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企業概要

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 デジタル社会は、さらに拡大と進化を続け、私たちの社会や生活においてDX(デジタルトランスフォーメーション)化やIoT化が加速するものと思われます。

 また、デジタル社会において、AI、クラウドなどのICT技術も飛躍的に進歩し、ソフトウエアなどの製品やシステムは所有から利用へ消費スタイルも変化し、デジタルビジネスのサービス化も進むものと思われます。

 こうした変化において、当社グループは、これまでの受託開発を主体としたビジネスモデルから、ビジネスDXやIoTを主体としたソリューションやサービスにビジネスモデルをシフトさせていきます。

 当社グループは創業以来、製造業の「ものづくり」のエンジニアリング技術をソフトウエア開発の分野に応用し生産性を向上させ、開発するソフトウエアの品質を高めてきました。

IoT事業において、こうした製造業の「ものづくり」で培った技術、ソリューションやサービスの開発、提案力を製造業以外の分野に展開する「ソーシャルIoT(工場から社会へ)」に取り組み、デジタル社会をリードするITパートナーを目指していきます。

 また、当社グループはSDGsが最重点課題の一つであることを認識し、SDGsを意識した企業活動と製品やサービスの提供を行うことにより、社会的責任を果たしていきます。

(2) 目標とする経営指標

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は売上高、営業利益及び営業利益率であります。当社グループは、経営効率の向上に努め、企業の存続と発展に必要な利益を確保するため、第46期(2023年2月期)を初年度とする中期経営計画において、第48期(2025年2月期)には売上高180億円、営業利益15億円とする目標を、売上高200億円、営業利益16億円に変更し、3年間で売上高を約30%増加させるとともに、営業利益率は8.0%を達成することを目指しております。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、中期経営計画(2022-2024)を策定し、変革と挑戦により、お客様に感動を与える画期的なソリューションを提供し、「お客様に選ばれるNo.1企業」を実現してまいります。

 なお、中期経営計画の基本方針は以下のとおりです。

方針1.世界水準のビジネスDX推進力による顧客ニーズの獲得拡大

・ 経験と実績を活かしたビジネスDXの展開と拡大

・ 強い信頼構築による顧客エンゲージメントの深化

・ 事業成長に向けたDX人材の育成と配置の最適化  

方針2.社会をリードするAI・IoT製品による事業規模・領域の拡大

・ 中核事業へと成長する売上拡大・展開の仕組み構築

・ 期待に応えるプライムベンダーとしての地位獲得

・ 持続的成長につながるAI・IoTビジネスモデルの確立と定着

方針3.顧客に感動を与えるサービス提供によるストック率の拡大

・ DXとIoT事業の基盤となるサービス化の促進

・ AQUAを起点とするカスタマーディライトの創出

・ AI・IoTの活用領域を拡げるサービスビジネスの創造と拡大

方針4.社員と会社の挑戦と成長によるサステナビリティ経営の実現

・ 変革をリードする戦略的人材の育成

・ 挑戦と成長を応援する働きがいのある会社の実現

・ 競争優位性を確立するDX Next Stageのステップアップ

(4) 2022-2024中期経営計画「お客様に選ばれるNo.1企業へ」の遂行状況

2023年度は、当社グループは、中期経営計画「お客様に選ばれるNo.1企業へ」の2年目として、更なる挑戦によって事業成長を加速し、大きな飛躍を目指して取り組んでまいりました。

ビジネスソリューション事業では、ERP分野の大規模プロジェクトにおいて開発量やコンサルティング対応等の増加により好調を牽引、事業拡大に大きく寄与してまいりました。また、今まで培ってきたビジネスDX推進の経験やノウハウを活かし、さらに戦略的パートナーとの協業によりビジネスDXの推進・支援を促進し、事業拡大を図ってまいりました。

IoTソリューション事業では、「2024年問題」の対応などで省力化ニーズの高まる物流DX分野において、当社の倉庫自動化システム「MMLogiStation」の受注拡大、当社AIソリューションの物流DX市場への展開推進、2024年1月に物流DXの運用サービス拠点として物流DXサービスセンターをSmart Service AQUA内に開設するなど、受注獲得の加速およびサービスの拡充等に取り組んでまいりました。また、畜産DX分野では当社の飼料タンク残量管理ソリューション「Milfee」を畜産が盛んな重点地域へ営業攻勢をかけるとともに、政府の飼料流通合理化支援策に応じた新サービスの開発を推進してまいりました。さらに、スマートシティ分野では、プロモーションの強化により案件獲得を進め、合弁会社「マチディア株式会社」を2023年8月に設立するなど、事業の拡大に取り組んでまいりました。

また、サービスビジネスにおいては、ITカスタマサービスセンター「Smart Service AQUA」を起点としたビジネスDX運用やAI・IoTの新サービスモデルの創出による新規案件獲得、サブスクサービスの導入促進等によってストック率向上を図ってまいりました。

その結果、売上高は計画190億円に対し195億円、営業利益は計画13.5億円に対し14.8億円とともに計画を達成いたしました。

なお、各基本方針の遂行状況は以下のとおりです。

方針1 世界水準のビジネスDX推進力による顧客ニーズの獲得拡大

安川電機が取り組むDXプロジェクト(YDX)のプライム経験によりDX推進の経験・ノウハウ蓄積を継続しました。

・アビームコンサルティングや富士通とビジネスDX分野での戦略的協業を推進しました。

・DX人材の継続的な育成に取り組みました。

・健康保険者向けシステムのプロジェクト管理徹底による品質確保と保守案件受注獲得への対応を実施しました。

方針2 社会をリードするAI・IoT製品による事業規模・領域の拡大

・MMLogiStation(倉庫実行システム)は、カインズ桑名物流センターでの実績により、自動化の進む大規模倉庫などでの需要など引き続き受注が拡大しました。

・AIサービスのMMEye(画像判定サービス)、MMPredict(故障予知サービス)は、物流市場へ展開を推進しました。

・Milfee(飼料タンク残量管理システム)は、「飼料流通合理化支援」を目的とした新サービス開発に取り組みました。

・NetSHAKER(学校ネットワークアクセス管理装置)は、デジタル教科書キャッシュ機能の受注を獲得し、大手のデジタル教科書配信クラウド会社(出版会社)とも協業しました。

方針3 顧客に感動を与えるサービス提供によるストック率の拡大

・ビジネスDXサービスに取り組みとともに、健康保険者向けシステムの運用保守をサービス部門に移管し、事業連携サービスを強化しました。

・AI・IoT事業のサブスク運用に向けたトライアルを実施するとともに、物流DXサービス拠点として物流DXサービスセンターを開設しました。

方針4 社員と会社の挑戦と成長によるサステナビリティ経営の実現

・中長期的な原動力となる若手社員の育成を継続的に実施し、成長スピードアップを図りました。

・働きがいや働きやすさなど従業員のエンゲージメント向上に取り組み、チャレンジを応援する制度を新設しました。

・継続的な社内DXの推進による業務改革を実施し、プロジェクト管理システム活用、タレントマネジメントの導入に取り組みました。

(5) 対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、好調な企業収益を起点に、設備投資の増加、雇用・所得環境の改善が進み、景気は緩やかな回復が続くと思われますが、地政学リスクや中国経済の停滞懸念等による海外経済の減速、金融資本市場の変動等の影響など、景気の先行きは不透明な状況が続くことが予想されます。

そうした中、当社グループが属する情報サービス業界では、DX化やIoT化に加え、生成AIの発展、既存の基幹システムの老朽化等によるシステム刷新、人手不足・コスト削減、利便性向上に向けたシステムのクラウド化等のニーズが牽引する形で高水準の企業収益を支えに、企業のデジタル関連投資は増加傾向が続くと思われます。

このような環境において、当社グループは、中期経営計画(2022-2024)の最終年として、過去最高収益の更新を目標に掲げ、次期中期経営計画に向けて事業の安定収穫(Reap)と拡大(Expand)の堅実な礎を築き、高成長軌道を描く起点となるべく事業構造のシフトチェンジと事業資本への投資に積極的に取り組んでまいります。

具体的には、ビジネスソリューション事業において、規模プロジェクトの確実な完遂とERP領域における戦略的パートナーとの連携強化、ビッグデータを活用した新たなビジネス展開の促進等によって事業拡大を図ってまいります。

IoTソリューション事業において、投資意欲の旺盛な物流DX分野は新ソリューション「Analyst-DWC」をリリースし、当社AIソリューションの物流DX分野での市場展開を進め、畜産DX分野においては、政府の飼料流通合理化支援に対応する新サービスのリリース等による受注拡大、スマートシティ分野は注力顧客への深耕開拓の強化等により事業展開の加速を図ってまいります。

また、サービスビジネスにおいて、ITカスタマサービスセンター「Smart Service AQUA」を活用し、サービス提供体制の強化、サービスのサブスク化促進により、ストック率を向上させ、安定的かつ高収益ビジネスを追求してまいります。

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