企業GameWith東証スタンダード:6552】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は、「ゲームをより楽しめる世界を創る」という経営理念のもと、2013年6月に設立いたしました。本当に知りたいゲームの情報が得られる場所が存在すればもっとゲームを楽しめるようになるという想いから、2013年9月にゲーム攻略情報メディアとしてウェブサイト「GameWith」をリリースいたしました。「GameWith」では現在、ゲーム攻略情報だけでなく、新作ゲームの紹介記事等を提供しており、ゲーマーにとって欠かせないインフラとなりつつあります。直近では、eスポーツや新規事業であるNFTゲーム、回線事業が大きく成長してきております。これらの新規領域について、中長期的にメディア事業に次ぐ第2第3の柱とするべく、現在注力しております。

当社グループの事業は、主に、ゲーム情報等の提供を行うメディア事業およびeスポーツ・エンタメ事業、ならびにゲームに関連する新規事業を展開しております。

(2) 経営環境

日本国内のインターネット普及率は毎年増加しており、2023年のインターネット普及率は86.2%(注1)となっております。これに伴い、インターネット広告費は、2013年は9,381億円であったものが、2023年では前年比7.8%増の3兆3,330億円となっております。とりわけインターネット広告媒体費は、2013年は7,203億円であったものが、2023年では前年比8.3%増の2兆6,870億円と成長しております(注2)。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大によって当社グループの経営環境に対して、自宅でゲームを楽しむ人が増加し当社グループのメディアの閲覧数が上昇した一方、多くの企業が広告出稿を控え広告単価が下落する等の影響が出ておりましたが、現在はほぼコロナ前の水準に回復しております。

また、当社はメディア事業に留まらず、ゲームに関する様々な事業を展開しておりますが、国内のゲーム市場規模は、2013年は1兆1,448億円であったものが、2022年では2兆316億円と成長しております(注3)。

(注1) 総務省「令和5年通信利用動向調査」

(注2) 株式会社電通「2013年 日本の広告費」、「2023年 日本の広告費」

(注3) 株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2023」

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高及び営業利益を重視しております。

(4) 事業戦略方針

当連結会計年度においては、eスポーツや新規事業といった新規領域においては順調に成長している一方で、利益の源泉であるメディア事業において、後半にかけて外部環境の影響等を受け収益が減少するなど、GameWithグループとしても厳しい年度となりました。このような状況のもと、本格的なグローバル進出によるメディア事業の再成長と、新規領域におけるメディアに次ぐ第2、第3の柱の創出を目標に掲げた、中期経営計画および中期事業戦略を策定し、各セグメントの中長期的な成長を目指すことに注力してまいります。各セグメントの詳細については、以下の通りでございます。

① メディア

メディアについては、ゲーム業界において好調を維持している家庭用ゲームやPCゲーム領域に引き続き注力するのみならず、直近でニーズが高まっているDiscordを活用したゲーマーコミュニティ運営や、国内No.1ゲームメディアとしてのゲーマーへのリーチやメディアを運営するゲームに関するノウハウを持った従業員等のゲーマーアセットを活用した新規ビジネス等を展開することで、マネタイズ方法を拡充してまいります。

 メディア領域における中期経営計画の骨子としては、国内と比較してPV単価が高い水準にある英語圏を始めとしたグローバル展開を柱に据えて注力することで、さらなる事業規模の拡大を目指してまいります。英語版GameWithについては、英語での記事提供の体制が日本語のGameWithと比較して弱いため、メディアにおけるタイトルカバレッジが少ないことが課題となっております。そのため、英語での記事作成人材に積極的に投資し、記事を量産することでタイトルカバレッジを一気に拡大してまいります。その結果、検索でも上位に表示されるようになり、PV数が急増していくという国内メディアでの成功の再現を狙うという戦略を考えております。また、シェアが向上し、PV数が増えることでメディア価値が向上することに伴い、タイアップ記事等、事業を横展開してまいります。さらに、資本業務提携関係にある株式会社デジタルハーツホールディングスの子会社であるDIGITAL HEARTS Seoul Co., Ltd.とのパートナーシップ締結による韓国市場への進出等、英語圏以外においてもグローバル展開を拡大していく予定です。

 長期的なトレンドとしては、AI技術の向上により、ゲーム攻略の提供方法が拡大していくことを見込んでおり、当社グループとしても積極的に対応していく予定です。現在のゲーム攻略における情報発信については、ユーザー自身が知りたいと思った情報を検索し、検索エンジンを通して流入したユーザーに対してWebメディアを介して情報を提供するという発信方法になっております。一方で将来のゲーム攻略としては、AIを活用してユーザーのゲーム進捗を解析することで、ユーザーが検索せずともリアルタイムで攻略情報を提案できる世界を想定しております。このような世界を目指して投資を行っていき、Webメディアという形態にとらわれず、従来の検索からの流入でPV数を稼ぐというモデル以外の方法を長期的には目指してまいります。

② eスポーツ・エンタメ

eスポーツ領域については、五輪採用に向けて、政府によるeスポーツ強化支援や日本eスポーツ連合(JeSU)の日本オリンピック委員会(JOC)への準加盟のニュースが話題になるなど、今後も市場規模は増加していくと期待されており、当社グループとしても注力領域としてさらなる事業展開を図ってまいります。eスポーツ領域におけるマネタイズ方法としては、スポンサー収入、大会賞金、支援金、グッズ販売、動画配信収益、イベント・タイアップなど多岐に渡りますが、不安定な部分も多く、マネタイズという意味ではまだ黎明期にあると考えております。そのため、将来市場が成熟した際に国内のみならず世界トップクラスのeスポーツチームとしての地位を確立していることが重要と考えており、その種まき段階として、中期経営計画においても戦略的に投資を行う領域として定めております。

 競技シーンにおいては、世界で注目されているゲームタイトルである「VALORANT」部門を中心に、環境整備による既存戦力の強化や新規戦力の拡充等を実施することでチーム価値向上に努め、「世界で勝てる」チームを目指す方針です。また、近年eスポーツ領域において重要なマネタイズポイントであるインフルエンサービジネスの強化についても課題であり、有名ストリーマーの獲得にも注力することで、ファンの裾野を広げて強さと人気の両方を兼ね備えるチームを目指してまいります。さらに、BtoBビジネスにおける強みを活かして、企業や地方自治体との取り組みによる地方創生等についても注力し、各方面で様々な接点を作ってまいります。

 これらの取り組みを行う上で、先行して戦略的に投資を推進していくことで、eスポーツ市場が成熟し、マネタイズポイントが拡大していった際に、トップチームとしての地位が確立されていることを目指しており、中長期的に大きな収益を生み出す領域になると考えております。

③ その他

その他について、今後も企業理念の達成に向けてゲームに関する様々な事業を展開していく予定ですが、現在は特に事業が立ちあがり成長フェーズに入ったNFTゲームと光回線事業を中心に中期経営計画を定めております。

NFTゲーム領域については、株式会社Kyuzanよりプロモーション等の受託をしているNFTゲーム「EGGRYPTO」が4周年を迎え、カジュアルなゲームにNFT要素を加え、ガチャ課金収入でマネタイズをするというビジネスモデルにおける運用ノウハウが確立されてまいりました。今後も「EGGRYPTO」については展開を続けてまいりますが、今後はこのビジネスモデルを活用した新作タイトルの開発も進めてまいります。すでに発表している「EGGRYPTO X」のみならず、シューティング系のeスポーツタイトルにおいて重要となる「AIM力(銃の照準を狙いに合わせる力)」を鍛えるAIMトレーニングソフトにゲーム要素とNFT要素を加えて開発予定の「AIMNOVA」といった新作ゲームの開発を開始しており、2026年5月期のリリースを予定しております。

 光回線事業については、2022年6月に資本業務提携を結んだアルテリア・ネットワークス株式会社との連携により、高品質な通信サービスを提供することに成功しており、多くのユーザーに安定性を実感していただいております。プロモーションやインセンティブばかりに頼らずユーザー目線でクオリティの高いインフラを提供することで、ニッチ市場にも関わらず順調に成長しております。ユーザーが積みあがれば積みあがるほど利益が大きくなっていくビジネスモデルであり、今後もユーザー獲得に注力し、新たなプロモーション戦略を展開してまいります。直近では、eスポーツチームや高校のeスポーツ部等との連携等を行うことで知名度向上を図っております。

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

① 新規事業の展開と新たな収益モデルの構築について

当社グループは、ゲーム情報メディアの運営を行っておりますが、当社グループが今後も継続的に成長していくためには、常にユーザーのニーズを把握し、新規コンテンツや周辺事業の展開を図ることにより、コンテンツを充実させ、かつ新たな収益モデルの構築に取り組むことが重要な課題と認識しております。

そのためには、既存コンテンツの拡充だけでなく、企業理念の実現に向けた新たな収益モデルを構築し、積極的にその拡充を図る必要があります。現在、eスポーツ、NFT、回線事業などの領域に関する新規事業を開始しており、新たな収益モデルの構築に取り組んでおります。

② 人材の確保及び組織力の強化について

 当社グループは、今後の継続的な成長のためには、人材の確保と社員育成が重要な課題と認識しております。引き続き積極的な採用活動と社内研修体制の強化及び社員が働きやすい環境を整備することで人材の確保及び組織力の強化に取り組んでまいります。

③ 内部管理体制の強化について

当社グループがユーザーに安定したサービスを提供し、継続的に成長し続けるためには、内部統制システムの強化が必要であると認識しております。そのため、事業等のリスクを適切に把握及び対処し、コンプライアンスを重視した経営管理体制に重点をおくことで、引き続き内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

④ セキュリティシステム及び保守管理体制について

当社グループが展開する事業は、システムのセキュリティ及び保守管理体制の整備が重要であり、常にこれらの充実が重要な課題であると認識しております。今後も市場環境の変化に対応したセキュリティの維持及び保守管理体制の整備を進める方針です。

⑤ サービスの健全性と安全性の維持について

当社グループは、利用者が安心して利用できるサービスを提供することが、信頼性の向上及び事業の発展に寄与するものと考えております。これは当社グループが運営するゲーム情報メディアが、単なる情報メディアとしてではなく、ユーザー同士のコミュニケーションの場にもなっている点や、その他のサービスにおいてもユーザー接点が多いことから、当社グループとしてはその健全性と安全性に取り組むことが不可欠であると認識しています。具体的には、個人情報保護等の法令遵守に取り組むだけでなく、サイト自体の安全性を高め、利用規約の徹底やサイトパトロール等の体制強化のためにカスタマーサポート担当を定める等、監視、サービスの健全性の維持に引き続き取り組んでまいります。

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