AZ-COM丸和ホールディングス 【東証プライム:9090】「陸運業」 へ投稿
企業概要
(1)サステナビリティに関する考え方
当社はサステナビリティ経営の実現を重要事項と認識し、事業活動を通じて社会的責任を果たし、中長期的な企業価値向上と持続的な成長を実現すべくマテリアリティ(重要課題)を特定し、激変する環境・経済・社会の総合的な課題解決に取り組むための4つのマテリアリティテーマを設定し、CSV(Creating Shared Value:社会との共有価値の創造)を実現できる21世紀型のマネジメント体制の実現を目指しております。
(2) サステナビリティに関する取組
①ガバナンス
当社はサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識し、サステナビリティ委員会を中心とするガバナンス体制を構築するとともに、取締役会による監督を行っております。
≪取締役会による監督体制≫
取締役会は、当社のサステナビリティに関するリスクと機会に係る課題について、毎年一回、サステナビリティ委員会より取組状況や目標の達成状況の報告を受け、モニタリングします。また、新たに設定した対応策や目標を監督します。
≪サステナビリティに係る経営者の役割≫
サステナビリティに係る事項は、代表取締役社長が統括します。また、代表取締役社長はサステナビリティ委員会の委員長としてサステナビリティに関する課題が事業に与える影響について評価し、対応策の立案及び目標の設定を行い、達成状況の管理を統括します。
≪サステナビリティ委員会≫
サステナビリティ委員会は、当社のサステナビリティに係る事項を含むマテリアリティ(重要課題)の特定やESG(気候変動対策・人的資本戦略・ガバナンス等)、DX、資本コスト経営への対応を含むサステナビリティ戦略及び中期経営計画の策定について審議し、取締役会に答申します。
サステナビリティ委員会の委員長は代表取締役社長が務め、常勤取締役、取締役副社長執行役員が指名した者において構成され、サステナビリティに関する課題が事業に与える影響について、毎年一回評価を行い、識別したリスクの最小化と機会の獲得に向けた方針を示し、対応策の検討・立案及び目標の設定を行います。また、目標の達成状況を審議し、毎年一回、取締役会に報告し、監督を受けています。
≪サステナビリティに係る所管部署≫
サステナビリティ推進部は、サステナビリティ委員会の事務局を担当するとともに、サステナビリティ戦略に係る企画・立案及び管理を行い、全社的なサステナビリティに係る対応の推進を担い、サステナビリティ戦略を検討・立案し、サステナビリティ委員会に提言します。
当社グループのサステナビリティに係るガバナンス体制図は、以下のとおりです。
②戦略
a. 気候変動に係る戦略(TCFD提言に沿った情報開示)
事業活動に影響を与えると想定される気候変動リスク・機会について特定し、財務インパクトの評価を実施し、その評価結果を踏まえ、特に影響の大きいリスクの軽減ないし機会の獲得に向けた対応策を検討しております。
区分 | 種類 | 想定される気候変動リスク・機会 | 事業活動への影響 | 時間軸 | 評価 |
移行 リスク | 政策・法規制 | GHG排出/削減に関する法規制の強化 | 炭素税や新たな税制(カーボンプライシング)導入によるコストの増大 | 中期 | 大 |
排ガス規制等の導入による事業活動の制限、協力会社(傭車)の減少 | 中期 | 中 | |||
技術 | GHG排出/削減に配慮した設備投資・消耗品の購買 | 低炭素車両の導入(EV/FCV)、付帯設備の投資(機器・土地)、排ガス抑制装置の増設 | 中期 | 大 | |
太陽光発電設備等の導入に伴う設備投資の増加 | 中期 | 中 | |||
市場 | 顧客・消費者ニーズの変化 | 気候変動に係る顧客の取引先選定基準への未適合による取引停止(売上・利益の喪失) | 長期 | 大 | |
インフラ整備の不足・遅延 | 充電・水素ステーション等のインフラ整備不足による低炭素車両(EV/FCV)による事業範囲の制限 | 中期 | 大 | ||
地政学的リスクによる燃料価格の高騰 | 燃料(ガソリン・電気等)価格の高騰によるコストの増大 | 短期 | 中 | ||
評判 | 情報開示不足による企業価値毀損 | 気候変動対策・GHG排出量等の情報開示不足による株価低迷・企業価値の毀損 | 中期 | 大 | |
物理 リスク | 急性 | 激甚災害の発生 | 被災エリアの物流網(トラック・鉄道・船舶等)の寸断、センター機能不全、従業員の死傷等による事業停止 | 長期 | 中 |
慢性 | 平均気温の上昇 | 遮熱装置・空気循環・冷房設備等の設置による新規センター開設時の建設コストの増大 | 短期 | 中 | |
気象パターンの変化 | 気象災害(風水害・雪害等)による従業員の死傷、交通網の遮断、事故の多発等 | 中期 | 中 | ||
機会 | 資源 効率化 | 輸送手段の多様化 | 環境負荷の低い輸送手段による新たな事業機会の創出(鉄道コンテナ、RORO船、航空貨物、連結トラック、ドローン輸送等) | 長期 | 大 |
製造・流通プロセスの効率化 | 拠点集約やサプライチェーンの垂直統合による物流効率化による新たな事業機会の創出(SIPスマート物流、シェアリングストック、共同物流、客貨混載) | 長期 | 大 | ||
製品・ サービス | 新たなサービスの開発 | 災害時の車両提供、サプライチェーン復旧支援、災害備蓄品の輸送・保管、BCP策定支援等のリスク対応商品の開発 | 中期 | 中 |
b. 人的資本に係る戦略
≪人材の育成に関する方針≫
当社は、創業以来「人の成長が企業の成長」という理念の下に、特に人材育成に注力してまいりました。仕事の本質を追求し、世のため人のために働くことで周囲を幸せにできる誠実な人物を育てる「知・徳・体一体教育」に取り組み、階層別の役割や求められる能力・行動など、目指す人材像を明確化しております。
この様な人材を確保・育成するために、採用体制の整備・強化を図り、経営トップや現場の一般社員も採用活動に携わる「全社オールリクルート体制」を推進し、優秀な新規学卒者の採用と即戦力となる中途社員の採用による人材の確保に一層取り組んでおります。また、1997年に設立した社内大学校(丸和ロジスティクス大学)など、階層別・職種別の充実した研修体系の整備と各種資格取得の推進による人材育成に取り組んでまいります。
また、人材の多様化を図るべく、女性、外国人、職歴など、様々な人材の確保を継続するとともに、性差などによる差別のない平等な社内研修の受講を推進し、多様性の形成に配慮した人材育成に取り組み、組織の創造性を高めてまいります。
当社グループの人材の育成に係る教育体系図は、以下のとおりです。
≪社内環境整備に関する方針≫
当社は、従業員の自律的なキャリア形成を支援し、多様な人材が活躍できる社内環境整備に取り組んでおります。その一環として人材育成のDX化などを推進し、全従業員が主体的に学習できる環境・仕組みづくりと適切な情報提供に向けた、「人材育成プラットフォーム」の構築に取り組んでまいります。
評価・報酬制度においては、職群・資格等級制度を明文化し、従業員自らが成長を望む方向性と人事評価制度(目標設定・実践・評価)とを連動させた「人材育成マネジメントサイクル」を運用することで、多様なキャリアパス、働き方を促すとともに、従業員の経営参画意識を高め、新規事業の創出や経営理念の実現を目指してまいります。
また、従業員の多様な働き方を促進すべく、年間休日数の増加を進め、従業員のワークライフバランスを充実しやすい環境を構築してまいります。同時に育児に携わる従業員への支援活動の一環として、育児休業への理解促進を社内へ啓蒙し、育児休業取得率の向上に努めてまいります。
更に、快適な職場環境・安全配慮義務の形成のため、労働災害防止のためのプロジェクトを推進しており、現業部門と管理部門が連携しながら労働災害ゼロのための活動に取り組んでおります。加えて、安全・安心で働きやすい職場づくりのための設備投資も適宜実施してまいります。
③リスク管理
サステナビリティに係るリスクの管理は、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会にて識別・評価し、定期的に取締役会に報告しております。
≪サステナビリティに係るリスクを識別・評価するプロセス≫
サステナビリティ戦略の推進を所管するサステナビリティ推進部にて、社内の関係部署及びグループ会社に係るリスク及び機会の特定を指示し、リスクを識別し、サステナビリティ委員会に報告します。
サステナビリティ委員会は、識別されたサステナビリティに係るリスクについて評価し、重要度に応じて対応策を検討したうえで、目標を設定し、取締役会に報告します。
取締役会は、サステナビリティに係るリスクについて、対応策や設定した目標を監督します。
≪サステナビリティに係るリスクを管理するプロセス≫
サステナビリティ推進部は、サステナビリティ戦略の企画・立案及び管理を行い、全社的なサステナビリティに係るリスクへの対応を推進するとともに、取組状況をサステナビリティ委員会に報告します。また、識別したサステナビリティに係るリスクについて、リスク管理規程に基づきリスク管理委員会に報告します。
サステナビリティ委員会は、識別・評価したリスクの最小化に向けた方針を示し、サステナビリティ推進部を通じて社内の関係部署及びグループ会社に対応を指示します。また、対応策の取組状況や設定した目標の進捗状況について、取締役会に報告します。
≪組織全体のリスク管理への統合プロセス≫
定期的に開催されるリスク管理委員会にて、各リスク所管部署からの報告内容を評価し、全社リスクの把握と適切な対応を審議し、取締役会に報告します。
サステナビリティに係るリスクについてはサステナビリティ推進部を所管部署と定めて報告を受け、組織全体のリスク管理の観点から適切な対応を決定します。
取締役会は、リスク管理委員会からサステナビリティに係るリスクを含む統合したリスク管理の状況と対応について報告を受け、監督を行います。
機関・組織 | 機能・役割 |
取締役会 | ・気候変動に係るリスクの管理状況についてサステナビリティ委員会及びリスク管理委員会より 報告を受け、監督する。 |
サステナビリティ委員会 | ・気候変動に係るリスクを評価し、対応策を検討し、目標を設定する。 ・識別されたリスクの最小化に向けた方針を設定し、対応を指示する。 ・対応策の取組状況や設定した目標の進捗状況を取締役会に報告する。 |
リスク管理委員会 | ・組織全体のリスク管理の観点から対応を決定し、取締役会に報告する。 |
サステナビリティ推進部 | ・社内の関係部署及びグループ会社に気候変動に係るリスクの特定を指示する。 ・リスクを識別し、全社的な気候変動に係るリスクへの対応を推進する。 ・識別したリスクをサステナビリティ委員会及びリスク管理委員会へ報告する。 |
当社グループのサステナビリティに係るリスク管理プロセス図は、以下のとおりです。
④指標及び目標
a. 気候変動に係る指標と目標(TCFD提言に沿った情報開示)
気候関連リスク・機会を管理するための指標として温室効果ガス(Scope1・2・3)排出量を指標と定め、中長期的な温室効果ガス排出量削減目標を設定し、目標達成に向けて取り組んでおります。
項目 | 基準年 | 2022年度実績 | 目標年 | 目標値 |
Scope1 | 2022年度 | 40,467 t-CO2 | 2030年 | 25%削減 |
2050年 | 75%削減 | |||
Scope2 | 2022年度 | 12,365 t-CO2 | 2030年 | 25%削減 |
2050年 | 75%削減 | |||
Scope3 | 2022年度 | 365,083 t-CO2 | 2030年 | 25%削減 |
2050年 | 75%削減 |
※当社は、2022年10月1日より純粋持株会社体制に移行しております。それに伴い算定対象の変更を行ったことから基準年の設定を2022年度に変更しております。但し、各目標年度の目標値の割合は変更せず2022年度実績に対する目標値とします。
※2022年3月にファイズホールディングス㈱、同年7月に㈱M・Kロジを連結子会社化したことにより、2022年度から両社を集計対象に追加しております。
※排出量は当社グループの事業規模に応じて増減するため、基準年である2022年度の排出量を各年度の売上高に比例させた排出量をBAU(未対策のまま事業成長した場合)と位置づけ目標達成割合を計算することとします。
※現在の目標値はパリ協定の WB2℃目標に則って変更前の基準年である2020年起点で設定したものですが、今後はSBTイニシアチブの基準(1.5℃目標)を含め目標値の見直しを検討してまいります。
※2035年度までにScope3カテゴリ1に該当する主要なサプライヤーに対し、自主削減目標を設定するよう支援します。
※TCFD提言に基づく開示の詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。(https://www.az-com-maruwa-hd.co.jp/sustainability/)
b. 人的資本に係る指標と目標
≪人材の育成に関する指標と目標≫
項目 | 基準年 | 2022年度実績 | 目標年 | 目標値 |
1人当たり年間平均教育研修受講回数 | 2022年度 | 1.03回 | 2030年 | 1.90回以上 |
丸和ロジスティクス大学卒業生数 | 2022年度 | 802名 | 2030年 | 1,600名 |
資格保有者数① JILS認定資格 | 2022年度 | 112名 | 2030年 | 200名 |
資格保有者数② ビジネスキャリア検定 | 2022年度 | 824名 | 2030年 | 1,500名 |
※丸和ロジスティクス大学:1997年に設立した階層別・職種別の研修を実施する社内大学
※JILS認定資格:日本ロジスティクスシステム協会主催の認定資格
※ビジネスキャリア検定:日本職業能力開発協会(JAVADA)主催の厚生労働省が定める職業能力評価基準に準拠した検定
≪社内環境整備に関する指標と目標≫
項目 | 基準年 | 2022年度実績 | 目標年 | 目標値 |
LMS利用率 | 2022年度 | 49.60% | 2030年 | 98%以上 |
育児休業復帰率 | 2022年度 | 91.70% | 2030年 | 99%以上 |
男性の育児休業取得率 | 2022年度 | 19.80% | 2030年 | 85%以上 |
労働災害強度率 | 2022年度 | 0.14 | 2030年 | 0.06以下 |
有給休暇取得率 | 2022年度 | 72.90% | 2030年 | 80%以上 |
※LMS:Learning Management System(学習管理システム)。インターネットを通じて提供されるeラーニングを用いた人材教育を管理、運用するプラットフォーム。
※労働災害強度率は、期間中に発生した労働災害による延べ労働損失日数を同じ期間中の全労働者の延べ実労働時間数で除し、それに1,000を乗じて算定しております。
≪中核人材の多様性確保に関する指標と目標≫
項目 | 基準年 | 2022年度実績 | 目標年 | 目標値 |
管理職に占める女性労働者の割合 | 2022年度 | 7.01% | 2030年 | 10%以上 |
女性社員全体に占める女性管理職比率 | 2022年度 | 4.38% | 2030年 | 5%以上 |
外国籍社員数 | 2022年度 | 36名 | 2030年 | 80名以上 |
正社員に占める外国籍社員比率 | 2022年度 | 0.90% | 2030年 | 1.5%以上 |
女性社員採用率 | 2022年度 | 17.13% | 2030年 | 25%以上 |
中途社員採用率 | 2022年度 | 60.74% | 2030年 | 65%以上 |
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