SMK 【東証プライム:6798】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ維持・向上に向けた取り組み
当社グループは、社長が統括する委員会が軸となり、サステナビリティに結びつく企業活動を推進しております。2005年4月に危機管理委員会を、2007年7月にはCSR委員会を設置しております。また、人的資本の維持・拡充に関しては、人事委員会や人材開発会議等が活動の推進役となり、取締役会または執行役員会がこれを統括しています。
CSR委員会では、傘下の各委員会・タスクフォースが、当社グループのサステナビリティ向上を目的として活動を推進し、企業価値向上に向けたCSR活動を統括しています。
危機管理委員会は、傘下の各委員会・タスクフォースが、当社グループのリスクマネジメントにおける活動を推進し、当社グループのリスクマネジメント体制の構築・監視、及びリスク発生時の対応方針及び復旧方針等の決定を行っています。
人事委員会と人材開発会議は、人事制度の改革と人材育成やダイバーシティーの推進を目的として、その中核的な機能を果たしております。
(2) 気候変動への取り組み
気候変動は、地球や私たちの活動、お客様やサプライチェーンに影響する要因の一つと考えています。当社
グループは全社で気候変動対策を推進するとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提
言に基づく情報開示の質と量の充実に努めていきます。
① ガバナンス
当社グループでは、気候変動を含む地球環境に関するリスクを管理するため、「環境保全委員会」を設置し、グループ全体の環境保全活動を統括し、強化に努めています。環境保全委員会は四半期ごとに開催され、社長を委員長とする、取締役会、執行役員会の下部にあたる、CSR委員会に報告を行っています。環境保全委員会は、環境担当役員を委員長とし、事業部、生産事業所、その他関連部門の代表者で構成されています。環境保全委員会では、温室効果ガスや廃棄物の排出状況を管理し、省エネルギー、廃棄物削減施策のグループ内情報共有・水平展開などに取組んでいます。
② 戦略(リスク/機会)
気候変動に係る当社グループのリスクと機会は、下記に記載します。
シナリオ分析については、今後、詳細情報を確認・想定し、リスク・機会の分析を充実させていきます。
区分 | 事業への影響 | 評価(注) | |
移行リスク | GHG 排出抑制 (政策・法規性/顧客要求) | 高エネルギー効率設備や再エネ発電所の投資負担 | 大 |
化石燃料使用停止への急激な方向転換によるエネルギー不足の生産活動への影響および電気コスト増大 | 中 | ||
温室効果ガス排出抑制義務の強化、再エネメニュー利用による電気コスト増 大 | 大 | ||
カーボンニュートラル進行に伴って温室効果ガス排出枠低減によるクレジット選択肢の減少・価格上昇 | 小 | ||
市場・顧客の 行動変化 | 市場・消費者の好みの変化に追随できず収入減少 | 小 |
物理リスク | 異常気象の増加 | 生産拠点の被災による生産能力の低下 | 小 |
従業員への影響(健康・安全等)によるコスト増加 | 小 | ||
機会 | 資源効率化/ エネルギー源/ レジリエンス | 再エネ発電所保有による温室効果ガス排出削減と電気コスト削減、レジリエ ンス強化 | 大 |
高エネルギー効率設備や省エネ活動推進による温室効果ガス削減 | 大 | ||
製品・サービス /市場 | 低炭素社会・市場に向けた製品の開発・提供による収入増大 (再エネ、テレワーク、EV、自転車など) | 大 |
(注) 発生の可能性予測にて評価 大:ほぼ確実、中:50%以上、小:50%未満
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、取締役会、執行役員会、CSR委員会の傘下にある環境保全委員会で行っ
ています。
●前記リスクに対応するため、当社グループは以下の施策を実施しています。
- 省エネ活動(高効率設備への投資、運用改善活動)の推進
- 再エネ発電所の自社保有の推進
- 低炭素社会に向けた製品(環境配慮製品)の開発・提供の推進
- 生産拠点の分散・最適化
●環境配慮製品について
当社グループは、低炭素社会に向けた製品を開発するため、経済産業省の省令等に基づき、環境配慮設計
について当社グループ独自の基準を設けています。
具体的には、大きく4つのカテゴリーに分けています。
1. 省エネ、高効率化した製品で、消費電力・待機電力の削減や耐久性能の向上など。
2. 省資源化した製品で、小型化・軽量化・薄肉(うすにく)化や構成部品を削減したもの。
3. 環境にやさしい製品で、リサイクル材使用、分解・修理の容易化、ハンダレス、メッキレスなど。
4. 製造工程の負荷低減で、投入材料の削減、再利用の容易化など。
この他に、エネルギーマネジメント、再生可能エネルギー、省エネ家電、自転車に用いられる製品も環境
に貢献する製品として位置づけ、当該市場での貢献をめざしています。
④ 目標・指標
●カーボンニュートラル 中長期目標
当社グループは、2045年度カーボンニュートラル実現を目指し、Scope1,2を対象とした中長期目標を設定し
ました。
■ 長期目標 2045年度 カーボンニュートラル実現
■ 中期目標 2030年度 CO2生産高原単位 : 2020年度基準40.0%削減
カーボンニュートラル実現に向けて、グループ内、特に生産事業所同士並びに本社との連携を強化するた
め、2021年に環境保全委員会の下部組織として、「カーボンニュートラル・タスクフォース」を発足しまし
た。同タスクフォースを中心に、省エネルギー設備および再生可能エネルギー発電設備の拡充を、全社一丸と
なり取り組みます。更にサプライチェーン排出量Scope3の見える化も重要課題に掲げており、協力会社様との
連携を深め、環境負荷の低減に向けた課題の抽出と解決に努めます。
■太陽光発電導入実績
既設の2か所の太陽光発電設備に加えて、2022年度は富山事業所、ひたち事業所に新設しました。引き続き
海外生産事業所への導入も企画中です。
◇富山事業所(発電容量):1,213KW | ◇ひたち事業所(発電容量※):603KW |
|
|
| ※2期工事は2023年度に終了予定 |
●CO2排出量削減 & 省資源化実績・目標推移
当社グループは、省エネルギー・省資源への取り組みとして、毎年単年度計画を制定して活動しています。
CO2排出量 |
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廃棄物排出量 |
|
埋立処分量とリサイクル率 |
|
(3) 人的資本経営の取り組み
当社グループは「CREATIVE CONNECTIVITY -Challenge, Creativity, Solutions」をSMK's Visionとして掲
げ、社会やお客様の様々な課題を解決し、より良い社会と未来の創出に貢献することを目指しております。これ
を実現させるためには、多様な属性の社員一人ひとりが「自主・自助・自律」の精神に基づき主体的に行動し、
個々の能力を最大限に発揮することが必要であり、具現化のためのガバナンス、リスク管理、戦略、指標と目標
については次のとおりです。
① ガバナンス
当社グループでは、経営戦略に関わる人的資本投資については取締役会が審議・決定のうえ執行役員会に伝達
し、グループ社員全般の人的資本投資については執行役員会で審議・決定しております。また、執行役員会の傘
下には多様な人材の活躍支援を含む人事諸制度を審議する人事委員会と、人材育成やスキル向上を審議する人材
開発会議を配しております。
人権尊重などの労働コンプライアンスと労働安全衛生については、取締役会、執行役員会の下部にあたる、T
N事業所管理会議が担当しております。
② リスク管理
人的資本経営に関するリスク管理は下表のとおり行っております。
重要課題 | 関連するリスクと機会 (〇機会、●リスク) | リスク管理 |
多様な人材の活躍 | ●人材獲得競争の激化による採用コスト増加 ●多様な人材の獲得が進まない場合の事業の機会損失 ●多様な人材の登用が進まない場合の社員のモチベー ション低下 〇多様な人材の登用によるビジネス機会創出 | ・グループ全体の多様な人材の採用や離職に ついて執行役員会でモニタリングし、対応 施策の検討を行う。 ・グループ全体での多様な人材の登用制度を 含む人事諸制度の実行状況について人事委 員会でモニタリングし、人事諸制度の立案 を行う。 |
人材育成 | ●人材育成や技能伝承が進まない場合の競争力低下 〇優秀な人材の定着 | ・グループ全体の人材育成施策の計画立案と その遂行状況について人材開発会議でモニ タリングし、新たな施策の検討を行う。 |
安心・安全な労働環境 | ●労働コンプライアンスが守られない場合の企業の信 用失墜 ●労災事故の発生 ●従業員の心身の健康が維持できない場合の損失発生 〇安心・安全な労働環境の確保による企業の信頼獲得 と社員のモチベーション向上 | ・グループ全体の労働コンプライアンスの遵 守や安全衛生および健康増進活動の実施状 況についてTN事業所管理会議でモニタリ ングし、情報共有を行う。 |
③ 戦略
人的資本経営の推進にあたっては、SMK企業行動憲章第5条「従業員のゆとりと豊かさを実現し、快適で安
全な職場環境を確保するとともに、従業員の人格、個性を尊重する。」を基本原則とし、下表の取り組みを行っ
ております。
重要課題 | 方針 | 施策 |
多様な人材の活躍 | 社員一人ひとりの個性と人権を尊重し、多様な人材の登用を進める。 | ・外国人人材を含むトランスナショナル人材の採用・育成 ・キャリア採用の拡充と活躍支援 ・女性社員の活躍を支援するためのプログラムの実行 ・社員エンゲージメント向上による離職率低減 |
人材育成 | 多様な人材の活躍を支援するための育成体制の整備。 | ・専門人材育成のための職能別教育の拡充 ・トランスナショナル幹部社員育成教育の実施 ・社員のリスキリングとDX人材の育成 |
安心・安全な労働環境 | 従業員のゆとりと豊かさを実現し、快適で安全な職場環境を確保する。 | ・労働コンプライアンス遵守のためのPDCAサイクルの展開 ・安全衛生活動の強化 ・健診受診率と再検査受診率の向上 ・ワークスタイルの柔軟化を実現させるための環境整備 |
④ 指標と目標
重要課題 | 指標の内容 | 2023年3月期 目標 | 2023年3月期 実績 | 長期目標 |
多様な人材の活躍 | ①女性管理職比率(連結)(注1) ②外国人管理職比率(連結)(注1) ③中途採用管理職比率(連結)(注1) ④離職率(単独)(注2) ⑤離職率(連結)(注2) ⑥障がい者雇用率(単独) | 10.0% 22.0% 48.0% 3.1% 6.0% 2.6% | 10.8% 22.3% 50.0% 3.0% 4.7% 2.7% | 20.0% 30.0% 67.0% 2.5% 4.5% 3.0% |
人材育成 | ⑦一人あたり研修受講時間(連結) ⑧一人あたり研修受講費用(連結) | 24H 9,300円 | 21H 8,072円 | 30H 12,000円 |
安心・安全な労働環境 | ⑨CSR研修受講率(連結) ⑩労災発生件数(連結) ⑪健診受診率(単独) | 100.0% 0件 92.0% | 99.1% 2件 91.2% | 100.0% 0件 100.0% |
(注) 1 トランスナショナル人事制度における部課長相当の比率
2 トランスナショナル人事制度における基幹社員(実務スタッフ~部長)の離職率。定年退職者を除く。
(4) その他のサステナビリティ項目への取り組み
当社グループでは、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に向けて、上記の気候変動、人的資本への取り
組みに加えて、コーポレート・ガバナンス体制の充実、サプライチェーン・マネジメントの強化、社会貢献活
動への取り組み等を多角的に推進しています。詳細は当社ホームページにて開示しております。
https://www.smk.co.jp/csr/
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