FCホールディングス 【東証スタンダード:6542】「サービス業」 へ投稿
企業概要
頻発・激甚化する自然災害や、急速に老朽化が進む土木インフラに対し、財政制約や労働力不足などの課題を背景に、適切な対応が求められています。当社グループは、これらの社会的課題に対処するため、DXをはじめとする先端技術を積極的に活用し、社会実装に向けた体系的かつ戦略的な研究開発を推進しています。具体的には、幅広いテーマを扱う「基礎研究」、研究の熟度を高め知財化や商品化をめざす「新技術開発」、開発商品の業務展開や販売を促進する「新商品事業展開」の3つに区分しています。
「基礎研究」については、既存技術の高度化に加え、新事業の展開を支える技術としてAI、ブロックチェーン、最適化等の先端的技術についても、大学との共同研究、学位取得制度、企業連携等を活用して、その技術習得に努め、その成果を活用して積極的に特許取得に結びつけています。これらの基礎研究に加え、より幅広い技術習得のため、MBAやMОT取得などマネジメント分野の技術も積極的に習得しています。
「新技術開発」では、AIベンダー、IoTメーカー、ビッグデータホルダー等の外部異業種企業とのアライアンスを加速し、外部企業の持つ技術と当社技術のシナジーにより先端的技術開発を早期に商品化できるよう研究開発を進めています。特に、防災・減災、インフラメンテナンス、スマートシティ、交通ビッグデータ分析、新モビリティ等の各研究分野に集中的に投資し、早期の商品化を目指しています。
「新商品事業展開」では、インフラモニタリング、防災・減災、新モビリティ、交通ビッグデータ分析、SDGs、下水道等の各分野について、他機関とも連携しながら業務活用や事業展開を図っています。
具体的な主な製品開発及び特許取得は、以下のとおりです。
① インフラメンテナンス事業に関する新会社設立
当社グループが保有する非破壊検査技術と、AI等の技術との連携により最先端の計測技術と分析・解析技術を進化させ、インフラメンテナンス事業の拡大や、インフラ施設の包括管理事業の展開を加速するため、2024年3月に株式会社インフラ・テックショリューションズ、4月に株式会社インフラ・テックショリューションズ西日本を設立しました。
具体的な技術として、株式会社福山コンサルタントが手掛けている国立研究法人理化学研究所発の完全非破壊塩分計測技術RANS-μ技術、株式会社地球システム科学が得意とするオーリス・ミラ等の非破壊検査技術、株式会社環境防災が保有するコンクリートや鋼材等の非破壊検査及び物性試験によるASR等の劣化診断技術、当社グループの研究機関である株式会社SVI研究所が開発したAI技術を活用した事業展開を進めています。
② 防災DXサービス開発
株式会社福山コンサルタントでは、3D都市モデル(PLATEAU)ユースケース開発として、これまで浸水災害の避難行動立案支援ツールや、人口衛星データを用いた浸水被害把握ツール等の防災DXツールの開発を行ってきました。これらの技術と日本電気株式会社(NEC)が有するデジタルプラットフォーム技術を融合させ、防災情報の一元化と市民への情報提供手法の共同開発を進めています。特に、住民の防災意識向上や、災害発生時の市民へ迅速な情報提供に基づく避難誘導、そして復旧・復興時においての人員不足の解消に焦点を当て、防災DXサービスを開発することにより、地域社会の安全と安心を向上させ、災害時の迅速で的確な対応を可能にし、地域全体のレジリエンスを高めることを目指します。
③ 生物多様性事業の取り組み
株式会社エコプラン研究所、株式会社福山コンサルタント等で構成される響灘ビオトープ共同事業体が指定管理者を務める「響灘ビオトープ」が2023年10月に「自然共生サイト」に認定されました。
株式会社エコプラン研究所では、この実績や、豊富な自然環境調査・分析の経験を活かし、基礎調査や計画立案、認証の登録手続き、認定後の管理業務などをワンストップで提供する自然共生サイト(ОECM)認定支援サービスを開始しました。
④ 自動運転等の交通関連サービスの展開
株式会社福山コンサルタントは、株式会社RYОDEN、株式会社ヴィッツと共に、仮想空間シミュレーター「WARXSS®」を用いた交通安全対策や自動運転に関する課題解決を図るサービスを開始しました。本サービスにより、高度で幅広い交通安全対策や持続可能な自動運転サービスカーの導入を加速させ、専門性の高い分野における人手不足や高齢化社会におけるラストマイルの課題の解決につなげることで、安全・安心な社会の実現に貢献していきます。
⑤ SDGs事業の取り組み
株式会社福山コンサルタントは、MIRARTHホールディングス株式会社のグループ会社である株式会社レーベンクリーンエナジー、株式会社トッププランニングJAPANと共に、MIRARTHグリーンテック株式会社(国内法人)、および同社100%出資によるMIRARTH Agri Tech Co.,Ltd.を設立し、カンボジア産カシューナッツ殻を活用したバイオマス燃料化事業に着手しました。
これらの事業会社の設立により、当地におけるカシューナッツ生産・加工・流通に関する技術をより発展させる形で、現地工場の建設、現地雇用の拡大、日本の製造オペレーション技術導入による労働生産性の向上により、同国の経済発展を支援するとともに、カシューナッツ殻のバイオマス活用事業の開発を進め、カーボンニュートラルへの貢献を目指します。
⑥ AIを活用した下水道管路の維持管理事業を展開
全国で約50万km存在する下水道管路は、今後急速に老朽化する上、予算的な制約と技術継承の課題もあるため、これまで以上に点検・修繕の効率化と信頼性の両立が重要となっています。株式会社SVI研究所では、AIを活用した下水道管路損傷診断技術、下水道管路損傷予測技術、雨天時浸入水予測技術等の維持管理分野の技術を開発してきました。
株式会社福山コンサルタントでは、これらの技術を用いた効率的な下水道管路の維持管理の実現、上下水道分野の官民連携事業であるウォーターPPPに活用した展開を進めていきます。
⑦ 大規模言語モデルを活用した研究開発の特許を出願
株式会社SVI研究所では、大規模言語モデルを活用した生成AIにより、生活者の質問の意図を把握し、求める情報をその状況・環境に合わせて適切に提供することで行動を支援するシステムに関する特許を出願しました。本技術を活用した観光・交通・小売など各専門事業者と連携し、その知見を掛け合わせるオープンイノベーションを活用し、広範囲での市場展開を目指していきます。
上記活動における支出は111,011千円です。
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