SBIリーシングサービス 【東証グロース:5834】「証券業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理体制
当社グループは、投資家、パートナー、借り手(レッシー)のみなさまへ、航空機・船舶等の価値ある優良資産を対象とした、魅力ある商品の組成、販売を行い、「100年企業への挑戦」の経営理念のもと、みなさまの持続的な成長に貢献できるよう事業に取り組んでおり、当社グループの経営理念の達成には、サステナビリティを重視した責任ある経営への取り組みが重要であると認識しております。
当社グループは、気候変動リスク並びに人的資本リスク等、当社グループの事業運営上想定されるさまざまなリスクに関する管理体制の強化に努めております。それらリスクに関しては、各担当部門にて情報の収集、集計、分析を行い、リスク管理部門であるリスクマネジメント部が担当するリスクマネジメント会議にて検討・審議を行います。リスクマネジメント会議において、経営への影響が特に大きく対策が必要と思われる事項は、リスクマネジメント会議にて対応方針を決め、各担当部門にて継続的なモニタリングや対処を行うとともに、適宜、進捗報告が行われます。それらリスクマネジメント会議の内容は、経営の基本方針や重要課題並びに法令で定められた重要事項を決定するための意思決定機関である取締役会に報告され、必要に応じてリスク管理方針や経営資源の配分、許容リスク限度枠の設定等が審議されます。
(2) 重要なサステナビリティ項目
上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
・気候変動
・人的資本
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
①気候変動
a.ガバナンス及びリスク管理体制
気候変動に関するガバナンス及びリスク管理体制は、サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理体制に組み込まれています。詳細については、「(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理体制」を参照ください。
b.戦略
気候変動により想定される主な事業リスク及び機会は、次のとおりであります。
(想定されるリスク)
項目 | 内容 | ||
移行リスク | 法や規制に関するリスク | 自社財務内容の悪化 | 炭素税導入等、各種政策への対応に伴う当社グループの事業運営コストの増加に伴う財務内容の悪化。 |
追加負担の発生 | オペレーティング・リースファンドやプリンシパルインベストメント事業におけるリース物件に対する環境対応によるコストの増加。投資家もしくは当社グループに追加負担が生じ、対応が必要となる可能性。 | ||
借り手(レッシー)の業績悪化 | 環境対応に向け借り手(レッシー)が保有する航空機・船舶等の改修や、環境対応燃料の使用に伴う燃料費の増加等、環境対応コストの増加に伴う借り手(レッシー)の事業運営コストの増加。環境負荷の高い航空機・船舶等の使用停止等に伴う借り手(レッシー)の業績悪化。 | ||
市場のリスク | 出資意欲の減退 | 環境負荷の高いリース物件や、環境保全への取り組みが十分に行われていない借り手(レッシー)の案件に対する投資家の出資意欲の減退。 | |
融資姿勢の悪化 | 環境負荷の高いリース物件や、環境保全への取り組みが十分に行われていない借り手(レッシー)の案件に対する金融機関の融資姿勢の悪化。 | ||
リース物件の資産価値の劣化 | 環境対応の優れた新しい航空機・船舶等の開発の進展によりオペレーティング・リースファンドやプリンシパルインベストメント事業における既存リース物件の資産価値が相対的に劣化するリスク。 既存リース物件の市場価額の下落に伴い、リース満了時のリース物件売却価額等が当初想定価額よりも著しく下落する可能性。 | ||
新規案件における対象物件の市場価額の高騰 | 新たな案件の組成に際し、環境対応の優れた航空機・船舶等に対する需要の高まりにより、対象物件の価額が高騰し商品の収益性が悪化することで、投資家の出資意欲が減退する可能性。 | ||
評判上のリスク | 出資意欲の減退 | 当社グループが組成・販売を行う商品に対し、環境負荷の高い機材や環境保全への取り組みが十分に行われていない借り手(レッシー)の案件であるとの評価により、投資家の出資意欲が減退する可能性。 | |
資本市場における当社グループの評価 | 当社グループが組成・販売を行う商品に対し、環境負荷の高い機材や環境保全への取り組みが十分に行われていない借り手(レッシー)の案件であるとの評価により、資本市場における当社グループの評価が下がる可能性。 | ||
物理的リスク | 急性リスク | 当社の被災リスク | 当社グループが入居するオフィスや保有する航空機・船舶等が異常気象により被害を受けるリスク。 |
借り手(レッシー)の被災リスク | 借り手(レッシー)が入居するオフィスや保有する航空機・船舶等が異常気象により被害を受け業績悪化等が生じるリスク。 | ||
慢性リスク | 異常気象の長期化リスク | 異常気象の長期化等に伴う空港等の設備や港湾の水没等に伴い借り手(レッシー)の事業運営に支障が生じ、業績が悪化するリスク。 |
(想定される機会)
項目 | 内容 | |
商品とサービスの機会 | 出資意欲・関心の向上 | 環境対応の優れた航空機・船舶等や借り手(レッシー)の案件を当社グループが獲得することにより、投資家の出資意欲や、出資への関心が向上する。 |
融資姿勢の向上 | 環境対応の優れた航空機・船舶等や借り手(レッシー)の案件を当社グループが獲得することにより、金融機関の融資姿勢が向上する。 | |
リース物件の資産価値の向上 | 環境対応の優れたリース物件を獲得することにより、当該物件の資産価値が向上・維持されることで収益性が向上する。 |
c.指標及び目標
当連結会計年度より、当社グループは、将来的な気候変動リスクへの対応強化に向け、CO2排出量の算出を開始いたしました。
(指標)
CO2排出量
集計対象期間 : 2022年4月~2023年3月
集計対象範囲 : SBIリーシングサービス株式会社
(単位:t-CO2)
Scope | カテゴリー | CO2排出量 |
Scope1 | 該当なし | - |
Scope2 | 電気の使用 | 31.7 |
Scope2:「電気事業者別排出係数」(環境省・経済産業省)
(目標)
従来型の火力発電等に依拠した電力調達は、GHG排出量が大きいだけではなく、国家政策や資源価格の影響を受けてコストが変動するリスクがあります。
当社では、電力調達コスト安定化の観点からも、再生可能エネルギーによる電力へ切り替えていくことが望ましいと考えております。
当社が入居する泉ガーデンタワーでは、省エネの推進や非化石証書(※)等を用いた再生可能エネルギー由来の電力への契約切り替えを推奨しており、当社においては2023年9月から切り替えを行う予定です。引き続きGHG排出量削減に一層資する取り組みを検討していくとともに、気候変動リスクに関する指標・目標などTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿った情報開示の充実に努めてまいります。
※ グリーン電力に伴って発生する"CO2を排出しない価値(環境価値)"を経済産業省公認で証書化したもの。
②人的資本
a.戦略
当社グループが、今後の多様な変化の時代に対応し100年企業を目指すべく企業価値の向上を図っていくうえで、サステナビリティを重視した経営に取り組むことは、会社と個人の成長の機会となり、投資家、パートナー、借り手(レッシー)のみなさまへの末永い貢献につながると考えております。
航空・海運業界及び金融商品化に対する高い知識、リースアレンジ力、パートナーとの厚い信頼関係の構築等、高度な専門性を要する当社グループにおいては、従業員それぞれがプロフェッショナルとして自己研鑽に励みつつ挑戦を繰り返し、中長期で活躍、貢献してくれる人材、変化の時代に貢献できる人材、新しい価値創造ができる人材へと成長する人材戦略・体制の構築を目指しております。
各部門の人材がスキルギャップを埋め、プロフェッショナルへと成長する機会を提供するべく社内の各種研修の実施や、プロフェッショナル人材の持つ多様な知識とスキルを最大限活かす支援体制の整備に取り組んでおります。
また、当社グループで働く従業員を日頃から大切に考え、その貢献に報いるため継続的に健康安全に関する環境作りに取り組んでおります。
b.指標及び目標
人的資本における戦略に関する指標及び目標は、次のとおりであります。なお、各指標の目標数値につきましては、今後検討を進めてまいります。
項目 | 指標 | 2023年3月期 | |
プロフェッショナル人材の発掘、育成 | 即戦力人材の採用 | SBIグループ人材の交流、リファラル採用の比率 | 57% |
社内研修の充実 | 研修実施回数 | 12回 | |
高度専門知識、スキルの習得 | 資格取得支援制度利用者数 | 2名 | |
上級管理職研修受講者数 | 2名 | ||
健康維持・増進のための継続的な環境作り | ワークライフバランスの取れた働き方 | 月間平均残業時間 | 20時間43分 |
有給休暇取得率 | 74% | ||
従業員の長期定着化 | 雇用形態転換者数 | 6名 | |
エンゲージメントサーベイ | eNPS(※1)-58 | ||
定着率 | 78% |
※ 上記人員数には、当社グループへの出向者を含めており、臨時雇用者(パートタイマー、人材会社からの派遣社員)は含まれておりません。
※1 2023年4月に実施したエンゲージメントサーベイの数値になります。eNPSとは社員の「自社への入社の推奨度合い」(職務内容や労働条件、待遇、人間関係等への満足度や、働きがいの実感度など)を可視化した指標といわれており、金融商品取引業・金融先物取引業のeNPS平均値は-63です。
ⅰ.即戦力人材の採用
当社グループの従業員は、金融商品提供者として金融に関する高い専門性や倫理観が求められるため、SBIグループが保有する高度な金融人材を活かすべく、SBIグループへ当社グループの募集職種を公開し、SBIグループ各社から希望する経験者を受け入れています(SBIグループ人材の交流)。また、確かな人材や経験者を採用するため、当社グループ従業員から外部の人材を紹介してもらう手法を積極的に取り入れています(リファラル採用)。
ⅱ.社内研修の充実
当社グループでは、プロフェッショナル人材へと成長するために必要な支援として、基本研修やテーマ毎のeラーニング等の研修を実施し、従業員の早期育成を図っております。今後の多様な時代に対応すべく、様々なテーマの社内研修を充実させていくことで当社グループが求める人材の育成に努めてまいります。
ⅲ.高度専門知識、スキルの習得
業務遂行に必要な専門知識やスキルの向上を目的として、業務上有用となる外部資格の取得費用を支援しております。また、マネージャー職位以上の従業員を対象として、より上位の職責を目指しSBI大学院大学(通信制の専門職大学院)を活用した上級管理職研修を実施しております。
ⅳ.ワークライフバランスの取れた働き方
100年企業を目指しサステナビリティを重視した経営に取り組むうえで、従業員が仕事と生活の調和を取り、健康、安全面を保ち、いきいきと働くため、業務終業の声掛け、有給休暇取得推奨日の設定や長期連続休暇取得の推奨等に取り組み、残業時間や有給休暇の取得状況について定期的に数値を可視化して積極的な改善に努めております。
ⅴ.従業員の長期定着化
中長期で活躍、貢献をしてくれる人材を数多く増やし、プロフェッショナルな人材に長く定着してもらうことで、生産性を向上させていくことが、当社グループの事業運営には必要不可欠であります。組織適応度、業務習熟度、ワークライフバランス等の状況に応じ、当人と協議したうえで、就業開始時の雇用形態を転換する機会を設けるとともに、エンゲージメントサーベイにより組織課題を可視化し、改善・解決することで定着率を向上させていくことを目指しております。
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