麻生フオームクリート 【東証スタンダード:1730】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、独自の建設施工技術を通して「社会のニーズを満たし」、環境に調和する社会資本整備の充実と安全を担保する土木構造物の補修・補強や長寿命化に貢献すること、「企業価値の向上」に邁進し、社員・顧客・株主の満足度を一層高めることを企業使命としております。また、経営の姿勢としまして、「WE DELIVER THE BEST」:社会及び事業環境が大きく変遷する時代に、創業以来培ってきた「安全第一の精神」と「揺るぎない信頼」及び「独自の施工技術」を核に、常に新しい価値提案をし続けることとしており、基本姿勢としては以下のとおりです。
・お客様が求める安心に対し、常に「現場の安全」を最優先に考え行動する。
・お客様にとり、満足度が高い「品質」と「経済性」を提供する。
・施工技術の深化(進化)と新たな技術開発に取組み、企業価値向上をはかる。
・社会の環境変化に対応するための柔軟な社内体制構築と技術革新をはかる。
(2)目標とする経営指標
当社は経営基盤の強化をはかるためにはフリーキャッシュフローの堅実な向上が重要と考え、本業の営業利益を重視しております。また、スチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードなどを踏まえ、自己資本当期純利益率13%の実現を中長期的な経営指標の目標にしております。当事業年度におきましては、引き続き赤字決算となりましたが、今後も中長期的に自己資本当期純利益率13%の実現を目指してまいります。
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
建設業界におきましては、リニア中央新幹線、北海道新幹線、高速道路リニューアルプロジェクト、大阪IRリゾート計画、首都圏再開発等の大型プロジェクトが控えており、また防災・減災、国土強靭化の国の対策などがあり、国内建設投資は堅調に推移すると考えられております。また長期的には建設投資の中心が、民間を含め維持・補修の時代になると推測されております。新型コロナウイルス感染症の取扱い変更により経済活動の活性化が期待されますが、ウクライナや中東情勢問題の長期化や円安の進行による資源・原材料価格の動向などから、国内景気の先行きには不安定な状況が見受けられ、建設業界におきましては、引き続き建設資材価格の上昇や労務単価の高止まりなどによるコスト上昇懸念、加えて受注競争の激化が予測されます。また建設労働者の高齢化、人離れ、管理技術者・技能労働者の後継者不足と慢性的な人材不足に陥っており、人材の確保、生産性の向上が建設業界におきましては課題となっております。
当社は、主に下請での受注の専門工事業者であります。主力の気泡コンクリート工事は土木分野におけるニッチ市場ですが、要求される条件に対しての配合や施工技術(長距離圧送)、施工体制で競合他社に優位性があり、気泡コンクリート工事市場での当社のシェアは高く、受注先も大手・準大手・中堅ゼネコンや地方ゼネコンなど数が多く、大きな偏りはありません。一方、地盤改良工事は市場は大きいですが、競合工法との価格競争が激しく、当社保有工法の技術性能の優位性が活かしきれておらず、保有施工機械数や施工体制にも課題があり、また当社の地盤改良工事の認知度も低く、受注先も少なく偏りがあります。
これらの状況を踏まえ、当社としましては、会社の成長と企業価値の向上を目指した2022年度(第62期事業年度)~2024年度(第64期事業年度)の三か年中期経営計画を策定いたしました。
しかしながら、計画初年度の2022年度(第62期事業年度)の実績が数値計画に対し大幅な未達成となったことから事業環境を精査し、2023年度(第63期事業年度)及び2024年度(第64期事業年度)の数値計画を見直しましたが、2023年度(第63期事業年度)も遺憾ながら下方修正しております。
当社の主力工事である気泡コンクリート工事につきましては、パイオニアとして品質を高めるための気泡コンクリートの物性についての基礎研究や、用途拡大をはかるための各団体とのプロジェクトへの参画、生産性を高めるためのICT等の活用も含めた施工機械の改善等、研究開発に注力してまいります。また気泡コンクリート工事は、公共工事の比率が高く公共工事の増減に影響を受けやすいため、提案営業を強化し民間需要の掘り起こしを一層推進するとともに、案件情報の収集力強化のため、コンサルへの当社工法・材料のスペック活動を中心とした上流営業を推進してまいります。地盤改良工事につきましては、当社が成長するためには重要な事業と考えており、受注の増加をはかるとともに施工能力の強化、利益率の改善が必要であります。そのため気泡コンクリート工事と地盤改良工事の営業と工事それぞれの一体化に取組んでおり、今後も一層の融合を推進し営業展開力と施工能力を高めてまいります。また施工機械への設備投資も積極的に行うとともに、受注形態として一次下請を目指してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
日本各地で頻発する地震や台風・豪雨による甚大な災害発生に対し、国による対策として「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」が進められており、公共投資は底堅く民間建設投資も堅調に推移しています。
しかしながら、当社業績は案件の発注情報や工期情報の収集力不足などから、遺憾ながら3事業年度続けての赤字決算の計上となり、早急な業績の立て直しが課題となっております。
主力工事である気泡コンクリート工事は、当社のシェアは高いものの土木分野におけるニッチ市場であり、受注拡大のためには市場創造が必要となります。そのためには、社会の環境変化によって求められる建設投資ニーズに対応することが重要であり、当社といたしましては技術開発活動への取組みを一層強化してまいります。
また、営業力の強化が喫緊の課題となっており、コンサルへの提案・スペック活動に注力し需要創造をはかるとともに、案件情報収集力を強化してまいります。
地盤改良工事につきましては、受注が低迷しており、再度事業戦略を検討してまいります。
なお当社の成長には、営業力と施工力の強化が必要であり、人材の確保・育成にも一層注力し取組んでまいります。
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