長野計器 【東証プライム:7715】「精密機器」 へ投稿
企業概要
当社グループは、「社是」及び「一芸を極めて世界に挑戦」の企業理念のもと、環境、社会、ガバナンスの社会課題に取り組み環境への配慮、社会の充実、グループ企業統治等を強化し、中長期的な企業価値の向上を図っております。
当社グループは、2023年5月12日公表いたしました第2次中期経営計画の3ヵ年を、「モノづくりのあくなき探求心を礎に強靭な経営基盤を構築し、社会的課題への貢献と企業価値向上に取り組む」をスローガンに2030年度の指標となる成長フェーズに繋げる重要な期間と位置付け、事業活動を通じてグループの中長期的な企業価値向上と経営の根幹を支える経営基盤を強固なものにするため、このサステナビリティ・ESG経営を推進してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、サステナビリティ基本方針に基づく重要課題の取組内容、重要目標(KPI)等に関する承認・決定、進捗管理・見直し審議、取締役会への報告を行うサステナビリティ委員会を設置しております。
サステナビリティ委員会の位置付けは、第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要をご参照ください。
当社グループは、リスクマネジメント委員会において、「気候変動」を事業リスクとして位置付けております。
さらに、気候変動に関連する項目は、サステナビリティ委員会およびその下位組織である環境管理委員会でTCFDまたはそれと同等の枠組みに沿った分析・評価を実施し、リスクマネジメント委員会と連携し、取組を推進してまいります。
当社の取締役会は、サステナビリティ委員会で審議を経たサステナビリティ活動計画の実施状況の報告を受け監督する体制となっております。
(2)戦略
①サステナビリティ基本方針
第2次中期経営計画の根幹をなすサステナビリティ・ESG経営を実現するために、この基本的な考え方であるサステナビリティ基本方針を新たに策定し、2023年2月の取締役会で決議いたしました。このサステナビリティ基本方針をもとに、経営資本を効率的に投下するため、サステナビリティに関する重要課題を選定し、その主要施策を策定し取組んでまいります。
サステナビリティに関する重要課題及び主要施策は以下のとおりです。
投下する資本 | 重要課題 | 主要施策 | |
財務資本 | 環境(E) | 環境と調和する 事業活動 | ・GHG削減活動の推進 ・環境負荷低減製品の開発・供給(GX)推進 ・廃棄物・有害物質抑制製品の開発・供給 |
製造資本 | 社会(S) | 人間尊重と多様性 | ・女性・中核人材等における多様性の確保 |
社会・関係資本 | 活力ある職場環境 | ・人材育成と社内環境整備への取組 | |
知的資本 | 社会との融合・ 地域発展の貢献 | ・サプライチェーンマネジメント・腐敗防止の構築 | |
人的資本 | ガバナンス(G) | 透明・健全・公正な企業活動 | ・グループガバナンス強化への取組 ・サステナビリティへの取組と開示 ・DX化の推進とサイバー・データセキュリティの強化 |
自然資本 |
②女性・中核人材等における多様性の確保
ア.基本的な考え方
当社グループは、女性の活躍促進を含む社内の多様性(ダイバシティ)の確保が、会社の持続的な成長・発展の為に不可欠であると認識しております。また、長野計器グループ企業行動憲章の「人間尊重」において、あらゆる企業活動において、社員の多様性、人格、個性を尊重すると宣言しており、多様性尊重の方針を明確にしています。
当社は多様性の確保に関し、女性の管理監督者の積極的登用を目標に、以下の施策へ継続的に取組んでいます。
・男女ともに仕事と家庭とを両立できる職場風土づくり
・性別ではなく業務適性を最重要視した人員配置の推進
・非正規社員から正社員への社員登用転換制度の積極的運用
併せて、多様な視点や価値観創造のため、他社からの中途採用も積極的に取組んでまいります
イ.人材の育成に関する方針
・経営戦略に照らし合わせた人事制度の改正によるマネジメントの強化含めた人材育成
・研修体系や人事配置における社員の自主性を考慮した体系の構築
・人材公募制度を積極的に活用した意欲ある社員の自律的なキャリア形成の促進
ウ.社内環境整備に関する方針
・ワーク・ライフ・バランスの実現で働く人の人生をより豊かにし、生産性の向上を図るために、システム導入による長時間労働の是正を図る。
・テレワークの推進はじめ柔軟な働き方ができる環境を整備するとともに、社員の意見や要望を反映した制度や社内規程の見直しを進める。
・2022年度認定された「健康経営優良法人」における取組施策をベースに、働きやすく活力ある職場環境を整備していく。
③ガバナンス
ガバナンスに関する基本的な考え方は、第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方をご参照ください。
(3)リスク管理
当社グループは、サステナビリティに関連するリスクについて、リスクマネジメント委員会で全社的なリスク管理を行うにあたり、リスクの発生可能性と影響度を勘案したうえでリスクの評価を行い、当委員会に報告しております。
当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、主な気候変動に関連するリスクの内容と対策は、第2 事業の状況 3.事業等のリスクをご参照ください。このうち、サステナビリティに関連するリスクと機会を識別し、重要課題と関連させたリスク要因と機会を評価し、かつその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと想定される事項は以下のとおりです。
① 気候変動に関するリスク
重要課題 | 内容 | 対応策 | ||
環境と調和 する事業活動 | リスク | 法政策・ 法規制 | ・炭素税導入による生産費用の増加 ・再エネ政策規制強化・再エネ使用による生産費用増加 | ・炭素税動向情報の取集 ・GHG排出削減活動の推進
|
市場 | 環境負荷低減製品の需要拡大による生産遅延・需要不透明 | ・市場動向戦略の策定 ・製造費用の価格転嫁 | ||
技術 | 環境負荷低減製品の技術開発の遅れ | ・環境負荷低減製品の技術開発の推進 | ||
評判 | 環境への取組開示の不足 | ・Web情報開示の充実 | ||
物理的 | ・異常気象による停電・断水・設備破壊・生産停止 ・BCPの準備不足 | ・代替発電の検討・設備更新・製造資源の確保 ・BCP全体計画の策定 | ||
機会 | 資源効率 | ・設備更新・維持、新規導入 ・GHG排出量の削減 | ・高性能設備の導入 ・GHG排出削減活動の強化 | |
エネルギー源 | 再生エネルギー導入検討 | ・太陽光発電等の検討 | ||
市場 | 低炭素製品における需要拡大 | ・水素・アンモニア向製品の 需要調査 | ||
製品・サービス | ・低炭素製品への資源集中 ・不採算製品からの撤退 | ・水素・アンモニア向製品の 開発 ・部材の見直し | ||
レジリエンス | ・BCP全体計画による被害軽減 ・IoT技術導入・ネットワーク補強
・生産活動の効率化 | ・BCP全体計画の策定 ・リモート勤務、遠隔操作の 検討 ・自動生産設備の導入 |
② 人材の確保及び育成に関するリスク
当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、人材の確保及び育成に関連する主なリスクの内容と対策は、第2 事業の状況 3.事業等のリスクをご参照ください。このうち、サステナビリティに関連する主なリスクと機会を識別し、重要課題と関連させ、かつその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと想定される事項は以下のとおりです。
重要課題 | リスク | 機会 | 対応策 |
人間尊重と 多様性 | ・採用難、熟練した経験を有する社員の退職による人材確保の困難 | ・各分野における人員確保により生産性向上、質の高い人材への採用 | ・各種媒体・ルートによる積極的採用の推進
|
・技能が継承されず生産性の低下
| ・新しい発想・発明または技能継承による重点分野への製品開発の促進 | ・部内異動(ローテーション)の促進
| |
活力ある職場環境 | ・技能継承・スキル向上への研修の遅滞、社員のスキル低下、モチベーションの低下
| ・社員間における競争力強化、キャリアアップの加速化
| ・社内育成方針・社内環境整備方針による取組実施 ・社内研修制度の充実検討 ・社内人事制度の見直しの推進 |
・技術力の低下における製品開発の遅滞、停滞
| ・優位性のある製品開発、新製品及び高付加価値製品の開発促進 | ・管理職・監督職の育成 ・スキル・経験の充実を目的とした制度の検討 | |
・語学力のある社員減少によるグローバルコミュニケーションの停滞・遅延
| ・グローバル人材の採用による海外グループ会社とのシナジー効果促進
| ・継続的及び系統的な英語教育の実施 ・海外地域間派遣・育成制度の検討 | |
・健康管理体制の整備遅延、取組の遅滞による社員の心身へのストレス増大に伴う退職、休職、生産性への悪影響、労働災害の増加 | ・ワークライフバランス、生産性及びモチベーションの向上
| ・健康経営優良法人における健康経営に関する取組の推進 ・サステナビリティ委員会下位組織の安全衛生委員会活動の推進 | |
・賃金体系の不備、見直しの遅延による社員モチベーション低下
| ・帰属意識の定着による業務改善、生産性の向上
| ・社内人事制度の見直しの推進 ・新規賃金体系制度の整備検討 |
(4)指標及び目標
当社グループは、第2次中期経営計画(2023年度-2025年度)において、GHG削減活動の推進及び女性、中核人材等における多様性の確保において、測定可能な目標を策定いたしました。その測定可能な目標においては以下のとおりです。
①GHG削減活動の推進
2030年度においてはGHG排出量を2013年度比50%の削減目標とし、その中間目標として2025年度に30%削減する(Scope1・Scope2当社単体)。
②女性、中核人材等における多様性の確保
2025年度において女性の監督職を監督職総数の20%以上を目標にする。
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