ODKソリューションズ 【東証スタンダード:3839】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「情報サービス事業を通じて、顧客の繁栄・社会の発展に貢献する。」ことを経営理念として掲げております。
経営の基本方針は、
1.常に技術の向上を図り、優れたサービスを提供し、顧客のさらなる信頼を得る
2.先を見据えたグローバルな視野で、未来を創造する
3.働く喜び・生きがいを感じられる、魅力ある会社生活を実現する
としており、企業が成長・発展する原動力を「ヒトが生み出す付加価値」におき、人的資産に対する積極的な取組みを通じて、すべてのステークホルダーの期待に応える成果を生み出していくといった強い思いを込めております。
また、これらを具現化するために、
「Chance チャンスを見つけ出し、必ず掴み取る意欲を持って」
「Change 変化を恐れず、柔軟な姿勢を持って」
「Compliance 全ての行動において、法令・社会規範・社内規則を遵守し」
「Challenge 高い目標を持って、常に挑戦し続けよう」
を全員の行動指針としております。
(2)経営戦略等
当社グループは、長期ビジョンを『ビジネスを、スマートにつなぐ。人生の、ストーリーをつむぐ。』と策定し、経営理念の実現に向け、企業グループとして目指す今後の方向性を整理しております。加えて、当社グループが提供する社会的価値を『データに、物語を。』と定義し、データプラットフォーマーとしての存在意義を明確にしております。今後10年間で当社グループは、人と組織や人と人、人とモノが制約なく、現実と仮想の垣根を越えて有機的につながる世界において、蓄積されるデータが、等身大の自分価値として活用でき、自分自身で未来を切り開いていける世界観の実現を目指しております。当社グループは、経営環境の変化等に適切に対応するため、毎年度改定するローリング方式により中期経営計画を策定しております。「2025年3月期~2027年3月期中期経営計画」は、ODKグループ経営の推進を主眼に置き、次のとおりとなっています。
業績目標(連結、2027年3月期目標)
営業収益:8,500百万円
経常利益:900百万円
配当:年10円の安定配当を堅持
基本方針
ODKグループ拡大
基本戦略
グループ全体での成長戦略推進
業績目標は、将来の業績の実現を保証するものではなく、不確実性やリスク要因が含まれているため、実際の業績は今後様々な要因によって異なる結果となる可能性があります。
ODK単体の基本方針、基本戦略は次のとおりとなっています。
基本方針
専門性の強化による新たな価値の創造
基本戦略
コア事業の再構築、データビジネスの収益化
経営戦略としては、従来からの情報処理アウトソーシングを中心としたシステム運用による安定的な収益を基盤にしつつ、データビジネスへの展開を強くすすめてまいります。データをより広いビジネス領域で活用するとともに、『UCARO®』をユーザが様々なサービスへアクセスできるプラットフォームとして育成し、利用者個人に寄り添い、より豊かな人生を実現するサポートを目指してまいります。
当社グループは、グループ全体での事業ポートフォリオに基づく成長投資を継続する方針であり、資本投下領域の優先順位(キャピタルアロケーション方針)を次のように定めています。なお、2025年3月期~2027年3月期中期経営計画においては、3年間で30億円規模の投資枠を設定しております。
1.データビジネスを中心とした次世代サービス創出に関連する投資
2.M&Aへの投資
3.既存事業の収益性改善に資する投資
4.安定的かつ継続的な配当・株主優待
(3)経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、コアコンピタンスを活用できる新たな領域への進出も視野に入れてさらなる事業拡大を目指し、収益のトップラインを高めていく時期だと認識しております。そのため営業収益及び経常利益を重要指標と位置付けております。
また、2025年3月期~2027年3月期中期経営計画の業績目標を踏まえ、投下資本利益率(ROIC)7.0%以上を目標値とし、新規投資及び収益性改善をすすめてまいります。なお、中期経営計画は毎年度改定するローリング方式であることから、ROIC目標値も必要に応じて見直します。
(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
情報サービス業界においては、生成AI、分散型台帳、NFT等先端技術の活用が一層加速していくことが想定されるほか、DX(デジタルトランスフォーメーション)の促進、クラウドシフト等、中長期的な市場規模の拡大が期待されております。一方で、近年のコスト増加への対応や将来的な18歳人口減少に備えた新規サービスの創出が急務となっております。
こうした環境下、当社グループでは、主力の教育業務においてコスト増加を踏まえた価格適正化を一部実現いたしました。また、『UCARO®』における受験生との接点を強みとして、個人のキャリア形成を支援し、企業等との適切なマッチングを実現する多様なサービス開発をすすめております。具体的には、体験実績をNFT活用により証明する次世代型ソリューション『アプデミー®』を基幹に、連結子会社である株式会社ポトスにおいて、キャリア体験プラットフォーム『キャリポート(※)』の提供を開始いたしました。また、『アプデミー®』においても、分散型台帳を用いたNFT等のデジタルバッジやDAO(分散型自立組織)、生成AI等といったWeb3.0技術の研究開発に取組んでおります。
当年度の当社グループは、前年同期比で増収増益となりましたが、教育業務における既存業務の受託範囲拡大や新規受託の計画未達、子会社のM&A不成立、人材育成サポート事業の新規営業遅れ等を主因として売上高計画が未達となったほか、ROIC(連結)は目標値の7.0%を下回る5.9%、PBRは0.9倍と1倍を下回る等、一部課題を残しました。
今後は、グループ内再編を視野に入れた連結ベースでのコスト削減、適正価格での提供をはじめとする既存事業の再構築により収益性を向上し、新規サービスやM&A等への成長投資を実行するとともに、新規サービスの早期収益化をすすめてまいります。加えて、成長戦略の説明を丁寧に行うとともに、個人投資家を主なターゲットとしたIR活動強化を通じた認知度向上や、人的資本経営の推進等により、さらなるサステナビリティ向上を目指してまいります。
(※)キャリポート:
大学1、2年生からのキャリア形成を応援し、その応援を企業価値に転換するキャリア体験プラットフォームです。
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