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企業概要

(1) 戦略

 当社グループは、社会の動向やステークホルダーからの期待、当社グループらしさを踏まえた企業成長等への重要性の観点から、マテリアリティ(重要課題)を特定しております。このマテリアリティを基礎として、中期経営計画を策定し、中期経営計画の達成を通じてその実現に取り組んでまいります。

<TISインテックグループのマテリアリティ>

(2) ガバナンス

 当社のサステナビリティ経営体制は、コーポレートサステナビリティ委員会を通して、潮流を捉え、サステナビリティに関する課題を議論し、注力すべき課題の選定と対応の方向性が取締役会にて示されます。この課題設定と方向性は、経営会議等を通じて執行側に示され、執行側にてその企画や計画を経営会議で審議した後、取締役会を通じて策定されます。またその執行も、取締役会を通じてモニタリング、監督されます。

 コーポレートサステナビリティ委員会は、コーポレートサステナビリティの最高責任者(議長)、取締役、監査役、コーポレートサステナビリティ推進責任者、企画本部長、企画部長により構成されます。

<TISインテックグループのサステナビリティー経営体制>

(3) リスク管理

 サステナビリティ関連リスクは、サステナビリティ推進の専任部署が常に情報を収集し、全社のリスク管理プロセスおよび、コーポレートサステナビリティ委員会を通じて半年に一度リスク評価を行っています。

 さらに、ステークホルダーの期待や影響度、当社グループらしさやグループの成長への寄与の観点から、マテリアリティの特定の基礎となる課題の重要性マトリクスを作成しており、毎年1回コーポレートサステナビリティ委員会にて状況と課題の有無を確認します。

(4) 指標と目標

 当社グループでは、事業を通じて社会課題解決に貢献していき、社会要請に応える経営高度化を推進することでステークホルダーとの価値交換性を向上してまいります。この推進状況をマネジメントすべく、当社グループではステークホルダーとの価値交換性に経済指標を加えた形で指標値を定めており、以下の定量および定性指標を設定しております。

(5) サステナビリティに関する重要なテーマへの対応方針

 本テーマについても本章記載の「ガバナンスとリスク管理」の枠組みにて実効性を確保しているため、以下に戦略と方針、および指標と目標について記載いたします。

①人材の多様性、および社内環境整備に関する方針

 生産人口の減少や労働市場の流動化が進み、変化する社会において、高度IT技術者や経験豊富な人材を保有することが重要と考えています。多様な人材が自律的なキャリアを描き、高い活力とエンゲージメントをもって、新たな価値創造を行える環境を作ることによって、当社グループの競争力の維持拡大と、社会課題解決に向けたグループ総合力を高めてまいります。

a.戦略と方針

「ジェンダー」「国籍」「職歴や経験」「障害の有無」「年齢」「性的指向性・性自認」「価値観や働き方」他の違いに関わらず、いきいきと活躍できる風土醸成のため、積極的な登用、育成、制度・インフラを整備し、多様な個性を持った人材が意見の多様性を活かし、新たな価値を創造する状態を目指してまいります。

(イ)多様性の確保に向けた人材育成方針

 多様な人材が活躍する「働きがいのある職場」を目指し、組織マネジメントの高度化を促進します。また、一人ひとりの社員が多様な経験から学び、成長を支援するため、積極的な教育投資や成長支援制度の整備を行っています。

(ロ)多様性の確保に向けた社内環境整備方針

 社員一人ひとりの働く意識、生活環境、業務環境の違いに注目し、多様な人材が自律したプロフェッショナルとしての能力を最大限に発揮できる職場環境を目指します。働き方改革を推進し、「多様な働くニーズ」に応えるオフィスやインフラ、人事制度・ルールなど、柔軟に働くための環境整備を進めます。

b.指標と目標

[指標の定義]

 働きがい満足度:全社員への意識調査において、問「総合的にみて、“働きがいのある会社”だと言える」に対し、肯定的な回答をした社員の割合

 女性管理職比率:管理職(正社員)に占める女性従業員の割合

 アブセンティズム:(休業者数(フィジカル+メンタル)-復職者数 - 退職者数)/ 期末在籍社員数*100により算出

 学習日数/人:従業員一人当たりの年間学習研修日数の平均値

※開示の範囲:働きがい満足度はTIS及びインテック 、女性管理職比率、アブセンティズム、学習日数/人はグループ国内主要7社

②気候変動への対応方針

 当社グループは、グループ基本理念であるOUR PHILOSOPHYに基づき「コーポレート・サステナビリティ基本方針」を策定し、その項目の一つとして「地球環境の保全」を定めています。

 地球環境問題の中でも、とりわけ重要度が増している気候変動への対応について、事業活動からの温室効果ガス排出削減、事業活動を通じた気候変動対応の推進の両面から取り組みを進め、当社グループの社会的責任を果たすとともに、社会との協働の機会獲得を目指します。

a.戦略と方針

(イ)カーボンニュートラル宣言

 脱炭素社会の実現に向け、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に取り組み、2040年度までに当社グループ自らの温室効果ガス排出量のカーボンニュートラル、および2050年度までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量のネットゼロの実現を目指します。

 当社グループは、地球環境問題の中でもとりわけ重要度が増している気候変動への対応に向け、その原因とされる温室効果ガスの排出量削減の重要性を認識し、脱炭素に向けて取り組んできました。そして、当社グループにおいて最大量の電力を使用するデータセンター運営において、2023年4月より主要4データセンターの全使用電力に再生可能エネルギー由来の電力を使用していくことを決定しています。

(ロ)気候変動のリスクと財務影響及び機会

 当社グループは、2021年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しており、TCFDの求めている基礎項目について情報開示しております。

 気候関連リスクとその財務影響については、IEA 等の科学的根拠等に基づき、4℃シナリオと1.5℃シナリオを用いて、2050年までを考慮したシナリオ分析を実施し、評価しております。

<気候関連のリスクと財務影響>

No.

リスク分類

短期

中期
1~3年

長期
4~20年

2030年
財務影響

財務影響
概要

1

GHG削減結果に関連したリスク

移行リスク(規制)

・エネルギー価格の上昇

・地域条例による規制

移行リスク(評判)

・GHG削減達成できないことによる社会的信頼の低下や顧客離れ

移行リスク(規制)

・炭素税によるコスト増

8,010百万円

8,810百万円

カーボンニュートラルの達成など厳しいGHG削減目標の達成により損失を回避できる可能性のある金額

2

GHG削減方法に関連したリスク

移行リスク(市場)

・再エネ購入コスト

移行リスク(市場)

・GHG削減や再エネ購入のコスト増

203百万円

GHG排出削減の過程で追加で必要となり得る費用

3

物理的影響リスク

物理リスク(急性)

・異常気象によるリスク増

物理リスク(慢性)

・気温上昇に伴うコスト増

20百万円

気候変動の物理的影響下で生じる可能性のある追加費用

<気候関連の機会>

No.

機会

時期

気候変動対応に伴い増加するニーズと対象

当社及び当社グループの対応

1

低・脱炭素化に対応のデータセンター及びクラウドサービス提供機会の増大

短期

長期

各企業においてはオンプレミス・クラウドともにエネルギー効率の高いHWの利用や活用する電源が再エネ由来のものを使用する企業が増える。特に、RE100やTCFDで削減目標などを設定している企業から需要が拡大すると想定される。

TIGデータセンターの再エネ比率/エネルギー効率を高めていくことで、DCサービスの提供機会を拡大する。

現在の目標として、DCの再エネ比率を2030年度中に100%とすることを掲げている。

(TIS-DCでは、環境配慮型データセンターへの統合も併せ、再エネ導入比率を2025年度に100%とすることを目指す)

2

電力会社の環境改善や電力インフラ再設計でのシステム更改ニーズの増大

短期

中期

日本の40%を占める発電所を中心としたエネルギー転換部門におけるGHG排出量を減らすべく、火力発電中心の社会から水力・風力・太陽光を中心とした再エネへの転換が急務。合わせて、分散化電源社会に合わせた送電・配電のネットワーク網の再構築・改修の需要が増えてくると考えられる。

30年来に渡るエネルギー会社との取引で培った業務ノウハウをもとに、エネルギー会社の発電・送電・配電のDX化や法制度変更に基づくシステム更改などを通じて、電力インフラやエネルギー会社の脱炭素化を間接的に実施中。

3

気候変動に関する新しいニーズに対応したITサービス/ソリューション提供機会の増大

短期

長期

節エネ・創エネの代表格ともいえるVPPやエネルギー効率を自動的に制御するAI・IoT技術の利活用。更に見えない電源を見える化する各種ITサービスや気候変動リスクに対応したレジリエンスサービス等のニーズが増えてくると想定される。

当社の今後の強みとすべく、先行投資型開発やステークホルダーとの協業・共創により、デジタル技術を駆使した各種ITサービスを展開・企画開発中。VPPソリューションや企業向け非財務情報参照・点検サービスなどを展開、環境価値取引移転実証等新技術のビジネス実装にも積極的に取り組みを進める。

b.指標と目標

 当社グループでは、気候関連リスクを管理するために、温室効果ガス排出量の削減を目標としております。気候関連のリスク評価にあたっては、温室効果ガス(GHG)排出量(SBT1.5℃認定を取得)、財務影響を指標として用い、気候関連の機会を評価する際には、市場規模、売り上げ等を参考値として用いております。

Scope 1 + 2  :2040年度に2019年度比で100%削減

Scope 1 + 2 + 3:2050年度までにネットゼロを実現

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