変動を踏まえた治水計画のあり方提言」(2021年) | |
ILO “Working on a warmer planet”(2019年) | |
環境省、気象庁「21世紀末における日本の気候」(2015年) | |
環境省他「気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018」(2018年) | |
移行機会 | IEA「WEO 2020」(2020年)4℃シナリオはSTEPS、2℃シナリオはSDS、1.5℃シナリオはNZE2050 |
資源エネルギー庁、総合資源エネルギー調査会等公表資料 |
当社グループでは、気候関連のリスク及び機会を評価する際に、Scope1、2、3排出量や電力消費量、また各シナリオで参照される炭素価格の予測、真夏日の増加日数割合などをパラメータ(指標)として活用しています。
それらのパラメータを用いて評価を行った、当社グループの事業に影響を及ぼす、気候変動に起因するリスク・機会と各リスク・機会の重要度(影響の大きさ)を以下の表に示します。
◆リスク
分類 | リスク タイプ | リスク要因 | リスクが顕在化した際の当社グループへの 財務的影響 | 影響度 | |
4℃ シナリオ | 1.5℃ ~2℃ シナリオ | ||||
移行 リスク | 政策及び規制 | カーボンプライシングの導入 | <カーボンプライシングの導入による資材調達費の増加> GHG排出量に対する価格付けの一つとして、炭素税の増税が想定される。それに伴って、原材料(資材)の製造原価であるエネルギー費用が増加し、原材料の価格が上昇する。 | - | 大 |
<カーボンプライシングの導入によるエネルギー調達費の増加> GHG排出量に対する価格付けの一つとして、炭素税の増税が想定される。それに伴って、当社グループの直接コストである燃料調達費や電力・熱エネルギー調達費が増加する。 | - | 中 | |||
物理 リスク | 慢性 | 夏季の平均気温の上昇 | <ヒートストレスによる建設技能者の生産性低下> 平均気温の上昇に伴い、建設現場の労働環境が悪化し、生産性の低下が想定される。それに伴って、労働時間の増加あるいは人員の増加により、人件費が増加する。 | 大 | 中 |
<建設技能者の健康被害(熱中症等)への対策費用の増加> 平均気温の上昇により、建設技能者の健康被害(熱中症等)の増加が想定される。それに伴って、健康被害の対策のための設備投資コストが増加する。 | 小 | 小 | |||
急性 | 自然災害の激甚化、頻発化 | <サプライチェーンの分断による資材調達費の増加/建設作業所等の被災による人件費・仮設費の増加や工程遅延> 気候変動の影響により、サイクロンや洪水などの自然災害が激甚化・頻発化することが想定される。それに伴って、サプライチェーンの分断が発生し、資材調達費の増加や工程遅延につながる。また自社の建設作業所等が被災し人件費・仮設費の増加や工程遅延につながる。 | 中 | 小 |
◆機会
分類 | 機会 タイプ | 機会要因 | 機会が顕在化した際の当社グループへの 財務的影響 | 影響度 | |
4℃ シナリオ | 1.5℃ ~2℃ シナリオ | ||||
機会 | エネルギー源/市場 | 脱炭素エネルギー源の利用 | <再エネ発電施設への建設投資が増加> 脱炭素エネルギー源(再生可能エネルギー)の需要が高まり、再エネ関連施設の建設需要が増加し、関連工事の売上高が増加する。 | 小 | 中 |
<エネルギーマネジメント提案により新築受注が増加> 脱炭素エネルギー源(再生可能エネルギー)の需要が高まり、エネルギーマネジメントを絡めて新築受注につなげることで関連工事の売上高が増加する。 | 中 | 大 | |||
製品及びサービス | 脱炭素商品/サービスの開発、拡大 | <ZEBの普及と高付加価値化> 脱炭素エネルギー源/建築物の需要が高まり、次世代のエネルギーマネジメント技術やZEBのニーズ拡大に伴って、当社グループの売上高が増加する。 | 大 | 大 | |
<省エネリニューアルの需要増加> 脱炭素エネルギー源/建築物の需要が高まり、既存ビルの省エネ改修工事(省エネリニューアル)の需要増加に伴って、当社グループの売上高が増加する。 | 中 | 大 | |||
防災・減災、国土強靭化 | <防災・減災、国土強靭化の需要の増加> 激甚化する自然災害に適応するため、防災・減災、国土強靭化の需要が高まり、関連工事の売上高が増加する。 | 大 | 大 |
当社グループでは、2018年4月に環境方針を改定し、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現に向けて、環境重視経営をさらに加速させています。2022年度より新たな環境目的・目標(3か年)のもと、環境目標の確実な実践を推進しています。また、SBT認定取得、RE100への加盟を通して脱炭素社会への取組を推進しています。
具体的にはこれらのリスクの回避/機会の獲得に向けて、以下のような対応策の実施を推進しています。(検討中の策を含む)
リスク/機会への対応 | 対応策 |
カーボンプライシングによるリスクへの対応 | 低炭素資材(低炭素型セメント等)の利用 |
軽油代替燃料(BDF/GTL燃料等)の利用 | |
再エネ電気の確保と利用 | |
業務効率化や生産性向上を含めた省エネ活動の継続 | |
自然災害の激甚化、頻発化によるリスクへの対応 | 防災・減災・BCP対策の実施 |
脱炭素エネルギー源の利用に係る機会獲得への対応 | 発電所建設の豊富な実績と技術力を再エネ発電所にも展開 |
次世代エネルギーマネジメントシステムの開発とサービス展開 | |
脱炭素商品/サービスの開発、拡大に係る機会獲得への対応 | ZEB技術の高度化と自社設計案件での積極的な提案 |
省エネリニューアル技術を核としたワンストップサービスの実践(LCS事業) | |
防災・減災、国土強靭化 | 実績と技術優位性を活かした大型高難度工事への取組継続 |
(ニ)指標及び目標
気候関連のリスク及び機会の分析に活用した指標及びScope1、2、3排出量との関連・目標
・当社グループのScope1、2、3排出量は気候関連のリスク・機会の影響を受ける指標であり、例えば新たに炭
素税が導入されることで、エネルギーコストの増加や調達原材料の価格高騰といった財務影響につながりま
す。
・Scope1、2、3排出量は財務影響に直結するパラメータ(指標)となるため、当社グループでは、その影響を
軽減するためにScope1、2、3排出量の削減に努めています。なお、2050年カーボンニュートラルの実現に向
けてScope1、2は、1.5℃シナリオに基づく目標、Scope3はWB2.0℃に基づく目標を掲げており、またRE
100にも加盟しています。
表1.温室効果ガス削減目標
2030年度温室効果ガス排出量削減率(2017年度比) | |
Scope1、2 | Scope3 |
55%以上削減 | 33%以上削減 |
Scope1 燃料使用に伴う直接排出 Scope2 電気等の使用に伴う間接排出 | Scope3 サプライチェーンに相当する その他間接排出 |
表2.RE100に関する再生可能エネルギー電力利用目標
事業活動における再生可能エネルギー電力利用割合 | |
2030年度:80% | 2050年度:100% |
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