企業兼大株主長瀬産業東証プライム:8012】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、グループの総合力を結集し、新規事業創出のため、マーケティング活動に基づく新技術・新製品の開発と技術情報の発信を目的に研究開発活動を行っております。

NVC(New Value Creation)室では、AI、IoTや通信技術の中長期トレンドを見据えた新しい価値を創造することで、これまでグループになかったビジネスの仕組みを作ることを目指しています。SaaS型マテリアルズ・インフォマティクス支援サービス“TABRASA”、5Gネットワークインフラの低遅延化と処理性能をアクセラレートするIPコア“Axonerve”、非ノイマン型ハードウェアAIや五感センシング技術、ブロックチェーン技術によるトレーディングサポートシステム、医療画像系プラットフォーム、等の開発を推進しております。

 ナガセバイオイノベーションセンターでは、サステナブル社会の実現に向けて、独自技術の放線菌の育種・発酵技術:N-STePP®(注1)と大腸菌の育種・発酵技術:Nagase U-E’s Technology(注2)を活用して、現在は化学合成困難とされる自然界に存在する希少有用物質を持続性のある微生物発酵法で高効率生産できるように「プロセスイノベーション」(=Unavailable Made Available&Sustainable)を目指して取り組んでおります。発酵法は従来の抽出法や化学合成法に比べ、「安全・安心、高効率、環境にやさしい」と言う特徴があります。現在は、藻類由来の紫外線吸収物質(マイコスポリン様アミノ酸)、キノコや麦類に含有される希少抗酸化アミノ酸(エルゴチオネイン)、新規酵素、バイオ色素等の放線菌特有の機能性物質の発酵生産を検討しています。これらの有用物質を、機能性食品、化粧品、および工業用品として広く展開されるよう開発を進めると同時に毎年多数の特許を出願・登録しております。また、グループのバイオテクの総力を活かし、イノベーション創出に向けたテーマ創生を推進しております。このように当センターは、グループ独自の技術を活用して、グループの将来の事業を先導する新規事業の芽の創出をミッションとして、活動し続けております。

(注1)Nagase Streptomyces Technology for Protein/Precious Productsの略称、弊社の国内登録商標

(注2)Nagase Ultra E.coli Technologyの略称、弊社の国内登録商標

 ナガセアプリケーションワークショップ(NAW)では、プラスチック、コーティング材料の分野で原材料の評価分析、用途開発から、それら原材料を使った最終製品の処方開発を行うことができる設備と専門性の高い技術スタッフを有しております。取引先やグループ製造会社が持つ素材や加工技術を組み合わせ、グループネットワークを活かしたマーケティング機能で得た市場ニーズに応えるソリューション提案を行っております。新規材料や技術の目利きを行い、末端アプリケーションで求められる性能を満たす処方開発を行うことで、CMF(注)、機能性UP、Green材料開発等におけるお客様の課題解決をサポートします。また新しく3Dプリンティング材料開発体制を整備し、日本国内での市場拡大に貢献してまいります。これらの活動により当社グループ独自の商社業の差別化戦略を支えるとともに、商社が運営するラボならではの自由な発想でサステナブルな新規事業開発に貢献することを目指して活動しています。

(注)モノの表面を表すColor(色) Material(素材) Finish(加工方法)の略

 ナガセケムテックス㈱では、「バイオマテリアル」分野を育成事業領域の1つとして注力しております。なかでも、医療材料、医療機器分野における低エンドトキシン化ニーズに応えるべく、弊社独自のエンドトキシン除去・低減化技術を活用したビジネス展開を鋭意進めております。これまで、低エンドトキシンプルラン・ゼラチン・アルギン酸ナトリウムなどの素材をアルコフェリスシリーズとして順次リリースしておりますが、更なるラインナップの拡充へ向け開発を継続中です。また、エンドトキシンを除去低減 “したモノ” に加え、2022年度よりエンドトキシンを除去低減 “するモノ”(エンドトキシン除去低減用ミニカラム) や、エンドトキシンを除去・低減 “するコト” (エンドトキシン除去低減サービス) といった新たなビジネスを開始し、エンドトキシン管理に関するソリューション提供を進めてまいります。

 また、長瀬産業㈱、㈱林原と協業して、林原の有する酵素技術とナガセケムテックスの樹脂製造技術とを組み合わせ、澱粉を主原料とした高バイオマス度の高吸水性ポリマー(SAP)の開発を行っております。現在主流であるポリアクリル酸系SAPが、石油由来かつ非生分解性であるため、環境負荷が大きいという課題を抱えているのに対し、本開発品は、バイオ由来と生分解性により、環境負荷低減に大きく貢献することが期待されます。本開発は、従来実用化が難しいとされてきた澱粉由来のSAPにおいて、実用レベルの吸水特性を発現させる事に成功したもので、環境対応製品の開発に注力する企業や自治体などに向け新たなソリューションを提案して参ります。

INKRON Oyでは、独自のシロキサン合成技術により、光学デバイスおよび電子デバイス向け機能性材料の開発・製造を行っております。特に次世代デバイスとして開発が進む拡張現実(AR)/複合現実(MR)ウェアラブルディスプレイ向けの光学部品材料の開発が進捗しており、従来保有していた透明材料に加えて、黒色遮光材料も新たにラインナップに加え、ユーザーに幅広いソリューションを提供し続けております。ナガセケムテックス㈱にて長年にわたって蓄積してきたナノ粒子分散技術、量産化技術、品質管理システムとの補完的相乗効果により、次世代デバイス向け先端材料のグローバル供給を通じて顧客のイノベーションに貢献して参ります。

㈱林原では、食品はもとより、化粧品、医薬品・医療から、農業、工業分野に至るまで様々な領域において、「トレハ®」・「プルラン」・「ファイバリクサ®」をはじめとする糖質製品を広くご利用頂くべく、研究開発活動を行っております。注力商品である「トレハ®」や「AA2G®」については、3年ぶりに「第24回トレハロースシンポジウム」を開催し、また、ロンドンで開催されたIFSCC(国際化粧品技術者会連盟)が発行する学術誌「IFSCC Magazine」サステナビリティ特集に、パーソナルケア素材についての総説を投稿するなど消費者の認知度を上げると共に、さらなる機能性表示食品への展開ならびに新規用途開発活動を強化しております。新規素材については、新たな機能性製品として良質でキレのよい苦味を持つ、柑橘由来の高水溶性味質改善素材『ナリンビッド®』を上市しました。引き続き、微生物からの新規酵素生産菌の探索を行い、独自酵素を用いて生み出される素材、あるいは微生物発酵によって製造される素材の研究開発を進めております。さらに、新たな素材を次世代の主力製品として育成するために、特許・知財戦略も考慮しながら、製法検討を進め、市場分析、有用な利用法の提案、アプリケーション開発等の活動を推進しております。一方、機能性色素の研究開発活動としては、保有する豊富な機能性色素ライブラリーを活用しながら、写真・印刷刷版等の工業分野に加えて、色素の耐久性の改善による用途拡大、現在伸びている医薬品や検査薬等のライフサイエンス分野への展開に注力した開発活動を継続しております。

 なお、当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

機能素材

274

加工材料

1,009

電子・エネルギー

2,295

モビリティ

146

生活関連

1,549

全社(共通)(注)

479

合計

5,755

(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。

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