IMAGICA GROUP 【東証プライム:6879】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。なお、本文中での年度表記は右記のように記載しています。例:2025年3月期→2024年度
1.2024年度事業方針
(1)事業方針
2024年度につきましては、事業拡大を目指す「成長事業」と収益改善に注力する「変革事業」に分けて事業を推進してまいります。
成長事業としてはゲーム制作プロセスにおけるE2E(End to End)サービスを展開する「ゲーム関連事業」、シリーズ累計3,300万部突破のライトノベル「薬屋のひとりごと」などグループ独自IPを展開する「IP創出」、自社生産・世界各国へ販売している「ハイスピードカメラ事業」、これら3つの事業拡大に注力してまいります。変革事業については、映像コンテンツのローカライズや配信向けサービスをグローバルに展開する「グローバルE2E事業」とTVやCMのポストプロダクション(編集)サービスを展開する「TV関連事業」の収益改善に注力いたします。
成長事業 | 「ゲーム関連事業」「IP創出」「ハイスピードカメラ事業」 |
変革事業 | 「グローバルE2E事業(海外)」「TV関連事業」 |
(2)セグメント別事業計画
セグメント別の事業計画は、以下のとおりとなります。
<映像コンテンツ事業>
| 2023年度実績 | 2024年度見通し |
売上高 | 28,186百万円 | 24,300百万円 |
営業利益(のれん等償却前) | 1,281百万円 | 1,320百万円 |
利益率 | 4.5% | 5.4% |
映像コンテンツ事業においては、2023年度に納品した劇場映画など大型作品等の反動により減収の見通しですが、「薬屋のひとりごと」を始めとするIP創出による収益拡大の継続、アニメ制作や広告制作における粗利益率向上などにより、営業利益率は5%超えを目指してまいります。
<映像制作技術サービス事業>
| 2023年度実績 | 2024年度見通し |
売上高 | 53,967百万円 | 55,100百万円 |
営業利益(のれん等償却前) | 3,367百万円 | 3,400百万円 |
利益率 | 6.2% | 6.2% |
映像制作技術サービス事業においては、APACでの受注強化や低コスト国への業務移管によるコスト削減などにより、グローバルE2E事業での収益改善を目指すほか、ゲーム3DCG事業の更なる拡大とグローバル展開の加速によりゲーム関連事業での増収、加えてTV関連事業での収益改善により、事業全体として増収増益を目指してまいります。
<映像システム事業>
| 2023年度実績 | 2024年度見通し |
売上高 | 19,756百万円 | 20,300百万円 |
営業利益(のれん等償却前) | 2,440百万円 | 2,300百万円 |
利益率 | 12.4% | 11.3% |
映像システムにおいては、ハイスピードカメラにおいて東南アジアの自動車向け受注強化や新モデル導入により販売台数の過去最高値更新を目指すほか、3Dセンシング技術を活用したビジネス領域の拡大にも取り組んでまいります。
これらの事業計画に加え、前年度の映画・ドラマの大型作品計上の反動、連結子会社の売却、ならびに米国ハリウッドにおける脚本家・俳優組合のストライキの影響を織り込み、2024年度については、売上高980億円、営業利益(のれん等償却前)58億円、営業利益37億円、経常利益32億円、親会社株主に帰属する当期純利益20億円を見込んでおります。
2.今後の経営方針について
当社グループは「高収益体質のグループ」を実現するため2025年度を最終年度とした、中期経営計画「G-EST2025」(ジーエスト2025)を推進してまいりました。3年目である2023年度まで、営業利益目標を連続してクリアすることができたものの、基本戦略の5つについては想定通りに進捗しているものと、新たに取り組むべきテーマが見えてきたものがあります。さらにグローバルでの動画配信市場が急激に変化するなど、当社グループを取り巻く外部環境が大きく変化しており、中期経営計画の目標達成には、このような外部環境変化への更なる対応が必要と認識するに至りました。
<外部環境の変化>
・動画配信市場
・広告メディアの多様化に伴う業界収益モデル
・ライブエンタテインメント市場
<基本戦略別の進捗状況>
基本戦略 | 進捗状況 |
グローバルE2E事業 | 市場成長に伴い急拡大、2023年度から市場変化もあり安定成長へシフトし海外は収益向上に注力 |
ゲーム関連事業 | 2023年度から本格スタート、今後の成長ドライバーとし事業拡大と基盤構築を目指す |
変革事業 | 「薬屋のひとりごと」などIP創出の事例実現し今後も注力。アニメ制作の利益率改善が実現も、TV関連は改善途中 |
ライブエンタテインメント事業 | コロナ禍ではオンラインライブやメタバースなどで事業拡大、現在は環境変化に伴いストックビジネスに転換 |
映像システム事業 | ハイスピードカメラは計画通りに進捗。放送映像システムの改善や成長事業(光学計測、SaaS)の成長に注力 |
そこで今回、①変化対応 ②最適な市場の選択 ③新たなビジネスモデル、これら3つのキーワードをベースに新たな中期経営計画を策定することといたしました。
我々のビジネスは映像の制作領域を中心に競争力を有しているものの、資本効率性に課題があると認識しています。これまで築き上げてきた強みを活かしながら、高い競争優位性と資本効率を持つ、新たな事業グループを築き上げてまいります。2024年度は事業計画の完遂を目指しつつ、新たな中期経営計画を策定する1年といたします。なお、詳細につきましては、2025年5月に公表させていただく予定です。
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