JCU 【東証プライム:4975】「化学」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、企業理念「表面処理技術から未来を創造する」のもと、創業以来、装飾・防錆めっき技術から発展した様々な表面処理技術の提供で、自動車、エレクトロニクスなどの産業の成長を支えてまいりました。これからも、長年培った知見と研究・開発力で、新たな表面処理技術を追究し、ものづくりを支え、世界中の人々の豊かな生活に貢献してまいります。
(2) 経営戦略及び経営環境の対処すべき課題
当社グループの主要分野である電子分野では、半導体関連市場における、AIやIoTの普及及び自動車の自動運転など様々なデジタル技術の革新に伴い、中長期的には当社事業に関連するプリント基板、半導体パッケージ基板の需要が拡大すると予想されます。一方、装飾分野では、主な対象となる自動車部品において、デザイントレンドの変化や電気自動車の普及による需要の低迷が影響しており、今後も横ばい基調で推移するものと予想されます。
このような状況を踏まえ、当社グループは中長期の方向性として「2035年に目指す姿」を「独自の強みを最大限に活かし、環境や社会に貢献することで、社会とともに成長し続けるグローバル企業」と定め、日々変化し続ける社会環境に対応しつつ、常に技術・サービス体制を強化していくことで、社会価値と経済価値の追求による企業価値向上を図ってまいります。
また、これを実現するため、当社グループは中期経営計画「JCU VISION 2035 -1st stage-」(2025年3月期~2027年3月期)を策定し、「成長分野への積極的な投資」、「経営基盤の強化」、「DX推進によるデータの利活用」、「既存市場における収益性強化」、「サステナビリティ経営の推進」及び「人的資本、知財・無形資産の活用」を基本方針に、取り組みを推進してまいります。
① 成長分野への積極的な投資
当社グループは、研究開発型企業として継続的に高付加価値な製品を開発し、常に市場へ投入していくことが求められているため、成長が著しい「半導体パッケージ基板を対象とする重点領域」、「半導体アドバンスドパッケージを対象とする次世代領域」に対し積極的な投資を続けてまいります。今後につきましては、既存の総合研究所に加え新設する熊本事業所との2拠点体制とすることで研究開発を加速し、世界をリードするニッチトップ企業を目指してまいります。
② 経営基盤の強化
当社グループは、持続的な企業価値向上を実現させるため、更なる経営基盤の強化に取り組んでまいります。コンプライアンスを中心としたグループガバナンスの水準をさらに高めるとともに、成長分野への積極的な投資の推進と株主の皆様への安定的な利益還元を両立することにより、資本効率の更なる向上を図り、企業価値の向上に努めてまいります。
③ DX推進によるデータの利活用
当社グループは、事業活動をより効率的に進めていくためにもDX化を推進してまいります。特に、研究開発に関わるMI(マテリアルズインフォマティクス)の活用強化は必要不可欠であり、迅速かつ効率的に新製品を創出していくことで、競合他社の追従を許さない質の高い製品を提供してまいります。
④ 既存市場における収益性強化
当社グループは、各地域で得られた情報及び知見をグローバルに設立した拠点間で最大限に活用することで不確実性の高い環境下においてもお客様や社会からのニーズに迅速かつ的確に応えてまいります。また、そのために必要な人材や情報を効率的に活用し、環境に配慮した製造体制を構築するなど事業活動の基盤強化を推し進めてまいります。
⑤ サステナビリティ経営の推進
当社グループは、中長期的な視点に立ち、持続的に成長を続けるための経営課題に取り組むことでグループの継続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を目指してまいります。
特に、気候変動対策においては、「2031年3月期に国内拠点におけるCO2実質排出量を46%削減(2014年3月期比)」を経営目標とし、さらには、主要工場でもある生産本部では、「2031年3月期にCO2実質排出量ゼロ」を目標とし持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
⑥ 人的資本、知財・無形資産の活用
当社グループは、外部環境や経営戦略に沿った人的資本の活用を推し進め、会社と従業員がともに持続的な成長ができる経営を実現してまいります。また、企業価値に占める知的・無形資産においてもその重要性が高まっており、技術を重視する企業として創造した価値を適切に保護・活用するために体制を強化し、企業価値の向上に繋げてまいります。
当社グループにおいては、持続的な成長を続けていくためにも「急成長する市場×不透明な経営環境」に対応していくことが必要不可欠であります。このような状況のなか、上記の基本方針を軸に各施策をバランスよく実行し、当社事業の「質」を高め、世界中のお客様に必要とされる企業を目指してまいります。
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