企業兼大株主OATアグリオ東証スタンダード:4979】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。

 当社グループはこれらのリスクの発生可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も合わせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 重要なリスク

(1)農業市場の動向に係るリスク

 当社グループの主要な製品である、農薬・肥料の最終消費者は農業従事者となります。このため、農業市場の動向により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 近年における国内の農業市場は、国内人口の減少、農作物の販売価格の下落や、農業従事者の高齢化・後継者不足により漸減傾向が続いております。今後の国内市場の動向としましても、政府の農業政策の方針によっては、依然として不透明な環境が継続すると予想されます。

 政府が公表している計画、戦略の主なものは、以下のとおりであります。

食料・農業・農村基本計画

(2020年3月 農林水産省)

主な講ずべき施策

・グローバルマーケットの戦略的な開拓

・農業担い手の育成

・農業生産・流通現場のイノベーションの促進

・環境政策の推進

みどりの食料システム戦略 概要

(2021年5月 農林水産省)

みどりの食料システム法

(2022年7月 施行)

「みどりの食料システム戦略」に基づく取組の進捗状況

(2023年12月 農林水産省)

KPIと目標設定(2030年、2050年)

・Co2ゼロエミッション

・低リスク農薬への転換、総合的な病害虫管理体制の確立・普及等を図ることに加え、従来の殺虫剤に代わる新規農薬等の開発により化学農薬の使用量(リスク換算)を50%低減

・輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を30%低減

・耕地面積に占める有機農業の面積を25%(100万ha)に拡大

 当社グループは、創業当時の企業理念及び当社の事業に係る政府の農業政策等も考慮し中期経営計画を策定しております。2024年2月に改訂した「新中期経営計画(2024‐2026年)<さらなる成長への積極投資>」においても、基本方針は前年の中期計画を踏襲して、成長ドライバーへの取組みとして「人と環境にやさしいグリーン農薬(グリーンプロダクツ)」「バイオスティミュラント事業」「施設園芸分野での潜在需要の掘り起こし」「グローバル製品展開」、スマート農業への取組みを引き続き行うことにより持続的な成長ができるものと判断しております。しかしながら、政府の農業政策変更等に伴う外部環境の変化、農業後継者不足等に伴う市場縮小などの要因等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)法規制によるリスク

 当社グループの主な事業は、国内外での農薬・肥料の生産及び販売活動であり、農薬や肥料、登録制度などに関する法令のさまざまな規制を受けております。当社グループでは、社内の管理体制の構築やコンプライアンス推進活動等によりこれらの法令遵守に取り組んでおりますが、今後、これらの法令に違反する行為が行われた場合、もしくは、法令の改正又は新たな法令の制定が行われた場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 法規制による主なリスクは以下になります。

①当社グループが取り扱う製品は、原料調達、製造、輸出、販売、使用の全ての過程において法規制されております。法令改正により、既存の製品や開発中製品の原料調達、製造、販売、使用ができなくなる、輸入販売ができなくなる、また追加の試験研究費が発生する可能性があります。

②当社グループが取り扱う製品の製造場所・保管場所においても法令の制限を受け登録が必要となります。法令改正により製造場所・保管場所の機能に支障が発生する可能性があります。

③海外大手企業の新規市場参入制限の緩和、競合品の市場参入により販売価格が下落する可能性があります。

 当該リスクの発生する時期は、法令制定及び改正が施行された時期となり、時期を特定することが困難であります。そのため、当社としては、事業活動においては、関係法令の動向を確認し、最新の法規制を理解して活動する、製品については、研究活動による既存製品の改善・改良、新製品の開発、成長ドライバーへの取組み活動、製造場所及び保管場所については、取引先の代替を確保する活動を行い、当該リスクの軽減化に努めてまいります。

(3)減損会計及び子会社株式評価に関するリスク

 当社グループは、事業の拡大に向け積極的に外部の経営資源を獲得してまいりました。そのため多額の固定資産を有しております。

 当該リスクは、景気変動、天候変動、世界的災害等が生じたときに発生すると考えており、これらの影響により今後の事業計画との乖離等によって期待されるキャッシュ・フローが生み出されない場合には、固定資産の減損リスクが発生いたします。また、当社が保有する子会社株式の評価基準は原価法によっておりますが、市場価格のない株式については財政状態の悪化等により実質価額が著しく下落した場合、子会社株式の減損処理が必要となり、個別財務諸表の業績に影響を与える可能性があります。

 なお、当連結会計年度末の固定資産については、当該リスクが顕在化する可能性や経営成績及び財務状況の影響については、現時点では認識しておりませんが、定期的にモニタリングし監督機能の強化を行い、更に、グループ各社と協力したシナジー効果による業績向上を目指した経営を行ってまいります。

(4)地政学リスクについて

 ウクライナ情勢等による地政学的リスクやそれに伴うエネルギー・原材料価格の高騰等が懸念されます。当社は、調達先の検討や原価削減の徹底を図っておりますが、予想以上の急騰や長期にわたって高騰が続くことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、紅海周辺で起きている船舶への攻撃によって海上輸送の遅れや輸送費高騰等が懸念され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)為替変動について

 当社グループでは、輸出入取引の一部を米ドル、ユーロ、インドルピー建てで行っておりますが、外貨建てによる輸出額と輸入額のバランスを保つように努めております。また、外貨取引において為替変動によるリスクが生じる恐れのある場合には、社内規程に基づいた所定の手続きを行い、為替予約等によるリスク回避を行っております。但し、これにより当該リスクは完全な回避、低減を保証するものではありません。

 さらに、当社グループは、海外子会社の財務諸表を連結財務諸表作成のため円貨換算しております。現地通貨建ての項目は、換算時の為替レートにより円貨換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、海外連結子会社が多いことから円安基調が連結業績に好影響をもたらします。

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