企業SBIリーシングサービス東証グロース:5834】「証券業 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

 当社グループは、投資家、パートナー、借り手(レッシー)のみなさまへ、航空機・船舶等の価値ある優良資産を対象とした、魅力ある商品の組成、販売を行い、「100年企業への挑戦」の経営理念のもと、みなさまの持続的な成長に貢献できるよう事業に取り組んでおります。

 当社グループは、上記の経営理念の下、長期安定的な事業成長を目指し、2025年3月期からの中期経営計画において、事業運営方針を全役職員が「あらゆるステークホルダーから信頼されるようインテグリティ(注)を重視した行動判断を行う」・「高度な専門性を持つ」・「安心して働き続けられる」会社を目指すものとし、重要業績評価指標を「平均10%+αの安定・継続的成長」と設定しております。

(注)インテグリティ(integrity)とは、誠実、真摯、高潔などの概念を意味し、組織を率いるリーダーやマネジメントに求められる最も重要な資質とされています。

(2) 市場動向

 わが国の経済は、コロナ禍を乗り越え回復に向かっており、高水準の賃上げや企業の高い投資意欲等を背景に、デフレ経済から脱却し成長局面に移行しつつあります。また、日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新し、金融政策においては日本銀行が17年ぶりにマイナス金利を解除する等、大きな転換期を迎えております。一方、中国経済の減速、世界的な物価・金利上昇や歴史的な円安水準の継続等、当社グループを取り巻く経済環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループの事業領域である航空業界におきましては、燃料価格の高止まりやサプライチェーンの混乱、アフターコロナにおける人材確保や継続的な環境対策への取り組み等、厳しい事業環境が続いておりましたが、航空旅客需要はコロナ禍前の水準へと戻りつつあり、各国主要航空会社の売上高はコロナ禍前の水準を上回る等、着実に回復に向かっております。

 また、海運業界におきましては、中東情勢悪化の影響により、迂回ルートでの航行を選択する船舶が増加しており、幅広い船種において運賃上昇等の影響が出ております。また、欧州におけるエネルギー輸入動向の変化からLNG船やタンカー市況は引き続き堅調な推移が見込まれております。一方、パナマ運河の渇水に伴う通行規制や二酸化炭素削減に向けた環境規制等の影響も確認されており、今後も地政学的リスクや各種規制動向について注視していく必要があります。

<航空旅客需要の推移>

* 出所:一般財団法人 日本航空機開発協会「民間航空機に関する市場予測 2023-2042」より

<海運需要の推移>

* 出所:公益財団法人 日本海事広報協会「日本の海運 SHIPPING NOW2023-2024」より

 日本型オペレーティング・リース(JOL及びJOLCO)の市場規模は、2019年度において約6,200億円であったものが、新型コロナウイルス感染症に関する行動規制から航空機案件への投資家心理の冷え込み、リース会社各社が新規の商品組成・販売に慎重になったことから、2020年度、2021年度は約3,700億円台に大きく縮小しました。しかしながら、コロナ禍からの経済活動の再開等を受け、2023年度は約7,000億円へと回復し、2024年度は約8,000億円とコロナ禍前の市場規模を超え、成長軌道に戻ることが見込まれています(アンクパートナーズ合同会社調べ)。

 このような市場環境の中、2024年3月期の当社の組成金額は前年度比約39%増の2,816億円、商品出資金等販売金額は前年度比で約8%増の845億円と伸長いたしました。

* 出所:アンクパートナーズ合同会社 「マーケットニュース(ミニレポート)

2024年 JOLCOマーケットの動向調査「JOLCO+JOLの出資金額」」より当社作成

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、長期的な企業価値の向上を目指していくにあたり、主に以下の課題に対処してまいります。

①商品戦略

 当社グループを取り巻く事業環境はコロナ禍からの回復途上にあるものの、引き続き金融情勢、為替変動、地政学的リスク等、今後も想定しうる事業リスクを考慮しつつ、多様な顧客ニーズに応えうる商品ラインナップの拡充や、より一層の魅力ある商品開発が求められます。

JOLCO商品では、投資家の多様なニーズに応えるべく引き続き、航空機案件や船舶・コンテナ案件、為替変動リスクに慎重な投資家に向けた円建て商品の組成に取り組むとともに、ゼネラルアビエーション事業の再強化やエンジンリース事業への進出等、商品ラインナップの更なる拡充及び市況等を鑑みた柔軟な商品提供体制の構築を図ってまいります。

 また、引き続きリース料収入による安定収益の機会も得られるJOL商品を手掛けることにより、タックスマネジメントに対するニーズのみならず、実物資産投資に対するニーズを取り込むことで顧客基盤の拡大に注力してまいります。

②販売網の拡充

 当社グループでは、地域金融機関、証券会社、税理士及び会計士等のパートナーと投資家紹介に係るビジネスマッチング契約を締結しており、当社グループの事業成長のためには、パートナーからの投資家紹介数の増加が必要となります。今後、新たな有力パートナーとの提携拡大や既存のパートナーとの関係深化を図ることにより、大口投資家へのアプローチを強化しつつ、一層の販売網の拡充を目指してまいります。

③資金調達力の拡大

 当社グループの事業は、ファンド組成における短期的な出資引受、航空機の購入に多額の資金を要します。そのため、当社グループの資金調達力の拡大は複数案件の同時組成や大型案件の組成を可能とし、当社グループの業績伸長に大きく関係してまいります。

 当社グループは、必要資金の大半を金融機関からの借入により調達していることから、新たな金融機関との取引の獲得や既存の金融機関との取引枠の拡大により、資金調達力の更なる拡大を目指してまいります。また、コマーシャル・ペーパーの発行を増加させるなどして資金調達の多様化も進めてまいります。

④プロフェッショナル人材の確保

 当社グループの事業を支える優秀な人材の確保は、当社グループにとりまして最も重要な課題のひとつと考えております。当該事業を遂行するにあたり、高度な専門知識や経験が求められることから、オペレーティング・リース取引に係る業界経験者やリースファンドの営業経験者等の積極的な採用を行ってまいります。

 加えて、プロフェッショナル人材層を厚くするとともに、継続的な教育研修制度の拡充や業務環境の整備を行うことで、従業員エンゲージメントを向上させるとともに人材の長期定着化を図ってまいります。

⑤業務運営の安定化に向けたDX等への取り組み

 当社グループの取り扱う商品は、組合契約満了までの期間が概ね10年程度と長期にわたるため、新たな商品の組成及び販売に伴い、期中管理等の業務量は増加する傾向にあります。そのため、積極的にDX等を推進し、業務の効率化と更なる正確性の向上を図り、業務運営の安定化に取り組んでまいります。

⑥内部管理体制の強化

 当社グループは、持続的な成長に応じた、コーポレート・ガバナンスの強化や内部管理体制の充実が重要であるものと認識しており、内部統制システムの適切な運用と継続的な改善等により、内部管理体制の強化に努めてまいります。

(4) 成長戦略

 当社グループは、持続的かつ長期的安定的な成長を目指すにあたり、以下の基本方針のもと成長戦略に取り組んでまいります。

①商品ラインナップの拡充

 更なる成長に向け、様々な顧客ニーズにお応えするとともに、新たな層の投資家へのアプローチを可能とすべく、商品ラインナップの拡充を図ってまいります。具体的には、これまでのファンド事業、プリンシパルインベスト事業(注)に加え、今後はドクターヘリ等をリース対象とするゼネラルアビエーション事業の再強化、エンジンリース等の新商品の開発にも取り組んでまいります。

(注)プリンシパルインベストメント事業とは当社が船舶を保有し、用船事業を行うものです。

②柔軟な商品戦略

 商品組成においては、船舶ファイナンス世界大手のBNPパリバ銀行との協業により、優良海運会社向けの船舶JOLCO商品の組成に取り組んだほか、北米エアライン大手デルタ航空や欧州エアライン大手エールフランス航空向けのJOL商品の組成を行う等、投資家にとって魅力ある商品の拡充に注力してまいりました。引き続き、JOL商品・JOLCO商品、航空機・船舶、円建て・ドル建て、期間の長・短等を組み合わせた多様な商品を取り揃え、1年を通じて安定した商品提供体制の構築を図ってまいります。

 今後も、多様な顧客ニーズに対応するため、商品在庫を適切に確保しながら、市況に合わせた柔軟な商品提供を行うとともに、クレジットモニタリング等のリスク管理体制も強化し、良質かつバランスの取れた商品の提供を目指してまいります。

③パートナー及びSBIグループとの連携の深化

 当社グループの事業基盤の拡大には、オペレーティング・リース事業ファンドの購入者の増加が必要不可欠であり、投資家をご紹介いただく有力パートナーとのリレーションの構築が極めて重要となります。2024年3月期末時点において、337社の地域金融機関、証券会社、税理士・会計士事務所等のパートナーとビジネスマッチング契約を締結しており、パートナー1社当たりの商品出資金等販売金額は約250百万円と非常に強固なリレーションを構築できているものと考えております。

 また、SBIグループ各社との連携も、今後の当社グループの事業の強化において重要であり、案件組成における協業やSBIグループ各社との間における投資家の紹介等を推進し、その連携を深化してまいります。これらのネットワークを活用することで、効率性の高い事業運営体制の実現に向けて取り組んでまいります。

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、経常利益であります。2025年3月期の経常利益額は5,300百万円を予想しております。また、この指標に影響する商品出資金等販売金額及び商品組成金額を把握しており、これらの金額につきましては今後も継続的に増加させるよう努めてまいります。

PR
検索