企業兼大株主SOMPOホールディングス東証プライム:8630】「保険業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの「経営方針」「経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」「報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。また、文中の当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下「KPI」といいます。)の各数値については、本有価証券報告書提出日現在において、予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

(1) 経営方針

 当社グループは、以下のグループ経営理念および当社グループが中長期的に実現を目指す社会および社会に提供する価値を示した「SOMPOのパーパス」を定めております。

(グループ経営理念)

SOMPOグループは、お客さまの視点ですべての価値判断を行い、保険を基盤としてさらに幅広い事業活動を通じ、お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献します。

(SOMPOのパーパス)


(2) 経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等

① 経営環境および経営戦略

地球温暖化等を要因とする気候変動によって常態化しつつある自然災害の激甚化、現役世代を中心とした国内人口の急速な減少や高齢化、インフレの継続、金利や為替の急激な変動等による金融市場の不確実性、消費性向の多様化など、当社グループを取り巻く事業環境の変化の速度はますます加速しており、対処すべき社会課題は複雑化しております。また、ウクライナ情勢等の地政学リスクや国際的な政治情勢の変化、新型コロナウイルス感染症の感染者数の再拡大による影響も引き続き注視する必要があります。当社グループはこうした環境下においても、事業活動を通じて社会に価値を提供しながら、自らも持続的な成長を遂げることで、「安心・安全・健康のテーマパーク」を具現化していくことが、当社グループの社会的価値、経済的価値を高めることにもつながると考えております。

「安心・安全・健康のテーマパーク」とは、当社グループが、安心・安全・健康という抽象的な概念を目に見える形に変え、社会の中心である「人」の人生に寄り添い、デジタルテクノロジーなどのあらゆる先進技術を適切に活用することで、事業を通じて社会課題を解決するとともに、お客さまの人生や暮らしをひとつなぎで支えていく存在として社会貢献を果たすことを意図しております。当社グループは、中期経営計画で掲げた「規模と分散」「新たな顧客価値の創造」「働き方改革」の3つの基本戦略を通じて、グループの成長を支えるレジリエントなポートフォリオの構築、RDP戦略を始めとした社会課題解決のプラットフォーマーへの進化、「MYパーパス」に突き動かされる社員のチャレンジがイノベーションを生み出す企業文化の醸成を目指してまいります。

② 中期経営計画(2021~2023年度)および経営数値目標の進捗状況

当社グループは、グループの実質的な収益力と資本効率を示すために、修正連結利益、修正連結ROE、リスク分散比率および海外事業比率を経営数値目標としております。当期の修正連結利益は1,522億円、修正連結ROEは5.5%、リスク分散比率は40%、海外事業比率は61%となりました。

中期経営計画の最終年度となる2023年度は、引き続き基本戦略に基づき、各事業が資本効率を高めながら、グループベストを追求し、コングロマリット・プレミアムの最大化を目指してまいります。

 当社グループの中期経営計画におけるグループ経営数値目標は次のとおりであります。

<グループ経営数値目標(修正連結利益・修正連結ROE・リスク分散比率・海外事業比率)>


(注)2023年度以降の事業部門別修正利益、修正連結利益、修正連結ROE、リスク分散比率および海外事業比率(地域分散比率)の計算方法は、以下のとおりであります。


※1 事業部門別修正利益は、一過性の損益またはグループ会社配当等の特殊要因を除く。

※2 一過性の変動要素を除いたOperating Income(=当期純利益-為替損益-有価証券売却・評価損益-減損損失など)で定義

※3 国内生命保険事業修正純資産=国内生命保険事業純資産(日本会計基準)+危険準備金(税引後)+価格変動準備金(税引後)+責任準備金補正(税引後)+未償却新契約費(税引後)

③ グループガバナンス体制

当社は、指名委員会等設置会社として、社外取締役を中心とした監督体制を整備しており、指名委員会、監査委員会および報酬委員会の3つの法定委員会では、いずれも社外取締役が委員長を務め、グループガバナンスの強化に向けた公正かつ活発な議論が行われております。指名委員会は、劇的に変化する事業環境を踏まえた役員選任方針やサクセッション・プラン等の策定、グループ会社を含めた役員の選任を審議しております。監査委員会は、経営陣との定期的なコミュニケーションに加え、内部監査部門とも連携した監査を通じて収集した情報に基づき、経営に対して必要な意見・提言を行っております。報酬委員会は、ガバナンスを効かせつつ効果的なインセンティブとなる報酬制度を設計し、グループCEOをはじめ各役員個別の報酬を決定するとともに、目指すべき報酬制度のあり方を検討しております。当社ではさらに、取締役会による執行部門に対する監督機能が十分に発揮されるよう、取締役会以外の場においても執行情報共有の機会を確保するなど、能動的かつ積極的にガバナンスの健全性と透明性を高めるための取組みを行っております。

 業務執行体制においては、グループCEOおよびグループCOOの全体統括のもと、事業オーナー制およびグループ・チーフオフィサー制を採用しており、敏捷かつ柔軟な意思決定および業務執行ならびに権限・責任の明確化を図っております。取締役会が選任した執行役および執行役員が自らのミッションに邁進し、グループ全体としては、グループCEOの諮問機関かつ執行部門の最上位の会議体であるGlobal Executive CommitteeおよびグループCOOの諮問機関である経営執行協議会(Managerial Administrative Committee)の機能を最大限に活用することで、適時適切な経営議論と、グループの持続的な成長を支える実効性の高い執行体制の構築を目指してまいります。

 当社グループは、自らが果たすべき役割を進化させ、企業価値を向上させるとともに、多様なステークホルダーに真摯に向き合いながら、様々な課題解決やサステナブルな社会の実現を目指してまいります。

(3) 報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等

① 国内損害保険事業
ア.経営環境および経営戦略

国内損害保険事業を取り巻く環境は大きく変化しており、自然災害の頻発化や激甚化、建物や設備の老朽化進行による火災事故の増加、インフレーションの進行による保険金支払単価の上昇などが利益拡大に向けての重石となっております。

損害保険ジャパン株式会社は、このような厳しい環境変化の中においても、SOMPOグループの中核会社として、グループが目指す「安心・安全・健康のテーマパーク」を具現化するため、収益力の回復に取組み、グループの成長に寄与してまいります。

イ.中期経営計画(2021~2023年度)およびKPIの進捗状況

国内損害保険事業では事業規模や実質的な収益力を示すため、「修正利益」、主要事業会社である損害保険ジャパン株式会社の「正味収入保険料」および「E/Iコンバインド・レシオ」を主要なKPIとしております。

国内損害保険事業の2022年度修正利益については、自然災害や大口事故の多発、新型コロナウイルス感染症に対する補償による傷害保険等の保険金の増加、さらには自動車保険における事故率や支払保険金単価の上昇を主因として、2022年11月公表の通期業績予想(以下「通期予想」といいます。)を27億円下回る320億円となりました。一方、同社の2022年度の正味収入保険料(除く自賠責・家計地震)は、20,147億円となり通期予想を180億円下回ったものの、火災保険や新種保険の好調な販売などにより、前年度比で729億円増加しました。また、同社のE/Iコンバインド・レシオは、損害率の悪化により、前年度比で7.3%増加し100.9%となり、当期純利益については、通期予想を369億円下回る1,080億円となりました。

中期経営計画においては、2023年度に修正利益1,509億円、E/Iコンバインド・レシオ91.7%の達成を計画しておりましたが、2022年度に発現した自然災害の激甚化・頻発化や自動車事故の保険金増加などの環境変化を踏まえ、修正利益800億円、E/Iコンバインド・レシオ97.3%へそれぞれ計画を修正しました。

なお、正味収入保険料については、火災保険や新種保険の順調な伸びを踏まえて計画値を20,000億円から20,474億円へ修正しております。

<主要なKPIの推移>


※損害保険ジャパン株式会社単体(除く自賠責・家計地震)

ウ.KPI達成に向けた主な取組み

国内損害保険事業を取り巻く経営環境が大きく変化したことを踏まえ、中期経営計画の最終年度となる2023年度においては、中期経営計画の達成に向けてアンダーライティングやプライシングの見直しなどの収益改善策、生産性の向上による事業費の削減に注力してまいります。

② 海外保険事業
ア.経営環境および経営戦略

世界の損害保険マーケットは、気候変動等の影響による自然災害の多様化・頻発化、ウクライナ情勢などの地政学リスクの増大、予想を上回る物価上昇など、引き続き不確実性の高い状況にあると認識しております。一方、このような環境下で日々変化するリスクに対する保険カバーのニーズは増しており、企業分野では大規模自然災害やソーシャルインフレーションによる賠償額の高騰化などに伴い、いまだハードマーケット環境にあり、収入保険料の増加につながっております。

 海外保険事業では引き続き、収益性向上を伴う業界トップクラスの成長、規模の拡大に伴うさらなるオペレーションの効率化、規律あるM&Aを通じてグループ利益に貢献してまいります。

イ.中期経営計画(2021~2023年度)およびKPIの進捗状況

海外保険事業では、実質的な収益力を示すため、「修正利益」をKPIとしております。また、コマーシャル分野につきましては、収益性を伴う成長、規模と分散への貢献を示す「グロス保険料成長率」と「E/Iコンバインド・レシオ」もKPIとして設定しております。2022年度の修正利益は、前年度を315億円上回る933億円となり、目標達成に向けて順調に推移しております。Sompo Internationalコマーシャル部門におけるグロス保険料成長率はマーケットのレートアップ環境が緩やかになっているものの、通期予想を5.1ポイント上回る伸びで9.9%となり、KPIは既に達成しております。E/Iコンバインド・レシオは米国で発生したハリケーン・イアンをはじめとする自然災害の影響を受けたものの、前年度比では0.4ポイント改善し、92.4%になりました。

<KPIの推移>


※1 2023年度のSIコマーシャルには、Sompoシゴルタ、Sompoセグロス、アジア各社のコマーシャル事業(グロス保険料:889百万ドル)を含む

※2 除く本社経費

※3 出典:S&P IQ Pro。同業他社は、Allianz SE、American International Group, Inc.、Arch Capital Group Ltd.、Agro Group International Holdings, Ltd.、Assicurazioni Generali S.p.A.、AXA SA、AXIS Capital Holdings Limited、Chubb Limited、Everest Re Group, LTD.、Markel Corporation、RenaissanceRe Holdings Ltd.、SCOR SE、Swiss Re AG、The Hartford Financial Services Group, Inc.、The Travelers Companies, Inc.、W.R. Berkley Corporation、Zurich Insurance Group AG

ウ.KPI達成に向けた主な取組み

規模と分散を通じたさらなる成長と収益性に資する取組みとして、引受地域の拡大によるグローバルな販売網のさらなる拡充により、市場でトップクラスのソリューションを提供するために強固な事業基盤の構築に取り組んでまいります。これに加えて、規律あるアンダーライティング能力を活かし、新規ビジネスの獲得、元受・再保険ポートフォリオの最適化やプライシングの改善、金融市場環境を捉えた最適な資産運用により収益性の向上を目指してまいります。また、非連続な成長と分散の加速を支えるボルトオンM&Aなどを実施してまいります。

③ 国内生命保険事業
ア.経営環境および経営戦略

生命保険業界の経営環境は、少子高齢化の進展による保険ニーズの多様化、デジタル技術進展、低金利の常態化など、大きく変化しております。また、政府が掲げる「健康寿命の延伸」のもと、国民一人ひとりの健康づくりや疾病等の予防をサポートするため、官民一体となった取組みが進められております。

 このような環境のもと、国内生命保険事業は、保険本来の機能である「万が一」への備え(Insurance)に加えて「毎日」に寄り添い健康を応援する機能(Healthcare)を組み合わせた新たな価値「Insurhealth®(インシュアヘルス)」を提供することにより、お客さまが健康になることを応援する「健康応援企業」の確立を目指しております。「Insurhealth®」を原動力として着実な成長を実現するとともに、お客さま本位の業務運営方針に基づき、従来の保険会社にはない新たな価値の提供を行い、お客さまから選ばれる保険会社を目指してまいります。

イ.中期経営計画(2021~2023年度)およびKPIの進捗状況

国内生命保険事業では、生命保険の会計上の特性として契約初年度は会計上の損失が生じ次年度以降に利益が発生するため、新契約が増加するほど利益が圧縮されることから、費用の発生時期を是正し、利益を一定平準化させる「修正利益」をKPIに採用しております。その他、「Insurhealth®」を原動力とする成長を測定する「新契約年換算保険料」※1、お客さまの数の拡大を測定する「保有契約件数」およびグループ資本効率向上のための金利リスク削減の進捗を測定する「ALM資産投入額」※2をKPIに採用しております。

2022年度の修正利益は、新型コロナウイルス感染症による保険金等支払の影響△220億円(対通期予想△197億円)を主因として、通期予想を171億円下回る178億円となりました。新契約年換算保険料は通期予想を98億円下回る361億円、保有契約件数は通期予想を0.2万件下回る471万件、ALM資産投入額は通期予想を1,893億円上回る4,893億円となりました。

2023年度は、引き続き「Insurhealth®」を原動力とした成長を、働き方改革を含めた生産性向上によって後押ししていくことにより、修正利益400億円、新契約年換算保険料460億円、保有契約件数500万件、ALM資産投入額3,000億円を目指し、「健康応援企業」の確立に向けた中期経営計画の達成を目指しております。

※1 新契約年換算保険料は、営業成績ベースであります。

※2 ALM資産投入額は、購入から売却を除いたネット購入額であり、30年債換算であります。

<KPIの推移>


ウ.KPI達成に向けた主な取組み

 国内生命保険事業のビジョンである「健康応援企業」の確立を目指し、その実現を加速化させるべく、次の戦略4本柱に取り組んでまいります。

a.「Insurhealth®」を原動力とした成長

 これまでの取組みを徹底し、営業体制の筋肉質化を図るとともに、ニューマーケット・ニューチャネル開拓をベースとした高効率ビジネスモデルを確立し、飛躍的な成長を図ってまいります。

b.働き方改革

 社員の成長とスキル発揮を支える基盤構築および競争力の高い事業費構造といった抜本的生産性・効率性向上を図ってまいります。

c.デジタル/データによる成長加速

 ダイレクト、サービス起点のビジネス、CX等を発展させ、デジタル・データ活用を梃子とすることで新収益源を確立し、戦略の柱a.に織り込むことで成長加速を目指してまいります。

d.ひまわりブランドの確立

 戦略の柱a.~c.を通じ、「Insurhealth®」を始めとしたSOMPOひまわり生命保険株式会社ならではのお客さまへの提供価値を明確化し発信することで、健康応援企業としての社会的認知向上と成長の後押しを図ってまいります。

④ 介護・シニア事業
ア.経営環境および経営戦略

急速に進展する高齢化に伴い、介護を必要とする高齢者は増加し、今後も国内の介護市場は拡大することが見込まれております。その一方で、生産年齢人口の減少に伴い、介護を支える労働力の減少が見込まれており、持続可能な事業モデルを確立するためには、品質を伴う生産性の向上や人材確保・育成が喫緊の経営課題であると認識しております。

イ.中期経営計画(2021~2023年度)およびKPIの進捗状況

介護・シニア事業では、実質的な収益力を示す「修正利益」、成長力を示す「売上高」をKPIとしております。また、当社グループの介護事業における収益の多くを居住系サービスが占めていることから、併せて居住系サービスの「入居率」をKPIとしております。

2022年度のKPI進捗状況は、下半期に入居率が伸び悩んだ点や、原油高に伴う費用増などが影響し、修正利益は通期予想を1億円下回る59億円、売上高は通期予想を6億円下回る1,498億円、入居率は通期予想を1.3%下回る92.3%となりました。2023年度は施設・事業所の拡大、品質を伴った生産性向上などの取組みや23年2月に買収したエヌ・デーソフトウェア株式会社とのシナジー創出により、修正利益70億円、売上高1,788億円、入居率94.8%を目指しております。

※入居率は、年度末時点での数字であります。

<KPIの推移>


ウ.KPI達成に向けた主な取組み

介護・シニア事業では以下の3つの取組みにより、中期経営計画のKPIの達成と共に、社会価値の向上に努めてまいります。

a.介護オペレーターとして支える

感染症対策に十分留意しつつ営業活動を強化することにより、既存施設の入居率の向上を図ってまいります。また、新棟や新規事業所の開設、M&Aを効果的に組み合わせ、積極的な規模の拡大を目指すとともに、テクノロジー・リアルデータの活用を通じた圧倒的な品質・生産性向上へのチャレンジを通じて介護オペレーターとしてさらなる成長を目指してまいります。

b.エコシステムで支える

リアルデータを活用し、品質を伴った生産性向上に資するソリューションを他の介護事業者へ提供する「egaku」事業を開始しております。SOMPOのノウハウやサービスを提供するソリューション事業と併せて介護業界の持続可能性向上に貢献してまいります。

c.アクティブシニアを支える

デジタルを活用しながらシニアと接点を持つことで、各地域の特性に応じた地域包括ケアシステムの実現とDX化に貢献するスマートコミュニティ事業の事業化や、認知機能低下を早期に発見し、早期に対応が取れる社会の実現に向け、SOMPOスマイル・エイジングプログラム(SSAP)を一部の利用者向けに展開しております。今後は利用者の対象範囲を拡大するなど、健康寿命の延伸に貢献してまいります。

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