OATアグリオ 【東証スタンダード:4979】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「食糧増産技術(アグリテクノロジー)と真心で、世界の人々に貢献します。」という企業理念のもと、農薬や肥料、あるいは独自の栽培システムなどを開発・製造・販売する過程で、作物の増収に寄与する総合的かつ包括的な技術の開発と体系化に取り組んでおります。この技術・ノウハウの蓄積を基礎に「新たな食糧増産技術」を開発していくことで、増え続ける世界人口を支えるための食糧問題を解決し、株主の皆さまやお客さまから高い信頼と評価を得られるよう、企業価値の最大化を図ることを経営の基本方針としています。
当社グループの持つ技術や製品の機能を広く提案し、積極的な展開を行うことにより持続的な企業価値の向上を図ってまいります。またESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))の観点も積極的に経営に取り入れてまいります。当社グループの企業活動は、持続可能な未来を社会と共に築くものであり、SDGs活動そのものであると考えております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、食糧増産技術(アグリテクノロジー)の提供を通じ社会に貢献するとともに、企業収益を高め、企業価値の向上を図ることを基本方針とし、収益の拡大と財務体質の強化に取り組み、かつ、人や環境に優しい持続可能な農業に貢献できる事業活動を進めてまいります。
2024年2月に公表いたしました新中期経営計画(2024-2026年)に記載の通り、さらなる成長に向けた積極投資を行い、世界の農業の課題解決に向けたイノベーションを実現させることで企業価値の向上に努め、社会環境の変化に柔軟に対応した企業活動を行ってまいります。また、人と環境に優しい持続可能な農業への貢献を企業の社会的責任と認識し、サステナビリティ経営の実践を行ってまいります。気候変動リスクへの対応やカーボンニュートラルの実現、日本政府が2021年5月に策定した持続可能な食料システムの構築を目指す「みどりの食料システム戦略」、EUの「Farm to Fork戦略」への対応推進などに引き続き取り組んでまいります。活動方針及び具体的な取組みは以下のとおりであります。
①企業価値の向上
2024年2月に発表した「新中期経営計画(2024-2026年)<さらなる挑戦への積極投資>」に記載のとおり、持続可能な農業に貢献すべくイノベーションに向けて研究開発への集中投資を行い、日本国内やグローバルにおける農業の課題を解決できるよう取り組んでまいります。
②研究開発体制について
当社グループにおいては、人や環境に優しい持続可能な農業に貢献するために安全性の高い新規防除資材や、天然・食品添加物由来であり、有機JAS適合農薬など使用回数に制限のない防除資材であるグリーンプロダクツ製品、植物が本来持つ免疫力を高め、耐寒性・耐暑性・病害虫耐性及び成長を促すバイオスティミュラント製品の研究開発に注力してまいります。また、循環型社会の実現を目指したプロバイオポニックス(有機質肥料活用型養液栽培)の実証試験、施設園芸分野での省力化・効率化、ビッグデータを活用したスマート農業の実践に向けた栽培トータルソリューションサービス『アグリオいちごマスター』のバージョンアップや普及にも引き続き取り組んでまいります。
2030年の「あるべき姿」を具現化するために、農業最先端技術にも積極的に投資を行ってまいります。
③成長ドライバーへの取り組み
2021年に発表した新中期経営計画にて掲げた成長ドライバーへの取り組みを具現化するために「人と環境にやさしいグリーンプロダクツ」「バイオスティミュラント事業」「施設園芸分野での潜在需要の掘り起こし」「グローバル製品展開」へ注力してまいりました。今後も持続的な成長に向け、成長ドライバーへの取り組みを実践してまいります。
④企業文化の構築
『栽培の楽しさ・難しさを自ら体験し、世界に発信する』ことを企業文化とし、当社グループの強みである栽培技術を通して、全ての人々に『育てる喜び』『観る感動』『食べる幸せ』をお届けできるよう取り組んでまいります。
また、食糧増産技術(アグリテクノロジー)を普及することにより、人や環境に優しい持続的な農業に貢献できるよう努めてまいります。
⑤生産性の向上
原材料の動向、製品の販売状況及び在庫状況等を勘案し、生産体制の最適化・効率化をすすめてまいります。また、SDGsの概念を当社グループ内に周知するとともに人材育成への注力、職場環境の改善へ継続投資を行い、付加価値の高い業務への移行実現に向けて取り組んでまいります。
⑥財務体質の強化
グループ全体でのキャッシュマネジメントを通じ、グループ内での資金融通など効率的かつ機動的な資金バランスを整え、有利子負債残高の減少に努めてまいります。また、重要な財務指標として自己資本比率やROEに具体的な目標値を設定し、引き続き、株主還元や積極的な事業展開、研究開発投資のため、安定した強固な財務基盤の構築を進めてまいります。
⑦営業体制の強化
農業分野の課題を真正面から受け止め解決するために、市場のニーズ及び問題点等を把握し、日々変化する課題に対して迅速に対応できる営業体制の構築に取り組んでまいります。また、収集した情報を製品開発に活かし、食糧増産技術で世界の人々に貢献する企業を目指してまいります。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、2024年2月13日に公表いたしました2026年12月期を最終年度とする新中期経営計画(2024-2026年)において、目標とする経営指標として連結営業利益率12.0%、連結ROE13.8%を掲げております。
過去5年間の経営指標の推移
| 2019年 12月期 | 2020年 12月期 | 2021年 12月期 | 2022年 12月期 | 2023年 12月期 |
売上高営業利益率(%) | 4.9 | 7.5 | 8.8 | 12.4 | 13.0 |
連結ROE(%) | 0.1 | 12.9 | 19.2 | 23.4 | 20.0 |
(4)経営者の問題意識と今後の方針について
2023年度の激変した世界情勢の中で、当社グループは、2023年2月に公表いたしました「新中期経営計画(2023-2025年)」にて明確化した長期ビジョンの達成に向け、ひいては経営理念『食糧増産技術(アグリテクノロジー)と真心で世界の人々に貢献します』の実現に向け、一丸となって新たなる挑戦へ向かうべく土台固めを進めてまいりました。当社グループは、今後も引き続き持続的な成長を維持していくために、企業価値の向上、研究開発、成長ドライバー、企業文化の構築、生産性の向上、財務体質の強化、営業体制の強化の課題に取組み、更なる企業価値の向上に努めてまいります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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