阪和興業 【東証プライム:8078】「卸売業」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は経営理念として、『私たちは、時代と市場の変化に迅速に対応し、「流通のプロ」として顧客の多様なニーズに応え、広く社会に貢献します。』を掲げております。
この理念の下、顧客第一主義を掲げ、付加価値を高めた商品の流通や顧客ニーズに即応した提案型サービスを提供するユーザー系商社として、「存在感ある商社流通」を追求し、すべてのステークホルダーからの評価・支持を得られる企業価値の向上に努めます。またコンプライアンスを重視し、事業を通じて国際社会や地域社会に貢献することで、「企業の社会的責任」を果たしていきます。
(2) 業績目標ならびに中長期的な経営戦略
当社グループは、持続的な企業の成長、高収益な事業体質及び安定的な財務基盤の確立を図るため、事業セグメントごとの取扱数量、経常損益ならびにグループ全体でのネット負債倍率(Net DER)などを経営上の重要な管理指標としております。
2025年3月期の通期業績目標は、売上高は2兆8,000億円、営業利益は610億円、経常利益は600億円、親会社株主に帰属する当期純利益は430億円としております。
また、当社グループでは、2023年度から2025年度までの3か年にわたる「中期経営計画 2025」を推進しております。
中期経営計画の概要は以下のとおりです。
《テーマ》
『Run up to HANWA 2030 ~いまを超える未知への飛翔~』
《定量目標》
最終年度(2026年3月期)
経常利益 | ROE(株主資本利益率) | DOE(株主資本配当率) |
700億円 | 12.0%以上 | 2.5%下限 |
Net DER(純負債資本倍率) | 累計投融資枠 | 連結鉄鋼取扱重量 |
1.0倍以下 | 800億円 | 1,700万t |
本中期経営計画では、「サステナビリティ経営」を基礎に、「経営基盤の強化」(1階)、「事業戦略の発展」(2階)、「投資の収益化」(3階)という3階建ての構造のもと、 さらなる成長を支えるための基盤強化と既存の枠組みにとらわれない事業戦略の推進により、2030年度も見据えた持続的な成長への取り組みを進めております(計画の進捗は、本報告書の「4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容⑤ 中期経営計画の進捗分析」、ならびに2024年5月10日発表の「2023年度(2024年3月期)決算説明資料」をご参照ください。)。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後の経済環境は、高インフレの鎮静化を踏まえた各国の金融緩和政策への転換が予測されるものの、ウクライナや中東を中心とする地政学リスクやインフレ圧力の再燃懸念もあり、不透明な状況が続くものと想定されます。
当社グループとしましては、このような事業環境の中においても、各事業分野における需要動向を的確に把握し、取引先のニーズを反映した適切な販売・在庫政策を進めるとともに、国内外で新規取引先を積極的に開拓することにより、業績の維持・向上に注力していく所存です。
当社グループの対処すべき課題としては、以下を認識しております。
営業面においては、国内では加工機能などを活かした高付加価値営業を一段と進めるほか、「そこか(即納、小口、加工)」戦略の全国的な展開やグループ会社における資産や物流網の有効活用などを推進し、縮小が見込まれる国内市場においてもシェアの拡大と収益性の向上に努めてまいります。また、海外では東南アジアを中心に地産地消型ビジネスの拡大を図るほか、戦略的パートナーとのアライアンスの強化や戦略的投資からの利益の確実な獲得により、グローバルでの収益力の強化を図っていきます。
経営管理面では、キャッシュ・フローの重視や資本効率の向上など財務規律に基づく長期的な成長のための基盤強化を図るほか、取締役会の運営方針の見直しなども含むコーポレート・ガバナンス体制の高度化を進めていきます。また、リスクマネジメント部を中心としたグループ統合的なリスク管理体制の構築、基幹システムの更新やHKQC(Hanwa Knowledge Quality Control)活動の推進などを通じ、収益の取りこぼし防止や業務品質の向上に引き続き努めるほか、幅広い知見を有する人材の育成や多種多様なステークホルダーとの積極的な対話などにも取り組んでまいります。
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