AZ-COM丸和ホールディングス 【東証プライム:9090】「陸運業」 へ投稿
企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは、これらのリスクを影響度や発生頻度に鑑み適切に把握し、迅速に対応するため、取締役副社長執行役員を委員長とし、常勤取締役及び執行役員等を委員とするリスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会では当社グループにおけるリスク管理方針や抽出したリスクの状況把握及び施策等を決定し、定期的に取締役会にて報告をしております。
リスク管理委員会を中心として、これらのリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合には迅速かつ適切な対応に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
① コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、貨物自動車運送事業法をはじめとする各種法令による規制を受けており、各事業にかかる主要な許認可等は以下のとおりとなります。同時に、会社法、金融商品取引法その他様々な法律、規制、条例等の規制の適用を受けております。
当社グループでは、コンプライアンス経営を最重要課題として認識し、基本方針である「AZ-COM丸和グループ行動憲章」「行動ルール」を制定し、当社グループ一丸となって法令遵守体制を推進しており、役職員への教育研修を随時実施し、企業倫理の向上及びコンプライアンス体制の強化に努めております。
現時点におきましては、当該免許の取消事由は発生しておりませんが、将来、各種法令に違反した事実が認められた場合、監督官庁より車両運行の停止、事業の停止、許可の取り消しや罰金等の処分を受ける場合があります。また、今後においての各種法令等の違反が発生した場合、当社グループの企業イメージの低下や発生した損害に対する賠償金等の費用負担が生じる可能性があり、これらの事象が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
主要事業の許認可等の概要
許認可等の名称 | 法律名 | 監督省庁 | 有効期限 | 取消事由 |
一般貨物自動車運送事業 | 貨物自動車運送事業法 | 国土交通省 | 期限の定めなし | 同法第33条 |
第一種貨物利用運送事業 | 貨物利用運送事業法 | 国土交通省 | 期限の定めなし | 同法第16条 |
第二種貨物利用運送事業 | 貨物利用運送事業法 | 国土交通省 | 期限の定めなし | 同法第33条 |
倉庫業 | 倉庫業法 | 国土交通省 | 期限の定めなし | 同法第21条 |
産業廃棄物収集運搬業 | 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 | 環境省 | 許可後5年間 | 同法第14条の3の2 |
貨物軽自動車運送事業 | 貨物自動車運送事業法 | 国土交通省 | 期限の定めなし | 同法第36条第2項 |
② 大口取引先の変動のリスク
当社グループでは、物流機能の一括受託(3PL)を主たる事業としているため、特定の取引先に対する依存度が高くなる傾向にあります。当社グループとしましては、販売先の多様化に努めるとともに、これらの取引先と良好な信頼関係を構築し、安定した成長を目指してまいります。
当社グループでは従来より顧客ごとに異なるニーズにきめ細かく対応することにより、差別化を図ってきており、今後も競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めてまいります。現時点において、大口取引先との関係は良好に推移しておりますが、予期せぬ事象による取引契約の変更、契約解消等が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③ 原油価格の高騰のリスク
当社グループは、貨物自動車運送事業を行っております。世界的な原油価格の高騰に伴い軽油燃料価格が上昇した場合には、運送コストの増加は避けられません。このため当社グループでは燃料業者と良好な関係を維持し、価格交渉を行うと同時に取引先との運送コスト増加相当分の料金交渉を進めるなど、軽油燃料における調達コスト低減に努めておりますが、価格交渉の不調や運送コスト増加相当分を料金に転嫁できない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
④ 重大な事故の発生のリスク
当社グループは、貨物自動車運送事業を営む上で多くの事業用車両を保有し、多種多様な製品の輸配送を行っているのと同時に、物流事業では多くの従業員等が物流センターにて業務に従事しております。どちらも万が一、人命に係わる重大な事故が発生した場合には、顧客の信頼及び社会的信用が毀損するとともに、行政処分や労働安全衛生法違反などの刑事罰を受ける可能性があります。このため当社グループでは安全担当部署を中心とした、巡回指導による運行管理の徹底、事故防止勉強会の開催、各事業所に配置・任命したセーフティ・アドバイス・リーダーによる安全運転の指導並びに労務担当部署を中心とした労働災害防止プロジェクトによる全社的な労災事故防止対策の実施等に積極的に取り組んでおりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑤ M&Aに係るリスク
当社グループは、新規及び既存事業の拡大を図るとともにM&Aを積極的に活用し、企業価値向上に努めております。M&Aの実施にあたっては、外部専門家も交えてデューデリジェンスを実施し、客観的に、事業の成長性、シナジー効果や特定の顧客等への依存度などを検証しております。企業価値算定時には、将来の事業環境等を勘案して事業変動リスクを想定し、算定委託先に対しても情報共有することで適正な企業価値算定ができるよう努めております。意思決定においては、社内規定に基づき投資委員会による出資額等の十分な協議を経て、取締役会にて社外取締役等の中立的な外部からの識見も含め協議を行い決定しております。しかしながら、社会環境及び事業環境の変化、PMI(経営統合プロセス)の遅れやその他予期せぬ事態により当初計画から大幅な乖離が発生する場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 重大な災害の発生のリスク
当社グループは、数多くの物流センターを運営し、顧客企業の製品やそれらに関わる情報を取り扱っております。火災・地震・風水害などの災害や停電の発生等により、輸配送経路の遮断、物流システム停止等の事態が発生した場合、業務の停滞を招く可能性があります。このため当社グループでは災害の未然防止に関する取組みや災害発生時における対応方法として、過去の災害などの経験を活かし、本社を始めとする事業所ごとに策定している事業継続計画(BCP)に基づく行動(吉川本社の代替機能、物流センター出荷拠点の変更等)や発生時における「災害対策室」や「災害対策準備室」の速やかな設置等の対策に取り組んでおりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 情報システム管理に係るリスク
当社グループは、各種物流サービスの提供に際し、機密情報や個人情報等を取扱っており、物流センターにおける情報管理はシステム化をしております。当社グループではIT担当部署を中心に「情報セキュリティ・ポリシー」に基づき、社内教育を通じてセキュリティに対する意識の強化や個人情報管理の徹底などに努めるとともに、ウイルスの監視、ファイヤーウォールによるセキュリティ対策やバックアップセンター機能の構築、サーバールームへの非常用発電機の配置などシステムダウンへの対策を講じております。しかし、情報の外部漏洩やデータ喪失、個人情報の紛失などの事態が生じた場合、当社グループに社会的信用の低下を招くだけでなく、損害賠償請求を受ける可能性があります。また、自然災害のほか、コンピュータウイルスやハッカー行為等により、長期間にわたるシステムダウンを余儀なくされた場合には、これらの事象は当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 設備投資に係るリスク
当社グループの物流事業運営上、物流センターは重要な設備であり、継続的に事業を拡大していくためには、取引先数及び商品取扱量の増加に合わせた物流センターの新設・拡張などの設備投資が必要となります。しかしながら、大規模な設備投資を行った場合、本格的な稼動に至るまでに一定の期間を要することにより、費用が先行的に発生する可能性があります。
当社グループでは、大型設備の投資を行う際には、検証機関として投資委員会を設置し、十分な審議・検討を行うと同時に、定期的に取締役会が審議状況の報告を受けることで状況の把握に努めています。
現在、当社グループでは、本社所在地である埼玉県吉川市の東埼玉テクノポリスの拡張をはじめ、北葛飾郡松伏町の新規物流センター等、物流センター建設用地(農地含む)を先行取得しております。しかしながら、許認可取得や用地買収交渉の遅延等により設備投資が計画どおりに進まない場合や受注機会の喪失等により計画が予定どおり実現できない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 資金調達のリスク
当社グループは、物流センターの増設などの設備投資を継続しており、主に金融機関からの借入金を充当しており、2024年3月31日現在の有利子負債は41,795百万円となっております。現時点では金融機関との関係が良好であることから必要な資金の新規調達に懸念はございませんが、将来、経営成績の急激な悪化や社会環境及び金融情勢の大きな変動等、何らかの理由により金融機関との関係が悪化するなどして資金調達に支障が生じた場合には、これらの事象は当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。このため当社グループでは、資金調達方法の多様化を図ることで当該リスクの低減に努めております。
⑩ 環境に関する規制のリスク
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、有害物質の取扱い・除去、廃棄物処理などを規制する様々な環境関連法令の適用を受けています。このため当社グループでは多数の事業用車両を保有していることから、運転職に従事する従業員についてはエコドライブの研修を受講することで日常より燃費向上は当然のこと、CO2排出量削減に留意した運転を心がけるよう、運行管理者を中心として指導を行っております。また、廃棄物処理においては、当社グループが行っております産業廃棄物収集運搬業を通じたネットワークにより信頼できる処理業者へ委託を行うこととしており、当社グループは各種法令に細心の注意を払い事業活動を行っていますが、今後において、法改正等による環境に関する規制の強化や費用負担の増加又は、過去・現在及び将来の事業活動における賠償責任等が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 人材の確保及び育成リスク
当社グループは、今後更なる業容拡大に対応するため、新卒・中途採用ともに継続した人材の確保及びその育成が急務となっております。このため新卒採用においては、インターンシップの実施やオールリクルート体制による積極的な採用活動を行うことにより、優秀な人材の確保に努めるとともに、定期的な面談や人事異動の実施、教育研修制度の充実を図ることで、やりがいのある職場環境づくりを進め、将来の管理者の育成に注力しております。しかしながら、今後人材獲得競争の激化に伴う求人の増加等により、計画どおりの人材の確保が困難となった場合や、在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの業績及び経営体制に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 経営陣の確保及び育成リスク
当社グループ役員は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしております。これら役員が業務執行できなくなった場合、並びに今後において重要な役割を担う人材を確保できなくなった場合には、当社グループの業績及び経営体制に影響を及ぼす可能性があります。このため当社グループでは、次世代の経営者育成に向けた「社長育成プログラム」による後継者育成プランを実行すると同時に、幹部候補者より子会社の非常勤役員を選出し、経験を積ませるなどの方策を実施することで、日頃より後継者の育成に努めております。
⑬ 感染症の感染拡大によるリスク
当社グループは、感染症拡大防止のため、検温実施、マスクの着用、手指の消毒にはじまり、WEB会議等の活用による会議・研修等における参加人数の制限並びに出張の自粛や多人数での会食禁止、一部時差出勤・在宅勤務の導入等の各種対策の実施により、感染拡大に留意した事業活動の徹底に取り組んでまいりました。現在、新型コロナウイルスは5類感染症へ移行されており、社会生活への影響は少なくなりつつあるものの、今後変異株の発生などにより、当社物流センター及び本社施設にて集団感染が確認された場合、顧客企業の物流や本社機能が停止し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
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