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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)サステナビリティ及びサステナビリティ戦略に関する当社グループの考え方

 サステナビリティに関する戦略として、当社グループは人的資本を重要な資源と位置付け、組織の成長と競争力向上において不可欠な要素として認識しております。社員における成長への機会提供・育成に留まらず、教育会社として社会の持続可能性に対して果たす役割は大きいと自任しております。

 当社グループが社会に提供する価値とは、変革する時代に対応した新しいコンテンツを常に発信し、1歳以上のすべての年齢層に、生涯にわたる学びを提供することです。“Lifetime Empowerment(生涯学び続け自分をアップデートする学習プラットフォームの提供)”をビジョンに掲げていることからも、提供する学びの内容には社会的な発展と事業の継続が同時に実現するサステナビリティの考え方を普及することも含まれること、また、その考え方の多様性についても知識を求める方々に提供することをもって、当社の成長と教育による社会課題の解決を実現することが重要と考えております。当社グループを通じてSDGsの取組を担う人材を輩出することが、サステナビリティに関する考え方及び取組の基本方針となります。

(2)当社グループのガバナンスについて

 当社グループは、企業価値の持続的な拡大と社会課題の解決を目指し、ESG視点でのガバナンス経営体制の強化、充実に努めております。ESGに関するリスクや機会を取締役会が監督する責任を持ち、そのもとで社長執行役員及び配下の各組織体が業務執行を担っています。

 ESG全体の業務執行については、取締役会による監督のもと各事業部門が担っており、迅速かつ的確に実行しております。各事業部門が担うことにより、課題に対して適切かつ迅速に遂行することが可能となります。

 ESGに関するリスク管理及び機会管理は、取締役会にて実施しております。

(3)当社グループのリスク管理について

 当社は、直接的あるいは間接的に当社グループの経営又は事業運営に支障をきたす可能性のあるリスクに迅速かつ的確に対処するため、当社の取締役が各グループ会社の取締役会等で事業をモニタリングしております。これにより、全社的なリスクの評価、管理、対策立案とその実行を迅速に行っております。

 サステナビリティに関連するリスクについても、取締役会において評価、管理を行い、また危機発生時には危機のレベルに応じた対策本部を設置し、適切な対応を実施しております。

(4)サステナビリティ戦略に基づく取組について

 中期経営計画において重点項目としている5つの領域のうち、University事業系、法人向け人材育成事業系、インターナショナルスクール事業系における当社グループ戦略に基づいた活動は次のとおりです。

① University事業及び法人向け人材育成事業系の取組

 当社は、ビジネス・ブレークスルー大学、大学院及び企業におけるマネジメント教育を通してサステナビリティに貢献しております。例として、ビジネス・ブレークスルー大学及び大学院の谷中修吾氏教授によるオープンカレッジ「SDGsビジネスデザイン講座」を開講しております。谷中教授は、社会をよくするSDGsを体現する取組を「環境大臣賞」として幅広く表彰する環境省グッドライフアワードの総合プロデューサーを発足当初より務めております。また、「ビジネスの中でのSDGsを知る~世界の「食」×ダイバーシティー~」と題した高等学校向けの出張授業を、実務家教員である横山真也講師が継続して実施しております。

関連項目

講座名

サステナビリティ

SX戦略

サステナビリティ

脱炭素社会におけるエネルギー新潮流

サステナビリティ

エネルギー産業の新潮流

サステナビリティ

SDGsビジネス入門

サステナビリティ

CSVの先へ

サステナビリティ

BCGが読む経営の論点

人的資本・多様性

これからの人事部員にもとめられるもの

人的資本・多様性

ダイバーシティとインクルージョン

人的資本・多様性

企業の未来とジェンダーダイバーシティ

人的資本・多様性

リカレントサミット

女性の活躍

経営戦略としての女性活躍

ESG

ESG経営における企業法務・企業統治

ESG

ESG投資の急拡大から考える企業経営

 また、質の高い教育をすべての人に提供する活動の一環となる奨学金制度の新設にも取組ました。ビジネス・ブレークスルー大学において、日本プロ野球選手会、日本ラグビーフットボール選手会それぞれとアスリートの教育分野で協定を締結し、新たにスポーツマンのセカンドキャリア奨学金を開始しております。

② インターナショナルスクール事業系の取組

 当社グループは、次代を担う子どもたちが通うアオバジャパン・インターナショナルスクール(株式会社アオバインターナショナルエデュケイショナルシステムズ、以下「当校」という。)において競争優位の源泉となる国際バカロレア教育を導入し、普及に努めております。2018年より文部科学省IB教育推進コンソーシアム事務局業務を受託し、結果として国際バカロレア(IB)認定校・候補校のプログラム数が200校を超えました。国際バカロレア教育の教育活動の中では、スクールコミュニティ全体がサステナビリティの活動に取組ことで、子どもたちがサステナビリティに対する理解を深め、自ら考えて実践ができるよう教育環境の形成に取組んでおります。広く地球規模での持続可能性に思いを馳せ、リーダーシップを取ることのできる人材の育成は、社会への貢献のみならず、その質の高い教育を行えるスクールとしての認知がスクールの持続的な発展に資するものと考えております。以下に、当校が実施している5つの取組をご紹介いたします。

ⅰ国際バカロレア PYPのExhibitionにおけるSDGsに関連した探究と発表

 当校では、3歳から12歳を対象とした国際バカロレアのPrimary Years Programmeにおいて、毎年、Exhibition(探究学習発表会)を開催しております。生徒はグループに分かれ、自らテーマを選び、探究を行い、発表を行っております。これらの発表は、国際バカロレアのグローバルな学びと関連し、SDGsにも関わる内容となっております。以下に、昨年までの一部の発表例をご紹介いたします。

内容

SDGs

ゴミのポイ捨てが及ぼす影響や歴史的背景の確認、

問題解決の提案

12「つくる責任 つかう責任」

新型コロナウイルスの影響と予防策の探究

3「すべての人に健康と福祉を」

ⅱ高等部生徒によるパプアニューギニアの学校支援活動

 当校の高等部では、多様性に準じたグローバルな教育システムを導入し、生徒が自身の情熱を追求できる環境を提供しております。具体的な取組の一例として、10ヶ国からの異なるバックグラウンドを持つ高校2年生が、社会起業精神を学び、社会奉仕活動の一環としてパプアニューギニアの教育環境の改善に取組んでおります。彼らは社会起業家と協力し、募金などを集めながら、現地の中高一貫校への支援活動を行っております。この取組は、SDGs4「質の高い教育をみんなに」の実現に向けた活動に繋がっております。

ⅲ学校コミュニティによる「スプリングカーニバル(学祭)」での環境配慮の取組

 当校では、学校生活を通じてグローバルな問題を学ぶ機会を提供するため、保護者を含む学校コミュニティによって春に開催される学祭において、海やサンゴ礁の保護を目標の一つとして掲げました。この取組は、SDGs14「海の豊かさを守る」の実現に貢献する活動です。以下に、学祭における取組をご紹介いたします。

・プラスチックゴミの削減

-提供される食事のサイズを制限し、使い捨て食器や容器の使用を減らす

-ドリンク用のコップを使い捨てのプラスチックからリユース食器へと変更する

-装飾に使用されるプラスチックやビニール素材は、すべてリサイクル可能なものを選択する

・環境問題への意識を高め、行動に繋げる活動

-ブースやワークショップ、ゲーム、集会などを通じて、来場者が海や環境の問題について考える機会を提供する

-学祭の収益の一部を海洋保護団体に寄付する

 上記の取組については、当校ウェブサイトのニュース&イベントで公開しており、誰でも閲覧することができます。

ⅳ学校コミュニティによる「フードロス削減」協力

 当校の目黒キャンパスでは、目黒区におけるフードロスを削減する取組であるフードドライブに定期的な寄付を行っております。フードドライブとは、家庭で余っている食品を集め、地域の福祉施設など食品を必要としている方々に届ける仕組みであり、SDGs2「飢餓をゼロに」に貢献する活動です。教育活動に留まらず実際の問題解決者として行動することを重視し、2か月に1度、通学家庭から学校に集められた食品を目黒区に届けております。

ⅴ奨学金制度の設置

 当校の高等部では、日本のみならず世界中からの高い目的意識を持った生徒のために奨学金制度を設置しております。これにより、優秀な生徒が教育の機会を失うことなく学習を開始・継続することが出来ます。当該制度は、ⅱと同様に、SDGs4「質の高い教育をみんなに」の実現に向けた活動となります。

 また、当校は子どもたちの教育に留まらず、次世代の教員育成にも力を入れております。都留文科大学、国際基督教大学、デンマークの大学コンソーシアムに加え、メルボルン大学とも教育実習の共同実施契約を締結し、インターンシップの機会を提供し、日本に留まらない世界の地域社会に教育面で貢献いたします。

(5)当社グループの人的資本について

 私たち当社グループは、「世界で活躍する人材を育成する」ことをミッションとして掲げ、人々が自身の能力を最大限に発揮し、世界で活躍しつづけることを支援してまいりました。

 そのために私たちのビジョンである“Lifetime Empowerment(生涯学び続け自分をアップデートする学習プラットフォームの提供)”に基づき、生涯活力の源泉となるプラットフォームを形成し、人々が持つ潜在能力を引き出し、生涯を通じた教育と成長の機会を提供することを目指しています。

 当社グループは、人的資本を重要な資源と位置付け、組織の成長と競争力向上において不可欠な要素として認識しています。以下に、当社グループの人的資本に関する重要な情報と取組について開示いたします。

① ダイバーシティ&インクルージョン

 国内グループ全体においては、約30カ国の多国籍な社員で構成され、男女比率は3:7となっており、一定の多様性を確保しております。人材の多様性は、当社のミッション・ビジョンを実現していくうえで重要な事項と認識しており、多様な人材が知のネットワークを形成していく環境を追求してまいります。

ⅰ女性管理職比率

 グループ全体での女性管理職比率は、2023年3月31日時点で41.7%を達成しております。

 

管理職数

うち

女性管理職

女性管理職比率

目標

2028年度

当社

25

4

16.0%

40%

国内グループ会社

23

12

52.2%

維持

海外グループ会社

12

9

75.0%

維持

グループ全体

60

25

41.7%

50%

ⅱ子育て支援

 女性の育児休業後の職場復帰は100%を達成しております。産後パパ育休取得者は2名(対象者6名中)となっておりますが、育休取得を推奨しており今後更に改善してまいります。

② 社員が一体となった経営への参画

ⅰタスクフォースによる社員の参画

 当社は2023年10月1日付で㈱AOBA-BBTに社名を変更する予定でありますが、そのプロセスにおいても海外のグループ社員も含めてタスクフォースチームとして参画し「私たちの約束/Our Commitment」を作成、制定いたしました。また、今後は行動指針の制定においても参画し、社員と経営が一体となった会社運営を目指しております。

ⅱ経営情報の継続的な提供

 当社は毎月、全社員が参加することができる全体月次業績報告会を行っております。本報告会では社長自らが経営状況を社員に説明し、会社の状況や課題をリアルタイムで社員に共有しております。また、週次においても社内の新たな取組等を共有する機会を設けており、社員自らが経営への参画意識を醸成できる取組を継続的に実施しております。

③ 社員の成長への機会提供・育成

 当社は社内のコンテンツの受講を推奨しており、当社においては一人当たり年間123.1時間(正社員)のコンテンツ受講を実現しております。語学・リーダーシップ・論理的思考などのコンテンツが受講可能となっております。特に毎週120分間配信している「大前ライブ・アワー」においては、時事問題の本質を考える内容と共に、RTOKS(Real-time On-line Case Study)では実在する企業を取り上げ経営課題を考えるコンテンツとなっており、社員自らが成長し活躍できる人材となる機会を提供しております。

 また、MBAの受講制度を導入しており、当事業年度においては本制度を利用して3名の社員がビジネス・ブレークスルー大学大学院のMBAを取得いたしました。本制度はBONDーMBAの取得も対象としており、グループ全体にも展開しております。

 当社での研修等受講状況

 

受講者数

総研修時間

受講対象者

平均受講時間

語学研修

32名

1,280時間

145名

(正社員)

8.8時間 a

リーダーシップ

論理的思考 他

23名

1,776時間

145名

(正社員)

12.2時間 b

映像研修

(毎週配信)

190名

19,380時間

190名

(非正規社員含む)

102.0時間 c

 正社員一人当たり年間受講時間 123.1時間(a+b+c)

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